子宮頸がんワクチンについて・続

おはようございます。京都です。

午前8時、京都駅の近くのホテルの部屋からの写真です。停まっているたくさんの車には「京都市上下水道局」と書いてありますので、建物は水道局でしょうか。8時でも、もうたくさんの人が電気を点けて働いているのが見えます。京都の公務員さん、朝早くからすごいなあと思います。


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今日は、福井の中学3年生に話しに行きます。来月も福井に、また再来月は京都教育大学生に話に行きますので、このホテルに泊まります。駅から近いし、じゃらんでお安いし、ポイントもつくし、私にとっては、ここが一番のホテルです。

さて、子宮頸がんのお話です。WHOだけでなく、多くの世界的な団体から、日本に対して早く積極的勧奨を再開せよと勧告していますし、日本産科婦人科学会、小児科学会なども早く再開せよという声明を発表しています。

ちょうど昨日、日本産婦人科医会がWHOの安全性の評価の発表を受けての声明を発表しましたので、それをそのまま添付しますね。


平成 29 年 10 月 10 日
各 位

HPVワクチンの安全性に関する最新情報 WHO ワクチン安全性諮問委員会(GACVS)における安全性の再評価

公 益 社 団 法 人 日 本 産 婦 人 科 医 会  会 長     木 下 勝 之   がん部会担当常務理事 鈴 木 光 明

[はじめに]

我が国で積極的な接種勧奨が一時中止になったままであるHPVワクチンは、その安全 性に関して、国際的に、科学的医学的に安全であることが証明されている。今日では、政治 的問題になって久しい我が国の現状に対して、本年6月7‐8日に開催されたWHOワク チン安全性諮問委員会(GACVS)において、改めてHPVワクチンの安全性が評価された。
そこで、最新の会議録*よりその要旨をまとめたので、HPVワクチンの医学的事実によ る安全性を再度確認していただきたい。


[我が国のHPVワクチン勧奨中止から今日まで]

HPVワクチンは本邦では 2013 年4月から定期接種として導入され、12 歳から 16 歳(小 学校6年~高校1年相当)の女子が公費助成を受けられるようになった。 その後、因果関係は不明だが、本ワクチン接種後に持続的な疼痛と運動障害などの有害事 象報告がメディアから繰り返し報道されたため、定期接種化されて僅か2か月後に厚生労 働省は、本ワクチンの積極的な接種勧奨の一時中止を決定した。

厚生労働省による副反応検討部会を中心に議論が重ねられ、「ワクチン接種後の多様な症 状は接種後局所疼痛が惹起した機能的身体症状とするのが適切」との結論に至っている。 しかし、現在(2017 年 10 月現在)もなお、積極的な接種勧奨中止の状態が続いている。 そのため公費助成対象である女性の 70%以上が接種していた本ワクチンの接種率は急落し、 現在は1%にも満たない低接種率となっている。


[WHOの動き]

一方、世界保健機関(WHO)は、現在までにHPVワクチンの安全性について注意深い 検証とモニタリングを続け、ワクチン接種とそれに伴う多様な症状もしくは慢性疼痛など の疾患との間には生物学的・疫学的なエビデンスが認められず、日本でのHPVワクチンの 勧奨中止を憂慮する旨の声明を重ねて発表している。 本年6月7‐8日に開催された WHO ワクチン安全性諮問委員会(GACVS)において、改め てHPVワクチンの安全性が評価された。

<GACVS 会議録 要旨**>

・HPV ワクチンは 2006 年に認可されて以来、現在までに2億7千万本以上が供給。
・アナフィラキシーのリスクは 100 万回接種あたり約 1.7 人。
・ギラン・バレー症候群(GBS)の発症リスクは 100 万回接種あたり 1 人以下。 (最新の英国 1040 万回接種の大規模研究、米国 270 万接種データより)
・複合性局所疼痛症候群(CRPS)、体位性頻脈症候群(POTS)、早発卵巣不全・原発性卵 巣機能不全、静脈血栓塞栓症などとの因果関係は否定。 (米国、デンマークの大規模調査より)
・妊娠・分娩への影響、また胎児奇形への影響もみられず。 (デンマーク:540,805 人、米国:92,000 人以上の妊婦対象調査より)
・CRPS、POTS あるいは疼痛、運動障害を含む多様な症状との因果関係を示す科学的根拠は ないと結論。 (日本における全国疫学調査:多様な症状は、女子だけではなく男子にもみられた。ワ クチン接種者だけではなく非接種者にもみられた。)
・ワクチン接種者、非接種者間での様々な転帰を比較した数百万人規模の安全性に関する 研究成績の蓄積。
・HPVワクチンが積極的に勧奨されていない日本における子宮頸がんによる死亡率増 加の見込み (1995 年-2005 年にかけて 3.4%増加、2005 年-2015 年にかけて 5.9%増加)
・問題となる新たな有害事象は認められず、今回の会議で示された新しいデータからも、 HPVワクチンの安全性を再確認。


[おわりに]

HPVワクチンの安全性に関して膨大なデータがあるにもかかわらず、まことしやかな 症例報告や根拠のない主張に社会の注目が集まっていることから、GACVS は「今なお続いて いる根拠のない主張の影響によってワクチン接種率が低迷するなど、真の害悪をもたらす ことを懸念している。」と繰り返し日本の現状に憂慮を示している。


*:World Health Organization: Meeting of the Global Advisory Committee on Vaccine Safety, 7–8 June 2017 Wkly Epidemiol Rec 2017; 92: 393-402. http://www.who.int/vaccine_safety/committee/reports/June_2017/en/ **:邦訳による要旨であり、内容に関しては英語原文が優先される。

ヨーロッパやオセアニアなど世界中ではどんどん接種しているし、その効果ももう見える形で出ています。今や子宮頸がんはアジアの病気、日本も含めたアジア人が罹り、アジア人が死んでいるといわれています。この病気を予防するワクチンができているのですから、早く接種の積極的勧奨を再開してほしいと、切に望みます。

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子宮頸がんワクチンについて

子宮頸がんワクチンについて、ワクチン接種は中断されていると受け止められているようですが、いまも公費負担での接種は続けられています。三回接種すると5万円近くかかります。それが無料なのですね。この頃、あのワクチンは実のところどうなのでしょうと尋ねられることが多くなりました。副反応とされるものが大々的に報道され、こわいワクチンというのが定着しているようです。
でも、副反応とされるものは、思春期にありうる症状が、すべてワクチンのせいにされているのでは?という声もだいぶ聴けるようになり、徐々に分かって頂いていると実感しています。
私は、低用量ピルや緊急避妊薬や、そして世界で100か国めにやっと認可された子宮頸がん予防ワクチンなどを、悪者にし、反対をしてきた勢力・団体の運動の方法を見て来ています。

世界中でこのワクチンがどんどんうたれ、WHOや世界産科婦人科学会が日本に対して早く積極的接種を再開せよと勧告するその文章も読んでいます。ですから、うったほうがいいという私の思いは揺るぎません。若い人がどんどん子宮頸がんに罹り、子宮を失い、また亡くなって行くという現状を見てきていますから。
名古屋市が大々的に行った副反応の調査、はじめに「接種した人と接種しなかった人たちとの症状の発症に差はなかった」という発表をし、その後、なぜかその発表が消え、そのうち、生の数字のみが発表されたというこの不可思議な出来事。以下、名古屋市の発表した素数です。オッズ比は一つ一つ自分で計算しなければならなくなっていますが、でも、全く差がないどころか、ワクチンをうった人のほうが発症は少ないというデータなのですね。

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副反応としてここに上がっているものは、名古屋市単独ではなく、厚労省(正しくは医薬品医療機器総合機構)として認定しているものなのですね。そもそも、ワクチンの副作用として月経不順や月経異常や体がだるい、すぐ疲れるなど、たくさんの思春期に起こりうるものも入っている点に違和感を覚えていました。

信州大学が行ったというワクチンを打ったマウスの脳に自己抗体が沈着しているという発表。ニュース23だ大きく取り上げました。夫は、こんな発表をしているよ」と心配して教えてくれました。それでも、私は揺るぎませんでした。そのうち、これは厚生労働省が発表した声明です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou28/tp161124.html


平成28年3月16日、地域において適切な医療を提供するという観点から、池田班、牛田班の研究の成果(主に治療成果)を、協力医療機関等の医師に対して情報提供を行うために成果発表会を開催したところ、池田班より、HPV ワクチンを接種したマウスのみに自己抗体の沈着を示す陽性反応があった、との報告がありました。これに対して、一部報道よりねつ造の指摘があり、また池田修一教授が所属する信州大学が外部有識者による調査委員会を設置して調査しました。

 この度、信州大学の調査が終了し、以下の内容が公表されました。

  • マウス実験は、各ワクチン1匹のマウスを用いた予備的なものであった。
  • 予備的な実験であったため、結果の公表に際しては特段の配慮がなされるべきであった。
  • 池田氏が発表で用いたスライドには、マウス実験結果を断定的に表現した記述や、自己抗体の沈着、といった不適切な表現が含まれていた。
  • 前述より、マウス実験の結果が科学的に証明されたような情報として社会に広まってしまったことは否定できない。
  • 池田氏に対し、混乱を招いたことについて猛省を求める。

 厚生労働省としては、厚生労働科学研究費補助金という国の研究費を用いて科学的観点から安全・安心な国民生活を実現するために、池田班へ研究費を補助しましたが、池田氏の不適切な発表により、国民に対して誤解を招く事態となったことについての池田氏の社会的責任は大きく、大変遺憾に思っております。

 また、厚生労働省は、この度の池田班の研究結果では、HPVワクチン接種後に生じた症状がHPVワクチンによって生じたかどうかについては何も証明されていない、と考えております。


厚労省は怒っています。もう少しこの件についてお話しますね。

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「医師の闘病から読み解く がんを生きる新常識」

昨日の休日は午後も夜も感動していました。午後からの弁護士会館での講演、「被害者の抱えるトラウマに寄り添う~より効果的にな支援をするために~」は、それは素晴らしかったのです。このアメリカの弁護士オルガ・トルフィーヨさんは、9月25日には16時30分から19時まで立命館大学朱雀キャンパスにて「児童希性虐待被害からの回復-実体験から弁護士が語る」と題して講演を行われます。ぜひぜひ多くの方に聞いて頂きたいですね。この講演については、またゆっくりとお話しますね。


今日は昨日の夜8時からのNHKBSプレミアム「医師の闘病から読み解く がんを生きる新常識」のお話を。素晴らしかったです。3時間にもわたる長丁場でしたが、ドラマ仕立ての実話も交え、全く飽きさせることなく、一気に見ることができました。写真はテレビを映したものです。


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がんはだれでもかかる、がんと告知されたら、セカンドオピニオン、手術だけでなく、抗がん剤治療、放射線療法、先端治療、自由診療、治療にかかるお金、死を見つめる、などなど。自ら厳しい闘病をしているドクターたちも、膀胱がんで余命宣告された竹原慎二さんや、現在闘病中の人もたくさん出演。


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とても希望が持てる、生きる勇気を与えてくれた番組でした。竹原君ががんの治療とは別に、海藻エキスを50万円もだしてのんだとか話して。ドクターたち、とりわけ浜中先生が「エビデンス(科学的根拠)のない治療はしません」とはっきり言い切って下さって本当にすっきりしたし。でも、家族などが心配して、これを飲めとかこれを食べろとか、いろいろと言ってくるのをどう断っていいのか、と、それも深刻でしたね。

浜中先生が25年も前からしていらっしゃる乳がん患者の会「のぞみの会」は今、会員が450人にもなっていると。患者同士が支えあう仕組みづくりの「パイオニア」として紹介されて、拍手しました。本当にそう。

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これからきっと再放送されると思いますし、山路さん情報だとオンデマンドでも見られるようになるとのこと。ぜひ皆さんも見てほしいです。自分自身、または身の周りを見ても、これからはがんとは無関係に生きることはできない時代だと思います。素晴らしい番組でした。

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気が重いこと④公務員の柔軟性

昨日の続きです。

私は、市の職員の方に「私はどうすればよかったのですか」と問いました。私たちが被るしかないのですかと。職員の方は「私費でしてもらって下さい」と言いました。18000円、後で市から却って来るのなら、それでもいいでしょう。でも、向こうはもうこれは無効ですというのです。

一人は上の子が病気で入院していて、もう一人はつわりがきつくて、保健センターに行けなかったというそれぞれの事情がおありの方で、そういう方は、市のサポートは受けられないと言うことなのですね。

 わかりました。これまでは問題がなかったことを担当が変わったら、とたんにこうなると言うことは、担当のあなたでは、話ができませんね。これは上司の責任でしょう。上司とお話しましょう。上司、局長ですか、局長と話せばいいですか?子ども未来局長ですね。局長に私が話に行きましょうね。

そしたら、職員の方は「これまではそうではなかったのですか?」と問われました。「はい、何も問題ありませんでしたよ。ちゃんと補助されておりました。あなたに代わった途端です。こんなおかしなことを言われるのは」

そしたら、上司に言うのはちょっと待って下さい。こちらでもう一度検討して見ます。またお返事しますから、と言われました。ので、待つことにしました。

それでも、なかなか返事はなく、その夜、考えました。少子化の時代、赤ちゃんを産んで育てようかという人には、行政として少しでもサポートできるようにと考えるべきなのに、これでは逆向しているではないか。一産婦人科医の損得の問題ではない、これからだってありうること、今度このような人が来たら、どう対応すればいいのか考えなければ。それに、私のクリニックだけでなく、おそらく他の産婦人科の申請にも、しっかり目を凝らして調べて、同様の電話をかけているでしょう。

私は、市会議員の方にお話しようと思いました。いきなり議会で追及と言うのではなく、市の局長に話しに行くのに、アポイントを取ってもらって、付き添いを頼もうと思いました。今外国に行っている友人の市会議員が帰って来たら、すぐに頼みましょうと、そう決めました。

そしたら、翌日、電話がかかって来ました。そういう事情があるのでしたら、補助は出します。送り返した補助のチケットをまた出して下さいと。担当が変わる時に引き継ぎを間違って捉えていました。すみませんでした、と。

わかりました、ありがとうございますとお答えしました。しかし、そこで考えました。もし、二度目の電話で私が怒らなければ、このことはずっと続いていたのに違いない、少なくとも、一度目の補助の無効はそのままになっていたことでしょう。

 そもそも、行政の職にある人は、規則と、住民の福祉をどうとらえているのでしょう。規則だからこれは補助できませんと送り返すという、その行為を平然とすること、その陰に、一人一人の住民にどのような事情があったのか、想像力を働かせることもないのでしょう。

杓子定規に決められたことに忠実に事を運ぶ、それが公務員の仕事だと思っているのでしょうか。住民のために柔軟に事を運ぶという、発想を持ってもらいたいと思います。

まだあります。DVで肋骨が折れるほどの暴力を受け、救急搬送され、その上後で妊娠していることが分かった人がいます。相手は逮捕、彼女は逃げて来て福祉のお世話になることになりました。人工中絶をすることになって、でもお金がありません。福祉の担当の人は、なんと「相手がいることですから、相手にお金を払ってもらって下さい」と言ったと、涙をこぼされます。DVの障害の被害者が加害者にお金を払ってほしいと言いに行けるわけがありません。この方のことは、まだ進行途中です。事態がはっきりしたら、たまご報告することが出来るかもしれません。つらい立場の人に寄り添う、柔軟な公務員の対応を望みます。

上の人に、究極の「忖度」をする公務員、最高の上司のために法律さえも捻じ曲げてしまう、その柔軟性を発揮する公務員の姿も醜いものですが。そうではなく、住民のために忖度してほしい物だと思います。少なくない税金を払っている立場からもそう思います。

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気が重いこと③母子手帳の補助

今日は、5月14日のブログでお知らせしたように、性教協広島サークルの例会で私がお話します。「女性の健康向上を阻む社会的圧力~性教育バッシング・ジェンダーバッシング~」です。準備万端。仲間たちに久々に会えるのが楽しみです。

さて、気が重いことの続きです。

妊娠をして出産を望まれる場合、母子手帳を取ってきて頂きます。妊娠のうんと初期に来院された場合、妊娠した袋、胎嚢と言いますが、それだけしか見えないこともあります。それから少しすると、胎嚢の中に胎児と胎児の心拍が見えるようになります。そしたら、正確な妊娠の週数と出産の予定日を出します。それを書いて、母子手帳をもらってきて下さいと指示します。胎嚢が見えるだけだと、胎児が育たなくって、流産する場合もありますが、心拍まで見えるようになると、流産率はかなり少なくなりますので、そこまで待って、指示します。母子手帳をもらって、いろいろと書類やパンフレットももらって、それから流産というと、かなりつらい物があるからです。

母子手帳は、住民票がある地域の保健センターに行き、予定日を言うと発行されます。今は、それにマイナンバーの番号も必要になっています。

母子手帳を持ってきていただくと、それに補助、行政のサポートが14回分ついていますので、それを利用して、いろいろな検査を行います。超音波などで胎児を見るだけでなく、血液や尿での検査、血液型、貧血や白血球、血小板の数、HIV、梅毒、風疹の抗体、B型肝炎、C型肝炎、不規則抗体、そして子宮頸がんの細胞診等。一回目の補助は18050円と、がん検診の3400円です。

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ある妊婦さん、第二子の妊娠ですが、上の子が病気になって入院し、付き添いと看病で母子手帳を取に行けなかったと来院されました。それでは、早く取りに行って持ってきて下さいねと言って、健診をしました。その5日後に母子手帳をとりに行ったのでと持参されましたので、補助の健診票をを切りました。後ほど、その票は、市に提出しました。それが2月のことです。
これまでも時々あることで、別に気に留めなかったのですが。

ところが、二か月後の4月、市から電話がかかって来ました。健診は2月10日になっていますが、間違いはありませんかと。はい、とお答えすると、それは母子手帳の発行の前に行われていますので、補助はできません。健診票はお返しします。再請求もできませんと。私たちはボー然です。では、そのお金はどうなるの?補助金をもらえなくって、提出した検査代、お金は私たちが持たなければならないってこと?もちろん、いまさらご本人に出してもらうなんてことはできません。

どうしようもありませんでした。これまでは、それが通っていたことなのに、行政の担当が変わると、突然、おかしなことが起こる、これまでも経験があったことなのですが、小さなクリニックにとって、18000円は痛いです。杓子定規なお役人の対応です。

むしゃくしゃしながら、何とかならないかと思い続けていました。

何にもできないでいたところ、また同じ人から電話がかかって来ました。やはり2月につわりがきつくて寝た切りで、母子手帳を取に行けなかったと言う方に健診をし、大きな病院に紹介しました。後でお連れ合いが母子手帳を持ってこられ、補助のチケットを切りました。その方も、補助は出せませんのでお返ししますと。

二人も。それも二か月も経って。私は、怒りました。で、電話に出て、またですかと反論しました。お二人も続くと、もう黙ってはおれませんと。

この方は、つわりがきつくて、保健センターまで行けなかったと言われます。では、私たちはどうすればよかったのですか、母子手帳がないなら、健診はできませんと帰って戴けばよかったのですか。「私費で検査をして下さい」なんと、母子手帳がないなら、18000円頂きますと言うのですか。18000円ですよ。

この項、続きます。

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気が重いこと①親の付き添い

 長く現場にいると、いろいろとやり切れない思いをすることは多々あるものです。私の中にフラストレーションとしてため込んでいるものも。それらを少しだけここに出しますね。

ある妊婦さん。結婚しており、第一子は無事出産し、第二子のおめでたです。しばらく私のクリニックで健診をし、初期の血液検査も全部済ませ、順調に経過しておりました。で、出産する病院に紹介をすることになりました。

この頃は、大きな病院はあらかじめFaxで地域連携室に紹介状を送り、病院から何日の何時に来院して下さいという返事がきます。その返事とあらためての紹介状を持ってその病院を受診します。

で、Faxを送ったのですね。今の妊娠週数、出産予定日、経産婦であることなども記載したものです。何にも問題なく受け入れられてもいいはずの妊婦さんです。

そしたら、その病院の地域連携室から電話がかかりました。この方は未成年ですから、保護者と一緒に来てもらって下さいと。確かに、彼女はまだ19歳です。早い結婚で、今は19歳で第二子の妊娠中です。

そのようなことを書いているのに、そしてそれを読んだ上で、「親と一緒に来てもらって下さい」と。

その電話を受けたナースが「では、結婚していらっしゃいますから、ご主人と一緒に行ってもらいます」と答えたと。

それを聞いて、私は「ちょっ待った」と言いました。そして、私が電話に出て、「そこに書いているように、この方は結婚していて、それも第二子の出産です。二人目の妊婦健診に行くのに、親が付いていかなくてはいけないなんて、そんなバカな。そもそも結婚した未成年は成年として扱われるのを御存じですか?」と言いました。

「それでは、産婦人科と相談して改めてお返事します」と言うことでした。しばらくして、そういう事情であれば、一人でこられても大丈夫ですとの返事がありました。

その件はそれで落着です。

でも、私の気は重いままです。

性教育に関わって、産婦人科医も長い間続けていて。「親の付き添い」が大きな課題でもあります。産婦人科ですから、いろいろと人に言いたくない事、特に親には言いたくないこともあり得ます。

でも、私たちの立場からは、とにかく「早く」受診をしてほしいのですね。一人で悩んでいる内にアッという間に時が経って、やっと受診した時には「もう遅すぎた」ということがとて怖いのです。

人工中絶が間に合わなくて出産しなければならない、でも育てられない、というのがその典型的なことです。

また、強姦された、早くに来れば妊娠の予防ができるけど、遅すぎて、そのレイプで妊娠、中絶をしなければならなくなったというのもあります。

「親と一緒でないと診てもらえない」「親には言えない」と、そこに一つのハードルがあります。

とにかく受診を、そこから先は、また一緒に考えましょう、そんなことを言い続けていても、肝心の同僚が、産婦人科医が、そんなことを言っている、はじめの段階で「親と一緒に来てください」と言っている。

受診しやすい産婦人科を。ハードルをどう下げればいいのか、そんなことを考え合い、話し合っていても、足元の産婦人科医が分かっていない。

未成年の受診、第二子の出産のための健診でさえも未成年だから親と一緒に来てくださいと、そう自動的に職員に言わせている、その事実から、とても気が重ーくなってしまっているのです。

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保健医療セミナー3.梅毒の増加について

  慈恵会医科大学の石地先生の講義より。ここの所、猛烈に梅毒に感染している人が増えているというお話。それも、これまで男性同士の性交で感染することが多いと言われていたのが、ここに来て、女性の感染者の増加が目立つと。

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特に、男性の感染者は40代、女性の感染者は二十代が多いと。異性間性交での感染ですね。石地先生は、風俗で働く女性が客の男性から感染し、それをさらに他の多くの男性に広げていると言われました。梅毒については、コンドームでは防げない物もある、たとえばオーラルでも、キスでも感染することがありますのでね。だから、本番なしの風俗でも感染が広がることもあり得るのですね。

診断と治療の要点も学びました。今、梅毒の患者さんを診たことがないドクターも多いことです。初期の症状を見逃すと、しばらく無症状となり、さらに進行してしまいますし、その間他人にうつすこともあり得ます。

私は、最近、二期のばら疹を勤務医以来、二回目にお目にかかりました。それ以外にも、性風俗で働くとても若い女性の梅毒も。それから、パートナーからうつってしまった人も。

東京、大阪、神奈川、愛知、埼玉、兵庫などの大都会で増えていると言っても、広島の私の小さなクリニックでも複数の患者さんを診ることになっています。

それから、先天梅毒も。2011年5例、12年4例、13年4例、14年9例、15年13例、16年14例と。梅毒は、妊婦さんすべてに検査するようになっているのですが、ここの所、未受診の妊婦さんも増えているからでしょうか。それには、若者を巡る貧困の問題、性教育の貧しさも関連していると思います。

私は、日々漫然と診療するのでなく、梅毒をしっかり頭に入れて対応しなければ、と自らを戒めました。

当日、日本家族計画協会の2017年2月発表の「第8回 男女の生活と意識に関する調査報告書~日本人の性意識・性行動~」の冊子も配布されました。ますますセックスレス化が進んでいるというデータも。子宮頸がんワクチンや、少子化の問題についての意識調査も。とても興味深いデータ満載です。もう少し、しっかり読んで、また、ご報告しますね。

私は、帰ったばかりなのに、急きょ今日の夜東京に行くことになりました。明日の休診日、東京でテレビの収録です。またお知らせしますね。

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東京にて。子宮内膜症・腺筋症。

 お早うございます。東京にいます。ビルだらけ。そのビルに朝陽が当たってきたところをホテルの部屋から撮りました。

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昨日は、子宮内膜症・腺筋症フォーラムに参加しました。

その後、娘と六本木のビルのお風呂に行き、岩盤浴やオイルマッサージをしてもらって、生き返りました。ここの所忙しくて、当日も、午前2時までクリニックで来週の講演の準備、資料作りをしていて、すっかり寝不足でした。今ホテルで少しホッとしています。

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ここの所、立て続けに医学の研修を受けたり、講演を聞いています。漢方でのめまいや自律神経失調症の治療、不妊症・対外受精について、そしてこの子宮内膜症・腺筋症についてなど。

医師を続けている限り、勉強をするのは当然ですが。いつもつくづく思います。世界中の人々が様々な病に取り組み、克服しようとしています。道を究めるというのは、すごい事、尊敬すること、私たちにとってありがたいことでもあります。それらの恩恵にあずかりながら、ただの町医者として日々患者さんに向き合っている私は、こんな道しか取りようがなかったけれど、これからはどうする?と。

講演は本当に楽しく素晴らしいものでした。

さて、子宮内膜症、腺筋症。そのつらさは、なった人にしかわからないとも言われています。ひどい月経痛、日頃の腹痛、腰痛、経血量の増加による貧血、そして不妊。

日本では、伝統的に月経痛は薬など使ってはいけないと根強く言い伝えられており、未だにひどい痛みを我慢させられている若い女性によく出会います。救急車で担ぎこまれる人の多くは、月経痛なのですね。その人たちの中には、子宮内膜症や腺筋症が進行している人たちも少なくありません。

本邦の調査によると、子宮内膜症で治療を受けている患者さんは、222218人、子宮筋腫の方は552441人。腺筋症の方は131946人。

 そして、日本の医療はとても優れていることも、改めて知りました。これらの病気の診断に必要で、私たちも気楽にオーダーしているMRIは、日本が世界一多く設置されていること。ヨーロッパの三倍近く。

そして、その治療も。以前はいわゆる主に低用量ピルで治療されていたのが、日本では、今では偽閉経療法やディナゲストなどを駆使して、もっとも先端の治療がなされていること。

私は、中学生に性教育の講演をする時にも、みなさんにこれから起こるであろう生理痛は、決して我慢して耐えようとするのではなく、医師に相談して、楽に過ごせるようにしましょうねということを話しています。そして、男性の諸君も、そのような苦痛を毎月耐えている女性に対してのいたわりを持つことの大切さも。これらをもっともっと言い続けなければと思いましたよ。

今日は、もう少し東京にいて、孫ちゃんに会って帰ります。もう今からワクワクしています。

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生殖補助医療(ART)の現状とその最新技術

昨日は、ハートクリニックの向田哲規先生の講演を聞きに行きました。これまでも不妊症の方の、ああ、この方は難しいなあという方については、ハートクリニックにお願いするようにしています。

その情熱が素晴らしくて。これまで、私が紹介した方たち、本当に沢山の方を妊娠させていただきました。無精子症の人も、養子を迎えたいと来られた海外の人も、若年だけれど、卵がもうできないという人も。

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今回お話を聞いて、その思いをさらに強くいたしました。何より、どんどんと前向きに進化させていらっしゃいます。

今、受精卵を培養していて、卵の分割の様子が一つ一つ、リアルタイムでカメラで見られるのだと。調子よく分割しているかが、モニターで自分の机で見ていると。そして、胚盤胞にまで行くと、凍結すると。できるだけ沢山凍結していて、患者さんの内膜をじっくり作って、一番いいタイミングでその受精卵を戻すのだと。今や、体外受精の77%は、凍結した受精卵で妊娠しているのだと。

向田先生は、その凍結の方法や顕微授精の方法を常に最前線で工夫をし、開拓してこられました。凍結については、農学部の牛の受精卵の凍結法を習って、人に応用して工夫したと。常に獣医界は人間の前を行っています。

全然レベルは違うのですが、人の精子を凍結するのに、昔、私は大学病院時代、牛の方法を習って、牛に使う凍結用のストローを買い求め、かつ混ぜる液をいろいろと工夫、開発して行ったものです。うまくいくようになって、凍結、融解、元気に泳ぐ精子を教授に見てもらって、うわー、元気に泳いでるではないかと、歓声を上げて下さった時、それはうれしかったものです。

いろいろと情熱を持って知識を得、考え、工夫し、前へ前へと進む先生を本当にすごい、素晴らしいと思いました。

私のできること、自分の所で、これは難しいと思った方は、できるだけ早く先生に繋ぐこと、それが一番いいと思いましたよ。

一つ、これは卵巣の余力を測るAMHの年齢による変化です。やはり年齢がかさむと、妊娠する能力は下がります。AMHが1を切ると、もう本当に難しいと。これは若い女性も知っておいた方がいいということですね。

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それから、受精卵の凍結だけでなく、卵そのものの凍結、これはなかなか難しかったのですが、先生の所ではもうクリアされていて、卵の凍結もしているそうです。これから、乳がんの治療をしなければならくなったとか、それから白血病で放射線療法や抗がん剤の治療をしなければならなくなったひとの精子の凍結も。

赤ちゃんを作ることに情熱を燃やし続けている先生を心から尊敬し、心良い感動に満たされました。ありがとうございました。

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男が逃げた場合。

お天気、大変な寒気だそうです。まだ広島ではまったく雪は降っていないのですが、夜にむけて降り出すのでしょうか。

昨日夜、冬用タイヤに換えてもらいました。道路が凍結していたら意味ないけれど、一安心です。でも、もし、あまりに雪がひどい様なら、大分に帰るのはやめようかなあ、また、できるだけ早くに帰るからと母に言おうかなあとも思っています。夕方まで待ってみてから決めます。

話は異なりますが。クリニックでは、いろいろな患者さんが、いろいろと話をして帰って行きます。この頃、お一人で赤ちゃんを産む人も増えてきました。男が逃げてしまった場合です。今、同時進行で何人もいらっしゃいます。

その中のお一人。まだ若い人ですが、産む決心で健診に来ています。彼は逃げてしまって、連絡もつきません。職場には、東京の消印で退職届を送ってきたと上司が言ったと。彼の実家で父親と話をしたと。これがひどいのです。

「彼はもう逃げてしまって、帰って来ないでしょう。息子のことは忘れて下さい」と言われたと。

忘れろと言ったって、その彼との赤ちゃんを産むのですから、忘れられるわけがありません。親までそんなことを言うのですから。

今、NHKの朝のドラマでもしていますが。

私は、彼女に言いました。逃げた彼を頼ることはできないね。ここまで逃げた男は追いかけても力にはならないからね。彼を頼らないで生きて行かないとね。今の内に少しでも、お金を貯めてね。彼女は頑張って仕事をしています。

もう少したったら、弁護士さんを紹介するつもりです。彼は、養育費を払うことが出来る状況にはないかもしれない、でも、その義務は生じるのですから。それと、認知については、これは強制です。それらの手続きをしてもらうつもりでいます。彼の実家が分かっているのですから、弁護士の立場で彼を追跡することはできるそうです。逃げたら、それですべて終わりというわけにはいきません。それを男には知ってもらいたいと思います。

それにしても、本当に逃げちゃうのですねえ。これも、ちゃんと教育ができていないため、私はそう思っています。それらをちゃんと中学生の内に話をしておきたいと考えています。

昨日は、とても久しぶりに会いに来て下さった人と一緒にお昼ご飯を食べました。そこで、彼女の結婚の報告を聞きました。うれしくて。突然で何にも用意ができていないので。食事の後、そごうの9階に行きました。

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ものすごいチョコレート。初めて行って、本当にびっくりしました。これはもう、異常と言うくらいだと思いました。あまりに沢山で、どうしたらいいのか分からなかったのですが、ベルギーのチョコを買ってとりあえずのお祝いにと彼女に渡しました。それにしても。先日の恵方巻きといい、今のバレンタインと言い、完全に商業ベースに乗っているのですねえ。

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