妊娠高血圧のこと。
6日の日曜日、朝10時から広島県産婦人科学会が開かれました。県内の病院に勤務する産婦人科のドクターたちの様々な発表が12演題。がん、産科、一般婦人科などの新しい知見、工夫、治療の進歩など、若いドクターたちの発表を聞くたびに、医療の進歩を実感します。そして、聴いて良かったなあ、勉強になったなあと。患者さんを診ている限り、勉強しなければと思いを新たにします。
そして、学会の総会、特別講演と続きました。講演は、熊本大学の産科学婦人科学講座教授近藤英治先生。演題は「周産期医療における先制医療」。先制とは何だろうと、興味津々でした。そしたら、
①高血圧合併妊娠
②子宮収縮薬に反応しない子宮出血
③帝王切開をどうしていますか
との三題だと。ふむふむと聞いていたら、びっくり仰天。これまでの常識をひっくり返されました。これは、皆さんにもお伝えしなければ。
かつて、妊娠中毒症と言われた疾患は、今は妊娠高血圧症候群と呼ばれます。妊娠20週から分娩後12週までに、最高血圧が140mmHgまたは最低血圧が90mmHg以上に上がる状態のことを言います。これは、母児双方にとても危険で、注意を要します。私自身も何度も怖い思いをしています。それが。今回、近藤先生は、妊娠の初期にその鍵があると言われました。世界中の沢山の文献、自らの調査から、
◎妊娠13週までに血圧を120以下にすること。14週からは、140/80までに下げること。メチルドパ(アルドメット)、ラべタロール、アムロジピンなどの降圧剤は胎児に異常をもたらさない。(ACE阻害剤、ARBは禁)13週、14週の胎盤形成までに薬を使ってでも、血圧を正常にすること。できれば、例えば不妊治療などをする際には、妊娠以前から血圧を正常にすること。血圧が高いと、胎盤形成不全が起こり、将来中毒症(妊娠高血圧症候群)を発症すると。
本当にびっくりしました。私は、妊娠初期の患者さんは、少々血圧が高くても、減塩や減量の指示だけで、様子を診ましょうと思っていました。妊娠が進んでからが危険なので。20週を過ぎてからの妊婦さんには高血圧に対して治療をしてきました。それが、その前から治療しておかなければならなかったのですね。
つい先日、10週で血圧が135の方があったのです。すぐ次の日に電話して、来て頂きました。そして、日曜日に学んだことをお話したのですが、その時には、血圧は低かったのです。やれやれでした。これからは、絶対に気をつけますね。
後の産後の大出血の話や帝王切開の話も、今でも私のトラウマになっていて、背筋が寒くなる思いで、お話を聞きました。私はもう卒業していますが。若い方たち、頑張ってねとエールを送りました・・。
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