今度行く中学校の事。

以前、私は学校での性教育は基本は教師がするもの、私たちはそのお手伝いをするものと書きました。

今度行く中学校の先生から、お手紙が来ました。この中学の3年生にお話しします。感動したので、許可を得て、ここに転載します。

〇生徒の実態

第3学年 60名(男子42名 女子18名)
 性に関することを学ぶ授業であっても落ち着いて学習することができる。分からないことや疑問についても恥ずかしがらずに聞くことができる生徒が多い。男女間の仲は比較的良く、グループワークをすると活発に学習する様子が見られる。
 同性間の身体的接触はかなり多く、特に男子ではじゃれ合いが日常茶飯事である。その中で、友だちのプライベートゾーンに触ることもある。また、友だち間や公衆の面前で性的な言動をしたりする場面もみられる。
 自分、相手の心と体を守るための正しい態度や知識を身につけさせたい。特に、妊娠・避妊に関することや性的同意については、高校生になる前により詳しく学んでほしいと思う。

〇保健・道徳などの授業において学習してきたこと
・男女の体の違いや仕組み
・プライベートゾーン
・性的同意
・デートDV
・ジェンダー(社会的性差)
・セクシュアリティ LGBTQ
・性感染症、エイズ

これはすごいと思います。中学校の授業の中で、これだけの事をすでに学んでいるなんて。いえ、ずっと前、まだバッシングの前には、こんな授業が行われていました。でも、バッシング以来、そして歯止め規定ができてそれがまだ生きている現在、なかなか難しくなって来て。でも、その中でこうして頑張って先生たち自ら生徒に伝えていらっしゃる。そして、高校生になる前に特に、妊娠・避妊に関することや性的同意については、より詳しく学んでほしいと言われています。私が話すべきことは、もう、明確になりました。ありがとうございます。

 私は今、この学校に行くのがとても楽しみです。

話は全然ちがうのですが。お盆休みの初めに東京に行って、娘と新大久保でかき氷を食べました。その時のレモンメレンゲがとてもおいしかったので、娘がお友だちとまた行ったと写真を送ってきました。お友だちはレモンメレンゲで、娘は今回はコーヒーメレンゲにしたのだそうです。

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メレンゲを焼いた後が美しいです。

中はこんなになっています。

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レモンのメレンゲの時は、中のかき氷のレモンの酸っぱさが、外のメレンゲの甘さとマッチして美味でした。今度のコーヒーのは、中はほろ苦くて、そしてメレンゲの甘さとマッチしているそうです。

ウーン、また行きたいです。でも、このメレンゲのは季節限定となっていたので、いつまでやっているものなのかわかりません。行った時にはもうしていなかったとなるのかも・・。

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山口セミナーでした。村瀬先生のお話。

 性教協山口セミナーでの村瀬先生のお話。私は後ろの方の席で聴いたので、写真も小さくしか撮れませんでしたが。先生の紹介は山口性教協の代表の池岡さんです。

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先生は、スライドは使われませんが、参加者にレジュメを配って下さいます。それを見ながらのお話しですが、事例もユーモアも豊かで、とても楽しく聴くことができました。

小さくて見にくいですが、みんなに配って頂いたレジュメです。こんな風なのを二枚と、おうち性教育始めますのレビューを二枚。

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 レジュメのタイトルと重要と思う一文を並べます。

1.「おうち性教育」は、どうしてこんなに多くの人に読まれているのか。Amazonには、2110のレビュー。

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 ・大人たちはどんな風に性について学んできたのだろうか。抑制と禁止が基本のパターナリズム。

2.敗戦後 民主主義への転換のもとで男女同権とか、平等への道のりは一定程度つくられてきた。しかし、「性」にはほとんど手が付けられなかった。明治以来の家父長制、男尊女卑。

3.その「意識」(祖母、祖父の時代)のいくつかを取り上げてみる。

 ①性行為のことなど言葉に出すのは、はしたない(下品な)ことである。
 ②男尊女卑—― 世の中、男性が中心で女性は陰にまわって男性を支えるのが望ましい。
 ③月経をはじめとして女性の性へのけがれ意識がある。
 ④性行為は男性のための行為であって、女性は受け身であるのが自然である。
 ⑤結婚前の性行為などあってはならない。
 ⑥男性の婚外の性は仕方ないが、女性の場合許されるものではない。
 ⑦性行為の目的は妊娠するためと男性の快楽のへの奉仕のようなものである。

4.その後、我が国の結婚や家族のあり方は、大きな変化に直面する。

1957年~1973年あたりに定着した恋愛結婚・寿退社・。安定した家庭のイメージ。(母・父の時代)

5.経済的安定を前提とした役割分担(分業)、経済を支える夫と家事育児を専業として担う妻との間に対等な関係は成り立ちえたか。
  皆婚社会から離婚社会へ、未婚率の上昇と出生率の低下、非正規雇用者の増加。

◎家庭の中で引き継がれる意識、価値観、言い伝えと学校での教育 
 「祖母の時代」は、男尊女卑、お互いに分かり合えない時代
 「母の時代」は、性別役割分担に基づいた支配・被支配の関係づくりの時代
  そして「子の時代」は、個と人権をベースにした、多様な関係づくりの時代ということになるだろうか。
  そして、そうした方向を持った子育て、教育、性の学びになっているのだろうか。

6.1994年、高校家庭科男女共修が始まった歴史的な意味。
 2023年、不同意性交罪の成立した歴史的意味。

◎役割分担そのものを全面否定することはない。問題はそこに(上下関係)(価値の大小)を持ち込まない横並びの相互の尊敬を貫くものであるかどうかである。

7.子どもたちに育てたい考え方、力
 (1)からだ(性器も含む)に対する肯定的な見方、理解(自分の、ひとの)
 (2)月経や射精など、性の変化について正確な理解(不潔、不浄の払拭)
 (3)プライベートパーツの理解、パウンダリーの考え方など、性と人間関係の学習
 (4)性的欲求への対応について
 (5)思春期の性、性の多様性について など
  性のよしあしは、「関係」のよしあし
   (性的欲求の自己管理-セルフプレジャーのとらえ方)
        (相互性、対等性という観点)
        (18才成人時代)-(性交合意年齢は16才)

8.私たちは、性の何を学ぶのか
 ①生殖の性
 ②快楽・共生の性—オーガズムにつながる身体的快楽
   一体感、安心感、ぬくもりとケアを伴う精神的快楽
 ③支配の性

9.不同意性交罪と私たちの性の課題
 私たちは相手の合意のもとで、安心、安全、快適な性関係を結んで来ただろうか。

以上、村瀬先生のレジュメを丁寧に読みながら、パソコンのキーをうつことで、私自身もう一度、先生からの学びを胸に入れ込みました。

 レジュメではありませんが、配布された中に、村瀬先生が出演されたEテレ「朝までラーニング」からの参考記載、これがとてもいいので。

心理的な性の快楽
 1.ふれあうぬくもりから安心感を得たい
 2.さわってさわられていい気持ちになりたい
 3.抱きしめ合って寂しさを癒したり、癒されたりしたい
 4.幼児のように甘えたり甘えられたりしたい
 5.緊張から解き放たれて戯れたい
   6.相手から喜ばれて価値ある自分を感じたい

これは、私の前に現れる、貧しいセックスを強制されている、まさに男性の性欲を満たすだけの性、これが彼のためなのだとしている少女たちに伝えたと思います。こういう、心が満たされる性が大切だよねと。

 山口サークルの皆様、村瀬先生、本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げます。

 

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山口セミナーでした。続き。

日曜日、山口セミナーは午前中は助産師村川尚子さんの実践発表「わたしが地域で行う性教育」~自分のこころとからだを大切にからだの権利を中心に~*グループワークを取り入れて*。午後から村瀬幸浩先生の講演「子どもたちが幸せに生きるための大人の性の学び」~性の何を学び生きてきたのかいくのか~の二題でした。

午前中は、グループワークを含むため、こんな席の配置で。ズームの参加も全国から。

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午後の村瀬先生の講義は、スクール形式でこうでした。いっぱいの人。広島からも四人に加えてもうお二人が参加。

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村川さんのお話しでいいなと心に残ったことをいくつか。

性と生をお話しするときに大切にしていること

1.科学的に事実を伝える。
2.人生をより「健康」に過ごせるようにポジティブに伝える。
3.世界を見て、多様性を見ていく。

自分のこころとからだを大切に あなたはあなたのままで大丈夫、を軸に。

性とは?
 人権   人間関係  ジェンダー平等   生殖・避妊・性感染症    性の多様性   からだの発達   暴力・安全

性は人権   人権とは、健康で、幸せに、のびのび生きるための権利

性的同意  性的な行為の際に、
      あなたの自由な意志で、
      はっきり「YES」「NO」を伝えること
      いつでもあなたの都合で、
      判断は変えることができる
性的同意の基本はコミュニケ―ション

そして、グループワークのテーマは、
  子どもたちに、外部講師と学校が、お互いによりよい”性”と”生”の学びを届けるために大切なこと
  それぞれのグーループで話し合って、その発表。

 私は、どうもこのワークショップが苦手です。みんなが話す、参加することができるということでは、たしかに大切な事だとはわかるのですが。でも、発表はどこも似たようなことばかりで、時間がもったいないと思ってしまうのです。みんなで発表しあえば、ここまで時間を取らなくって済むのだけど・・。

 でも、若い人の参加、取り組み、いいですね。どの分野でもですが、自分たちがしてきたことをどう次の世代につないでいくかということが、テーマになっています。村川さん、これまで山口性教協を担ってきた多くの先輩のたくさんの実践に学びながら、どんどん伸びて行って下さいね。基本がしっかりしているので大丈夫。頼もしいと思いました。

 村瀬先生の講演、明日にしますね。

 実は、特別養子縁組について、第三者評価が今度の日曜日、25日に迫っています。火がついて、さまざまな資料をプリントしたり、準備が大変で。特別養子縁組の取り組みは楽しいことなのですが、こういう雑事が本当にいや。

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山口セミナーでした。

山口での濃厚な二日間を終えて帰ってきました。

 17日土曜日は、広島からのメンバー4人が同じホテルに泊まり、6時半からの懇親会に参加しました。ホテルから歩いて10分という、周南市役所内のシビック交流センターで。山口性教協のメンバーによるきめ細かい配慮に感謝して。

 村瀬先生は、無事宇部空港に到着され、なんと一つ講演を済ませてこられたというお元気ぶりでした。でも、とても痩せていらっして。敦子さんが亡くなられて、なんと6キロもやせられたと。食べるのがおいしくないと。誰かと話しながら食べてこそ楽しいのだけどと。

 コロナ以来、みんなでのリアルの交流会は久しぶりと。カンパーイ。

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みんなが一人ずつ自己紹介の後、村瀬先生。

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 先生が、敦子さんが亡くなって一番しんどいのは、「お休み」という相手がいなくなったことと。お早うというより、お休みと言えないことと。58年もご一緒だったのだから。そして、そのお休みという相手をお嬢さんに依存したと。電話で毎日お休みと言うのだそうです。

 以前、小児科の熊谷晋一郎先生のお話を聴いた時、「自立するということは、依存先を増やすこと」と言われました。先生には、もっともっと依存先を作られたら、と思いました。そうしないと痛々しすぎます。

 さらに、敦子さんの病が厳しくなった時、敦子さんが、「私の最大の幸運は村瀬幸浩という人をゲットしたこと」と言われたそうです。思わず聞き直したら、もう一度同じことを言われて、先生は、思わず涙ぐんだと。その場の私たちも胸が痛い事でした。

 翌日の朝ごはんの時、もっといろいろとお話しを伺いました。息子さんのパートナーがクモ膜下出血で36才で突然亡くなったこと。それから10年、息子さんは一人でいらっしゃって、先生が敦子さんを亡くして、初めて息子の寂しさを実感したと言われました。

 山口のメンバーが一人ずつ抽選での席に置いて下さった折り紙。隣の岡山の黒瀬先生の象さんも頂いて。

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懇親会の最後にみんなで記念撮影です。

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 18日の山口セミナー、大盛況でした。またお話ししますね。

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明日は、山口セミナーです。

今日の夕方からは、山口に行きます。山口性教協が、村瀬先生をお呼びしてセミナーを開くと。これは行かなくっては。Img_1546 


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そして、うれしいことに、今日の夕にはこんな。

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ああ、もう長い間村瀬先生とお会いしていないなあ。時々私が困った時、またはらがたった時、お電話してお話しするくらいです。一昨日、大分からひろしまに帰る途中、村瀬先生からお電話がありました。

 先ず、「いろいろありました。」と。「そうですね。先生、大変なことでしたね。」と。先生は、今年三月、奥様の村瀬敦子さんを亡くされています。敦子さんとは、58年連れ添われました。敦子さんは、長年桐朋女子中学高等学校の教師として、またその後はカウンセラーとしてお仕事をなされ、性教育も幸浩先生と共に取り組まれました。乳がん、肺腺がん、後に脳転移、腰椎圧迫骨折など厳しい闘病生活でも、夫妻で海外旅行や観劇などを楽しまれたり、看取りの段階となっても、しっかりお二人の時間を過ごされています。それらを書いた会葬の御礼状には涙を禁じえませんでした。お二人とは、広島サークルのメンバーと一緒に山賊いろりに行ったり、温泉にいったりもしました。

 村瀬幸浩先生には、悔いの無い看病の生活を過ごされたことと思いますが、今はさぞお寂してことと思います。

 お電話では、今度の山口セミナーの事に。先生、本当に楽しみにしていますと。でも、台風です。先生は、「本当に、今回会えなかったら、もう二度と会えないこかもしれない」と言われます。「そんなことを言わないでください。」と言うと、「いや、決して冗談ではなく、本当にそうなんだ。何があるかわからない。」と。だから、「そうですね。それは私もそう思います。会いたい人に会う、会いたい時に会う。ですね。」

 でも、本当に台風が心配で。山口性教協からは、もしも飛行機が飛ばなくて、村瀬先生が来られなかったら、私、河野がピンチヒッターをと言われています。そうなったら、はい、私が何とか勤めますが・・。「先生の代わりには、とても及びませんが。何とかさせていただきます。でも、どうぞ、飛行機が飛んで、いらっしてくださいますように。本当に楽しみにしているのですから。」と申し上げました。

 台風が心配で、早くに目が覚めました。ニュースでは、台風は東に向かって行っているようです。ネットで調べると、羽田から宇部行は、朝一は欠航ですが、その後は飛ぶ予定だと、ホッとしています。

 どうぞ多くの皆様とお会いできますように。

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性教育は教師がするものと思います。③

 関西のある地域では、多くの小学校で、教師が性教育の授業にずっと取り組んでいます。30年以上も前から、月に一回の研究会をしながら。性教育をしないといけないと考えている先生方がオリジナルの授業を作って来たと。バッシング以来、10名あまりで細々と続けてきたけれど、ところが、コロナでガラッと事情が変わったと。

 子どもたちがコロナで籠っている中、多くがスマホやタブレットなどで、性情報をたやすく入れるようになったと。子どもたちが変わったと。そして、子どもたち同士での性加害、被害が起こって来たと。そのような事例に困った先生たちが、ここに来てどっとこの研究会に入って来て、あっと言う間に30人を超えるメンバーになったと。養護教諭ではなく、多くは担任の先生で、養護教諭はあくまでもコーディネーターの立場でアドバイスやお手伝いをするのだと。

 大切な事は、これまでもそして今も、出前授業は呼ばなかったと。出前授業に頼ってはいけないと。外からの人に授業をしてもらうのではなく、日頃子どもたちと向き合っている先生だからこそ、リアルに向き合って授業ができるのだと。そうでないと、子どもたちが大人を信用してくれないでしょうと。

 小学校の子どもたちに、性交の授業もします。「性交」を教えるよっと。そして取り組んだ先生たちが、何より楽しいと。性教育の授業はとても楽しいんだと。私は、その研究会の中心になっている先生の保護者に向けての学級通信をいくつも見せて頂きました。子どもたちとどんな会話をしながら、授業を進めているか、本当にたのしそうな授業でした。歯止め規定がある中でも、こうしてほとんどの学校でとりくむことができるのは、先生たちの活動を教育長がしっかり支持してくれているからだそうです。教育長に分かってもらうために、授業を見てもらい、話し合ったと。今、教育長は強力な味方だそうです。

 そして思ったのです。これこそが、以前に広島でも行われていた光景だと。こんなに生き生きと、まさに「いのち」を学んでいたのに。先生も保護者も、そして何よりこどもたちが。そこにとんでもない横やりが入り、国中がおかしくなりました。

 あの頃、広島でも「〇〇小学校で性教育の授業をした」と、連日新聞記事でたたかれる、こちらとしては「それがどうした」と言いたい所ですが、まるで犯罪を犯したように性教育がたたかれ続けました。「家庭を壊し、社会を乱す」授業をしたとして。

 今、この時点でもそのような授業の実践がなされていることを本当に奇跡とさえ思います。

 この先生のお話しを聴いて、さらに私は、やっぱり先生、担任の先生こそ、性教育に取り組むべきだし、そして先生たちがやりやすい状況を作ることが私たちの使命でもあると思いました。

 私が、二年前に性教協の幹部の人に持った不信感、外部の人が話せるのだからいいのではないかと言われたことが、ずっと私の胸にくすぶっていました。広島の仲間はとてもいい仲間だし、一緒に学び続けたいと思っていますが、でも、全国の、特に今の幹部の方たちには魅力を感じなくなってしまったし。だから、全国セミナーには行きたくなくなってしまったし。

 今回、私が性教育指導セミナーに行こうと思ったのは、性教協の幹事の浅井先生のお話を聴いてみようと思ったからです。期待通り、とても素晴らしいお話しでした。で、最後の質疑応答の時に、会全体でほとんど語られなかった文科省の「指導要領」や「歯止め規定」について、尋ねたいたい!!と思いました。実は、最近、私が広島市のPTAに話す時でさえ、教育委員会から「指導要領を守って下さいね。」との注意が入りました。保護者への指導要領なんて、何でしょう。わけがわかりません。

 関西のその地域でしているような実践を他でもしてもらうためには、この「指導要領」を変えることと「歯止め規定」を外すことが不可決だと思っています。そうして、すべての学校現場の先生たちがこれに取り組めるような、そんな雰囲気を作るためにこそ、性教育指導セミナーも力を発揮しなければと。私たち産婦人科医が性教育をしてあげるからではなくって。が、その発言はできませんでした。残念ですが。

 8月には、村瀬先生のお話しを聴きに行きます。聞いた上で、もう少し考えてみようと思います。

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 暑い日が続いています。待合室の片隅にいつも活けて下さる青野さんのお花。今回はことさら、この一角が涼しくなるお花です。

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性教育は教師がするものと思います。②

  統一教会を中心に、学者も含めた右派の集合による性教育バッシングは、でっち上げがほとんどで、それは激しいものでした。票と金のある彼等は、政治を動かしました。当然、行政をも。文科省は、指導要領を改訂し、よって、教科書をも。中学校でさえ、教科書から「性交」という言葉が消え、避妊どころか、性交をも教えないことと。それが延々と続き、長い間、つらい思いをしました。性交という言葉が使えないで、性教育をどうすればいいのか?

 そして、安倍首相が亡くなって、その狙撃犯は統一教会の被害者である青年とわかった時。統一教会や統一教会と癒着した政治家たちの問題が一気に吹き出しました。ああ、これでせ性教育にも風穴があくかもしれないと私は正直期待しました。


 そんな最中に、性教協の全国夏季セミナー、中国大会が、広島で開かれました。私は、現地実行委員長を務めました。まだコロナ禍にある時です。感染対策などいろいろと気をつかわなければなりませんでした。全国からの参加者をお迎えし、かつハイブリッドで、ウェブによる参加者への送信など、技術的なことも含めてなかなか大変でした。

 その時に、文科省の「生命の安全教育」について性教協の幹事の方が講演をされました。文科省によると性暴力の被害者にも加害者にもならない教育をということのようですが、それはあくまでも性教育のごく一部でしかありません。まだまだ文科省は、性教育に関しては後ろ向きです。幹事の方の講演では、どうせするならいいものをとの、いいお話しでした。その後の質疑応答で、私は、いまだに存在する「歯止め規定」。歯止め規定があるままに、すなわち「性交」も使えない状況で安全教育をするのは無理がある。これだけ統一教会の問題が一気に噴き出した今、「歯止め規定」を中止するようにという行動ははしないのでしょうかと、問うたのです。


 そしたら、その方は「興味ないですね。」と言われました。私は、びっくりして。「興味ないのですか。本当ですか?」と問い返しました。「はい、興味ありません。それに、外部講師は性交って言えているでしょう。助産師さんに聞きましたよ。」と。それはそうなのです。外部講師は私だって言えるのです。そもそも、性交という言葉を使わないようにという所には、行きませんから。でも、それは、全体から見ると、ごく一部。そのような外部講師の講演を聴くことができるのは、ごく一部の恵まれた子どもたちです。管理職が教育委員会の方を向いていない。または足立区の教育委員会のように地方の教育委員会が文科省を向いていない。管理職や教育委員会が子どもの実態から、その様な外部講師を呼んで話をしてもらうことに理解を示す場合。


 でも、包括的性教育は「すべての子どもに」のはず。すべての子どもに豊かな性教育をするからには、指導要領にのっとらなければ。あのバッシング以前の様に。教師たちが外部講師をも交えながら、目の前にいる子どもたちに取り組んでいくというのが原則ではないでしょうか。
そもそも、外部講師が言ってもいいのに、なぜ教師が言ってはいけないのでしょうか。先生たちが言えないから、私たちが言いましょう、というのは、本末転倒であるし、私たちの思い上がりだと思います。

 性教協のメンバーでも、とてもやりにくい中で、懸命に子どもたちと向き合い、実践している先生方はあちらこちらにいらっしゃいます。その人たちの事をそっちに置いて、外部の人は言えるではないかというのは、本部の幹事として不適切だと思います。

 私が呼ばれた学校で話す時、「私は、ここまで話しましたよ、後は先生方に託しますね」という思いを持っていきます。たまたま私が話をしたその学年、生徒はラッキー、後の人は残念とならないためにも、先生方こそが主役ですよねと。

 もう少し、その地域のすべての子どもたちが足並みをそろえて性を学ぶために、先生方が力を合わせて実践している事例、教師になるために大学で学んでいる学生たちが、性教育をも学んでいる事例などをお話ししたいと思います。


 奈良で買って来たスタッフの皆さんなどへのお土産です。吉野の葛が好きなので。

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性教育は教師がするものと思います。①

 私は、もう40年近く前、山本直英先生と村瀬幸浩先生が一緒に性教協を作られて直ぐからのメンバーです。性教育については、いろいろな団体ともかかわってきましたが、性教協が一番正しいと思って来たし、活動もしてきました。性教協広島のメンバーからはいろいろと教えてもらってきました。メンバーのほとんどが学校の先生です。その学びの中で、私は性教育は何より教師がするべきものと思っています。

 医師は、体は知っていても、性教育は素人です。素人から初めて、さまざまな実践者や患者さんと出会う中で、自分なりの性教育を作っていきます。その意味で、医師は謙虚でなければなりません。常日頃いつも子どもたちと向き合っている教師こそ、子どもたちの様々な姿を知り、今、彼等が何を必要としているかを感じ取り、実践していきます。だから、医師は実践をしている教師から学ばなければなりません。性教協広島のメンバーは皆さん、すごい実践者です。

 

 まだバッシングの前、みんな授業を工夫し、実践し、それを模擬授業でみんなに公表し、批判を受け、さらに実践する。それは見ごたえがありました。指導要領で、性交を小学生に教えるようになった時、その時のディスカッションはそれは素晴らしかったです。あある学校では、小学校の担任が、それぞれの専門の教科の中で性教育の授業をする。そして、それを順繰りに教室を回って、同じ授業をします。理科の先生、国語の先生、保健体育の先生、それぞれに特徴があります。だから、その学年は、それぞれの先生から授業を受けますので、みんな同じ学びをします。


 そんな時に、バッシングが始まりました。性交を教えることは、子どもと教師、それに保護者も加わって、なんにも問題がなかったのに、ありもしない想像の中で、意味のない批判が大出を振って歩きました。それは、今回私が買った浅井先生の「性教育バッシングと統一教会の罠」のなかにもありますが、地方の私たちが、どんな嵐の中に放り込まれたことか。そして、その痛手は、いまだに私たちの心を痛め続けています。

 一例です。統一教会の関連のある人がPTA協議会の会長になりました。その人が繰り返し連れて来た人がPTAに講演をします。その中で、私たちの仲間の先生の個人名を上げて、授業の曲解をして報告します。

 

 「ふれあい」の授業で、「いいふれあい」「いやなふれあい」などを話し合います。例えば、赤ちゃんをお母さんが抱っこする、うれしい時に親子で抱き合って喜ぶ、または友だちとハグをして喜ぶ。これらは気もちのいいふれあいです。でも、いやなふれあいもあります。それを知ることは、犯罪から実を守ることにもつながります。いやなふれあいは人にしてはいけないし、されたら、拒否をすることも大切な事。そんな授業です。それらは、保護者からも強く支持されていました。それをPTA教議会の会長に呼ばれて講演した人は、


「触れ合いとはセックスの事です。この教師は小学生にセックスをしましょうと勧めているのです。」などと言うのですから、それは聞いた保護者もびっくりするでしょう。

 統一教会系のPTAの役員さんが市会議員を伴って、ある学校に行って、「性教育の教材を出してください」と迫りました。授業で使った何かがあるでしょうと。ちょうど七生養護学校の事件が起こったころです。もうその時にはその小学校で性教育を頑張った先生たちは転勤でいらっしゃらなかったのですが。校長先生からの当時の先生たちに連絡があって、そのことが分かりました。

(だれにも言わなかったことなのですが。ここで初めていうのですが。実は、このことには後日談があります。その市会議員さんと私は、ある方の尽力でお会いしました。その方の家で、鍋を囲んで話をしました。そして、その市会議員さんがPTA協議会の会長に吹き込まれていたことは、まったく逆であったことを理解して下さいました。そして、その大保守の議員さんは、以来、私を応援して下さったのです。)

 先生たちの頑張りで、よく知られている七生の事件の陰に、広島だけでなく、地方で一体どれだけの事が起こっていたのでしょうか。私は、そのPTA会長にあらぬことを雑誌に書かれましたので、名誉棄損で裁判を起こしました。私が若者にセックスをそそのかして、家庭を壊し、社会を乱し、革命を狙っているだのと。そうして、私は広島市内の全ての学校での講演はできなくなりました・・。何しろPTA協議会の会長を訴えたのですから。でも、大丈夫です。広島市以外の県内、さらには県外の全国からの講演依頼はまだまだひきも切らずありましたので、私は変わらず忙しくしていました。


 でも、私の事より、何より深刻なのは、先生たちが学校で性教育ができなくなったことなのです。この頃、統一教会の大運動で、政治も動きました。金と票がある彼らが、政治の世界に何をしたか、今になっていろいろと分かってきましたが、私たちにとっては、性教育が深刻な事態となったこと、指導要領の改訂、中学校の教科から、一斉に性交という言葉も消えたこと、そう、歯止め規定です。先生たちは身動きできなくなりました。そしてその歯止め規定はいまもなお続いているのです。

今年1月24日の朝日新聞に、広島のPTAの講演会になん度も呼ばれてきた、そして、嘘八百をしゃべりまくったその人が出ていました。統一教会との関係も出ています。その記事を皆さんに読んで欲しいけど、ここに出すのはダメみたいで、残念です。

この項、まだ続きますね。とても一回では語り切れません。

奈良の性教育指導セミナーから帰り、京都駅で乗り換え。少し時間があったので、伊勢丹デパートの地下のお弁当売り場で、なだ万のお弁当を買って帰りました。晩御飯に。さすがのお味でした。駅弁には飽きていますが、こういうデパ地下のお弁当、たまにはごちそうです。

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性教育指導セミナーの感想。少しです。

昨日の奈良での性教育指導セミナーについて。いくつか、勉強になったことを。

基調講演は浅井春夫先生。性教協の代表幹事です。今回は「包括的性教育をすべての子ども・若者に」というタイトルでのお話しを聴きたくて、参加したといってもいいほど期待していました。

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浅井先生のお話しを聴きながら、メモを取ったのが、こんなことに。ノートを持っていくのだったと後悔しながら。でも、必死でとったメモをもう一度読み返しながら、自分の物にすべく、ここに書きます。

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先ず、性教育の歴史から。①女性・若者に純潔であることを誓わせ強制する「純潔強制教育」(結婚するまではセックスをしないという誓約書に署名させるマインドコントロール教育)②性行動の悲惨な結果を強調する「性の恐怖教育」(中絶の手術や性感染症を脅しとして紹介する)③「性教育によって無垢な寝た子を起こす」という曲解と性行動の管理を柱にした抑制的性教育④今日、世界的にスタンダードとなっている「包括的性教育」。私、これらのすべてを知っています。

包括的性教育の骨格は、多様性と人権の尊重を基盤に、①青年期迄のすべての年齢を対象にして、②日常生活のすべての局面に賢明な対応ができるちからをはぐくみ、③性的発達のさまざまな段階に対応できる学習課題を準備することで、④豊かな共生関係を保証することを目指している性教育の事。

そして、これがとても新鮮で、感動したこと。包括的性教育が必要なわけ~10+α。少し書き間違いがあるかもしれませんが。何しろ焦って書きましたので。

①からだに感謝していますか?
②人生は性的自己決定能力が試される連続
③射精責任を果たせる男性になれる?
④予期せぬ妊娠をしないための無知と偽情報からの脱出のために
⑤その時安全な中絶を選択できる力
⑥非暴力を貫いて生きる知識、態度、スキルを持っていますか?
⑦パートナーと素敵な恋愛をはぐくみ続けていますか?
⑧性の多様性を尊重できる感覚をはぐくむために。
 以下略

今、書いていても感動です。

先生の新しい本。購入してサインしてもらいました。資料としても素晴らしい本です。大切に読みます。

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奈良、性教育指導セミナーです。

こんばんは。奈良にいます。奈良駅の直ぐ側のホテルから、奈良市を望んでいます。

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性教育指導セミナーです。

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明日一日中、ぴっちり勉強です。今日も市民公開講座がありましたが、それには参加できず。夕方からの懇親会から参加です。

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舞台では、ヨモギ餅をついて下さいました。出来立てのお餅は、すぐにみんなにふるまわれました。

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あんこのと黄な粉の。つき立てって、本当に美味。でも、二個も。その前に、柿の葉寿司も、サバのとシイタケのも頂いていたし、おそうめんも。

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吉野葛のデザートも。

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これらは、屋台の物。でも、コースが一通り出てきて、それはもうお腹がいっぱいで、せっかくのステーキは食べられませんでした。

この後、二次会でした。日頃の女性保健医療ネットワークの皆さんと。

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ギューギュー詰めで、話がはずみます。北村先生、蓮尾先生、写真から切れていてごめんなさい。二次会のお料理は、こんなに食べられません。私は、早めにホテルに帰りました。ここは大風呂があります。朝に入ります・・。そして、9時には会場に入ります。勉強しますよ!!観光はなにもせず、夜には広島に帰ります。

 

 

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