中三同士の妊娠・中学校校長会の機関誌から③

20年前の中学校長会の機関誌から。続きます。今日で終わります。

 では、それぞれの避妊法と妊娠率はどうであるか、図2に示す。性は本来生殖行為。たった一回だって妊娠する物であるとしっかりと教えるべきである。

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(4) 若い女性の妊娠は、結果的には人工中絶となりがちであるが、「産みたい」と言い張る方が圧倒的である。子どもを産み育てるということは、決してファンタジーの世界ではなく、経済的なことも含めて、厳しい現実であるということをわからせなければならない。また、人工中絶は殺人であると脅す教育は決してしないでいただきたい。産んでも育てられない妊娠してしまった女性のやむを得ずの救済策であると捉えている。

(5) 体を教えるべき。男性も女性も男性のからだと女性のからだ双方をきちんと知る、これがすべての基本である。彼女、彼らは驚くほど体を知らない。体の大切さ、命の尊厳、その神秘性など、体を知らなければ理解できないことである。

(6) いつの時点で教えるか?今は中学生であっても、いつかはみんな性実行するようになる。その時のためにも、義務教育の段階で、避妊や性感染症の予防まで含めた教育をぜひ行っていただきたい。高校で、となると、高校に行かない子、中退する子はきちんと学ばないまま、性を実行するようになる。知らないまま実行することの悲しさを、当方は嫌というほど見てきているから。

 転載は以上です。前半の、中絶を決意するに至った事情については省きましたが、彼女が産みたいと言い、彼の側が中絶をという、よくあることではあります。私はこの二人のことをしっかりと覚えています。彼女は成績がとてもよく、教師になりたいという希望を持っていました。あれから二十年。彼女は無事教師になったでしょうか。きっと、もうすっかりベテランの熱心な教師でしょうね。つらい経験を乗り越えてこその。

 今日は、「からだ・私たち自身」出版から30年あまり、「私のからだは『私たち自身』のものになったか―ー30年後の検証」のイベントがありました。やっと無事終えました。ちょっとストレスになっていたので、今、ホッとしています。

 あの本の出版に関わった私たちと、若い人達とのディスカッション。私はスライドを準備しました。性教育バッシングの二つの動画も見て頂きました。昔、「優生保護法から経済的条項が削除されようとしたとき」の、あの危機感を持ってその反対運動をしたことなども少し話が出来ました。私、政治をちゃんと見るようにと言いましたが、でも、やはり話し不足です。政治を見るということは、人権感覚を研ぎ澄まして。例えば、伊藤詩織さんへの何か支援の行動をしたか、子どもの甲状腺がんの発症も含めて、福島の原発被害者についてはどうなのか、核兵器禁止条約をどう思う?などなども含めて、広く政治を見てほしいと思うのです。「体・私たち自身」の監修をして下さった藤枝澪子先生は、女性学やジェンダーの研修者でしたが、同時にべ兵連の活動家でもあり、反戦脱走米兵の援助の活動もなさっていました。世界を広く見てこその性教育であり、ジェンダーへの視点をしっかり持つことができると、そう思います。そんなこと全然話せなかったので。



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中三同士の妊娠・中学校長会の機関誌から②

昨日に続いて、20年前の中学校長会の機関誌に私が書いた中学三年生同士の妊娠について転載します。

「先生、お願いがあります。」
「先生、お願いだから超音波で赤ちゃんを見せて」
「うーん、見る?見るとつらいよ。」
「わかってます。つらくても、最後にもう一度赤ちゃんを見ておきたいから。だから、お願い、先生。」
必死で頼む姿に動かされて超音波で赤ちゃんの姿を映した。
「先生、写真を撮って。」
「先生、心臓の音を聞かせて。」
彼女は写真を握りしめてとんとんという胎児の心音を聞きながら、
「ごめんね、ごめんね」
と涙をいっぱい流して胎児によびかけた。そして
「先生ありがとうございました。もう大丈夫です。」
ときちんとあいさつをして、入院のために部屋を出て行った。

 ずいぶんといろいろな例に接してきた私も、さすがに胸が痛んだ。

 長々と語ったこの例から、たくさんのことが見えてくる。

(1)  性交年齢の低年齢化が言われて久しい。しかし、常に若年者の性行動は、一部の家庭的に問題のある子の非行と捉えて論議されている。が、現場では家庭的にもしっかりし、成績もよく、これまで何の問題もなくすくすくと育った子の妊娠が増えている。非行と捉えたのでは、問題が見えなくなる。また、そのような子ほど一人で抱え込んで受診が遅れがちである。来た時にはすでに中絶不可能、やむを得ず出産、養子縁組の手配をする例も少数ではない。

(2) あふれるほどの情報の中で、一見、若者たち自身も多くのことを知っているかのように思っている。が、その実、全く無知である。性というのは、無知であっても間違った知識を持っていても行動は取れる。知らなければ行動しないであろうというのは、間違いである。無知のままで行動をとるとその結果がどのようなことになるか、目に見えている。もっと我々はまともな情報を真正面から与えるべきだと思う。

(3) どこがどう無知か。何より性交と妊娠が結びついていない。その結果、避妊があまりにいい加減となっている。図1に当院における開業以来十年間の十代の受診者の内、妊娠が1109。それらの避妊法を示す。

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避妊がいいかげんであると妊娠となるのは当然であるが、ではそれぞれの避妊法と妊娠率はどうであるか、図2に示す。

すみません。続きを明日にします。生のデータが手元にはないので、本を見ながら、キーボードを叩いています。結構労力がかかります・・。

 

 

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中三同士の妊娠・中学校長会の機関誌から①

 クリニックの本だなにあるはずの探し物をしていて、どさっと一塊の本たちを落としてしまいました。一冊ずつ元の本だなに戻しながら、ふと、これは何だ?と思ったのです。20年前の発行の全日本中学校長会の機関誌の様です。中を見ると、性教育特集がしてあり、私も書いていました。「産婦人科医療の現場から教育現場に望むこと」。ここに書いたことはすっかり忘れていましたが、この少女と彼のことはしっかり覚えています。読み返してみて、20年前と今はまったく変わらないし。今もこのまま通じると思いました。特に、男子生徒に私が言ったこと。今、ここに転載したいと思います。

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事例については、転載することはしません。が、中三同士の妊娠。彼女は学年で成績が一番。生徒会活動を頑張っています。彼はあるスポーツが優れていて、県代表にもなってそのスポーツで高校に推薦入学することがほぼ決まっていました。産んで育てたいと必死に訴える彼女。彼女の側の親も何とかならないかといろいろと考えても、男性側は中絶をと強く望んでいました。どうにもならず、結局中絶することを選択せざるを得ませんでした。長時間話し合った挙句です。そう決めた後。私は、彼を呼び話しかけました。以下、私が書いているのを転載します。

「あなたは、彼女のことをとても好きになって、そしてセックスしたのだろうけれど、あなたは何より知識不足、力不足だったと思うよ。まずあなたに本当に知識と力があったなら、彼女妊娠させはしなかった。ちゃんと避妊が出来たはず。それがいいかげんで、結果、彼女妊娠させてしまったね。それが第一点。

 それから、もしあなたに知識と力があったなら、彼女ここまで放っておかなかった。彼女がおかしい、生理がない、妊娠したんじゃないかとあなたに言ったとき、あなたはだれか大人に相談するなり、彼女の手引っ張って産婦人科に連れて行くなり、何らかの行動をとらなければならなかった。それを何にもしないで、ここまで放っておいた。これが第二点。

 何より彼女が赤ちゃんを産みたいと言っても、あなたは引き受けることが出来なかったね。僕は中学を卒業したら働くから、二人で頑張ってその子を育てよう、と言ってあげられなかった。申し訳ないけど、その子はおろして欲しいとしか言えなかったね。これが力不足第三点。

 それから、こうして彼女は泣きながら中絶すると決心しているけど、じゃあそのお金は?中絶と言ってももうギリギリだから、彼女は四日間も入院しなきゃいけないし、お金も三十四万円もかかる。それは中学生のあなたにはとても出すことはできない。親に頼むしかないでしょう。お金すら用意できない。これが第四点。

 要するに、あなたは何にもできない。何もないのに事態はここまで来てしまっている。そういうことだね。あなたはセックスをする資格がなかったということだと思うよ。それをちゃんと自覚しなさい。厳しいことを言うようだけど、これを自覚してくれないとあなたはまたやってしまうかもしれないからね。おそらくあなたはちゃんと高校生になるだろうけど、また彼女を、または他の女性を妊娠させて、そして申し訳ないけどおろして欲しい、なんてことは、絶対に繰り返して欲しくないからね。だから、これだけのことを言っておくよ。」

事態は急を要する。入院の準備のために彼女だけ部屋に残ってもらっていると、彼女が言った。

「先生、お願いがあります。」

まだ長いので、二・三回のシリーズになりそうです。明日に続きます。

 

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30年前の北海道で②

今は閉校になってしまった北海道共和高校。そこでの30年前の講演の話が、当時の先生のフェイスブックで語られました。そのフェイスブックに掲載された当時の先生作の学級新聞を拡大してみると、1991.10.20.の日付、そこに「今日はいよいよ河野美代子先生の講演の日を迎え」となっています。

私は、講演のスケジュールが記録されたノートを探してみました。1991年の最初にその年に行った講演の一覧がありました。当時事務をしてくれていた妹の字です。まだパソコンもない時代です。

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これの10月20日に確かに北海道、朝日と書いてあります。でも、校名はないのです。別に朝日新聞からの手紙があったはずですが、それはこのノートには残されていません。そのノートのスケジュールのところを見ると、こんなのがありました。

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この右下を見ると、確かに。日帰りで北海道に行っています。朝7時45分の飛行機で羽田へ。そこから乗り換えて札幌へ。朝7時45分の飛行機だと、朝6時頃に家を出て、車を飛ばして飛行場に向かっていたはずです。◎をして、ついたらすぐにはじめられるように1:00~3:00と。帰りは同じルートでは帰られず、羽田から大阪に飛び新大阪から新幹線で広島に帰っています。広島駅着22:06と書いてあります。こんな時は、車を飛行場に置きっぱなしで、翌日はいつも通りの診療を終えて、リムジンバスで飛行場まで車を取りに行ったはずです。当時はこんなことがよくありました。かなり過酷なスケジュールです。

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さらに、ノートを見ていてふと気づいたことがあります。20日は日曜日なのですね。日曜日に高校生に話しに行ったの?きっとその日しかもうスケジュールがなくって、高校の方で無理をして日曜登校にされたのでしょう。学級通信の右下にこんなのがありました。月曜日は振替休日と。学校もかなり無理して下さったのですね。

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ノートの初めの一覧を見ると、9月12日にも、北海道、苫小牧に行っています。そして、北海道共和高校の4日後の10月24日には、九州久留米に。まあまあ、木、日は東京、鳥取、埼玉、浜田、東京、苫小牧、福井、出雲、福井、等々。あちこち駆け回っています。広島の時は、午前午後と二校に行ったり。若かったのでしょうね。

このようなのを何年も続けて、でもね、世の中、ちっとも変わらないのよ。いえ、性教育に関しては、ますます後退してしまっています。私の努力なんぞ何にも変える力はないということなのでしょう。30年経っても。それはやはり政治なのですね。権力を持った人が、性教育バッシングなんぞで力を振るって。それに負け続けているということなのでしょう。そういえば、私の「さらば、悲しみの性」の後書きに同じようなことを書いています。さらばは1985年の出版ですので、37年前ですか。変わんないですねえ。

遠く離れたところの高校の、安藤先生、Oosaga先生両先生のおかげで、30年間を振り返るということができました。期せずして、「からだ・私たち自身」の、この30年振り返るというイベントと、本当に一致して、こんなことになりました。ありがとうごさいます。皆様には、よろしければ、フェイスブックのOogasa様の記事のコメント欄も読んで頂けると幸いです。

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「からだ・私たち自身」②

昨日ご案内した「からだ私たち自身」Web公開記念シンポジウム「私のからだは『わたし自身』のものになったか―ー30年後の検証」の申し込みは、以下のアドレスにお願いします。ここの「チケットを申し込む」から申し込んで下さいませ。

https://karadabt2022.peatix.com/?fbclid=IwAR3eTLIOaDU_EPdfjfEiZSsDSit7fHIJG4O5qzqLk772snoAWxrqI7wYjj4

本当に久しぶり十何年ぶりかにこの本を開いてみました。でっかく重い本です。クリニックの体重計で測ってみると、2.5キロもありました。

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裏表紙です。表裏とも今は亡き宮迫千鶴さんの作品です。

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帯です。

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本の発行に携わってきた人たちの写真も収録されています。

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この本の初めのページに、日本語版発刊にあたってと、私の文章が出ています。その一部、途中までを再録しますね。

1.女から女へのメッセージ

 「からだ―私たち自身」の校閲は、私にとって楽しさと苦痛とが同居する作業でした。米国と日本の社会的相違はあっても、おそらく全世界の女たちがおかれている共通した状況―女の心とからだーの偏見や神話、そしてそれにもとづいた差別、などを、この本は見事に解き明かしてくれています。日常の診療の中で漫然として感じていたそれらが、決して女たち自身の責任ではなく、歴史的、社会的に作られたものであることを、私に示してくれました。それは、私にとって新鮮で楽しい作業でした。さらに、この本の著者たちの、やさしさと包容力。病む人たちへ、さらには、社会の中で差別され続けている貧しい人々や、有色人種、少数民族の人々などへの細やかな心使いのみならず、はっきりと差別の構図の解明と、差別者への糾弾をも行っています。それは医師としての私に、刃を突きつけるものでもありました。「お前は、これまで何をしてきたのか」と。

 診療の場で、常々私は「女は、自分のからだを知らない」「女は、がまんをし過ぎる」・・と感じ続けていました。例えば、性器に何か異常を覚えても、性器のどこがどうなっているのか、はっきり名称を使って訴えられる人は、大変少ないのです。例えば子宮筋腫からの過多月経によるひどい貧血でも、ふらふらになるまでがまんをし続け、やっと病院に来た時には、すっかり心臓まで悪くしている人が後を絶ちません。私は、「もっとからだを知ろうよ」「そんなにがまんをするのはよそうよ」と女たちに言ってきました。しかし、それらは、決して彼女たちの責任ではなく、そうせしめているもの・・・女性が自らの性器を見、さわり、知ろうとすることのタブー自分の健康よりも家族の日常生活の継続を優先させなければならないと考えさせられてきたもの、それらに立ち向かわなければ、どうしようもない、個々の女の力のみでは、とうてい解決しないことなのでした。

 この本の著者たちは、個人が知識を得、もっと自己主張することを教えてくれるのみならず、女たちのネットワーク作りを強く勧めています。悩む者同士語り合ってみれば、自分の抱えている問題が、決して一人の特殊な問題でなく、女たちが共通して持っているものだと気づき、それに立ち向かう勇気を与えてくれるだろうと。一人では困難でも、みんなの力と、励ましがあれば・・・。

 性器のコンプレックスや、性の悩み。これは、あらゆる年代の女たちに共通ではあっても、最も個人的で、語りにくいこと。自分はちっとも楽しくない性を、夫の性欲のためにのみ続けてきた高齢の女性たち、避妊の主張すらできないままに、彼に体を開いている若い女性たち。根底を流れているものは同じなのです。そのように女たちに教えて来たものは、一体何なのか。まさにそれらを、女たちは語り合わなければならないし、またその輪を拡げ、身近な女性たちや後輩たちに伝えて行かなければならないのだと本当にスッキリと教えてくれました。(以下略します)

 若い私が書いていること。今もちっとも変わらない。いえ、むしろ後退しているかもしれません。この本が出版されたのが1988年。この頃は、まだ性教育に希望を持って前向きに取り組んでいました。その後、日本で低用量ピルがやっとやっと認可されたのが、1999年。国連加盟189か国のうち、びりでした。そして、2003年間からの性教育バッシング。とてもつらい闘いでした。私は裁判までして闘ったのですが、今もまだバッシングは続いています。緊急避妊薬がやっと日本で認可されたのは、2011年。世界中のラスト6か国となってからでした。イラン、イラク、アフガン、ペルー、北朝鮮、日本。それも、他国ではほとんど無料か安い値段で投与され日本ではひどく高価に設定されました。子宮頸がん予防ワクチンが日本で認可されたのは、世界中の100か国めでした。アッという間に積極的勧奨が取りやめとなり、たちまち接種されなくなって、今や世界中で日本は子宮頸がんの多発国となってしまいました。性暴力の被害についての明治以来の刑法の問題も。

日本の女性行政はこんな貧しい状況にあるということは、ほとんど知られていません。それらも、宗教団体や、「日本の伝統的家族の形態を」という輩、夫婦別姓や非婚の出産に反対する人達に政治が動かされている証・・。

政治をしっかり見続けることがいかに大切か、と思うのです。女性行政は、森友、加計、桜、それらと同列にあるのですが・・。

これらを当日、私がちゃんと話ができるでしょうか。もう一回、これについて話したいと思います。

 

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岡山市立御南中学校2年生への講演。barrier-freeの制服。

先週の木曜日、あのホテルで火事騒ぎがあった日、岡山御南中学校の二年生にお話しました。二年生計260人余りと保護者の方、先生方が体育館に一杯です。全校生と800人余りの大規模校。その前にお話した全校生徒21人というのと、真反対です。

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ここでは、司会も号令も挨拶も、私の紹介も、すべて二年生の保健委員が行いました。それどころか、私がビデオの準備などを済ませて一旦外に出て、トイレでコンタクトを入れて会場に戻ろうとしたら、ちょっとここで待ってくださいと。入口でうん?と待っていたら、中で「講師の先生の入場です」との声。そして、男子生徒さんの先導で、拍手の中を後から前まで歩みました。なんか恥ずかしくって。

生徒さんが並んでいるのを見ると、混合名簿です。それに、男子生徒と同じ制服を着ている女子生徒もちらほら。聞くと制服は完全にbarrier-freeにしていて、女子生徒も男子生徒もパンツでもスカートでもよいようになっているそうです。体操服も男女差なしに。でも、なかなかスカートの男子生徒が出て来ないと言われていました。

話し終えるとやはり保健委員の男子生徒さんが私へのお礼を述べてくれました。メモ見ながらとてもいい挨拶で。私は握手して「そのメモ、下さい」と言ってもらいました。これは表ですが、裏にもギッシリ。表を見たり裏を見たりしながら、述べてくれました。

講演を聴きながらお礼の言葉のメモしてくれているのがよく分かります。

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「今日はお忙しい中貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。ふだんなかなか相談したり聞くことのできない性や体のことを率直に分かりやすく教えていただき、性や体に対する考えが大きく変わりました。ほかにも人間関係の築き方という話を聞いて、性を知らないことの恐ろしさ知りました。今日聞けたお話は私たちにとって大きな財産になるに違いありません。教わったことを生かし、今後の人生をよりよいものにしていきたいです。そして、自分の人生を輝かせたいと思います。今日は本当にありがとうございました。」

又拍手の中男子生徒さんに先導されて、校長室まで帰りました。その廊下には、この二枚の額がかけてありました。

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男女差のない体操服が廊下に展示してありました。

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いい学校だったなあと、とても気持ちよく帰ることができました。帰りは雨。高速が渋滞で、かなり時間がかかりましたが、ラジオでずっと国会中継を聞きながら帰りました。この頃国会中継はなかなか時間がなくって聞けません。いい機会でした。

 岡山御南中学の先生方、保護者の皆様、そして生徒さんたち、本当にお世話になりました。ありがとうごさいました。

 

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作木中学で話をしました。

今日は三次市の作木中学に講演に行きました。作木は、三次のずっと奥というか、北と西が島根県に接しています。以前は作木のカヌー公園のコテージで8.6ヒロシマ平和の夕べの合宿をよくしていました。その公園の横を通って中学校へ。

中学校は、全校生徒21人。1年生9人2年生3人3年生9人。その皆さんに話をしました。それに、保護者の方たちも、たくさん来てくださいました。平日なのにありがたいことです。生徒の皆さんよく聞いてくれました。「一年生、まだよくわからない言葉が出てくるかもしれません。でも、これから大きくなるにつれて、あっそうか、このことだったのか、とわかる時がきっと来るからね、その時のためにも聞いておいてね」と言っておいて話しました。

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玄関に貼ってある学校案内です。少人数で生き生き。みんなでする神楽やカヌー大会など楽しそうです。

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ただ、体育館は寒くて。ストーブを炊いてくださっていたのですが、途中からシンシンと冷えてきて、口が回りにくくくなって。ごめんなさい私、口が回らなくなって。ここで話をさせて下さい。と言ってストーブの前に行って話しました「皆さんも寒いでしょう。ごめんね、もうすぐ終わるからね。」と言って。

中学生は、まだピンと来ないかもしれません。でも、高校生になったらぐっと身近なものになるはずです。どうぞ、楽しく過ごせる大人になります様に・・。

そうそう、今日も生徒の皆さんに三次市の「デートDV」のパンフレットが配られました。早くからこのことを知るのは、とてもいいことと思います。人間関係を作ることの基本ですから。

今年の三次市の講演も終わりです。今年は、中学校二校、高校一校で話させていただきました。ありがとうございます。



行きは高田インターから山道を通りましたが、帰りは布野から54号線を通って帰りました。気になっていた布野の道の駅に寄って見ました。

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様子が変わっていて。平日でもあるし、どなたも客はいなくて、寂しいことでした。

今日はこれからお客さんに会いに行ってきます。


 


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中学生の質問・ブラックジャックと先端医療

今日の日曜日は、エイズ日曜検査の当番です。この頃コロナに隠れて、すっかり報道されなくなったHIVですが、今も日曜検査は続いています。15分に一人ずつ、検査に来た人同士が顔合わさないでいいように、配慮しています。少量の血液を採った後、15分も待って頂けば結果が出ます。陰性が確認できなかった場合は、また改めて結果を聞きにきていただくようになります。

HIVの感染者は段々減ってきてはいますが、広島県では、エイズ患者も含めて判明した人、2019年は15人、2020年は12人。今年は7月までで4人です。死に至る病としてずいぶん怖がられた感染症ですが、今では治療薬が出来ていますので、早くに見つければこれまで通りの生活が出来ますし、天寿を全うできます。ですので、不安のある方は、早く検査受けて下さいね。日曜検査、もちろん無料で匿名で受けられます。

さて、18日木曜日、広島なぎさ中学・高等学校の中学三年生に話しに行きました。みんなの目がまっすぐに私に向かって、よく聞いてくれました。

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同校では、9月には高2生に話ました。今回中3で、来週は高1に話しに行きます。こうしてすべての生徒に聴く機会を与えて下さるのはとてもありがたいことです。将来、素敵な人生が送れる少しでもお役に立てればと思います。

ところで、話が終わって先生から「質疑応答を」と言われもちろんと心よくお受けしました。本当はどこの学校でも、あまり質問はでないものなのですが。大ぜいの前で質問するのは、戸惑いがあるのでしょう。でも、今回は一人の男子生徒が質問してくれました。

「僕は、まんがブラックジャックにはまっています。」と。「それで、先端医療に興味があるのですが、とても高価だとありました。どれくらい高いものなのでしょうか」と。

 こういう骨のある質問が出るのは、いいですねえ。先端医療、とても高額で健康保険がきかないけれど、それで治療することは厚労省が認めているもの。私は、兄の例を出しました。進行がんでひどい腫瘍マーカーだったけれど、例のノーベル賞貰われた本庶先生が開発されたオプジーボ使ったら、どんどんマーカーが下がって副作用もなくって、効くねえと、本人も私達も大喜びだったこと。オプジーボはとても高価だったけれど、段々値が下がり、保険適用も広くなって、使いやすくなったこと。高価でも、保険適応で、今のシステムでは高額医療の救済制度があって、月に医療費が8万円以内ですむようになったこと。高額の先端医療でも、保険収載されれば、こうしてだれもが使いやすくなること。


ただ、まだ保険収載されなければ、とても高価で、何百万円も、それも何回も受けるとなると、一千万二千万とかかることにもなると。


そんな話をしました。今先端医療にもお金が出る民間の医療保険があること言い忘れました。

そして、「医者になる?」と尋ねたら、ちょっと戸惑って、「うーん、はい、頑張りたいと思います」と彼が言ったので、「頑張って!!」と話しました。

そして、家に帰ってから。うん?と思ったのです。ブラックジャック、手塚治虫さんだから、彼が亡くなって久しいし、そのころには先端医療は何があったのだろう、ブラックジャックには、何の先端医療が描かれたのだろうと疑問に思ったのです。調べる内に、こんなことが分かりました。手塚治虫さんが亡くなったのは、1989年、いまから30年も前です。

手塚治虫生誕90周年の2019年「小説ブラックジャック」が出版されていること。ブラックジャックが今の時代だったら、ロボット手術やAIやIPS細胞などの先端医療をどう使っていただろうかというそれが描かれているのだと。私、知りませんでした。


私に質問してくれた中3の彼は読んだのだろうと思いました。そして、もう一度彼と話がしたいなあと思いました。

こんな出会いがあるから、中学生や高校生に話しに行くのは楽しいのですね。

それではいまからに日曜検査に行きます。

 

 

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高校の性的違和当事者の生徒の感想文

先日行った高校の感想文を送って戴きました。その中の一つです。

今日は貴重なお話をしていただいてありがとうごいました。僕は将来男になる予定です。最後の方で話してくれた体は女で心は男です。でももしかしたら女の子と付き合うことがあるかもしれないし、男の子と付き合うかもしれないけど、どちらにせよ避妊すること、性感染症を予防すること、パートナーのことを一番に考えることを今日の講演会で学ぶことができました。多分僕は子どもを生むこともないし、女の子として生活することはなくなるけれど、その分男としてやるべきこと、やらなきゃいけないことを考えて生きていきたいです。

これを読んで、胸が熱くなりました。これまで沢山の感想文を頂いていますが、当事者である生徒からこれだけはっきりした感想をいただいたのは初めてです。よく聴いてくれてよく書いてくれました。ありがとう。

彼が、今、学校の中でどういう立場でどう生活しているのか全然分かりません。でも、これだけの言えるのは、きっと先生方の配慮の中で、悩みながらも方向を決めて生活しているに違いありません。私も、たくさんの患者さんたちがそれぞれ厳しい状況の中で、一つ一つ乗り越えながら前向きに生きている姿見させていただいています。

彼のこれからの人生に幸あれ、と祈るような思いでいます。又この感想文を私に届けて下さった先生にもお礼を申し上げます。


私は性教育の講演を長い間していますが、同じようなことを話しているようでも、やはり少しずつ変わってきています。それは時代の流れや私自身が勉強するなかで新たに伝えたいと思うことが増えているということです。その中でも、LGBTについては不可欠となりました。これまでずいぶん苦しんできた人がいたに違いないのですが、明らかにできないままで、やっとここに来て、学校現場でも受け入れられたり教えられるようになったということでしょう。

これからも、あらゆる立場の人が勇気持てるような話していきたいと心しました。

もう一度ありがとうございました。

私も、日々怠らず勉強です。皆様に、性教協の例会のお知らせです。

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多くの皆様にお会い出来ればうれしいです。

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三次市吉舎の日彰館高校でお話しました。

昨日の木曜日は、三次市の日彰館高等学校の生徒さんに話しに行きました。教育委員会のお世話ですが、主催は青少年育成三次市民会議と吉舎地区民生委員児童委員協議会です。その両方と教育委員会からも話を聞きに来てくださいました。その方たちの写真を撮り忘れて残念。

生徒さんは、全学年の191人。体育館で寒いですから暖かくしてくるようにという話でしたが、出発する時には広島はよく晴れて、暖かいので、楽勝と思っていたのですが。途中山道に差し掛かると、段々曇って来て、そのうち雨が降り始めました。みるみるうちに、ひどい雨と風になって。学校は、三次市といっても、吉舎なので。尾道松江道を、東三次インターから尾道方面へさかのぼります。風雨がどうなることかと思っていましたが、あら不思議。学校につくと、雨は上がり青空も見えてきました。体育館は冷えていましたが、足元にストーブを置いて下さっていたので、気持ちよく話すことができました。

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2時間びっしり。生徒さんたちはよく聴いてくれたと思います。

話し終えると、校長室で聞きに来て下さった方々と共にひとしきりお話をしました。校長先生によると、LGBTの生徒たちが段々増えてきていると。それは前からそうだったのかもしれないけれど、今、打ち明けやすくなってきたというべきかもしれません。学校の対応が問われることですね。基本は人権の問題ですが。

集まって下さった方々の殆どの方が昔の私のことを知っていらっしゃる方たちで。本や講演やそれに選挙のことなどで・・。少々恥ずかしいこともありましたが、ありがたいことでした。もう長く続けてきていると、親子さんで話を聞いて下さるということもあるようになりました。

いつもででもお話したい雰囲気でしたが、夜は7時からリモートの会議があるので、失礼しました。帰りは、反対に尾道経由にしてみようと思いつきました。一度も通ったことがない道です。山道をひたすら進むと、「道の駅 世羅」があるとの標識が。これは寄らなければ。高速を降りると直ぐでした。

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広いお店に入ると、直ぐに金魚やメダカが袋に入ってセールされていましたよ~。

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主に農産物を見て回って、これは!!と見つけたのが、「マツタケごはん」でした。そう、世羅はマツタケの産地でした。昔世羅のマツタケ小屋に買いに行ったこともありました。晩御飯に購入。マツタケがどっさりで美味でした。右にあるのはつくしの佃煮。これも美味でした。

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いいミニ旅を味わわせて戴きました。

そうそう、学校のトイレに入ると、こんなのが貼ってありました。どなたが貼って下さったのでしょうか。ありがとうございます。

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そして。民生委員の方から戴き物です。

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きれいなお花!と思ったら何と。シャボンフラワー、石鹸で作ったお花です。すごい。珍しいので、さあどこに飾りましょうか。大切にしますね。

実はこのブログ、昨夜や遅くにリモートの会議を終えて、長時間かかって書いたのです。が、最後の所でミスタッチ。ぱあっと消えてしまって、それっきり戻りませんでした。情けない。もう1時近かったので、書き直すことはできずというか、気力が出ず。今日は、今までずっとびっしりだったので。一日遅れのブログになりました。

関係者の皆様、生徒さんたち、本当にありがとうごいました。一日遅れで改めてお礼申し上げます。



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