生徒に話す時に気を付けること

昨日は、広島なぎさ中学校の三年生にお話しに行きました。二週間前には、なぎさ高校の一年生に話しました。

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その高校の生徒の感想文は、初めて知ったとか、大切なことがよく分かったとかいうのが多かったのですが、それでも、これはと思うのもありました。

自分の性別に違和感を持ち続けていると。いつか相談したいと。

ああ、よかった、と思いました。私は、多くの生徒に話す時に、いつも気を付けています。それは、「ここにも当事者がいるはず」という事です。私の話を聞くことで、傷つくつ生徒がいてはいけない。だれもが肯定的に自分の性を受け入れられること。それを一番大切なこととして考えています。

「この中にも、自分の性別に違和感を持っている人がいるかもしれない、その時には、一人で悩むのでなく、だれか一人、相談できる大人を探して。そして、相談してね。もし、周りに誰も見つけられなかったら、私に相談してもいいですよ。」

と言います。

今回の私の話を聞いて、自分が一人籠るのでなく、だれかに相談してみようと思ってくれたこと、うれしく思いました。

私が話す中には、妊娠が分かっていても、一人抱え込んで悩んでいる内に、次期を失してしまい、産むしかなくなってしまった人。でも、育てられなくて、その彼女と赤ちゃんのために養子縁組のお世話をしていることなどもあります。

そんな時、この生徒の中にも、自分が養子縁組で今の親に育ててもらっていることを知っている子がいるかもしれないと考えています。

赤ちゃんを手放す時に、泣いている女性に、「あのご夫婦に引き取られて、赤ちゃんは、絶対幸せになれる。あなたはね、赤ちゃんが欲しくて欲しくて、でもどうしても恵まれなかったあのご夫婦に赤ちゃんを産んであげることができた。あなたは、あのご夫婦から、とても感謝されているんだよ」と、自分を責めて苦しむことがない様に励ますことを話します。

なぎさ中学・高等学校の正門を入った所に、こんな碑があります。

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「教育は愛なり」。そのわずか、ほんの一部でも参加させて頂いたことをうれしく思います。

生徒の皆さん、よく聞いてくれてありがとう。関係者の皆様、お世話になりました。ありがとうございました。

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アフターピルを自分で買えるようになることには反対なのです。

避妊しないで性交をした場合、妊娠・中絶まで行く前に、、いわゆるアフターピル、緊急避妊薬があると捉えられています。本来、これはレイプされた、コンドームが破れたという犯罪やハプニングが起こった場合の救済策としてあるものです。そのような場合、遅くとも72時間以内に内服それば、85~90%の妊娠を防ぐことができるというものです。

それが、本来の使い方でなく、「避妊しないでセックスしたから」と言ってアフターピルを求めて来る人がとても多いのですね。レイプされたという人は、私のクリニックではほんの少しで、避妊をしなかったからという人が圧倒的なのです。

なぜ避妊をしなかったのか、私は尋ねます。そしてこれからはちゃんと避妊をするようにと。昨日言ったように、「コンドームも使わないでセックスする男はとても失礼な人だと知りなさい」といううことと、「そのような人と、まだ付き合うつもりなのなら、あなたがピルを飲んで防衛しなさい」と、ピル、OCを勧めます。
アフターピルを求めて来る人には、単に今回の事を何とかするだけでなく、今後のことをしっかり考えな直してほしいし、OCの内服へのきっかけとしてもらうための機会であるとも思っています。

 アフターピルを求めて来る人に違和感を感じることもあります。それは、リピーターが多いという事。私は、アフターピルは一回きりのものと思っています。一回内服したら、あとはちゃんとした避妊をして欲しいのです。そのための指導が必要と思っています。でも、まるでアフターピルを普通の避妊法としているかのような人。それも、相手が同じ人という場合。それはとても悲しいと思います。ちゃんと相手と避妊の話や実行がなく、あとで一人で薬を取りに来る、寂しいものです。

「あなたは、こうしてアフターピルを取りに来ていることを彼には言ってるの?」と尋ねます。ちゃんと話をしなければね。でも、それを彼に言うこともなく、一人で何とかしようとしていること。これではいけないでしょう。悲しすぎるよね、と。

それに、男から、あとで薬を飲めばいいからと言われたという人もいます。何度も言いますが、詩織さんの事件でも、男が「ピルを買いに行きましょう」と言ったそうですが。そんな、卑怯で情けない男もいます。

今、緊急避妊薬を産婦人科でなく、薬局で自分で買えるようにという動きがあります。女性たちはそれを歓迎しているようです。厚労省にも、圧倒的にそれを歓迎する意見が寄せられたと。確かに、産婦人科に行ってこれを購入するという、一つの垣根が取り除かれるということは、女性にとってありがたいことかもしれません。でも、と、私は思います。

多くの国で自分で買えるようになってはいても、それは、同時に性教育にも国を挙げて取り組んでいる国々です。

例えば、これは日本にきて、大学の先生をしている方からうかがったことです。イギリスでは、若者の人工中絶を減らそうと、国家プロジェクトを立ち上げたと。国中に保健センターを作り、そこに行けば、ピルを無料でもらうことができる。緊急避妊薬も無料です。でも、緊急避妊薬は、時間の制限があります。できるだけ早く内服する方が効果も高くなります。公的な機関ですので、休みがあることも。そのような時には、スーパーマーケットの中のドラッグストアで自゛分で買うことができると。でも、その時には、「教育」が゛セットされていません。保健センターでは、「これからはピルを飲みましょう」などと、教育ができる、でも、自分で買うのには、それができないので、少し高くしましょうと。で、保健センターでは無料ですが、自分で買うのは、1500円くらいなのだそうです。

日本では、15000円もします。薬局で、自分で買うことができるようにということに反対する産婦人科の団体に、「自分の既得権益を守るためた」という人がいます。とんでもない、15000円というお金は、自分の収入になるわけではありません。その分、高い金額で、薬問屋さんから仕入れるわけですから。それに、指導などにとても時間をかけて、お話しますので、時間的なこともと考えると、決して儲かることではありません。

それよりらも、ピル、経口避妊薬も広まっていない、性教育も、中学生に避妊の教育もできない日本で、アフターピルだけ自由に買えるようにするという必要性が私には分かりません。せめてアフターピルを求めて来る人に、避妊の必要性をしっかりお話したいと思っているのに、ただ、お金で買えばいいということになるのは、とても心配なのです。

そして、あとで薬を飲めばいいからという男たちもきっと増えるでしょう。あの、詩織さんをレイプした男のように。それに、まだまだ日本の性教育が十分でなく、エイズの予防教育も、まだまだできてなくって、日本の感染率がなぜ多いのか、なぜコンドームを使うことが定着していないのか、世界中から指摘され疑問に思われているのに。日本のように豊かで、義務教育も行き届いている日本でなぜ?と。

それは、義務教育が行き届いていても、性教育は全くダメだから。だから、私は、まだまだ自由にアフターピルを自分で買うことができるようにするには、反対なのです。

◎レイプされて、警察やワンストプセンターに届けて受診する時には、緊急避妊薬は無料でで提供されます。

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避妊をしないで妊娠・中絶

私のクリニックで望まない妊娠をし、人工中絶を求めて来る人は、当然ではありますが、「避妊をしない」で妊娠した人達です。「避妊に失敗したのではなく、しないで、なのです。そういう人がとても多くて、「どうして避妊しないの?」ということが繰り返されています。

ある人は10代で、相手は40代の家庭のある人です。 妊娠しても出産・子育てができないのであれば、避妊をするのが当然と思うのですが、それが「失敗した」のではなく、「していない」のですね。

別のある男性は、人工中絶をしなければならないことで、私の前で泣いている女性に向かって「泣いても始まらんじゃろうが。もっと強うなれや!」といったのですね。「強くなれ」。私はびっくりしました。そして言いました。

「何を言ってるの。女性にとって、妊娠しても産めない、中絶しなければならないというのは、とってもしんどいし、つらいことなんよ。それを強くなれとはどういうこと? どうして避妊しないの?彼女がつらい思いをしないように、妊娠しないようにって、どうしてできないの?妊娠しても産めないのなら、コンドームくらい使うのが義務でしょうが。彼女が泣かなくってもいいように、あなたがすべきでしょうが。強くない彼女の問題なの?あなたの問題ではないの?」と。
また、別の人です。どうして避妊しなかったのかという私に、「コンドームを使ってて言っても、使わんほうが気持ちいいからと言って、使ってくれない」と言いました。「気持ちがいい」からなんて。そんなことで、彼女がこういう目に遭っているのですよ。その彼は、彼女の妊娠が分かった後、「妊娠しとるんなら、もう避妊しなくってもいいじゃろう」と、またまた妊娠している彼女にコンドームも使わないセックスをしているのだと。「彼女は、中絶した後、今のセックスで妊娠することはない?」としきりりに気にします。それはないけど、でも、こんなことをしてたら、あなたはまたすぐ妊娠するわ。

彼に入ってもらって話しました。「彼女が妊娠しても、彼女と赤ちゃんと引き受けて、ちゃんと育てることができないのなら、妊娠させたらいけんのよ。どうして避妊しないの?あのね、生理がある女が避妊のないセックスをしたら、妊娠するんよ。どうしてそれが分からないの?いいか、しんどい思いをするのは彼女なのよ。あなたは何にも痛い思いもしないし、つらいことは何一つないでしょ?」そしたら、「甘かったですね」と言いました。

そう。甘いのですね。「性は生殖である。望むにしろ望まないにしろ、たった一回だって、たとえレイプだって妊娠はする。」という事をしっかりと伝えないといけないと思います。それが、今、性教育ができない、中学生に避妊を教えてはいけないという事で、それも、性感染症を教えるのに、セックスという言葉も使ってはならないとされている所で、伝えられないでいるのですね。

今、若者が性を学ぶのは、ひたすらアダルトビデオです。コンドームをつける姿は出てこないし、ピルを飲もうかとか、避妊はどうする?赤ちゃんができたらどうする?というような話し合いも当然AVではされていません。

「アダルトビデオは、セックスの仕方を学ぶものではありませんよ。あれは演技の世界。多くは大人の男性の娯楽として、あるいはマスターベーション用に作られたものなのだから」という事も、私は中学生に話します。

もっとも、コンドームは完璧な避妊法ではありません。だから、人工中絶をしなければならなくなった女性、または、このままでいると、妊娠する可能性のある女性には、しっかり話します。

「いい?コンドームもつけないでセックスする男は、あなたにとても失礼なことをしていると思いなさい。」と。その上で、彼女にはピルの服用を勧めます。あなたがピルを飲んでいれば、たとえコンドームを使わなくとも、たとえ破れたり外れたりしても、あなたの方で防衛できるからねと。

このブログでも、何度も繰り返し言っています。診療の場では、毎日、繰り返し繰り返し言っています。

ただただ「中学性や高校生の間はセックスはしてはいけません」とだけ教えればいいのではなく。大人になった時に、パートナーとちゃんと話ができる関係を作ること、今産めないのなら、ちゃんと避妊をすること、それを伝えないと。だって、ここに今日伝えた男性たちは、全て大人の社会人なのですから。大人の男たちが、避妊のないセックスをして、そうして彼女が中絶をしている、それが私のクリニックでの姿なのです。

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東大阪の中学校での講演

昨日は、東大阪の中学校で2年生と3年生に話しに行きました。3年生は、受験を控えた大変な時期ですが、でも、卒業前にこの講演を聞かせることができて、本当によかったと養護の先生や他の先生たちに言っていただけました。

義務教育の間に、これが私の願いです。ずっとずっと持っていて、でも、ちっとも実現しない私の心からの願いです。

今もまだ中学校で避妊を教えることは指導要領のはみだしになるのですね。だから、具体的には中学生に避妊法を語ることはできないけれど、私のクリニックのデータで、それぞれの避妊法と妊娠率を語ることで、「避妊は、決していい加減にしてはならないことを伝えたい」のです。

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映画をやっているので、真っ暗ですが。

そして、校長室の前の廊下に貼ってありました。

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いじめによる自殺が続いています。東大阪では、「たこやき」が合言葉だと。

「たすけあおう
 こわがらずに
やめようやと
 きみのゆうきでいじめはなくなる」」

そのほかにも「辛かったら言っていいんだよ」とか「あなたはひとりじやない」とか「個性があって日々楽しい」「小さな手 大きな勇気」などの標語が中学生の手で書かれています。

真ん中にあるのは、東大阪市立中学校の「いじめ撲滅宣言」です。作ったのは、平成26年度東大阪市立中学校生徒会一同。
<前文><いじめているいるあなたへ><いじめられているあなたへ><いじめをみているあなたへ>そして、<まわりの大人のみなさんへ>と、それぞれの向けた言葉が書かれています。

<まわりの大人のみなさんへ>はこのように。

「私たちの小さなSOSに気づいてくれていますか。」私たちの「大丈夫」は「大丈夫ではない」かもしれません。私たちに関心をもって、いつも味方でいてください。お願いします。

ああ、私の現場でのDV、デートDVにつながっていると思いました。いじめも性教育の大切なテーマです。人間関係を大切にすること。あまりにこの教育を受けていない、悲しい大人たちに出会い続けています。明日、それを具体的に書きますね。どんなことが起こっているかを。

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性犯罪被害者の手記④

ある県外の事件で、当方で診察をした件の調書を作るためにその県から刑事さんが来られました。二度目の来院です。その前にお話したことをすでに下書きして来られていました。被害者から事件の様子も詳しく聞かれていました。そして、言われました。

「本当は、こういうことは女性の警察官に聞いてほしかったんです。でも、今、私一人です。」と。えっ?性犯罪の捜査、様々な人の沢山の調書を作るのも、全てお一人なのですか?はい、ちょうど産休、育休などで女性がいなくなっていますと。私一人で複数の事件のすべてやっていますと。なんと、そうなのですかと驚きました。

法律が変わり、性犯罪は親告罪でなくなり、捜査しやすくなっても、現場がどうなのでしょう。十分な予算をつけて人を増やし、捜査しやすくなっているでしょうか。ワンストップセンターを各都道府県に作る、そのための予算はつけられているそうですが、肝心の警察や検察がどうなのかという事です。

もちろん、素晴らしいと感心する警察官、検察官にお会いしてもいます。

「知事のセクハラ私の闘い」にも、ちゃんと取り組まれた男性の検察官が出てきます。この方の活躍で、知事の辞職にまで追い込むことができました。詩織さんの事件でも、コツコツと取り組んだ男性の警察官が出てきます。この方は、逮捕状を取る所までやって、その挙句担当を外されています。

でも、全く逆の人にも多く出会ってきました。警察や検察官の研修はちゃんとされているのかと疑問を持ちます。

特に、子どもが被害者の場合。ついて行った子が悪いような扱いに怒ったことがあります。大人が小さな子をだまそうとするのは、簡単なこと。あくまで、そうした加害者である大人の問題としてとらえてくれないとと。

被害を訴えてこられた患者さんの証拠を保全するために来て頂いた警察官でも、ちゃんと被害があったことが確認されないと証拠を取るための資材は出さないと言われます。あらかじめ事前に診察をして、そうだと思われるのなら、あれためて資材を渡しますと。

それは、被害者の訴えを頭から疑ってかかるという事?警察官との小さなせめぎあいはしょっちゅうです。

まだまだこの国は、性犯罪に対しては全くの後進国です。そして、詩織さんの事件で、そのことが全世界に知れ渡りました。まったく恥ずかしく悔しく腹立たしいことです。

まだまだだと、声を上げ続けることも必要なことと思うので・・・。

これは、広島のシャレオの地下にある「ふれ愛プラザ」です。障がいを持った方の作業所の作品が沢山売られています。機会あるごとにここに行って、縄文アイスを買うのですが、今回、木製のパズルになったお雛様を買いました。今日、孫に会うのでそのお土産です。今、作品もすごく充実して、楽しい場です。

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性犯罪被害者の手記③

小林美佳さんの「性犯罪被害にあうということ」から。

『毎日の生活は、「いつもと変わらない日常」をこなすことで精いっぱいだった。仕事や社会生活など、周りに他人がいて事件のことを公言できない場での私の生活は、「何かあったと悟られないように」過ごし、それまでと変わらないように見えていたと思う。実際、時間の速さや生活のリズムは何も変わっていなかった。しかし、一人の時間には、それまでと同じ生活は全くできなくなっていた。

食べることも忘れてしまう日々が続いた。ひと月で十三キロも体重が落ちた。そもそも、生きる気力を失った人間が、食べようと思うわけがない。(略)

一人でいる時間は、事件のこと以外、考えた記憶がない。取り憑かれたようにいつも事件のことばかり考え、汚らしいと感じる自分をどうしたらよいのか解らなかった。

フラフラしながら駅のプラットホームで電車を待っていると、「何かのはずみで人に押されて線路に落ちちゃえばいいのになあ」と、考えたりしていた。』

「魂の殺人」と言われるのはこういうことなのですね。

でも、今でも、多くの被害者に、心ない言葉で接し、行動する医療者、警察官、検察官がいるということを改めて考えさせられます。

集団レイプの被害に遭った人が、精一杯突っ張って話しているのに、「あんまりつらそうな顔をしていませんね」と言ってのけた検察官もいます。

小学生の子どもが大人の男の被害に遭ったのに、ついて行った彼女の問題だとの結論を出した警察も。

中学生が明らかに姦淫されているのに、そうではなく、胸を触ったという「強制わいせつ」として起訴した検察も。

そんな状況を考えると、今、御直披の感動がむなしくなってしまうのです。板谷さんは、今、詩織さんの事件をどう考えていらっしゃるのでしょう。それを聞いてみたいと思いました。いえ、詩織さんのブラックボックスには、彼女の事件の困難を乗り越え、丁寧に操作をし、証拠を集め、逮捕状を取った警察官がいることが記されています。でも、逮捕状の執行直前に政権の中枢に近い所にいる人から、執行を止められたのですね。担当を外された警察官は、今どうしていらっしゃるのでしょうか。

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この事件は、世界に日本の恥をさらしています。日本の大手のメディアがほとんど報道しない中、海外の多くのメディアが大きく報道しています。ニューヨークタイムズは、大変な取材を経て、大きくこの事件を取り上げました。その記事からは、とても沢山の人から話を聞いた形跡が分かります。わたしの所にさえ、この事件の背景を知るために、日本の性教育の状況はどうなのかという取材があり、掲載された新聞を送って来ました。

そのほか、ヨーロッパもアジアも、多くのメディアが報道することで、日本は、性犯罪に対してこんな状況であるということを世界中の人に知られることになったのですね。本当に恥ずかしい。

もう一回、このことについて書きますね。

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性犯罪被害者の手記②

「あなたは二十六歳でもう処女でもないんだからいいじゃないか」

「いま警察にこなければ、法廷に呼ばれて皆の前ですべてを話さなければならなくなるけど、それでもいいんですか」

「レイプされた女性の悲しさや恐怖、無力感がどれだけのものか分かりますか?」

これは、御直披の、神奈川県警察本部「性犯罪捜査係」の板谷利加子さんに送られて来た被害者の手紙の一部です。

1996年、国松幸次長官の指揮のもとに犯罪被害者への支援を積極的に打ち出す方針を決定、なかでも性犯罪捜査の改革は最重要課題として位置づけられました。

その方針のもと全警察本部に性犯罪捜査の担当係りが新設され、婦人警察官を必ず配置することになりました。その流れの中、神奈川県警察本部に1996年4月、全国に先駆け性犯罪捜査係が新設されました。同時に被害者たちからの声を直接聞くべく、「性犯罪被害110番」が開設され、板谷さんなど三人の女性捜査官が任命されました。

そして、数々の事件に取り組んでいるさなかに届いた手紙でした。手紙にひどく心打たれた板谷さんたちの働きで、二人の加害者は逮捕、ひどい余罪も沢山あって、犯人は懲役20年の判決を受けました。

「ちょっと聞いてみるんですが、あの〇〇は、事件の時は処女でしたかのう?」これは、以前私にかかって来た警察官の電話です。私は、「処女かどうか、それが事件となにか関係があるのですか?」私は怒って尋ねました。そしたら、「処女だったんなら、少しは本気で考えてやらんといけんと思いましてのう」

こんなやり取りが本当にあったのです。警察なんて、こんなものでした。

この二人の手紙を読んで、こんな警察官もいたのかという思い、自分の被害を、つらい思いで、季節の移り変わりの観察をも表現しながら、それはそれはベテランの作家が書く小説よりも言葉が豊かな被害者の手紙には、本当に胸が詰まりました。

そして思います。これがなぜ続かなかったのだろうかと。それから20年以上も経った今、また、性犯罪の捜査は以前の状況に戻ってしまっているのではないかと。

もう少し今の状況について書きますね。

昨日、高校一年生に話に行きました。生徒さんは一生懸命聞いてくれました。感想を読んでみないとどう受け止めたかは分かりませんが。それも含めて、まだまだお伝えしたいことは沢山あります。

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性犯罪被害者の手記①

今日は私は広島市内の高校1年生に話しに行きます。彼女、彼らが豊かな人間関係の中で、豊かな人生を送られる様にという願いを込めて話したいと思います。

というのも、ここ最近、あまりにつらい目に遭った人たちに出会い続け、そして必然的にではありますが、性被害の関連の本ばかり読んでいます。被害者にも加害者にもならないでほしい。その基礎をお話したいと思います。

ここでもこれまでご紹介してきましたが。新たに最近読んだのが、次のような本です。

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どれも古い本です。これらはすべて被害に遭った人たちの体験とその深い傷からの立ち直りの過程を記した 体験記です。

どの被害者も、本当にひどいダメージを受けました。その被害、後遺症、平穏な生活もできなくなってしまいます。しかし、そこから本当に血がにじむ努力で立ち直っていきます。

以前紹介した東小雪さんの「なかったことにしたくない」にも、すさまじいカウンセリングの力で立ち直る過程がつづられていました。そして、必ず立ち直れるからと書かれていました。

しかし、自分に起こったこと、被害を受けたことを訴えるのには、本当に大きな壁があります。知事の選挙中にセクハラにあった田中さんも、心ない人々の誹謗中傷や、知事を訴えることに強硬に反対する父親の学費の援助も打ち切られ、大学を中退せざるを得なくなりました。でも、彼女を支援する弁護士さん、彼女の訴えに耳を傾け、正面から取り組んでくれた検事のおかげで、彼女の訴えは裁判の場でも認められました。孤独なつらい闘いではありましたが、でも、支援してくれる人もあり、支えられながら、闘い切ることができました。

「性犯罪被害にあうということ」の小林美佳さんの場合、事件の加害者は特定されず、逮捕もされていません。被害の後の生活がどうなったか、あまりに痛々しくて。

私が診察室で向き合う被害者の方々が、その後こんな心の痛みを抱えち続けて生活しているのだという事を改めて教えてもらいました。

そして、「御直披」。これは、異色です。本当にひどい被害を受けた女性の一通の手紙、そこから警察官と彼女の間で交わされた書簡です。性犯罪を許さないという、強い信念を持った女性警察官に感動する場も数々ありました。

これらについて、少しシリーズで書きたいと思います。

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下関での一日

昨日は、下関で無事講演を終えました。

下関の男女共同参画に取り組んでいる人たちが沢山は来て下さいました。これは講演前です。

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スタッフの皆様と。ひまわりが胸に。下関市市民部人権・男女共同参画課の課長や課長補佐の方たちも来て下さいました。

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講演の後は、皆さんで食事会。沢山の方たちと海峡が見えるレストランで。

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その後、唐戸市場に連れて行って下さいました。下関には何度も来ていますが、行きたい行きたいと思っていた唐戸市場、初めてです。雪が舞う浜辺にありました。

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中に入るとでっかいフグが。これは御祭りの時には出て行くのだそうです。私も精一杯ほっぺを膨らませました。

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中には、沢山のフグのお刺身やなんとお寿司を売っているお店が。自分で選んでパックに詰めます。見ている内に、大トロやアナゴの一本付けが半額になりました。

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サザエも安い!! 1500円のを一山買いました。ふぐ刺しも。

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晩御飯は大変豪華でした。サザエはゆでた後、夫が全部中身を出してくれました。これだけで一人前約1300円ですよ。

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下関の皆様、本当に本当にお世話になりました。ありがとうございました。

準備が大変な講演は一応これでひと段落です。これからはしばらく中学生、高校生へのお話になります。

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四国セミナーのご報告

四国セミナーの分科会の中学校での性教育、私も生徒として模擬授業を受けました。高知の中学校の体育の先生と養護の先生の連携で行われました。二人の先生の発表、それに続いての全員参加の授業でした。授業は、十時間かけて行われています。すごい!!d@(g@)4計画を見ると、二次性徴とホルモンなどの体について学ぶこと、妊娠、性の多様性(LGBT)、性感染症、などのほか、最終的には「素敵な関係」について学びます。

その「素敵な関係ってなんだろう」の模擬授業でした。

以下の三つの事例について考えます。

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三つ目は、③信用して大丈夫?

SNSについての漫画が題材となっています。悩みを聞いてくれるSNSの相手に下着姿の写真を送ってと言われ、今度は裸の写真を送ってと言われ、その時点で、相手は架空の人であるということに気づくという漫画です。

グループに分かれて、それぞれについての自分の意見を言い、話し合います。その上での素敵な関係とは。

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そして、最後には保護者との連携も配慮して、このような通信が配られます。生徒さんにとっても、こうしてまとめてあるプリントをもっておくことは将来の宝になりますね。

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この学校の生徒はこのような授業を受けて高校生になっていける、とてもラッキーなこです。すべての学校でこのような取り組みがなされたなら・・。今セクハラやレイプなどで報道されているような情けない大人にはならなくて済むはずなのですが。

四国の皆様、本当にありがとうございました。おかげ様で楽しく有意義に過ごすことができました。

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