特別養子縁組の研修の講師を務めました。

 昨日は、午後から夜まで周南市の田中病院で特別養子縁組の研修の講師を務めました。それまでに作っておいた資料集、それからアメリカの養親希望の方に行われるホームスタディの内容などの資料を持っていきました。参加は田中病院の院長と養子縁組に関わっているスタッフさんだけでなく、東京から「愛着とトラウマのトリートメント研究所・ATTI Japan」の榊原さん、石川さん、東京都の特別養子縁組新生児委託推進員の及川さんも。今回の目的は、養親候補の方たちへの対応、赤ちゃんを産んで手放した生母さんへのその後の対応なとです。

 会場は、田中病院の素敵なレストラン。今はコロナ対応で使っていないそうですが。

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 私が二時間お話しした後、ディスカッション。話題が次々と出て、話は尽きません。その後、レストラン「ドロワット・エゴーシュ」に場所を移して、食事をしながら、まだまだ話が続きました。特別養子縁組に対する田中院長の熱心さも、それから東京都の新生児縁組についても、学ぶ所が多く、私にとっても、とても勉強になりました。


食事の一部です。本当に素敵な食事で、運ばれる度に歓声が上がりました。

桃とトマトのカプレーゼ

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イチジクと生ハムとクルミ。

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ポテトにどっさりのクリームチーズ。

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鴨のロースト、ブルーベリーのソース。

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中とろのあぶり。絶品。

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ローストビーフ?ステーキ?付け合わせがサツマイモというのが素敵。

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ガーリックトースト。

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まだ舌平目やデザートのケーキなどがありました。

 ここに、私がお世話をして特別養子を二人育てて下さっているアメリカ在住の方から送られてきた、養親へのホームスタディをどんなものなのか、アップしますね。一部、個人的な事は削除しています。

河野先生

長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。ご依頼頂いていました、アメリカで養子を迎え入れる為のホームスタディについてお知らせします。

 先ず、養子縁組に関わる法律は州によって異なります。私たちが経験したことはあくまでも〇〇州でのケースということになりますので、その点ご理解頂ければ幸いです。

 ホームスタディには主に二つの要素(安全検査と面接)があります。

  • 家庭内の安全検査
    • 養子を迎える前に、どれだけ家庭内の「赤ちゃん対策」が出来ているかの検査です。
    • このような事がチェックされます。
      • 化学薬品、洗剤、医薬品等は手の届かないところに置いてある。
      • 重い家具は壁に固定されている。
      • 武器は金庫に保管されている。
      • 窓の網戸と鍵がしっかりと取り付けられていて、機能している。
      • 階段にはゲートが設置されている。
      • 全てのコンセントにはカバーがされている。
      • 煙・火災や二酸化炭素、一酸化炭素等の検知器が作動している。
      • 緊急時の避難地図を作成、そして家庭内の各階に掲示している。
      • その他、基本的な子供の安全対策が施されている。
    • ホームスタディの専門家が、養子縁組希望者が見落としているかもしれない安全対策に気づかせてくれる良い機会です。仮に何かが指摘されれば、当然それを修正することが求められます。
  • 4歳以上の家族全員との養子縁組面接
    • ホームスタディをするソーシャルワーカーが、養子縁組希望者とその家族について、個人として、夫婦として、そして家族として詳しく知る機会です。夫婦間(同性婚カップルも含まれます)の関係、子育てについての考え、個人的な価値や興味、それぞれのキャリア、子供時代等についての話題が含まれます。
      • 夫婦間の関係、家族との関係、養子縁組というゴールについて
      • 養子縁組希望者の幼児期の経験がどのように彼らの抱く子育て哲学に影響を与えたか
      • 養子縁組希望者と実親の間のこれまでの関係、経験
      • 養子縁組における人種と文化の影響
      • オハイオ州の養子縁組プロセス一般について
    • これらの質問を通じ、ソーシャルワーカーが、養子縁組希望者が養子縁組プロセスについてどのような感情を抱いているのか、そして養子縁組を通してどのような親となり得るのかを理解するのが目的です。
    • 夫婦での面接に加えて、夫婦間で考えが一致しているかどうかを確認するために一人一人との面接をする州もあるようです。どちらも養子縁組を前向きに捉え、強く積極的に希望していることがチェックされます。
    • 養子縁組希望者には、このインタビューに備えて、養子縁組に関するトピックについて学ぶことが求められます。養子縁組のプロセス全般については勿論ですが、子育てについて(特に養子が経験しがちなトラブルやチャレンジについて)、文化の多様性について、人種間の問題や異人種の子を育てる際のチャレンジについてのトピック等が含まれます。

私たち自身が具体的に聞かれた質問はさすがにあまり記憶に残っていないのですが、面接へ向けての準備をしていくなかで考えておくべきとされる質問のリストを見つけましたので、下記にコピペしておきます(ネットの翻訳サイトを利用しましたので、若干の不自然さはお許しください)。

  • あなた(養子縁組希望者)自身について
    • 不妊の経験と、不妊の悲しみをどのように解決しましたか?
    • あなたの宗教的/倫理的な背景と信条、そしてお子さんの宗教的/倫理的な教育計画について教えてください。
    • あなたの生家ではどのような子育てをされましたか?また、あなたの生育経験は、あなた自身の子育てにどのような影響を与える可能性がありますか?
    • あなたの出身家族に薬物やアルコール依存がありますか?それはあなたにどのような影響を与えますか?
    • 配偶者やパートナーとの関係はどうですか?チームとしてどのように問題解決に取り組み、対立に対処していますか?例を挙げてください。
    • 逮捕されたことがありますか?どんな理由で?それは「若気の至り」によるものですか?同じことを繰り返さないために、生活の中でどのような変化を起こしましたか?
    • 現在、アルコールと薬物はあなたの人生でどのような役割を果たしていますか?薬物依存の治療を受けたことがありますか?
    • セラピストやカウンセラーに診てもらったことがありますか?その結果はどうでしたか?現在の状況はどうですか?
    • 雇用状況はどうですか?子どもが生まれた後の予定は?
    • 経済状況はどうですか?身の丈にあった生活と将来のための貯蓄はできていますか?
  • 子育てと養子縁組について
    • 養子を迎える動機は何ですか?
    • どのような子どもを養子にしたいとお考えですか?
    • 出生前に薬物やアルコールに暴露された子供を養子に迎えることは可能ですか?その他の障害はありますか?
    • 実の親との継続的な関係に前向きですか?
    • 他の人種の子供を育てることに前向きですか?もしそうなら、他民族の子どもや大人とどのような経験がありますか?同じ人種の経験をどのように子どもの人生に取り入れますか?
    • 養子縁組について知るためにどのような努力をしましたか(読んだ本、参加した会議、感想など)?
    • 親になることに何を期待しますか?子供に?
    • 子育て(特にしつけ)についてどのような理論を持っていますか?
    • 子どもの世話をした経験は?
    • あなたの養子縁組の計画について、家族はどのように感じていますか?
    • 独身の場合、日常的な支援体制、子供に大人の異性のロールモデルを提供する計画、あなたが死亡または障害を負った場合の計画はどのようなものですか?

実際に今回先生がお話しになる内容に当てはまるかどうか分かりませんが、私たちの記憶と理解は以上の通りです。他にもっと詳しく聞きたい内容や、今回私が全く触れていないけれども先生のお役に立つような情報がありましたら、お気軽にお知らせください。

 

以上です。このようなホームスタディを経て、偏見にとらわれない、自由で素敵な子育てに社会全体で取り組んでいるのだということがよくわかります。また、東京都の新生児の特別養子縁組の際に行われる面接などもとても勉強になりました。私も、これらに少しでも近づけるように精進して、養親さんがより素敵な子育てができるように、サポートしたいと思います。


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子ども家庭庁の研修後、下関です。

下関です。

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今日は、朝10時から午後4時まで子ども家庭庁による研修がありました。特別養子縁組民間あっせん機関責任者研修です。今日の前にそれまでに自分でオンデマンドの講習を受けておくことと。それを昨夜2時までかかって終えました。今日は、診療があるのですが、午前中は早くに行って10時まで診療をしました。その後には、お薬の方、注射の方、私が研修を受けている所に、ナースに指示を受けに来てもらいました。診療をしなければならない人には、お昼休みまで待ってもらって。お昼になってすぐに溜まっている患者さんの診療をしまた。その内、四方先生が来て下さって、ホッ。

 研修は

法令・指針の理解

講義1 特別養子縁組に関する制度の現状
講義1  法令・指針の理解
講義1  養子縁組に関する支援の拡充等

養子縁組あっせんに必要なソーシャルワーク

講義2  その1
講義2  その2 養子の本音20項目
講義2 その3 子どもを養子縁組に託す選択をした実親のための相談と支援

養親希望者への研修に必要な知識・内容

講義3 その1 子どものこころの発達を阻害するリスクと守る要件
講義3その2 保護要件の核となるアタッチメント
講義3その3 子どもの喪失を理解し対応する

以上がオンデマンドで延々と聞きましたよ。

そして、今日は午前一題、午後一題のグループディスカッションでした。仮定のケースについて、

・こどもに関する支援のポイント
・実家族に関する支援のポイント
・養親家族に対する支援のポイント
・他(多)機関連携のポイント

などなど。

他の団体の方たちとグルーブになって話し合うのは、皆さん、それぞれいろいろな背景と歴史をもってこの事業に入って来た方たちで、それは楽しい話し合いでした。話も具体的にできたし。研究者の方たちの話を一方的に聴くのでなく、実践をする人たち同士で、もっとお互いのいろいろなノウハウを話しあえば、うんと充実した研修になるのにと思います。


 明日は、福岡で兄のもう一つの遺作展があります。それに行きます。

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研修を済ませて、車を飛ばして下関まで。小坪夫妻が先に到着していました。明日は、甥たちも来るそうですし、兄のお弟子さんたちにもお会いする予定です。そして、まだ工房に残っている作品も持って帰ろうと思います。

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養子縁組、生母からのライン。

しばらく連絡がなかった女性から突然、ラインがきました。

「ご無沙汰しています!お久しぶりです!!結婚して、今年の7月に子どもが生まれました。」と。

彼女は、〇年前に赤ちゃんを産んで、私のお世話でその赤ちゃんは特別養子縁組として養親の元で育っています。

特別養子縁組のあっせんをするにあたって、私は養子自身と養親の子育てと、それから大切なのは、赤ちゃんを産んだ生母(今は実母とは言いません)の立ち直りをちゃんとしないとと思っています。そのためにもずっと生母と繋がっていたいと思っています。私と生母、それから私と養親はラインでつながっています。生母が望む限り、養親から送られてきた写真を生母に転送します。生母と養親は直接には連絡はできません。あくまでも私の仲介を通してです。

「こんなにかわいがって、しっかり育ててもらっていますよ。」と。写真を見て、生母は安心もします。やがて生母にも彼ができたり、結婚したり、赤ちゃんが生まれたりします。時には、新たな彼とのトラブルや、避妊の相談等で、ラインだけでなく、受診をしてもらうこともあります。養子にした子については、忘れることはできませんが、それでも、目の前の子育てに追われたりするうちに、だんだんとフェイドアウトしていきます。

 中学生の時に出産をして養子縁組をし、もう今は新たに三人の子を産み、たくましい母親になっている女性もいます。

 この度の生母については、赤ちゃんの写真をみたいと言ってきていたのが、だんだんその頻度が少なくなって、ああ、きっと新たな生活が始まっているな、と思っていたところでした。

「なんとなんと!おめでとうございます。(いっぱい絵文字)子育ては大丈夫ですか?何かあったら言って下さいね。お手伝いしますよ。赤ちゃんの写真、できたらここに送って下さい。」

「はい!大丈夫です。ありがとうございます。はい、何かあったら相談させて頂きます。」(絵文字がいっぱい)

まるまるした元気な笑顔の赤ちゃんの写真が送られてきました。

「イヤー、かわいい。男の子ですか?夜の授乳、大変でしょう。頑張ってそだてて下さいね。」

「ありがとうございます。男の子です。はい、でも最近は4時間5時間になったので大分楽になりました。毎日癒されています。はい!ありがとうございます。」

私は、養親にラインをしました。

「河野です。皆さま、お元気でしょうか?ご報告です。〇〇〇〇さん、すでに結婚してこの7月に男の子が生まれました。夜の授乳も頑張って、楽しく子育てをしています。一安心です。こちらには赤ちゃんの写真も送ってもらっています。元気な子です。」

「おはようございます。元気にしております。おめでとうございます。本当に良かったです。お祝いなど、送ってもよいでしょうか。〇〇ちゃんに血縁のある弟ができたということですね。貴重な情報をありがとうございます。」(元気な〇〇ちゃんの写真がいっぱい)

「〇〇ちゃんはもうすぐ〇歳で、上手におしゃべりしています。ピアノを弾く真似をしたり、海に行ったり、何でも食べますし、一人でお着換えもできるようになり、明るく元気です。」
「〇〇(生母)さんとは、〇〇ちゃんをお預かりする時に、ちゃんと結婚して、次のお子さんはしっかり育ててねと、お約束したんです。だから、本当に良かったと思います。」

その後、弟君の写真も送り、二人がそっくりだと言いあったりしました・・。

赤ちゃんの写真など、ここには出せないので、代わりに。先日、亡くなった兄の遺児が遺作展に来てくれた時、韓国料理を食べに行きました。全室個室で、対応もお料理も素敵な所です。天井の写真です。この両側に個室が並んでいます。

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アメリカからのお客様

 岡山の二日目は市場さんが豪華な朝ごはんを作って下さり、ありがたく頂いて、早くに出発、池田家の菩提寺である禅寺、曹源寺に連れて行っていただきました。それから、牛窓のオリーブ園、長島愛生園へ。とても暑い中、市場さんは精力的に車を運転し、解説もしてくださいました。さらに、みどり岡山の研修会へ。そこでもお話しをさせて頂きました。市場さんのフェイスブックに詳しく書いて頂いて、私は助かっています。少しだけ私からの追加もゆっくりと書いておこうと思います。

 今日は、市場さんの豪華朝ごはんの写真だけで。お花や折り鶴まで飾って頂いて。アスパラの炒め物はハーブ塩で味つけ、ジュースはオーガニックの人参ジュース。大根の酢の物もかぼちゃのサラダも、何もかも美味で。沢知恵さんのレコードを聴きながら、本当にありがたくいただきました。

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 それは、昨日の事。なんかもうすごく日にちが経ったような気がします。

 今日は、アメリカから大切な一家が来られるので、今度は私がその方たちを旅館までお迎えに行き、岩国の錦帯橋、そして「山賊いろり」に行きました。三連休の最終日でもあってと思います、渋滞や山賊での順番待ち等、相当な時間を費やしました。子どもたちは、私のお世話で養子縁組をした子たちです。二人とも、本当にかわいがられて、大切にすくすくと育てて頂いています。素敵なご夫婦や、かわいい子どもたちの写真は、見ていただくことができなくて残念。お顔が分からないようにさせて頂きます。

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錦帯橋の後ろ姿。

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子どもたちの希望で、川遊び。私たちは錦帯橋の下の日陰で風も涼しく、大人の話を。養子の子の子育てについて。アメリカと日本の子育ての違いも含めて。

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錦帯橋を下から眺めたのは、初めてです。

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山賊では、長く待ちました。山の中は涼しく、待った分お腹がすいて、子どもたちもよく食べましたよ。山賊むすび、鶏の山賊焼き、おうどんやギョーザ等。私は、沈みもちとやまめの塩焼き。

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ご一家は、今日は宮島に宿泊されるので宮島口までお連れして、そこでさようならでした。可愛い子どもたちと一緒で幸せでした。またいつか会える時が来るでしょうか・・。

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無時終えましたよ。

無時学会も終わりました。実はあんまり無事でもなかったのだけれど。まあ一応・・。一般演題の発表者はは皆さん若くて、私は場違いでしたが。会場とオンラインのハイブリットで行われました。

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でも、座長が「大変大切な問題を発表して戴きました。」と言って下さいました。質問はお一人。今丁度待機している人がいるのだけれど、その胎児に異常があった場合どうなのかということでした。これは特別養子縁組にはとても大切なことなのですが。生まれてくる子がみんな健康とは限らなくって病気の子である場合もあるし、それは自分で産む場合だってそういうことはありうるので。どなたでも、子どもに異常があっても、すべて引き受けるという覚悟でないと産むこともできません。養子縁組の場合、研修でそういう場合のことは取り上げています。ただ、現実として受け入れられないと言われればそれは仕方がないことです。ダウン症の場合などは引き受けてくける養親もいらっしゃるし。それから、今は原則禁止されている他国への国際養子縁組、例えばアメリカなどでは、病気や異常がある子も社会の子として受け入れて下さる人はとても多いのです。今は国際養子縁組が出来ないので残念なのですが。もし該当する方がおありなら、どうぞお声をかけて下さい。丁寧に対応させていただきます。もし何か異常があるということであれば全力で受け入れて下さいる方を探しますと、そんなお答えをしました。

 その後もまだ「時間がありますので、先生どうぞお話ししたいことがあればここでお話し下さい」と、座長がとてもやさしくてありがたくって。だから、追加で話したいことは一杯あったのですが、結局はあっせんの費用の問題をお話しました。やはり養子縁組について5分で話すというのは無理があります。わかっていたことですが、こういうこともあると多くのドクターたちに知っておいていただきたくて。その効果はあったのではないかと思っています。

今回の学会用にスーツを買いました。コムサです。久しぶりの正装でした。手が長かったので折り曲げてでも、その他はなんにも直さなくてもうれしかったのですよ。写真ではわかりません白の細い線が入った柔らかい生地でとても着やすいです。


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ともあれ終わりました。その後今日締め切りの原稿もあったので、後でクリニックに行って原稿書き。ちゃんと書き終えて送りました。少しの間、楽かな?


 


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社会的養護についての学会発表のパワポの続きです。

もう少し昨日の続きを。社会的養護についての、学会発表のパワポの一部をもう少しアップしますね。力を入れて作ったスライドですが。やはり問題は5分でこれらがしゃべれるかということです。

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当日会場では出しますが、養親さんと養子の写真やラインでのやり取り等がここではアップできないのが残念です。


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産科婦人科学会の準備が出来ました。

学会の準備がやっとできました。

今日の午後4時が締め切りの、スライドと抄録を作って先ほどメールしました。
スライドは盛り沢山すぎるので、発表の時には飛ばし飛ばししなければならないかもです。
28日ですのでそれまで練習します。

スライドの一部です。

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抄録です。200字以内ということですので苦労しました。


社会的養護を要する出産の母児のサポートについて
 孤立出産、児の死亡、女性が罪に問われるという事件が相次いでいる。彼女たちは相談相手を持たず、児を養育できない場合、社会的養護が可能であるとの情報が届いていない。当院は特別養子縁組あっせん事業者である。養護施設、里親、特別養子縁組等の違いを含めて、このような事例に、どう対応すればよいか。女性の立ち直りのサポート等を報告したい。又、義務教育での避妊・人間関係づくりを含めた男女への性教育の充実を強く望む。

ちょっと一息ですが、練習練習、です。何しろたった5分ですので。ああ、5分のために何日苦労したのでしょう。


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映画「ベイビーブローカー」

今日は夏休み最後の日。午前中、どうしても行かなくてはと思っていた映画「ベイビーブローカー」を観に行きました。

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韓国に三か所ある「赤ちゃんポスト」。釜山の赤ちゃんポストに預けられたベビーを、高く売ろうとする二人の男と実母。追いかける女性刑事二人。これらの大人に混ざって施設で生活している一人の男の子。無邪気で明るく元気な子に救われます。赤ちゃんを高く売る・・命の売買。男たちはみんな優しいのですね。

養子縁組のお世話をしている私には、いろいろと痛い言葉がありました。

でも、結局は「生まれてきてくれてありがとう」に尽きる、家族って何だろう?子ども育てるって?一緒に生きるって?それらの問いかけが是枝監督特有の手法でていねいに語られました。ふんわりとした感動が胸に残りました。

映画の後、午後は、電話当番。当番をしながら学会のスライド作りです。厚労省のデータをいろいろと調べながら。社会的養護を要する出産・・午前中の映画と重なって。養護施設で育つ子、里親の元で育つ子、特別養子縁組で養親の実子として育つ子。でも、その前に、出生0日で命を落とす子。0日で虐待死する子の加害者は圧倒的に実母。それらのデータを作りながら、今日の映画監督の「生まれない方が良かった命は一つもない」という言葉が胸に居座り続けています。

産婦人科という場で、このような命を迎えるスタッフへの問いかけを学会で話したいのです。が、産婦人科にたどり着かないままに女性が追い込まれて行くことを何とかしなければ。そんなことを考えながらスライドを作っています。


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内密出産について⑥

私は「法の範囲内で」と言いましたが、特別養子縁組については、納得できないことは多々あります。私は海外にいる「主に」日系の方たちにも特別養子縁組のお世話をしてきました。でも、今はできません。法律が代わってしまって、「国内に」養親になることを受け入れて下さる方たちがいない時に限ってとなってしまいましたので。又、以前なら、私達があっせんしても、最終的に特別養子縁組を決めるのは家庭裁判所でした。そこに書類てしぃゅつすればよかったのですが、今は特別養子縁組のあっせんを許可した地方自治体の長に、その経過を一つ一つすべて報告することが義務付けられました。それが、一筋縄ではないのです。何十枚という書類を提出しなければなりません。ここまで自治体がするのであれば、家庭裁判所は一体どういう働きするのだろうと思ってしまいます。

 私たちはそれに従わなければなりません。そうしないと、資格がはく奪されることが怖いからです。

 いわばそれ以上に大切なことは、養親に育てられる子どもたち自身の出自を知ることの問題です。自分がどこで誰から生まれたのか、そして、どうして養親に育てられることになったのか、それを知ることは、自らのアイデンティティを確立していくために必要なことと思います。自分はどこの誰から生まれたのかを、大人になってから探している人のことは何人からも聞いています。

 その為に、私がずっとしてきたことは、実母が出産に至るまでのこと、そして自ら育てるのでなく、どなたかに養子として迎えて育てて欲しいとの結論を出すプロセス、一方養親側の事情についても、詳しく記録します。それを裁判所に提出してきましたが、そのコピーを当方で保管するし、養親になる方にもお渡しします。

いつか子ども自身がそれらを知ることの資料の一つとして使って欲しいと。できれば、その時には、このまま子どもに渡して欲しいことと伝えて。

もちろん、子育ての中で、早くから子どもには「産んでくれたお母さんがいること」を伝える様にお伝えしています。知らないままに実子として育てられていて、実親ではないことを思春期に知る、それも養親からでなく、他の人から、または偶然に知ることは最悪なのです。育ててくれてありがとうと感謝する気持ちより騙されていたいう気持ちが先に立ってしまいます。

 私はこれらのことを国際養子縁組の中で学びました。もうこれは私が以前ブログに書いたことなのですが、私がハワイに行った時にハワイにいる養子親子の方たちがパーティーを開いて下さいました。その中で、「私はね、広島で生まれたの。お母さんが若くて私を育てられなかったから、ハワイに来たの」などと、ふつうに言う子どもたちばかりでした。養子縁組することが、決して特別なことでなく、とても自然なのでした。

 今回の内密出産の子どもが大きくなった時、「母親が自分の名前で出生届を出すことすら拒否した」と知らざるえないでしょう。その時の子どもの心情を思いやると、たまらないものがあります。実母に対して、その子どものことも含めて粘り強く説得すること。少なくとも、自分の名前で出生届を出すことは、自分で育てられない赤ちゃんに対しての最低限の義務だと思います。出生届を出さないという選択をさせるのは、努力不足です。赤ちゃんの命を守るためという名目でそうしようとされているようですが、赤ちゃんの命を守ることと、出生届を出すことは矛盾しません。

 前回少し説明不足でしたが、実母の戸籍から、出産したこと消すことはできます。だから、出産したことが、世間に知られないようにすることは可能なのです。身内に対しても。最近では、実母の両親に知られないままに手続きを完了した人もいます。同居していたのに、実父に知られないままに完了した人もいます。裁判所もしっかり対応して下さいました。ましてや、近所の人や親戚に知られることなど、全くありません。一人ひとり状況に応じて、工夫をし、丁寧に対応することで、それらは可能です。

 今、心配するのは、多くのあっせん事業者がそれらの努力しているのにもかかわらず、熊本のその病院のみがそんな対応をしていると思われること。そして、自分も出生届を出さない対応をしてくれと、そこを訪れること。すでに第二号があらわれたと報道されています。厚労省も何の声明も出さず、黙認しています。私たちの努力が、まるで無になろうとしています。

 枯れてしまったと悲観していたベゴニアが、無事冬越しし、茎と葉が出て来て、そしてこんなに花つけています。きれいな色です。でも、これも全く枯れていたあじさいが、ムクムクと成長し、大きな株になったのに全く花をつけません。花屋さんが言われたように鉢は大きいのに替えたし、肥料も上げているのに・・。どうしたらいいのか分かりません。

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内密出産について⑤

 予期せぬ妊娠をした女性が、誰かにSOSを求めることもできず、一人で産婦人科受診することもできず悩み、抱え込んでいる内にアッという間に時は経ってしまいます。やっと産婦人科に来た時には、もう中絶可能な時期を過ぎ、産むしかないとなってしまった、でも産んでも育てることもできない場合、その赤ちゃんをどうする?誰がどこで育てるのか、ということなのですね。

 その陰には、妊娠させるだけさせておいて、一切彼女の相談にも乗らない、一人行動をとることもしない男性の姿があります。そもそも男がさっさと行動をとっていれば、彼女が一人ここまで悩み続けることもなかったのです。中には彼女が妊娠していることさえ知らないままの男性もいます。無責任な男たちのかげで、全てが彼女の肩にかぶさっているのです。もしもその女性がこれまで様々な人生の経験をしている人であれば、智恵も授かっているでしょうし、その中でさまざまな人たちとの繋がりもできているでしよう。

 でも、そのような経験もない若い女性が、一人で産み一人で育るのは、まず不可能です。孤立出産をし、赤ちゃんが亡くなって一人罪に問われる若い女性の姿も後を絶ちません。

 そのような報道がある度に、せめてその一日前にでも私の所に来てくれていたら、と思うのです。私のところにたどり着いてその日のうちに出産をした高校生もいます。生まれた後で家に連絡をし、びっくり仰天で駆け付けて来たお母さんは、「言えばよかったのに」と彼女に言いました。ふつうのお母さんです。きっと彼女が助けてと言えば全力で助けて下さったでしょう。でも彼女は「言えなかった」そうです。

 予期せぬ妊娠をした女性は、そのほとんどが親には、中でもお母さんには知られたくないと言います。そのような時女性が成人であれば知られないように出産をし、本人が望めば特別養子縁組のお世話もします。親に知られないですべてをすることは可能です。何人もそのお世話をしてきました。

 もしもその女性が未成年であったなら。本人とよく話をします。なぜ親に話が出来ないか。話したら、親が知ったらどうなるだろうか、しっかり話を聴きます。もしも自分では言えないというのであれば、こちらから話をします。丁寧に話せば、たいていの親は、初めはショックを受けますが、時間がたてば、彼女のためにどうしたらいいのか本気で考えるようになります。そうなるまで、彼女の隔離が必要なこともあります。それから大切なことの一つ。虐待されて育った女性が、親に話せないのであれば、誰か、親に変わる人はいないだろうか、その人を探します。誰か味方になってくれる人がいないと、不安定な中で出産を乗り越えるのはとても大変です。もし身内にそのような人がいないのであれば、当方で誰か手当をします。今では、妊娠SOSのボランティアの人等が、とても大切な働きをして下さいます。どうしても親に言えないのであれば言えないままに出産することもあります。

 赤ちゃんが生まれた後、出生届はちゃんと出します。それは法に沿って。届けによって、親と一緒の戸籍から彼女と赤ちゃんの二人の戸籍になります。それでも、日ごろ戸籍を取って見る人はあまりいませんので、人に知られることはありません。いわば、時間稼ぎですね。

さらに。特別養子縁組の申し立てには、実母の同意が得られているか問う箇所はありますが、実母が未成年であってもその親の同意が取れているかを問う箇所はありません。実父の同意が取れないことはしばしばあります。特にDV男の場合、出産が知られると、絶対と言っていいほど、養子縁組の同意は取れません。それに彼女の命の危機になることもあります。そのような事情は、家庭裁判所の調査官に良く良く説明をします。この頃の調査官の方は一人一人の事情をとてもよく聴いて配慮して下さいます。

まだいろいろと配慮しなければならないことはありますので、もう少し続けますね。

ベランダの花です。ハイビスカスが、一度に五つも花を咲かせました。小さな木ですのに。それに、うれしいことに他のハイビスカスたち、温室でも冬を越すことが出来ず、枯れてしまったと思っていたのが、何と緑の葉っぱでが出てきて、小さなつぼみ見つけました。赤も黄色も咲いてくれそうです。本当にうれしくて。

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