ジャニーズの事件について考えること②
ある中学校のスポーツの指導者が男子中学生に性的暴行を加えました。沢山の生徒に繰り返し。その指導者は警察に逮捕されましたが、結局罪に問われたのは、中学一年生の一人に対してのみでした。一年生は、12歳だからです。日本の性的自立、性的同意年齢は13歳とされていました。明治以来延々と。13才未満の人に性的暴行を加えれば、文句なしに罪に問われます。でも、13歳からは、どれだけ抵抗したかが問われます。または、抵抗できない、暴行・脅迫があったのかが。しかし、いつも女性の被害者が問われている命の危機を感じるほどの暴行、脅迫はこの中学生の場合はありませんでした。他の沢山の生徒たちは、抵抗しようとすればできたはずです。しかし、そこに「いうことを聞かないと試合に出してもらえない」ということは、一度聞かされれば、それは恐怖に近い感情となり、抵抗できなくなってもやむを得ないことでしょう。
まさに、ジャニーズでの沢山の男性が被害にあったと同じ被害でした。
そして、多くの人たちの訴えがやっと実る形で、今年の7月13日から、新しい刑法が施行されました。
それまでの「強姦罪」は2017年に「強制性交罪」となり、そして今回「不同意性交罪」となりました。不同意の累型が8つ提示されました。例えば、その1は暴行・脅迫を用いることなど。その8番目に「経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させることまたはそれを憂慮している事」とあります。これは会社の上司と部下とか、学校の教師と生徒とか。
先述のスポーツの指導者とか、それにまさにジャニーズ氏の性暴力にに当てはまります。
そして、性的同意年齢がこれもやっと13歳から16歳に引き上げられました。
先述のスポーツの指導者からの被害者は中学生ですので、すべてこの16歳より下でした。そして、ジャニーズ事務所の多くの被害者もはじめは少年でした。中には、その意味も解らないままに被害を受けている人もいます。
今回の性暴力の刑法を改正することで、やっと日本も世界の他の国々と同じレベルにまで来ました。もしも、日本がもっと早くに明治につくられた刑法をちゃんと社会に見合うように改正してていたなら、と思います。
男性も被害者でありうる事、16歳未満であれば、同意のありなしに関わらず、加害者は罰せられること、そして、地位を利用して行為に及んだこと。ジャニー氏の行為は、今回の刑法改正では、何重にも犯罪として罰せられることでした。
要するに、社会全体がこの刑法をそのままにして、多くの被害者を泣き寝入りさせてきた、そのことがジャニー氏の行為を黙認し続けたことにつながります。日本の国が性暴力に真摯に向き合ってこなかったから。私は、やはりジャニーズの問題は、日本の国、社会全体の責任だと思います。
2週間ぶりに、クリニックのベランダのハイビスカス、K-ブルーが花を咲かせました。ブルーがかった澄んだピンクで、可憐です。もう少しつぼみがついています。遅くに撒いた朝顔も、沢山のつぼみをつけています。でも、つぼみが咲かない事もあるそうですので、ドキドキです。
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