教師による性暴力⑤

  学校で、ある先生が生徒たちを触ると。首を触ったり髪を撫でられたり。手を入れて胸を触られた人もあると。気持ち悪いとある生徒が保護者に訴え、保護者が担任に言ったところ、そんなことを言って、誰に聞いたのですかと、訴えた生徒が叱られたと。そんなバカな。生徒がそんなウソを言うわけがない、気持ちが悪いから訴えたのに。と、私は、保護者に頑張ってと言いました。保護者が頑張るので、先生は仕方なくだったようですが、そういう言い出しっぺ、だれが言いふらしているのかを探す目的で、そんなことを誰から聞いたのか、書きなさいというアンケートをしたのだそうです。そしたら、私も触られた、という答えがぞろぞろ出て来て、びっくり。まさかと思っていたけど、本当でしたと謝罪されました。学校現場はなかなか信じてくれないものです。でも、子どもの訴えがあったときには、保護者は頑張らないとね。

 教職を定年退職して塾の教師になった人から、触られたり、触らされたりのわいせつの被害に遭った小学生。中学生になったら、これを中に入れてやるからねと言われ、悩んだ末に家族に手紙で話しました。それまでは、だれにも言わないようにとのことで言えなかったと。

いろいろと大変でしたが、警察には言わないで解決したのちに。彼女に言ったこと。世の中には、けしからんことをする大人がいるんよ。大人みんながそうだということではないけど、その人がそうだった。その大人に出会ってしまったあなたは、かわいそうだったね。でも、これは絶対にあなたが悪いことはでなくって、その先生が悪かったんだからね。あなたには一つも悪いことはないんだからね。こんな目に遭った人はなかなか人には言えんのよね。でも、あなたは言えてよかったね。お父さんもお母さんもあなたをちゃんと守ってくれたよね。それはあなたも分かったね。本当はもっと早く言えても良かったんだけどね。これからもお父さんもお母さんもあなたが困ったら、必ず助けてくれるからね。親はあなたの味方だから。これから、あなたが大人になる時に、今度のことを思い出すことがあるかもしれない。でも、その時には、自分は悪かったわけではないと自分に言って聞かせて。負けないで、素敵な大人になろうねと伝えました。

 先日、母娘さんが訪ねてこられました。お嬢さんは中学時代に教師の性暴力に遭いました。事態は教育委員会にもおよび、結局教師は退職となりました。彼女もお母さんもなかなか大変でしたが、その後頑張って、県立高校、国立大学を卒業、大手の会社に勤めていました。そしてこの度、結婚したと。その挨拶です。わたしはうれしくて、良く頑張ったねえ、と感無量でした。あの時の彼女のしんどさを見ていたからこそです。でも、結婚ですべてが終わるわけではなくって、これからですね。二人でいい家庭を築いてほしいと思います。

  これは、教師ではなく、義理の父親の被害に遭った小学校2年生。被害に遭うのがしんどくて、家を出てしまう彼女を母親が強くたしなめると、わぁーっと泣き出して、私が悪いんじゃないと被害に遭っている事を訴えました。お母さんはそれは苦しまれて。そして彼女を私のところに連れてこられました。被害の手当はそれほど大変ではありませんが。その心の傷を考えると。わたしは、何度か話す内に彼女はとても賢い子だと思いました。しっかりと会話ができる子でした。そして、お母さんと話をして、自分に何が起こったのか、ちゃんと理解した方がいいのでは、と思いました。そこで、私の著書の漫画ですが、それを読んでもらうことにしました。体の仕組みや二次性徴、性被害に遭った時のことも、広く描いてあります。それを読んで、お母さんとの会話、そして私ともいろいろと疑問を持ったことを話すうちに、しっかりと理解してくれたと思います。そして、私は、あなたが悪いのではないからね。そんなことをしたあの人がいけなかった。大人のみんながそうだというのではないのだけれど、そういう大人に出会ってあなたは本当にかわいそうだったね。でも、お母さんはあなたを守ってくれたから、もうその人と出会うことはないからね。これから大人になるのに、あなたにはいろいろなことがあると思うけど、お母さんはちゃんとあなたを助けてくれるからね。それから私も何があっても相談に乗るから。


彼女はその後しっかりとした大人になって今は教師になっていますし、子どもも産んで家庭を築いています。

 性被害に遭った子は本当に残酷でむごくて、心に深い傷を負います。でも、あとの立ち直りには、周りの大人がどうサポートするかにかかっていると思います。どんなにしんどいことがあっても、それをサポートする大人たちがしっかり支えれば、大丈夫、ちゃんと立ち直って生きていくことができます。被害に遭ったからと言って、この世の終わりの様に考えてはいけません。特に、周りの大人たちが、しっかりしないとね。そして、事件に触れないで無理に忘れさせようとするのでなく、しっかり事件と向き合うことが必要であると私は考えます。本人の中に渦巻いている「どうして?」という思いをちゃんと引き出して、それにともに向き合うことだと思うのです。

 中には、悩んだ末ではあっても、子どもより自分の身を優先する大人もいます。そんな時は、被害に遭った子はサポートしてくれる身近な大人をも失います。立ち直りもなかなかしんどくて大変です。でも、伝えることは、「過去は変えられなくっても、これからはあなたの人生。あなたが幸せになることはできるのだからね。」と強く伝えたいと思います。

 このシリーズ、これで終えます。読んで下さってありがとうございました。なお、私の現場では、今、性被害に遭った人たち子どもも含めてですが、本当に大変です。ここに例を挙げたのは、かなり前にあったことです。現在進行中のことは、語ることはできません。

 今日、スタッフにボーナスを出しました。身を削るようにして。昨夜ボーナスを作った後は外食です。給料を作った後は月に一回のお寿司を食べに行くのですが、昨日は、そごうの加賀屋でうなぎまぶしのお膳を食べました。とってもおいしくて大満足です。でも、多くて。半分残して持って帰って、今日のお昼ご飯にしました。豪華なおむすびでした。


Photo_20250709193901


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

教師による性暴力④

  私は、教師になろうとする人は、「性教育」を学ぶべきだと思っています。それも「包括的性教育」ですね。性教育というと、いまだに「セックスの仕方を学ぶもの」というような、偏見に満ちた間違った思いを持っている方がいます。残念なから、それは文科省や教育委員会などの教育現場を牛耳っている方に多いのですが。せいぜい、体や妊娠や性感染症を学ぶものと思っている方も。それは性教育の一部でしかありません。

 性教育は人権教育です。人間関係の作り方を学ぶものでもあります。人と人が向き合う時、自分も相手も感情を持った人間であって、思いがお互いに一致した時に初めて許しあえる関係となりえます。そこにあるのは、あくまでも「対等な関係」です。決して、一方的な、支配被支配の関係ではありません。幼児性愛の何が間違いかというと、それは「対等な関係」ではなく、一方的な支配の関係であるからです。

 私は、幼児性愛の人が、自らの性欲が向く子どもが沢山いる教育現場にはいてほしくないと思っています。それは、その人の性欲を喚起する場となるからです。でも、「子どもが好きで」「子どもの教育に携わりたい」という教職希望の人から、どうやって、その人が危険であるかどうかを見分けられるのでしょうか。

 私は、何より教師の採用を決める方たちにこそ、「性教育」を学んでほしいと思っています。そのうえで、採用試験に「性教育」を導入するのです。あくまでも採用する方が学んでいないとこれはだめになるのですが。そうしないと、例えばLGBTQの人への偏見を持たれると困るのです。教育現場では性の多様性を教えていかなければならないのです。

 たとえば、私がこのシリーズの最初に取り上げた、何人もの小学生を「強姦」した小学校の教師に懲役30年の判決が下りたという新聞記事でもいいですから、それを試験問題として、「これを読んで自分の考えを書きなさい」とか。採用試験を受ける人達でグループでディスカッションしてもいいでしょう。もちろん、その罪を犯した教師の味方をする人はいないし、自分が小児性愛であるということも言わないでしょう。しかし、その文章やデスカッションの中に、性をどのように捉えているかは必ず出て来ると思います。

 要するに、性教育を隠蔽するのでなく、堂々と語り合うこと。恥ずかしいものではなく、大切なものとして。日常的に語り合える状況ができたなら、と思うのです。性犯罪というのは、隠されたところでなされます。間違えないでくださいね。猥談をしろと言っているのではありません。猥談は、必ず誰かを傷つけます。もっとも多いのは、「女性を」傷つけるということ。そんなときに、その発言はおかしいですよ、と堂々と言える環境が欲しいと思うのです。


 はじめから出来上がっている人はいないし、出来上がった環境もありません。みんなで切磋琢磨するうちに、徐々に性暴力のない社会ができていくのではないでしょうか。そのような環境であれば、いやな思いをした時に、どなたかにそれを訴えることができるでしょう。

 私自身を振り返ったとき、やはりいろいろとあったなあと思い出します。小学高学年の時、向こうから来た男性の先生が、私に長谷川さん(私は旧姓長谷川です)、バンザイをしてごらんと言われて、両手を上げたら、コチョコチョと言って、両脇の下をくすぐられました。ワッと言って飛びのきましたが、あれはなんだったのでしょう。今思っても不愉快。海で泳いていた時に、近づいてきた男性の先生が、私を抱きかかえて、両足で私の両足をぎゅうって挟まれて、先生の股間が押し付けられました。海の足の届かない所で、立ち泳ぎをしなければならないのに、死ぬかと思いました。あれも何だったのでしょう。性暴力というほどの物でもなくっても、いろいろと不愉快な触られ方をされたなあというのが残っています。この年になっても、まだ明確な記憶として残っています。そういえば、ほかのクラスの男子が何人も担任の先生に抱きかかえられて、性器を握られ、気持ちいいでしょうと言われたと。これは、そうされた何人もがみんなで、先生、あんなことはしないでくださいといっても、聞いてくれなかったので、校長先生に言いに行ったと聞きました。その後、あれはどうなったのでしょう。まだ性暴力なんて言葉も知らない頃です。大昔の話です。大昔からこんなことが行われていたということです。

この項、まだ続きます。

今クリニックに飾ってある青野さんのお花です。スキッとしたきれいなお花です。

71


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

フジテレビの検証番組を観て。

 今日は「8.6ヒロシマ平和の夕べ」最終のスタッフ会議でした。プログラムの確定、時間配分、会計の検討、準備物の確認、当日のスタッフの役割など細かく決めました。それに向けてそれぞれしなければならないことがあります。忙しくなります。

 今年は、被爆80周年。多分何十周年という節目は今年が最後でしょう。先日厚労省が発表した被爆者の数は3月末日で9万9130人と。10年先には、ほんの小数になっているでしょうし、私たちスタッフもどれだけの人が生きているかわかりませんものね。今年は80周年だから参加しますという連絡を沢山いただいて、うれしい悲鳴です。会場に一杯入って頂けるように、工夫をすることにもしました。本やDVDなどの物品販売は、会場でなく隣の部屋ですることにしました。また、いろいろとご案内しますね。

Img_7524

その会議の前に。今日の朝10時から、フジテレビがこれまでのフジの事件についての検証番組を自ら作って放送しました。わたしは、診療の場でも性被害ワンストップセンターでも、性暴力の被害に遭った方に接していますので、今回のこの事件についても多いに関心があって、さまざま読み漁りました。今日の番組もはじめからしっかり観ました。で、やはり疑問がありますので、それを少し。教師による性暴力については、明日に続きます。

 アナウンサーのAさんが中居氏からの被害に遭ったのちの会社の対応について。なお、中居氏の行為が性暴力ではないなどと今言い出していたり、友人と称する弁護士さんやタレントの方が言っていたりしますが、これはもってのほか。まして、彼女の失恋事案だなんて、二次加害でしかありません。性暴力の勉強をすべきですね。特に「地位利用」とか、「フリーズ」とか。「殴る、ける」とか「被害者がどこまで抵抗したか」というのは、日本独特のそれも昔の話です。

 今日の番組でも言っていましたが、会社が「性被害について」素人ばかりで専門の指導も受けず、結果的に被害者であるAさんを追い詰めていったというのは、その通りと思います。

 そして、私がやっぱり納得できないと思うのは。初めに週刊文春が書いて、それが間違いである、文春は彼女に謝罪せよという人達が沢山いる件について。佐々木アナウンサー、被害者の上司が、Aさんの話の聞き役で、第三者委員会でも彼女はよくやったと評価されているということについて。でも、私は佐々木氏がやったことは、やはり禁忌であると思います。それは、彼女がAさんから話を聞いたことを会社の上司に伝える役をしていたということです。逆に言えば、社長などの上司がAさんの状況を聞くために佐々木さんにその役をさせていたということです。佐々木さんは、Aさんから聞いたことを誰に伝え、誰と誰がその状況を知ることになるかということをAさんに伝えていなかった。それは、Aさんが退職を決意し、それを社長に会って伝えた時に、社長は私のことを知っているのかどうなのかわからなかったと書いています。社長は楽しそうにヨーロッパに旅行に行ったことばかりを話していたと。だから、第三者委員会の報告をAさんが読んでびっくりしたとも言っています。こんな風に伝わっていたのだと初めて知ったと。佐々木さんは、会社のためにはよくやったかもしれないけれど、Aさんに対しては、なんの役にも立っていない、結局退職することになってしまったのですから。

 Aさんが被害から立ち直っていくためには、性被害専門のカウンセリングを受けるしかないのです。初め、会社の医師二人にだけ話すことにしたということですが、医師であっても、性被害について詳しいとは限りません。ちゃんと勉強していないと、素人とは変わりません。Aさんは、入院し、精神科の治療を受けるようになって、やっと立ち直りへの道を歩みました。

 それから、会社がどう変わっていくかも報道されましたが、それを見てまた驚いたこと。それは、やっと今こうなのかという思いです。そんなこと、どこの会社でもとっくに改善している事。それをフジテレビでは、こんなことが続いていたと。見た目のいい女性だけが選ばれて社長の為の会に出られるとか、専務は「女子アナは良質なキャパ嬢だ」と言ってのけたとかの証言も今日の検証でありました。専務は「言葉の選び方の問題でまさか本当にそう思っていたわけではない」そうですが。

 今、やっと社員の研修もされて、一般の会社並みの人権感覚を持つような会社に変わろうとしているそうですが。でも、まだありますね。それはコネ入社。特に有力政治家の身内を入社させて、見てはいられないようなへたくそなレポートをさせたり。視聴者をバカにしているのかというような場もありました。優れたドキュメントもフジテレビでみたことがありません。「楽しくなければテレビではない」というコンセプトもこれからは「楽しい」中身だと思います。上っ面だけの下品な笑いはいらない。心から感動できるような番組作りができるかということでしょうね。

 以上、私の感想でした。明日はまた教師の性暴力の話に戻ります。


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

教師による性暴力③

昨日の続きです。教育者になる希望をもっている大学生への講義の感想文です。昨日2名の感想を出しました。今日もまた2人の感想です。

3. 性に関することは、今の時代ネット等でたくさん情報があり便利なのですが、逆に嘘なのか本当なのか分からない情報が混ざり合っていて結果よくわかっていませんでした。今回の講演で実際の出来事も含めて聞いて、より一層性に対する考えが確立したものになりました。「中絶は悪とは限らない。産んでも育てられない妊娠をしてしまった女性の救済策として最終手段として医者の方から進めることもある」という言葉が特に印象的で、中絶に対する新たな視点が生まれました。確かに、育てられる状況でないのに産んだとしても、生まれてきた子へ目線が行ってないなと。河野先生の熱意のある講演から、改めて気付かされました。

 私は現在、PMSが酷いため産婦人科に通い低用量ピルを処方してもらっているのですが、河野先生の病院に通いたいと思うほど安心感と信頼を今回の講演だけでもとても感じました。LGBTについては特に学びたいことでした。私の周りにはLGBTQである人が多くいて、それについての関心がとてもあります。そのため資料に書いてあるように、相談しやすい人間に、抵抗なく話してもらえる人間であるように心がけて生活していたので、自分の行動は間違っていなかったのだなと安心しました。これからも、性の正しい知識をしっかりと身につけ、多様に対応していくことでどんな話でもしてもらえる、相談してもらえる人(先生)を目指していきます。


4.今回の講演を聞き、日本は他の国と比べてものすごく性教育について遅れていると感じた。性教育について政治家の方が述べている動画を見て、なぜ隠すのか子どもの時になぜ性教育について触れないのか不思議に思った。生きていく上で性教育は必要だと思うし、自分自身を守るため、人を傷つけないために必要な知識であると思う。そして、子宮頸がんのワクチンについても日本は遅れていて、性教育、性犯罪に対しての刑罰も凄く遅れていると思う。

 これから子どもに教育するという立場として性についての知識をつけ、どう子どもたちに教えるのかをしっかりと考える、LGBTなど子どもが相談できるそのような人になりたいと思う。一方で私はまだ学生の身であるので自分自身も性感染症であったり、妊娠、月経などの知識をつけ自分の体について理解したいと思う。そして、レイプドラッグなどを防ぐために、飲み物が入ったまま席を立たないなど自分の身を守るために意識していたいと思った。
                                  以上


 これらの感想を読むと、大学生たちが、教育者になった時に、子どもたちにしっかりと性教育ができるようになりたいという希望と同時に、そのためにも自らの性意識を今後どう確率していくかという様に考えてくれています。

 そもそもこちらの大学で講義をするようになったきっかけは、学生の中に妊娠する人がいて、産んで育てるためにこの大学を中退する者が何人か出たこと。せっかくここまで教師になる希望をもって学んで来たのに、なんともったいないと先生方が考えたのだそうです。その先生方の中に、この大学の教官になる前に広島大学の教官をしていた方がいらっして、河野に講義をしてもらったらどうかと言われたのだそうです。教師になるために必要なこととして抗議をするが、でも実は学生たち自身の性の問題を考えさせるという、その目的でと。

 そして、やってみたら、ほんとうにズバリと学生で妊娠する者がいなくなったのだそうです。やはり知るということは大切なことなのだと。今、私の講義を受けた人たちが沢山教師になっていて、楽しみなことです。

 以前から、教育学部というか、教師になるための大学では、性教育の時間を取り入れるべきだと考え、提言もしてきましたが、まったく取り入れられません。文科省がそうなのだから、当たり前ですね。学生の感想文の中に出てくる動画とは、自民党の山谷えりこ氏が性教育について語っているものです。

「先生方は命の教育おっしゃるのでしょうが。わたしは家庭を壊すと考えています。お花がきれいに咲いていたり、蝶々が飛んでいたり、昆虫が一生懸命歩いて居たり、それで十分に命の大切さについては私たちの頃は感じていたのですよね」と言われたものです。

 では、小児性愛者が学校に入り込むのは、どうしたら阻止できるのでしょうか。次に続きますね。

青野さんのお花です。

72

この小さな丸くてかわいいのは何というのかと、きっとスグリの一種だけどと思って。

73

青野さんに聞いてみました。そしたら、やはり「ふさすぐり」というのだそうです。ネットで見ると食べられるのだそうです。しまったなあ、かたずけられる前に食べてみたら良かったなあと残念でした。


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

教師による性暴力②

 この度報道された教師による小学生の盗撮というので珍しいのは、グループを組んでいたということです。これまでの性犯罪、特に教師による犯罪は、一人でしていました。誰にもばれないようにこっそりと。それは悪いことと自分でもわかっているため、だれかに知られるとまずいから。だから、被害者にも「誰にも言わないようにと強く口止めをしています。それが、今回は全国にまたがって多人数で組んでいます。今逮捕されている人達だけでなく、まだまだ広がるだろうと言われています。罪の意識が低いからでしょうか。

このグループでの盗撮が報道されたのと時を同じくして、一つの判決が出たと報道されました。

Img_7468_20250704191501

広島の新聞ではこう出ています。

Img_7495

これは、15歳の少女の件が全面に出ていますが、元は、この後半に書かれている事件です。あまりにひどい事件なので、こうしか書けないのだと思います。この教師の逮捕の時、いい先生だったのに。呼び出されて行く方にも問題があるのに、と保護者の方の声が聞こえてきました。

このすぐ後、もう一つの事件が報道されました。これも広島です。

Img_7490

Img_7489

児童に下半身を露出して見せるなど、気持ち悪い。でも、それでは終わらず、もっと何かをしようとしたのでしょう。

 
要するに、学校の先生は、聖人で、悪いことなどするはずがないというのは、幻想です。どんな世界にも、性暴力を犯す人間はいると考えないと。ですが、小さな子どもたちばかりがいる学校は、ロリコンの大人が混ざっていれば、とても危ない場となるのです。

 では、どうしたらいいのでしょうか。わたしは、やはり鍵は「性教育」だと思います。このような犯罪を犯した先生たちは、きっと性教育に取り組んでいないのだろうと思います。だって、そんな教育をしたら、たちまち自分に跳ね返ってくることなのですから。

 先日、私は教師になる希望を持つ大学生に話しに行きました。何人かの感想文をここにアップしますね。取り合えず今日は二人だけの感想です。

1.日本では性教育や予防接種に対する反対意見を持つ勢力が、かつては壮大なものであったと知った。しかし、その人間たちに対して「社会人になって誰が性教育をしてくれるのか」という河野先生の考えはまさにその通りであると感じた。実際に社会人が中学生や高校生を妊娠させている割合が高いのはデータで明確であるし、小学校の教員が教え子に手を出す事例もいくつもある。また、中学生や高校生が子を産んでも社会は何のサポートもしていない。ましてや、自民党の国会議員の老人も蝶々が飛んでいるだけで生命の尊さを学んできたといつの時代か分からない発言をしている。そのため、自分勝手で古い考えしか持ち合わせていない都合の良い社会等は宛にせず、早いうちから正しい性教育を行うことは必要であると考える。


2.私が今回の公演で新たに学んだことは性被害にあっている方は、自分の思っているより多いことと、性教育の大切さです。まず最初に性被害の多さですが、私たちと同年代やそれよりも年下の人たちが性被害に合われている、しかもその人数もすごく多いということに驚きました。ニュースでやっているのはひと握りの被害なんだ、と気付かされました。


そして性教育の大切さです。私は正直、性教育はしてもしなくても、やる人はやるし、やらない人はやらないと思っていました。しかし、今回の授業でその考え方が一変しました。むしろ性教育は小さな頃からすべきだと考えるようになりました。この性被害のこともありますが、何より自分の持つ性をしっかりと認識し、自覚することが必要なんだなと考えることが出来ました。動画では性教育は必要ない。結婚してからでいいと言っていましたがそれは現在起きている性被害も無くならないし、僕は小学生の頃から性教育の勉強をすべきだと考えました。これからの教育でいつか小さい頃から性教育を教えるということができるようになれば良いと思いました。


僕が親になった時や、教師になった時性について恥ずかしがらずしっかり真実を伝えることが大切だと分かりました。

この項、まだ続きます。


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

教師による性暴力①

 ここのところ相次いで報道されている教師による性犯罪。学校は、子どもたちにとって決して安心安全なところではありません。

 それは、なにも今になって始まったことではなく、以前からもそうだったと。でも、最近、それが報道されやすくなったということもあるかもしれません。

 私が一番初めに本当に心底驚いたのは、1990年3月、広島県の小学校教師による教え子の殺人事件です。教師が担任の小学生を殺害した。それも、そもそもは教師による彼女に対しての性暴力があり、それが明らかになりかけた時に、彼女を殺してしまったというものです。わたしは、この事件が発覚した時すぐに地元の新聞社からの取材があり、絶句したのを昨日のように覚えています。そして、その後、なぜ子どもの命まで奪われてしまったのか、同僚の教師たちは、なぜ防ぐことができなかったのか、先生方への講演会でそう言及したことが
あります。これについては、ここに詳しく記述されています。

教師の性犯罪「広島県教え子殺害事件」

https://www.newscafe.ne.jp/article/2013/10/01/1338473.html

さらに、広島県ばかり取り上げますが、それは私が広島県に住んでいるからですので。

これは、2009年9月15日の新聞で、全国に配信されています。

30_20250703103201

私は、この新聞記事を、あらゆる講演で使っています。広島県の恥ですが、この後、この元教師は控訴し、控訴審でも判決は変わりませんでした。これについては、ここに詳しく述べられています。

「誰かに話したら勉強を教えない」と脅迫し・・・小学校教師がビデオカメラに収めていた女子生徒への「鬼畜の所業」

https://president.jp/articles/-/89160?page=1

彼が罪に問われたのは、01年から06年にかけて、教え子である9歳から12歳までの小学生女児10人に対して行った、強姦46件、強姦未遂11件、強制わいせつ25件、児童福祉法違反13件についてです。新聞には被害児童は27人となっています。

 あまりにむごい。これは、私もいろいろと調べています。私が子どもたちに話す時に必ず伝えるのは、「だれにも言ってはいけない」という約束は守ってはいけません。こう言われたら、早くだれかに言いましょう。言える相手を探しましょうと。中学高校生には、SOSを求める勇気を話します。それはこの事件の影響からです。ここまで被害が広がったのには、被害があったことを子どもたちが誰にも言えなかったこと。そして、同僚の先生たちにも、発覚する機会は何度もあったと。ある女性の教師がトイレから女子児童と加害者の教師が出てくるのを見たと。校長にそれを話し、校長が教師に尋ねると、「児童が気分が悪くなったので、介抱していた」と答えたと。それで終わり。おかしいと思ったなら、教師から話を聞くだけでなく、その女子児童に誰か話し易い人がそっと聞くべきなのだけれど。

 もう一度最初の言葉を言います。学校は、子どもにとって、決して安心安全なところではありません。子どもを性的対象として見るロリコンにとって、学校や保育園や幼稚園は最高の職場であるからです。この項、しばらく続きます。


 


『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。


 


広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

「ぱっぷす」の方を迎えてワンストップの研修

昨日午後6時からは「ぱっぷす」の内田さんを迎えてワンストップセンターの研修でした。「ぱっぷす」は2017年11月に設立されたデジタル性暴力や性的搾取による被害の相談に対応している団体です。例えば・・児童ポルノ・リベンジポルノ・性的な盗撮のほか、アダルトビデオ出演被害・性産業での困りごとなど。「性的同意」の自由がなくなって自分の身体のことなのに、自分の医師による写真や動画のコントロールができなくなる状態・・デジタル性暴力。例えば亡くなってからの八代亜紀さんのヌード写真がCことともに販売されるということもそうです。

 以下のすべてが性暴力となります。
とる・・性的な写真や動画を撮ること
もつ・・その写真を持ち続けること
みせる・・誰かに見せたりネットにアップすること
みる・・撮った写真を見ること・ネットにアップされた写真を見ること

児童ポルノ撲滅に国際協力強化月間に今年初めて日本も参加しました。以下は、警察庁がオープンにしているネットから。

Img_6948_20250604232201

2_20250604232301

5_20250604232301

3_20250604232301

4_20250604232301

ぱっぷすでは、性的画像記録の被害者からの要請で、削除の要請をしています。2021年には21876件の削除の要請をしたと。その結果です。(2021年から2022年 意に反して拡散した性的画像記録の削除要請事業報告書/NPO法人ぱっぷす)

7_20250605000101

 その後いろいろな事例とその対処を挙げてくださいました。東京だけでなく、広島などの地方でも、いわゆるリベンジポルノ、彼氏とともに撮った写真が分かれた後に元彼によって拡散されたというような被害や、わいせつな写真を希望されて彼に送ってしまったとか、そんな被害が増えています。そんなサイテーな人も決して少なくないことを考えると、今は仲よくってもそれがずっと続くとは限らないのですが、仲良しの最中には、そんな警戒心も薄れてしまうのでしょうね。

 それから、ぱっぷすでは、アウトリーチ、夜少女たちが集まっている場所に行き、声をかけたり、居場所に連れて来てあげたりという活動もしています。全国様々なところに、広島でもそのような場所があって、少女たちが危険な目に遭っています。これらの活動を地道にされていることに頭が下がります。

 対応法など、とても勉強になりました。内田さん、ありがとうございました。この後、内田さんを囲んで食事会をしてごちそうを食べました。それは、またの機会に。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

私の受けたセクハラ①

 今から53年前、広島大学を卒業して産科婦人科学教室に入局してほどなく、何かの学会がありました。その会が終わったとき、ぺいぺいの私にとってはものすごい年上の先生たちが、皆さん「プロフェッサーの所に行こう」と話されていました。その横を通り抜けて帰ろうとしたら、その中のお一人の先生が私に、「おう、〇〇君(私の旧姓です)も一緒に行こう」と、誘われました。学生時代にとてもお世話になった先生です。ふうん、教授のお宅に行くんだと思ってついて行ったら、違いました。退職されたばかりの前の教授のお宅だったのです。まだ教授が新しくなられてまなしでした。そして、押し掛けたのは、新しい教授に不満を持っていらっしゃるドクターたちだったのです。医局にいる先生がお一人、あとは開業医と勤務医の先生たちです。いきなりどっと押し掛けた何人ものドクターたちを前の教授夫妻は、難なく応接室に案内されて、そして、奥様がお盆にジョニ黒ばかりを何本も載せて持ってこられました。わたしは、隅っこで皆さんが話されるのをただ聞いていました。たくさんの不満をぐちぐちと言っているのは、医局にいるH先生です。前教授は、反論もせず聞き役でいらっしゃってました。と、いきなり

「君、君はギネ(婦人科)に入ったのかと言われたのです」。私は小さくなって「ハイ」とだけ言ってうつむいていました。わたしは、当時全共闘運動の真っ盛りで、教授会との団体交渉などで知られているはずです。そしたら、H先生が「この人はセックスだけです。セックスばかりしている女です」と言われたのですね。わたしは、びっくり仰天。何を言われるのやら。どうして?意味がわかりません。わたしは、H先生には嫌われているという自覚がありました。一つ先輩に、一人だけ女性の先生がいらっして、その女性のドクターをとてもかわいがっていらっしゃいました。医局に入ったばかりでも、それはよくわかっていました。でも、言うに事欠いて、何を言われるのやら。そんなバカな。私は、まだ独身で、思い当たることは何もありません。あんまりびっくりして、なにも言えませんでした。そしたら、前教授が

「君ねえ、〇〇君(教授会の中でも力のあるベテランの教授です)がねえ、君を息子の嫁にどうだろうかと相談を受けてねえ。わたしは、それはいいと賛成したんだよ」と、またまたびっくり仰天のことを言われました。また私は目を見張るばかりで、なにも言えないでいました。しかし、それでH先生もなにも言われなくなって、その場では助かりました。でも、私は「セックスばかりの女」と言われたことで深く傷ついたし、その後もH先生のいじめは続きました。とても陰湿でした。当直で完全に徹夜をした昼間、眠くてふらふらで、当直室のベットでちょっと寝ていたら、のぞいたのがH先生でした。ああ、言われるな、と思ったら、案の定、次の医局会で教授が「昼に当直室で寝ている者がいる」と言われました。H先生からは私の名前が伝わっているはずです。でも、教授は名前は言われないままで、ありがたいことでした。

 今日は、私の受けたセクハラ第一回で、この程度の軽いもので終えます。

 先日、用を済ませたのが午後4時。お昼も食べていませんでしたし、ごご7時から9時までは会議の予定。で、何か食べておかなければと考えて法善寺に行きました。

Img_6162_20250426212201

さて、何にしようかとメニューを見ていたら、奥様が「大分暑くなりましたから、宇治金時ですか?」と言われたのです。びっくり。ご存じなのですか?と言ったら、「ええ、知っていますよ。あそこの先生でしょ?」と言われました。わあ、知られていたんだ。私はここの宇治金時は日本一だと思っています。大好きです。だから、よほど寒い日以外は宇治金時を食べます。その前に、何か、うどんかお餅。今回は、ぜんざいか、鍋焼きうどんか、お雑煮か考えて、お餅の磯部焼にしました。そして宇治金時のミルク。

Img_6160_20250426212201 Img_6161_20250426212201

きっと宇治金時は、シロップではなく、本当の抹茶を混ぜるのではないかと思います。大満足でした。
<

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

前川直哉先生の講演「男性性と暴力」②

前川先生は、1980年から2005年の若者の性交経験率の高さ、そこから徐々に下がってくるのを若者の草食化ではなく、むしろ高いその時代が異常だったのではないかと言われます。そしてその原因の一つに、若者向けの雑誌よよる「恋愛扇動」を上げられました。


11_20250422230901

例えば、「Hot-Dog Press」(講談社)の恋愛特集、Sex特集です。1986年10月25日号「新恋愛論恋人、必ずできるゾ!」1987年9月25日号「恋愛講座【初級編】恋人づくりはHDPにおまかせ!」2000年9月25日号「秋だから彼女が欲しい!いますぐ彼女ができる鉄則100」などなど。

 そして、恋愛扇動が激化し、性交経験率が高かった時に若者だった世代(今の40-60代)の男性と、現在の10-20代の男性では、「恋愛」や「セックス」に対しても、また「性的同意」に対しても、意識の差が大きい可能性と言われました。そして、例の松本氏や中居氏は、まさにこの時代なのだと。

 さらに、「セクハラ」。圧倒的に男性から女性に対することが多いと。その背景には、「男性ホモソーシャル社会」があると。すなわち

男性たちが"男の絆"により公的な社会を独占しようとする社会。ミソジニー(女性蔑視)、ホモフェビア(同性愛嫌悪)。女性を「ともに社会をよくする、対等な存在」とみなしていない。「男性は外で仕事、女性は内で家事・育児」という近代的な性別役割分業観→この価値観を内面化した男性にとって、女性は「ケア役割の担い手」か「恋愛・セックスの対象」とのみ見なされる。⇒ミソジニー(女性蔑視)。


 まさに、そうだと納得です。2019年の財務省高官による記者へのセクハラ、東京医科大学の受験生の女性差別などを前川先生は上げられましたが、私は、大阪検察庁トップによる女性検察官への性暴力、そして、中居氏によって明らかとなったフジテレビの社会風土などこれそのものだと思いました。

そして、これ。

17_20250422230801

先生は、医学部はどうですか?と問われました。西医体、東医体など、医学生による体育大会の打ち上げなどがひどいと聞きましたと。ああー、と一斉に声が上がりました。ほんとうにそうだと思います。私も、ずいぶんいろいろなことを聞いたし、私自身もひどい目に遭ったなあと。

 前川先生のお話はとても興味深いものでありました。でも、私は、少し反論があります。それと合わせて、私が受けたセクハラ、でも、私は結構気が強かったし、自分で職業があったし、学生の時でも、そのうち自分で稼げる職業に就くという強みがあったので、反撃することができました。それらも含めて、次回に話しますね。

 

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

 

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

前川直哉先生の講演「男性性と暴力」

4月13日、女性保健医療セミナーで前川直哉先生の「男性性と暴力」という講演をしていただいた、そのことについて、ずっと、どのように報告しようかと考えていました。遅ればせながら、やっと今ご報告できます。前川先生は灘高・東京大学教育学部、京都大学大学院を経て、灘中・高の教師を10年務めたのち、福島に移住、「ダイバシティふくしま」を設立、現在は福島大学の准教授。主な著書に「男の絆」「男性同性愛者の社会史」共著に「ジェンダースタディーズ」などがあります。

 日々、診療の場で、または性被害ワンストップセンターの場で、性暴力の被害者に出逢い、だからこそでもありますが、松本氏や中居氏などの事件もことさら感心がありました。これら数々性暴力の加害者となる人たちは、なぜ加害ができるのだろう、被害者の心の痛みをどう考えているのだろう、同意を得て、二人で楽しい行為をするのでなく、強引にことを起こすことで、自らの立場も危なくなってしまう、事前にそんなことは考えないのだろうか、などなど疑問がたくさんあるのです。その私が、この前川先生の講演を聞いて、ああ、そうなのかと気づかされることがいくつかありました。

 まず、性暴力には、ジェンダー差があります。大半は「男性が加害者、女性が被害者」です。その差について。

3_20250422231301

4_20250422231301

そして、そのジェンダー規範は幼少期から作られ、内面化されると。

2種類の規範があると。すなわち、外からの規範‥「あなたは女(男)なんだから、〇〇しろ(〇〇するな)」と内側からの規範・・「〇〇が苦手な自分は、女として(男として)変なのか?」

6_20250422231301

そして、これ。

7_20250422231301

なるほど。そして、このグラフ。

8_20250422231301 9_20250422231301

むしろその時代が異常だったのでは?という先生の論に、あっそうなのか、でした。そして、こうなった原因の一つに前川先生は、雑誌文化を上げられました。わたしは、まったく知らないことでした。明日に続きますね。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

より以前の記事一覧