ある警察官だった人の電話

昨日書いた私の投書について、あの事件の被害者の方が伊藤伊織さんにお手紙を書いていらっしゃることを知りました。友人の藍野さんがその手紙のことをフェイスブックに載せて下さいました。

https://courrier.jp/news/archives/142306/

「拝啓 伊藤詩織様 差出人は25年前の最も有名なレイプ事件の被害者」

という手紙です。この手紙には、何故6人がその加害者の家に行ったかということが克明に書かれています。それは、とても自然で、私だってあの様な状況で、あの様な会話があればついていたであろうと思いました。

でも、あまりに怖い経験をした彼女たちに浴びせられたのは、ひどい誹謗中傷でした。それにより、彼女たちは二度も三度も殺されました。まさに魂の殺人でした。 

 その手紙と、伊藤詩織さんのお返事から、回りの様々な「安全な所にいる人」が被害者を誹謗中傷し、さらには「弁護士の資格のある人」が、何よりもひどい言葉を浴びせていることも知りました。伊藤詩織さんに対しては、「国会議員」の女性たちがひどい中傷をしたことは知っています。その人たちのひどい言動が、「日本では女性が女性の被害者を中傷する」と世界中で非難されました。はい、男性だけでなく、女性までもが、被害者を攻撃するのですね。

 でもね、そうでない、被害者を心から支えたい、応援したいと思っている女性たちも、そして実は男性だって、少なくはないということも世の中に知らせたいなあとも思います。

 先日の、私へのインタビューが掲載された中国新聞「オピニオン」を読んだからと多くの方から連絡を頂きました。その中に懐かしい、かつて警察官だった方からの電話もありました。

 私はその方の携帯の番号を登録したままにしていました。おそらくその方もそうだったのでしょう。だから、直に電話を下さったのだと思います。もう何年も前に定年退職をされた方です。

 事件があると、「先生~」と私の携帯に連絡がありました。夜中でも、お休みの日でも。電話があると、即クリニックに駆け付けて被害者の診察をしていました。その実直な警察官を私は心から信頼していました。それは、ある高校生が被害に遭ったというか、補導といったほうがいいかもしれません。世の中では「彼女が軽率だった」と非難されそうなことでした。でも、彼は彼女に被害者として真摯に向き合いました。そして、「この子のことは、学校には知られないようににしないといけない。学校に知られると、彼女は切られるかもしれん。」と。そのことがあって、私は彼を信用するようになりました。転勤で管轄が変わるとその管轄での事件があると、やはり連絡があるというのが、ずっとずっと彼の定年まで続きました。

 新聞の記事の最後の私の「「いけんじゃろう」というのを読んで、あそこで私は涙が出ましてのう」と言って下さいました。

 今、女性のレイプの事件があると、どうも、警察や検察では、「事件性があるか」「有罪にできるか」が優先して考えられているように思われます。「これは事件の被害者だ」と私たちが思っても、「抗拒不能」すなわち「どれだけ抵抗したか」「あらがうことができない状況にあったか」ということが有罪の条件だからです。中には、「被害届けも受けません」ということすらあります。被害に遭った人は、それによりさらに傷つけられます。「門前払い」をされた被害者が、納得できないと、改めてワンストップの弁護士さんと共に申し出ると、実はその加害者は、それまでとんでもなくたくさんの事件を犯していたということが分かったということもありました。

 真摯に被害者の話を聞いてくださるという、そういう姿勢を持った昔ながらの実直な刑事さんとのやり取りが懐かしく、電話を頂いてとてもうれしかったのです。

 実は、その刑事さんに、私はとんでもなくご迷惑をおかけしたことがありました。私の大失敗なのですが、それは、女性のレイプ事件ではないので少しずれますので、また改めてめてその件のことをお話しますね。

今日の平和公園の桜です。だいぶ咲きました。この頃、毎日少し遠回りをして、桜を見ながら出勤しています。今日は小雨ですが、まだ花が散るほどの雨ではありません。ちょうど私たちのお花見の火曜日が満開になりそうです。

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古い投書から

もうずっと昔に亡くなった母が私の記事を切り抜きしていてくれてました。一冊は知っていたのですが、もう一冊。夫が、こんなのがあったと、父の古い本だなから見つけてくれました。

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その中にこんな記事がありました。その昔、1993年ですから、27年前。イタリアに行った女子学生が、六人全員一人の男に強姦されたいう事件です。6人で男の家についていった所、日本刀や空手で脅されて、一人ずつ連れて行かれ、犯されたというものです。その事件が大きく報道されましたがその一つ、毎日新聞に記者の目という特集記事があり、それを読んだ私が怒って毎日新聞に投書したようです。それが採用されて紙面に出ていたのを母が切り抜いてくれていました。すっかり忘れていました。左側の切り抜きは、そのころNHKテレビで電話相談をしていた、その番組表でしょう。

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当時私は45歳となっています。若いけれど、限られた字数でまっすぐに書いています。

転載しますね。

『なぜ被害者が責められるのか

 十八日の記者の目「ローマ・短大生レイプ事件」を読んで。
 
 レイプ事件は、これまでも常に、被害者である女性の側が、その落ち度を責められ続けてきた。レイプする男の問題でなく、された女の側の問題として。その面で、レイプは他の事件と異なっている。

 今回の不幸な事件も、この記者の視点は、そこから一歩も出ないものである。

 おそらく彼女たちは、ローマは治安の悪い所、個人行動は取らない、人に声をかけられてもついて行ってはいけないなど、十分に注意もされ、心がけていたと思う。

 この事件の異様さは、「一人の男が、六人の女性をレイプした」こと。六人一緒でも、レイプされうるというのは、彼女たちだけでなく我々にだって想像し難いことだ。

 彼は、空手と日本刀という武器を持った、あまりに凶悪な男であった。その彼をでなく、ただ被害者を責め、情け容赦なくムチ打つ論調に、彼女たちは、さらに傷つけられたことであろう。一刻も早い立ち直りを祈りたい。』

ああ、おんなじだ。あれから27年たっても、今だにこの国はちっとも変わらない。伊藤詩織さんに向けられた、ひどい誹謗中傷。それらを浴びながら、彼女はほんとうに歯を食いしばって訴え続けた。

もういい加減いいでしょう。変わらなければ。私たち大人が変わらなければ。性教育も刑法も変えて、被害者でなく加害者に責任を問う、そんな社会にしなければ。古い投書を読みながら、そんなことを考えました。
 

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昨日の二つの性暴力の判決について

昨日は、感動の日でした。午前中は、私の想いをしっかり聞いてくださることがありました。久しぶりでうれしく思いました。そうこうするうちに、待ち遠しかった朗報が二つ来ました。

 一つは、もうたくさん報道されていますが、名古屋高裁の判決。もう一つは、東京地裁の判決。どちらも、性暴力の加害者の有罪の判決です。

名古屋高裁の判決は、父親が実の娘に中2から19才まで、ずっと性暴力を続けていたこと。これは、昨年、名古屋地裁岡崎支部であろうことか、父親に無罪の判決が下されていました。抗拒不能ではなかったと。要するに、逃げようと思えば逃げられたことと。これには、日本中の女性たちが怒りました。それが、高裁では、懲役10年の実刑判決でした。

沢山の報道がありますが、毎日新聞の記事のご案内を。

https://mainichi.jp/articles/20200312/k00/00m/040/129000c

そして、この判決を受けての被害者の手記が出ました。全文はここにあります。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200312/k10012328321000.html

一部、転載します。

次第に私の感情もなくなって、まるで人形のようでした。

被害を受けるたび、私は決まって泣きました。

「私にはまだ泣ける感情が残っている」ということ、それだけが唯一の救いでした。

私が一人っ子だったら、何も迷わずにもっと早くに訴えられていたかもしれません。

やっぱり大切な弟たちのことが心配だったのです。

そんな弟たちと離れなくてはいけなくなること、生活が大変になるかもしれないこと、ただそれだけを考えると、嫌でも仕方なくてじっと我慢するしかできませんでした。

今も弟たちに会いたい。

話したい。

その気持ちでいっぱいです。

今も会えないのは苦しいです。

2.二度と会いたくないのは、父親です。

あの人が私の人生をぶち壊したんです。

返してください。

私のこの無意味に空費した時間を!気に病んだ時間を!全部返してください。

やってみたかったこと、本当はいっぱいありました。

でも全部諦めました。

今、すべてのことを振り返ってみると、ひたすら悔しい気持ちです。

父との毎日は非常識であり、ただただ気持ち悪かったです。

どうしたらあんなことができるのか、わかりません。

私たちはただ普通に暮らしたいのです。

暴力も暴行も、無慈悲な言動のない普通の生活がしたいんです。

もう二度とこんな思いはしたくありません。

これから私は無駄にしてしまった時間を精一杯埋めていきたいので、邪魔しないでもらいたいです。

私は父を許すことは絶対にできません。

不安と苛立ちに押しつぶされそうな苦しい毎日でした。

そして今も同じです。

私や弟たちの前に二度と姿を現さないでほしいです。

こんな思いをさせ続けた加害者が、なぜ一審では無罪になるのでしょう。高裁の判決では、一審の判決を「抵抗できない状態について、要件を正当に解釈しなかった結果、誤った結論になっている」と厳しく指弾しています。

懲役10年。これで被害者の心がすぐに癒されるとは思いませんが、どうぞ、これからの人生を少しでも心安らかに過ごしていただきたいと思います。伊藤詩織さんに続いての彼女、いえ、すべての性暴力の被害者の闘いに敬意を表し、感謝したいと思います。

 もう一つの東京地裁の判決。これは、「リアルナンパアカデミー」という、ナンパの方法を教えるという塾の塾長に対しての判決でした。これは、産経新聞の記事を。

https://www.sankei.com/affairs/news/200312/afr2003120020-n1.html

ナンパの方法を教えるとして、女性に強いお酒を飲ませ意識消失の状態にし、自ら性交をし塾生にも順番に犯させ、それを動画に撮るという、卑劣な犯行を繰り返していたものです。今回、懲役13年の判決と共に、動画が記録されているパソコンとハードディスクの没収も命じられています。

まったく、今、こんなとんでもないことが行われている、日本って、こんな社会であるということを改めて痛感します。同時に、このような卑劣な犯行の多くが、被害者の泣き寝入りで終わっているという事実もあります。今年の性暴力に対しての刑法の見直しがちゃんと行われますように。

フラワーデモに参加できなかったけれど、代わりにすべての被害者の方々に敬意を表して、クリニックのお花です。


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女性支援地域連携フォーラム③

そもそも女性自立支援法の制定の動きと言っても、ほとんどの人がこのことを知りません。婦人相談所はどんな人が利用しているのかということも。これらが」「売春防止法」に基づいての行政の女性支援であるということも。だからこその今回のキャラバンでもあるのですが。

戒能先生のこの支援法の制定に向けでの動きの説明があった後のシンポジウム。三つの行政の方、婦人相談所と婦人相談員と(岡山)県児童福祉班。それに五つの民間の団体がそれぞれの活動の発表をしました。配布された資料集より。

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NPOさんかくナビは岡山の地で2004年に立ち上げました.男女共同参画社会推進事業を行っています。具体的には、DV被害者支援事業、寄り添いホットラインからつながった生活困窮者の方々への支援などです。県内初の民間シェルターの運営、電話相談、面接相談、DV防止のための啓発講座の開催などなどです。でも、たくさんしていた事業、例えば子どもの心の回復支援事業としての学習支援等は、資金難から休止せざるを得なくなっています。委託や補助金は単年度制であり、安定的な資金源の確保ができないと訴えられました。厳しい中でも、継続して活動を続けられていることに敬意を表します。

にんしんSOSは、広島県の委託を受けて、2018年12月に開設しています。それから一年間、2019年12月までのデータを発表されました。
その一年であった相談件数は、電話が239、メールが548件と。特に若い人は、今は電話はハードルが高く、もっぱらメールでの相談が主流になっていると。若い人たちとの文化の違いを痛感する私的でした。相談は10代33%、20代35%。相談内容は圧倒的に」「妊娠したのではないか」と恐れてのものが48%だそうです。中絶については6%、アフターピルの相談が3%。レイプ、DVの相談が14%。やはり若い人たちの悩みの受け皿になっていることがよくわかります。貴重な場なので、なかなか困難でしょうが、頑張っていただきたいと思います。

そして、全国女性シェルターネットの代表理事の北仲先生のお話。北仲さんは、性被害ワンストップセンターの県の委託を受けている性暴力被害者サポートひろしまの代表理事でもあり、広島大学のハラスメント相談室の教官でもあります。大変忙しい活動を続けていらっしゃいます。北仲さんからは、世界の貴重な声をいろいろと紹介していただきました。

相談はたんなる「傾聴」「宿泊場所提供」では終われない。様々な包括的・全方位的・長期的な支援が必要。様々な専門家たちのチームで行うべき。

そして、大切なことは、支援の立場・理念であると。

上から目線の指導・助言ではない。本来、その人が持つ権利を様々な理由で行使できない状況にある人に代わり、その権利を代弁・擁護し、権利実現を支援する機能。
シェルターに入っている人は施設の収容者やではなく、住民なのです。それは人と人の平等を目指すフェミニズムの活動なのだから。
「私たちはプロフェッショナルのチームです。」(マレーシア:Women's Aid Organizationの理念より)。
インドの活動家Kamla Bhasinさんのスピーチ(第四回世界女性シェルター会議)から。「私たちのシェルターでは、少女たちに「女性は人間なのだ」という過激なフェミニスト思想を教えて、育てなければなりません。これは世界中で起こっている大きな戦争です。」

このような力強い言葉を教えて頂いて、力が沸いてきました。この会は、私自身の大きな勉強になり、ありがたいことでありました。私の現場でも、ほんとうに私自身が頭を抱えることが続出しています。ワンストップセンターの仲間の人たちの力も頼りながら頑張りましょう。 

 

 

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伊藤詩織さんは素晴らしいジャーナリストです。

山口氏と闘った民事裁判に勝訴した伊藤詩織さんは、その判決の当日にYahoo!JAPANのドキュメンタリー年間最優秀賞を受賞しました。彼女は、自ら監督、撮影、制作をした三本の作品を発表しています。

https://news.headlines.auone.jp/stories/topics/story/12975468?genreid=1&subgenreid=3&articleid=12975468&cpid=10130006&fbclid=IwAR03iLiNAwc-xmVrPdJQLL26tiV9AYW0Xri0m35_7KAxiRvgp0irFla4NJM

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それらを観てうなりました。この苦しい裁判を闘いながら、こんな作品を作っていたなんて。彼女は素晴らしいジャーナリストです。その作品には、女性や弱者、苦しみを抱えて生きる人への共感、寄り添い、怒り、温かさ全てが表現されています。

これは、そのうちの一本、アフリカでの女性器を切除する伝統に切り込んだ作品です。

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https://creators.yahoo.co.jp/itoshiori/0200035892

これまでにも、孤独死をテーマにしたドキュメント「Lonry Death」で国際メディアコンクール「New York festivals 2018」ドキユメンタリー部門で銀賞を受賞しています。

もう一度言います。彼女は素晴らしいジャーナリストです。

私は、どうしてあんな山口氏のような人間が、TBSの記者として出世して来たのか、そのお粗末さにげんなりするのですが。やはり政権に取り入る人が出世するのでしょうか。そういえば、この件でのTBSのコメントもお粗末でした。詩織さんに対しての謝罪の言葉も全くないし。この番組だけは信じている今度のサンデーモーニングが楽しみです。

そういえば、前川喜平さんのツイッターを観ていたら、こんなのが出て来ましたよ。官邸ですよ~。

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伊藤詩織さんの勝訴に思うこと。

伊藤詩織さん勝訴の判決は、久々にうれしいことでした。同時に、詩織さんは本当にどんなにかつらい日々だったことかを想います。多くの方がこの件について発信していますので、今さらなのですが。いくつか思うことを述べたいので。

テレビの報道では、敗訴した山口氏の記者会見の様子を長々と流し、裁判で否定された彼の言い分をしっかり言わせているという、局もありました。

中で、許せないと思うのは、山口氏のこの発言です。


「伊藤さんは性犯罪被害者ではありません」「私の所にも性犯罪を受けたといってご連絡をくださる方が複数。お目にかかった方もおります」「本当に性被害に遭った方は『伊藤さんが本当のことを言ってない。こういう記者会見の場で笑ったり上を見たり、テレビに出演して、あのような表情をすることは絶対ない』と証言して下さったんです」「性被害に遭った方が『嘘つきだと言われる』といって出られなくなっているのだとすれば、非常に残念なことだと思います」

性被害を受けた方は、みんな下を向いて、暗い表情でいなければならないのでしょうか。何をしていても、頭を占めるそのみじめさや怒りを懸命に抑えながら、前向きに日常の生活を送ることはしてはならないのでしょうか。私の知っている、ひどい性被害に合った人に「それにしては、つらそうな顔をしていませんね」と言ってのけた検事もいます。

実名をさらして訴え出た彼女へのひどいバッシング、セカンドレイプと言われますが、それを現職の国会議員もしています。

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更に、彼女は「枕営業大失敗」という字が書かれた漫画を見て大笑いするという、そんな動画も流されています。

https://twitter.com/shin919infinity/status/1014829191320072194/video/1

このような人が国会議員であるということはとても恥ずかしい。でも、彼女は安倍首相の一存で自民党の比例で議員になれたそうだし。山口氏の逮捕状の執行を止めたのも安倍の腰巾着の警察官僚だし。安部と仲良くすれば、レイプ犯だって罪を問われなくて済むのですよ。

一体いつからこの国はこんな情けない国になってしまったのでしょうか。

詩織さんは、民事がひと段落したら、これらのセカンドレイプした人達への法的措置を取ると言っています。とてもつらい仕事をこれからも彼女に背負わせるという事に、胸が痛みます。私たちが替わって訴え出ることができるなら、いくらでもするのですが。

もう一つ。「刑事」と「民事」が真っ向から異なる結果になったと報道したのも見ました。違うと思います。「刑事」では、裁判所は判断していません。その前に起訴されなかったのですから。せっかく詩織さんと警察が苦労して集めた数々の証拠が、どう扱われたのか。検察審査会にどう提出されたのかも、全く公にはされません。司法が三権分立とは程遠い現状になってきた今、起訴するか否かは、検察官の胸一つです。森友や加計などで、政権に忖度するその姿をさんざん見てきました。私でさえ、性暴力の被害で、なぜこれが起訴されないのかと悔しい思いをしたこともあります。

そんな厳しい状況の中で、今回の判決を勝ち取られた詩織さんを初め、弁護士さんたちにも、本当に感謝したいと思います。まだ日本にも正義はあると胸を熱くしたことでした。山口氏は控訴したそうですが、今後も見続けたいし、伊藤詩織さんを支援し続けたいと思います。

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トラウマとPTSD・私の場合

人生はトラウマに満ちているという村本先生の言葉で。そうね、なんのつらいことも無く、スイスイと生きている人ってないわよね、と改めて自分を振り返ることになった今回の講義。私自身のトラウマについてのその後ですが。

中学は生徒会で、高校は演劇部でそれなりに教師にも仲間の生徒や先輩にも恵まれ、楽しく過ごすことができました。進路を巡っては、東京に出たい私と、絶対に広島から離れさせないという親との間での確執はありましたが、親のいう事についてはあきらめなければならないという習性がもうついておりましたので。

そして、大学。高校に続きサークルは演劇研究会に入部。そこでの先輩たちとの豊かな会話、議論。いくつかの舞台に上がらせていただきました。さらに当時は全共闘運動の真っ盛り。当然のごとく、学生運動にももまれ。でも、セクトには入らないままでした。

 そんな中での初めての恋愛は、相手はものすごい嫉妬、束縛、暴力の人で。今なら、ひどいデートDVですが。その頃は、DVという言葉もなく、さらにフェミニズムという言葉もない時代。「女性問題」と言っておりました。殴られても、それは「怒らせたお前が悪い」という言葉を本当ののようにそう思っておりました。今なら、あの頃の私に、そうではないよと声をかけてあげるのに。

 何年もの確執の末にやっと別れることができたのは、恥ずかしながら、親の力を借りてのことでした。私が患者さんにも言うのは、「一人では無理だと思ったら、誰かの力を借りて。誰か一人でいい、信頼できる相談相手を探して」と言うのはこのあたりに原点があるのでしょう。その後、患者さんがDVの夫に殺されるという事件が起きて、私のこの持論は「だれかに助けてもらってでも、殺されないように、上手に逃げて」となります。

「女を殴るなんて、サイテー。絶対にしてはいけない」というやさしい夫と結婚し、二人の子どもにも恵まれました。夫は、前の人のように、私がすることへの嫉妬・束縛は全くなく、しっかり応援してくれました。ところが、今度は子どもが2才3才の時に夫の大病。あの頃は、がんは本人に告知してはいけない時代。何とかごまかしながら、治療を受けさせなければならないことが、本当にきつくて。おまけに、夫の両親からの(まあ、一人息子が癌で死ぬかもしれないとなった時の両親もそれはつらかったことでしょうが)治療についての神さま・仏さまを引き連れての介入も、それはしんどいものでした。あの当時一緒に入院していた同室の方たちはみんな亡くなりましたが、夫はほんとうにありがたいことに生き抜きました。

何とか子育てをしながら仕事は続けましたが、ある患者さんの味方をしたことで、あるドクターの怒りをかい、ひどい嫌がらせを受けました。その人の病院のスタッフで、「気をつけて下さい。内の院長が先生に興信所をつけています。先生は、尾行されています」という報せをしてくれた方もありました。それは、何年も続き、私はほんとうにつらい裁判を抱えることにもなりました。あんまりつらくて、お寺の門をたたき、修行をさせてもらいもしました。長い間かかって、その裁判に全面的に勝つことができました。以来、その判決文は私が落ち込んだ時には、それを読んで励みにしています。

まあ、子育てをした人なら誰でも経験することでしょうが、子どものこととか、まだまだいろいろとありましたね。

でも、何とかここまで生きてこれたのは、そして今、孫の成長を楽しみに夫と二人穏やかに生きているのは、常に私を励まし、支えてくれた人が回りにいるからの事。私は、自分の子どもや孫も含めて、患者さんも友人たちからでも、必要とされた時には、何らかの支えになりたいと思っています。

それが、数々のトラウマがあっても、周りの人からの支えでPTSDにもなならず、ここまで来れた私の役目でもありましょう。いつか、もっと詳しく、小説にでも書ければいいなあと思っております。以上です。

 

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トラウマとPTSD

12月1日の日曜日、トラウマとPTSDについての講義を受けました。講師は立命館大学教授・女性ライフサイクル研究所の村本邦子さん。子育て支援、虐待・性暴力・DVなど女性と子どもの支援、コミュニティのトラウマ、歴史のトラウマなどに取り組んでおられます。

注意として、講座で配られた資料や講師が話した内容、講師名などを無断転載しないでくださいと注意されていますので、でも、講師名はいくらなんでも、書かない訳には行かないからと、主催者の許可を得ました。

授業は素晴らしかったのですが、中でも私の心に残ったこと。それは

「人生はトラウマに満ちている、それでも人は生きている」
被害体験を身近な人に話し、受けとめてもらえたかどうかが、その後の状態に影響する。

「被害そのものを話せなくても、信頼できる他者の存在の有無がその後の人生に影響する」

と言いうものです。

これらがずっと頭にあって。診療の場だけでなく、性暴力ワンストップセンターや特別養子縁組のお世話など、いろいろと他の人のお世話をしてきましたが、その私自身の人生をつらつら振り返りました。

いろいろとトラウマに満ちて来たなあと。

幼い頃の知らない男からの性被害、これはまだ入学前の本当に幼い頃ではあっても、しっかり頭に残っているものです。もしかすると、殺されていたかもしれない事だけれど、決して親にも誰にも言いませんでした。

そして、何より繰り返しつらかったのは、小学校に入学してからの、一・二年の教師。えこひいきがひどくて、私はその教師の嫌われ者でした。親の前では、猫なで声で私のことをほめるのですが、でも、数々のいじわるとしか思えないような仕打ちがありました。どうしてそうされるのか、分からないままでした。もっと嫌だったのは、それを近所の々クラスの女の子が家に帰って、自分の親に必ず話す事。そして、その母親が家の母に話します。私には、教師のいじわるとしか捉えられない事を「叱られた」と捉える大人たち。私は母から重ねて叱られる。だから、また後で母に叱られることが憂鬱で憂鬱で、とてもつらくて。家に帰りたくない、このままどこかに行きたい、真剣にそう思っていました。だって、母から「先生にどうして叱られたのか言いなさい」と言われても、自分には思い当たることが無いのですから。ただ、泣くしかできなくって。布団の中では、いつも死ぬことばかり考えていました。それが二年間続きました。

これはつらかったですね。自分でもよく生き延びたと思います。

それでも、これは三年生になって次の担任になって、私は救われました。とても穏やかで、公平で、作文教育をしっかりして下さる方でした。この先生になって、はじめて私は学校が楽しいと思えるようになりました。いじめがあると、必ずそれについてクラスでの話しあいをさせる方でした。いちど私もクラスの男の子から怪我をするほどのひどいいじめにあって、給食も食べずに家に帰ったことがありました。それについて、先生の指導でみんなの話しあいがありました。私ははじめっから終わりまでずっと泣いていました。その間、心の中で「コスモスの花」を歌い続けていました。

正に、その先生は、「信頼できる他者の存在」であったと思います。

中学時代。私の通った学校は「荒れる学校」でした。入学と同時に、先輩の女性たちに取り囲まれ、殴られ、上履き入れをびりびりにされ、怖い思いをしました。でも、そこには尊敬できる先生方が沢山いらっしゃいました。私に「差別」を教えて下さったのは、この中学の先生方です。生徒会目標は「差別をなくそう」でした。その生徒会で役員をすることで、生徒同士も先生方とも本当に豊かな会話を交わすことができました。

中学校の先生たちは本当に「信頼できる他者の存在」でした。

こんな事をつらつら書いてもどうってことはないのですが、でも、「トラウマ」ということでここで振り返ってみるのも、一つの心の整理になると思って。ご迷惑かもしれませんが、もう少し続けますね。

やはり写真が無いので、クリニックの青野さんのお花です。今回のは、とてもかわいいお花です。

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性教協中国ブロックセミナー④

私は、これまで刑事事件の裁判の傍聴には何度も行っているし、民事では何度も法廷に証人として立っていますが。刑事事件について、最近まで知らなかったことが沢山あります。

性暴力の被害者の患者さんを診て、その後、一生懸命診断書を書き、警察官と一緒に供述調書を作り、更には検事さんの事情聴取に応じたりしても、それらの書類は、加害者の弁護士が「不同意」と言ったら、全くそれらは採用されないという事。採用されないという事は、裁判官はそれらを見ることができないという事なのですね。患者さんの傷がどうなさっているのかなど、裁判官に知られないままに裁判は進められるのですね。

最初に、ええっ?と思ったのは、やはり子どもの被害者の場合で、それらを一生懸命しても、検事さんが「強制性交」で起訴しなかったと。性交はされているのです。でも、「タオルケットをかけてしていたので、何かが入っていても、それが男性の性器であることは見ていないので、何を入れたのかは分からない」ですって。そんな、布団の中とか、毛布を掛けていたりということはあるものだし。「見て」いないから、何かは分からないって。だから、起訴は、「強制わいせつ」なのだですって。だから、私の診断書も供述調書も採用されず、裁判官は見ていなかったのですね。なんと理不尽なと思いました。

 そして、二回目の事件の時。この前、裁判の法廷に立った時のことです。やはり被害者は小さな子どもです。検察事務官から、法廷で証言してほしいと言われて、実は、私の書いたもろもろのものは、加害者の弁護士が不同意としたので、一切法廷に提出されていないと。だから、その内容を法廷でしゃべって欲しい。それで、初めてしゃべった内容が採用されるのですと。

更に、びっくりしたのは、被害者の子どもの「司法面接」の内容をも加害者の弁護士が「不同意」としたので、被害者がしゃべったことは採用されていないのだと。そのために、被害者の子どもも出廷して、質問に答えなければならないのだと。それなら、司法面接の意味がなくなるではないの、と思いました。

で、そのことを寺本先生に尋ねました。

司法面接は、ゆったりした部屋で、一人だけが被害者と向き合って(これは、トレーニングを積んだ女性の検事さんの場合が多いのだけれど)、他の弁護士さんや児相の方などは、隣の部屋から見守るのだそうです。それら話した内容は記録され、ビデオ撮影もされます。そして、もしそれらが採用されなかったなら、被害者は法廷で証言しなければならなくなるのだと。でも、子どもの場合は、普通の法廷で、犯人や(私が証言した時には、加害者は手錠と腰縄に繋がれて、法廷に入って来ました。)傍聴人がいる所で証言するのかと思って、すっごく心配でした。でも、子どもの被害者の場合は、たいてい、児相がどこかの部屋に裁判官が(私の証言の時には三人の裁判官でしたが)多分代表の一人だけ、そして弁護士と書記官だけで、傍聴人もない所でお話しをするように配慮されるそうです。それで、少しホッとしました。でも、あの、加害者の弁護士、私に聞いたようなしょうもないことをネチネチとかの女に聞くのだろうなあと心配ではあります。そして、もし、そのような場で被害者が何も話せなかったなら、そこで初めて、司法面接で話したこと、文書やビデオが採用されるのだそうです。

昨日、アマゾンから届きました。読んでいて、ぞっとして、苦しくなって、一気には読めません。でも、読み続けなければ。

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寺本弁護士と私との「性的同意を巡って」のお話しはこれで終わります。皆様、沢山のコメントありがとうございました。性的同意について、京都の学生さんたちを中心に作られたチェックリストについては、フェイスブックの11月25日の渡邊智子先生のコメントへのお返事で、写真を載せています。

私は今日は夜7時から、高宮中学校の保護者の方に話しに行きます。保護者として知っていて頂きたい事をしっかり話してきますね。お昼には、その次の講演、「知的障がい児の性教育」についての資料作りです。

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性被害ワンストップセンターについて。

「性被害ワンストップセンターひろしま」について、昨日の中国新聞に記事が出ました。

20191029

とてもよく書いてあります。ただ、残念なのは、広島県の統計が「年代別が20代以下が41%」となっていること。10歳未満の子どもと、10代の少女たちと、20代の女性たちをひとくくりにするという事には、とても抵抗があります。私はずっと診療の場だけでなく、性教育にかかわってきているので、10代と20代は全く違う。まして、10才未満の子どもへの性暴力には、猛烈に腹がたっています。大阪の性暴力救援センターSACHICOの統計には、きちんとこれらが出ています。私たちは、統計は、県のもの以外は使わないようにと言われています。マスコミにも、講演にも。

それは残念なのですが、広島のワンストップセンターが大変忙しくなって、みんながフル回転であることはこの記事で分かった頂けるかと思います。

 それと同時に、昨日大騒ぎだったのは、この記事です。

https://wwhttps://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-10-27/2019102701_04_1.htmlw.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-10-27/2019102701_04_1.html


平成31年度の全国のワンストップ支援センターの運営費を安倍政権が8000万円も削減したということ。何とその根拠、計算を「一日平均8時間、単価時給1000円、2人体制」の人件費としたと。なんと。電話の前にいる人だけでなく、病院や警察に付き添ったりすることは、またく考慮されていないのですね。後のことはボランティアでしろという事なのでしょうか。だって、性暴力ワンストップセンターは、24時間体制でしろというのは、国の方針なのに。それに、家賃や研修費など、お金のかかることはたっくさんあります。

各都道府県と国が半分ずつの助成をするということになっているのに、国がこうだと、現場はどうなるのでしょう、全く。アメリカからの軍用機の買い付けや、海外には大金をばらまいて、国内のこんな大切な事の予算はどんどん削って行く、本当に情けない政府です。

これらに対して、政治家の方たちが、おかしいと声を上げなければならないでしょう。たちまち私たちの活動に関連することなので、途方に暮れそうです。

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