トラウマとPTSD・私の場合

人生はトラウマに満ちているという村本先生の言葉で。そうね、なんのつらいことも無く、スイスイと生きている人ってないわよね、と改めて自分を振り返ることになった今回の講義。私自身のトラウマについてのその後ですが。

中学は生徒会で、高校は演劇部でそれなりに教師にも仲間の生徒や先輩にも恵まれ、楽しく過ごすことができました。進路を巡っては、東京に出たい私と、絶対に広島から離れさせないという親との間での確執はありましたが、親のいう事についてはあきらめなければならないという習性がもうついておりましたので。

そして、大学。高校に続きサークルは演劇研究会に入部。そこでの先輩たちとの豊かな会話、議論。いくつかの舞台に上がらせていただきました。さらに当時は全共闘運動の真っ盛り。当然のごとく、学生運動にももまれ。でも、セクトには入らないままでした。

 そんな中での初めての恋愛は、相手はものすごい嫉妬、束縛、暴力の人で。今なら、ひどいデートDVですが。その頃は、DVという言葉もなく、さらにフェミニズムという言葉もない時代。「女性問題」と言っておりました。殴られても、それは「怒らせたお前が悪い」という言葉を本当ののようにそう思っておりました。今なら、あの頃の私に、そうではないよと声をかけてあげるのに。

 何年もの確執の末にやっと別れることができたのは、恥ずかしながら、親の力を借りてのことでした。私が患者さんにも言うのは、「一人では無理だと思ったら、誰かの力を借りて。誰か一人でいい、信頼できる相談相手を探して」と言うのはこのあたりに原点があるのでしょう。その後、患者さんがDVの夫に殺されるという事件が起きて、私のこの持論は「だれかに助けてもらってでも、殺されないように、上手に逃げて」となります。

「女を殴るなんて、サイテー。絶対にしてはいけない」というやさしい夫と結婚し、二人の子どもにも恵まれました。夫は、前の人のように、私がすることへの嫉妬・束縛は全くなく、しっかり応援してくれました。ところが、今度は子どもが2才3才の時に夫の大病。あの頃は、がんは本人に告知してはいけない時代。何とかごまかしながら、治療を受けさせなければならないことが、本当にきつくて。おまけに、夫の両親からの(まあ、一人息子が癌で死ぬかもしれないとなった時の両親もそれはつらかったことでしょうが)治療についての神さま・仏さまを引き連れての介入も、それはしんどいものでした。あの当時一緒に入院していた同室の方たちはみんな亡くなりましたが、夫はほんとうにありがたいことに生き抜きました。

何とか子育てをしながら仕事は続けましたが、ある患者さんの味方をしたことで、あるドクターの怒りをかい、ひどい嫌がらせを受けました。その人の病院のスタッフで、「気をつけて下さい。内の院長が先生に興信所をつけています。先生は、尾行されています」という報せをしてくれた方もありました。それは、何年も続き、私はほんとうにつらい裁判を抱えることにもなりました。あんまりつらくて、お寺の門をたたき、修行をさせてもらいもしました。長い間かかって、その裁判に全面的に勝つことができました。以来、その判決文は私が落ち込んだ時には、それを読んで励みにしています。

まあ、子育てをした人なら誰でも経験することでしょうが、子どものこととか、まだまだいろいろとありましたね。

でも、何とかここまで生きてこれたのは、そして今、孫の成長を楽しみに夫と二人穏やかに生きているのは、常に私を励まし、支えてくれた人が回りにいるからの事。私は、自分の子どもや孫も含めて、患者さんも友人たちからでも、必要とされた時には、何らかの支えになりたいと思っています。

それが、数々のトラウマがあっても、周りの人からの支えでPTSDにもなならず、ここまで来れた私の役目でもありましょう。いつか、もっと詳しく、小説にでも書ければいいなあと思っております。以上です。

 

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トラウマとPTSD

12月1日の日曜日、トラウマとPTSDについての講義を受けました。講師は立命館大学教授・女性ライフサイクル研究所の村本邦子さん。子育て支援、虐待・性暴力・DVなど女性と子どもの支援、コミュニティのトラウマ、歴史のトラウマなどに取り組んでおられます。

注意として、講座で配られた資料や講師が話した内容、講師名などを無断転載しないでくださいと注意されていますので、でも、講師名はいくらなんでも、書かない訳には行かないからと、主催者の許可を得ました。

授業は素晴らしかったのですが、中でも私の心に残ったこと。それは

「人生はトラウマに満ちている、それでも人は生きている」
被害体験を身近な人に話し、受けとめてもらえたかどうかが、その後の状態に影響する。

「被害そのものを話せなくても、信頼できる他者の存在の有無がその後の人生に影響する」

と言いうものです。

これらがずっと頭にあって。診療の場だけでなく、性暴力ワンストップセンターや特別養子縁組のお世話など、いろいろと他の人のお世話をしてきましたが、その私自身の人生をつらつら振り返りました。

いろいろとトラウマに満ちて来たなあと。

幼い頃の知らない男からの性被害、これはまだ入学前の本当に幼い頃ではあっても、しっかり頭に残っているものです。もしかすると、殺されていたかもしれない事だけれど、決して親にも誰にも言いませんでした。

そして、何より繰り返しつらかったのは、小学校に入学してからの、一・二年の教師。えこひいきがひどくて、私はその教師の嫌われ者でした。親の前では、猫なで声で私のことをほめるのですが、でも、数々のいじわるとしか思えないような仕打ちがありました。どうしてそうされるのか、分からないままでした。もっと嫌だったのは、それを近所の々クラスの女の子が家に帰って、自分の親に必ず話す事。そして、その母親が家の母に話します。私には、教師のいじわるとしか捉えられない事を「叱られた」と捉える大人たち。私は母から重ねて叱られる。だから、また後で母に叱られることが憂鬱で憂鬱で、とてもつらくて。家に帰りたくない、このままどこかに行きたい、真剣にそう思っていました。だって、母から「先生にどうして叱られたのか言いなさい」と言われても、自分には思い当たることが無いのですから。ただ、泣くしかできなくって。布団の中では、いつも死ぬことばかり考えていました。それが二年間続きました。

これはつらかったですね。自分でもよく生き延びたと思います。

それでも、これは三年生になって次の担任になって、私は救われました。とても穏やかで、公平で、作文教育をしっかりして下さる方でした。この先生になって、はじめて私は学校が楽しいと思えるようになりました。いじめがあると、必ずそれについてクラスでの話しあいをさせる方でした。いちど私もクラスの男の子から怪我をするほどのひどいいじめにあって、給食も食べずに家に帰ったことがありました。それについて、先生の指導でみんなの話しあいがありました。私ははじめっから終わりまでずっと泣いていました。その間、心の中で「コスモスの花」を歌い続けていました。

正に、その先生は、「信頼できる他者の存在」であったと思います。

中学時代。私の通った学校は「荒れる学校」でした。入学と同時に、先輩の女性たちに取り囲まれ、殴られ、上履き入れをびりびりにされ、怖い思いをしました。でも、そこには尊敬できる先生方が沢山いらっしゃいました。私に「差別」を教えて下さったのは、この中学の先生方です。生徒会目標は「差別をなくそう」でした。その生徒会で役員をすることで、生徒同士も先生方とも本当に豊かな会話を交わすことができました。

中学校の先生たちは本当に「信頼できる他者の存在」でした。

こんな事をつらつら書いてもどうってことはないのですが、でも、「トラウマ」ということでここで振り返ってみるのも、一つの心の整理になると思って。ご迷惑かもしれませんが、もう少し続けますね。

やはり写真が無いので、クリニックの青野さんのお花です。今回のは、とてもかわいいお花です。

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性教協中国ブロックセミナー④

私は、これまで刑事事件の裁判の傍聴には何度も行っているし、民事では何度も法廷に証人として立っていますが。刑事事件について、最近まで知らなかったことが沢山あります。

性暴力の被害者の患者さんを診て、その後、一生懸命診断書を書き、警察官と一緒に供述調書を作り、更には検事さんの事情聴取に応じたりしても、それらの書類は、加害者の弁護士が「不同意」と言ったら、全くそれらは採用されないという事。採用されないという事は、裁判官はそれらを見ることができないという事なのですね。患者さんの傷がどうなさっているのかなど、裁判官に知られないままに裁判は進められるのですね。

最初に、ええっ?と思ったのは、やはり子どもの被害者の場合で、それらを一生懸命しても、検事さんが「強制性交」で起訴しなかったと。性交はされているのです。でも、「タオルケットをかけてしていたので、何かが入っていても、それが男性の性器であることは見ていないので、何を入れたのかは分からない」ですって。そんな、布団の中とか、毛布を掛けていたりということはあるものだし。「見て」いないから、何かは分からないって。だから、起訴は、「強制わいせつ」なのだですって。だから、私の診断書も供述調書も採用されず、裁判官は見ていなかったのですね。なんと理不尽なと思いました。

 そして、二回目の事件の時。この前、裁判の法廷に立った時のことです。やはり被害者は小さな子どもです。検察事務官から、法廷で証言してほしいと言われて、実は、私の書いたもろもろのものは、加害者の弁護士が不同意としたので、一切法廷に提出されていないと。だから、その内容を法廷でしゃべって欲しい。それで、初めてしゃべった内容が採用されるのですと。

更に、びっくりしたのは、被害者の子どもの「司法面接」の内容をも加害者の弁護士が「不同意」としたので、被害者がしゃべったことは採用されていないのだと。そのために、被害者の子どもも出廷して、質問に答えなければならないのだと。それなら、司法面接の意味がなくなるではないの、と思いました。

で、そのことを寺本先生に尋ねました。

司法面接は、ゆったりした部屋で、一人だけが被害者と向き合って(これは、トレーニングを積んだ女性の検事さんの場合が多いのだけれど)、他の弁護士さんや児相の方などは、隣の部屋から見守るのだそうです。それら話した内容は記録され、ビデオ撮影もされます。そして、もしそれらが採用されなかったなら、被害者は法廷で証言しなければならなくなるのだと。でも、子どもの場合は、普通の法廷で、犯人や(私が証言した時には、加害者は手錠と腰縄に繋がれて、法廷に入って来ました。)傍聴人がいる所で証言するのかと思って、すっごく心配でした。でも、子どもの被害者の場合は、たいてい、児相がどこかの部屋に裁判官が(私の証言の時には三人の裁判官でしたが)多分代表の一人だけ、そして弁護士と書記官だけで、傍聴人もない所でお話しをするように配慮されるそうです。それで、少しホッとしました。でも、あの、加害者の弁護士、私に聞いたようなしょうもないことをネチネチとかの女に聞くのだろうなあと心配ではあります。そして、もし、そのような場で被害者が何も話せなかったなら、そこで初めて、司法面接で話したこと、文書やビデオが採用されるのだそうです。

昨日、アマゾンから届きました。読んでいて、ぞっとして、苦しくなって、一気には読めません。でも、読み続けなければ。

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寺本弁護士と私との「性的同意を巡って」のお話しはこれで終わります。皆様、沢山のコメントありがとうございました。性的同意について、京都の学生さんたちを中心に作られたチェックリストについては、フェイスブックの11月25日の渡邊智子先生のコメントへのお返事で、写真を載せています。

私は今日は夜7時から、高宮中学校の保護者の方に話しに行きます。保護者として知っていて頂きたい事をしっかり話してきますね。お昼には、その次の講演、「知的障がい児の性教育」についての資料作りです。

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性被害ワンストップセンターについて。

「性被害ワンストップセンターひろしま」について、昨日の中国新聞に記事が出ました。

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とてもよく書いてあります。ただ、残念なのは、広島県の統計が「年代別が20代以下が41%」となっていること。10歳未満の子どもと、10代の少女たちと、20代の女性たちをひとくくりにするという事には、とても抵抗があります。私はずっと診療の場だけでなく、性教育にかかわってきているので、10代と20代は全く違う。まして、10才未満の子どもへの性暴力には、猛烈に腹がたっています。大阪の性暴力救援センターSACHICOの統計には、きちんとこれらが出ています。私たちは、統計は、県のもの以外は使わないようにと言われています。マスコミにも、講演にも。

それは残念なのですが、広島のワンストップセンターが大変忙しくなって、みんながフル回転であることはこの記事で分かった頂けるかと思います。

 それと同時に、昨日大騒ぎだったのは、この記事です。

https://wwhttps://www.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-10-27/2019102701_04_1.htmlw.jcp.or.jp/akahata/aik19/2019-10-27/2019102701_04_1.html


平成31年度の全国のワンストップ支援センターの運営費を安倍政権が8000万円も削減したということ。何とその根拠、計算を「一日平均8時間、単価時給1000円、2人体制」の人件費としたと。なんと。電話の前にいる人だけでなく、病院や警察に付き添ったりすることは、またく考慮されていないのですね。後のことはボランティアでしろという事なのでしょうか。だって、性暴力ワンストップセンターは、24時間体制でしろというのは、国の方針なのに。それに、家賃や研修費など、お金のかかることはたっくさんあります。

各都道府県と国が半分ずつの助成をするということになっているのに、国がこうだと、現場はどうなるのでしょう、全く。アメリカからの軍用機の買い付けや、海外には大金をばらまいて、国内のこんな大切な事の予算はどんどん削って行く、本当に情けない政府です。

これらに対して、政治家の方たちが、おかしいと声を上げなければならないでしょう。たちまち私たちの活動に関連することなので、途方に暮れそうです。

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ワンストップセンター新規支援員養成講座でした。

昨日の午後は、性被害ワンストップセンターの新規支援員養成講座でした。初めに私が医療的支援についての話をし、後が心理的支援のお話でした。20人くらいでしょうと聞いていたのに、沢山の方が来られていて、びっくりしました。私は、二時間かけて立ちっばしで一気に話をしました。

 私の内容は、ワンストップセンターで対応している具体的な事例は話はできませんが、私の現場で起こっていることとその対応のお話と、知っていて頂きたい医療の話。例えば、緊急避妊薬の話、レイプドラッグの話、出来事からどれくらいたてば市販の妊娠検査薬で検査ができるか、人工中絶の話、などなど具体的なことのお話をしました。性教育については、まだまだとても教えておきたいこと、若者たちに知っておいて欲しいことが行き届いていない現状も。

  小学生の被害に遭った子に、その子はとても賢い子で、自分に何が起こったのかを知ってもらった方が、この子の立ち直りにいいと判断して、漫画を読んでもらったという話をしました。この本です。後で多くの方から、この本が欲しいと言われましたが、残念なことに、これは絶版で、もう手元に自分用のしかないのです。

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で、アマゾンで調べてみたら、古本で何冊か出ていましたので、即全て購入する申し込みをしました。欲しいと言われた方にお渡しできると思います。

 他に、この本が、医学的に知りたい事を調べるのに一番役に立つので、これを持って行き、希望の皆さんに購入して頂きました。ありがとうございました。

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これは、もう、知られているので、少しだけ持って行きました。

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それでも、多くの方に購入して頂いてありがとうございました。

話の後の感想文はまだ読んでいませんが、購入して頂いた本にサインをしている時に「広島では性被害なんてないと思っていたので、びっくりしました」という方があって、逆にこちらがびっくりしました。

 性被害について、社会の皆様の理解が増えて、世論が政治や行政を動かすことができることを願っています。

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性暴力「暴行脅迫要件」

1907年に制定され、2017年に刑法の見直しがされた性暴力ですが。「3年後に見直しを検討する」という附則がつきました。来年ですね。

 ぜひ見直しをして頂きたい所は何なのかという事です。

岡崎の事件の判決。中学2年から長年実の父親が娘をレイプをし続けていても、それでも、無罪となりました。それには、殴るける等の暴力もあったし、扶養をされていたという力関係もありました。犯される事に抵抗もし続けたと。それでも、犯されることを防ぐほど抵抗しなかったというのが無罪の理由です。

 日本の法律では、「暴行脅迫要件」があります。これは、2017年にも見直しがされませんでした。すなわち、抵抗できないほどの暴行や脅迫があった「抗拒不能」の証明ができないと無罪になってしまう、または初めから不起訴になってしまうのです。

 それには、法律を作った人、または裁く人たちが「正しい被害者像」、いわゆるレイプ神話に犯されているのではないかという話もありました。被害に遭うものは、大声を出したり暴れたりして抵抗できるはず、逃げられるはず。それをしないのは、同意がある証拠と。

 でもね、とんでもなく恐怖に出会った時には、声が出なかったり、体が硬直してしまったりして、なかなか抵抗はできないものです。

 それに、私が何より怒りを覚えるのは、抵抗したら、殺されるということです。「乱暴しようとしたが、騒がれたので殺した」という事件、ちょをっと思い出すだけで、いくつもありますよ。「殺される」という恐怖で抵抗できない、それはありうることです。覆いかぶっていて、抵抗したら首を絞めることは用意にできるでしょう。殺されるという恐怖で抵抗できなくても、それは「同意」したことでは在りません。

 それから。山本潤さんの「Spring」の冊子に載せて下さっています。法律の外国との比較です。

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日本は、罪に問われるのに「暴行脅迫」要件が必要ですが、イギリス、アメリカミシガン、ドイツ、カナダ、ブータン、インド等全て「不同意」がが罪とされています。もちろん、スウェーデンなどの北欧やヨーロッパの国々もほとんどがそうなのです。要するに、同意のない性は「レイプ」と法律が決めているという事です。

でも、韓国は、日本と同じように「暴行脅迫」が必要なのですが、それでも。構成要件は、
日本は「13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者/13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。」なのですが、

韓国はこうです。「暴行脅迫により、人を強姦した者/人に対し、口腔、肛門等の身体(性器は除く)の内部に性器を入れ、または性器、肛門に指などの身体(性器は除く)の一部又は道具を入れる行為をした者」

これは、感動です。だって、日本では、「陰茎を入れたか否か」にとてもこだわられるのです。ある例では、「何かを入れたのだが、タオルケットをかけていたので、何を入れたか見ていなかったため陰茎を入れたとは言えない」と不起訴になった事もありました。また、子どもに「指はいれたが、陰茎は入れていない」と主張する人がこんなにいるなんてとうんざりしています。不起訴、または無罪ですよ。

 それに、処女膜にこだわられるのにもうんざりです。先日、裁判に証人として出た時にも、被告側の弁護士さんから、ネチネチと処女膜について聞かれて。なにが問題なのか、全然わかっていない。でも、それが法律なのですね。

やはり山本さんのSpringの冊子からです。

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性的虐待について・シンポジウムから。

日本学術会議で岡崎「性暴力事件」については、沢山の方から貴重なお話を聴くことができました。それらを聴いて考えたこと。

日本の刑法は、1907年にできたものであって、それが110年も変えられないままでした。そのころは、女性に参政権はなく、女性の議員はいませんでした。すなわち、男だけで作られたもの。しつこいようですが、女の意見は聞かれないまでした。

2017年に性犯罪についての見直しがされるための検討会議で語られたこと。発言者の一人、山本潤さんが語られました。人生で一番のショックだったと。

「親子間でも真摯な同意に基づく性行為がないとは言えない」(検討会議第6回会議)

「被害者が積極的に監護者(親など)に迫った場合」(法制審議会第3回会議)

「訴えないことで被害者の心の平安を保護する」(法制審議会第4回会議)

⇒そもそも心の平安はない。回復は数年から数十年の時間がかかる潤さんは言われています。

こんなことが堂々と語られていたのですね。

神奈川県中央児童相談所の虐待対策支援課の三桝さんのお話を聴いていて、??と思ったことがありました。神奈川県下の5つの児童相談所(横浜・川崎等の政令指定しは除く)で平成30年に児相が受理した虐待相談は5348件。身体的虐待は1056件。心理的虐待3211件。ネグレクト1046件。そして、性的虐待は35件という事でした。性的虐待が少ないのにびっくり。

児相で受理される性的虐待は非常に少ない。性的虐待がこんなに少ないはずはないと言われました。私もそう思います。なぜでしょう。

ところが、配られたスライドの原稿に、「保護者以外の性虐待(きょうだい含む)はネグレクトとして計上)」と書かれていました。これはびっくり。私の経験でも、兄妹間の性的虐待はとても多いのですね。妊娠、出産に至った場合も何人もあります。それは親のネグレクトだと。これは違うのではないかとおっ持たので、質問しました。質問は、紙に書いて係りの人に渡します。

日本では、虐待と言うのは、保護者、ほとんど親によるものと定義されているのだそうです。自相が扱う虐待は、主に親によるものなのだと。兄から妹への虐待等は、親が気づかなかったので、ネグレクトになるのだそうです。二重にびっくりです。だからだ、児相の人がありときに行ったのは、こういうことだったのだと理解しました。

会では、沢山の配布物を頂きました。

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中にこんなのが。これは、神奈川児相が学校の先生方に研修をした時の物だそうです。この研修では、ほんとうに皆さん、こんな事は知らなかったと言われたと。

これはカラーなのですが、配布されたのは白黒で残念。カラーがどこかにないかと探したのですが、分かりませんでした。

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私の経験でも、学校で分かったことが良くあります。先生への性的虐待の研修もした方がいいと思いました。

神奈川県の児相の性的虐待についての、詳しい報告書がここにあります。ぜひ、のぞいてみて下さいませ。とても詳しいです。

http://www.pref.kanagawa.jp/docs/w6j/gyakutaitaisakusienka/documents/dai4kai.pdf


もう少し、お話を続けますね。

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日本学術会議公開シンポジウム

昨日は、日本学術会議での「岡崎性虐待事件」から見えてきたもの—学術に何ができるか—に参加しました。

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第1部 「岡崎性虐待事件」から見えてきたもの

 性的虐待の実態と対応—「神奈川県児童相談所における性的虐待調査報告書」から
  三桝優子さん (神奈川県中央児童相談所虐待対策支援課)
岡崎事件判決について
  園田寿さん (甲南大学法科大学院教授)  

岡崎事件をどうとらえたか
  山田不二子さん (認定NPO法人チャイルドファーストジャパン理事長)
      山本潤さん(一般社団法人Spring~性被害当事者が生きやすい社会へ代表)
     周藤由美子さん(性暴力禁止法を作ろうネットワーク共同代表)
第1部質疑応答進行 柘植あづみさん(明治学院大学)

第2部  学術に何ができるか—岡崎事件を受けて
     後藤弘子さん(法学、千葉大学大学院教授)
     宮地尚子さん(医学、一橋大学大学院教授)
     伊藤公雄さん(社会学、京都産業大学客員教授)
第2部質疑応答進行  予定されていた方が台風の関係で来られず、替わりに日本大学の先生でしたが、名前が聞き取れませんでした。すみません。

私が聴いたのは、ここまでです。

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こんな会場で、参加者は200人ばかりでしょうか。

それはそれは勉強になりました。いろいろと不審に思っていたことの謎も解けました。

岡崎事件とは、当時未成年の女性が、中学2年から継続的に実の父親に性的虐待を受けて来たというもの。その判決が父親無罪ということで社会が衝撃を受けました。広範な人々から疑問や違和感が提起されました。

明日、その内容をお話しますね。


 

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ムクウェゲ氏の自伝

デニ・ムクウェゲ医師の講演の際、沢山のチラシを頂きました。その中にこれがありました。

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チラシの中に書いてあった一部です。

「 本書は、売国奴と政府に非難されたムクウェゲ医師が殺人集団に待ち伏せされたシーンから始まる。全て事実なのだが、まるでアクション映画のような始まりである。性的テロ撲滅のために、命を懸けて闘う医師の、衝撃のノンフィクション!」

この一文に引かれて、直ぐにアマゾンに頼んで、すぐに来ました。

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本当に襲撃されるシーンが詳細に書かれていました。そして、その襲撃で奇跡的に命を取り留め、でも、大切な部下を亡くしました。そして、これがもっとも重要なのですが、この襲撃事件を警察も本気で捜査をしなかった事です。「売国奴」。弱者に寄り添い、命掛けで救い続ける医師は売国奴になるという事。

世界にコンゴの現状を知らしめることが国にとって都合の悪いことなのでしょう。日本の現状、世界の現状を見ても、うなづけることでもあります。

ほんとうに心暖かで、意思が強固で、こんな人が地球上にいることだけでも感動です。このとてつもなく大きな人と私は会話をし、握手した!!胸がホコホコとしています。まだ、読んでいるのは途中までなのですが、早くこの本のことをお知らせしたくて。

私は今日一日、大変忙しい日になります。またお知らせしますね。

 

 

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デニ・ムクウェゲ医師の講演メモ。

ムクウェゲ氏の講演を聞きながら、メモをしました。それを再現します。とてもつたないのですが、できるだけ忠実にお伝えしたくて。

写真は、講演後の主催者代表の渡辺朋子さんが挨拶をされている時の物です。

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講演があったのは106日。くしくも、1996年10月6日ムクウェゲ氏が勤務していた病院が襲撃された日、その日に今、私は広島にいます。

コンゴでは、1996年から、これまで作って来た全てが恐ろしく破壊され、ナショナリズム、ポピュリズム、テロリズムが横行し、無知、無関心を育んで来ました。今、世界に目を開いてもらわなければ。

広島の原爆のウランはコンゴで発掘されたものです。

レイプ、性暴力は、戦地では戦争の兵器として、支配の手段として使われています。強引で屈辱的な性暴力の被害を過少評価してはなりません。人間を物のように扱い、人間性を否定する行為です。

大規模に、組織的で整然として行われ、一晩で何十人も何百人も家族の目の前でレイプされています。武装勢力によるやり方、拷問は被害者を診ると、どの勢力によるものかがわかります。レイプの後、銃を性器に入れ発砲する、棒を突っ込んだり、割れたガラスを入れたり・・。

そして、性暴力は、直接的にだけでなく、間接的に被害者を増やす行為、安価で効果的な行為なのです。若い兵士の心は壊されて行き、大量の避難民を作ります。

目撃した人は激しい恐怖感を持ちます。男は家族を守れなかったと責められます。女も子も安全を求めて、追い立てられ、人口移動。人口は減少し、経済は破壊されます。畑は放置され、兵士ばかりとなり、資源を手にします。

性器の破壊は子どもを産めなくなる、不妊を作ります。性病もHIVAIDSの感染は世代を超えて広がります。感染児が生まれますし、レイプで生まれる子は社会から暴力を受け、コミュニテイーを追われ、暴力しか知らない生活を強いられます。

被害者には、包括的支援が必要です。医療、精神的ケア、経済的支援など。自尊心を取り戻し、人権意識を取り戻すためには、暴力の治療だけでなく、平和を訴えなければ。

それには、教育が必要です。幼児期から大人まで、男女は平等であるという教育をしなければ。

更に、被害者は加害者が処罰されることを望んでいます。コンゴでは、600万人が殺され、400万人の避難民が出、そして40万人の性暴力の被害者がいても、全く加害者は処罰されません。1996年から2003年までの間コンゴで起こったことが国連のレポートに詳しく書かれています。その再犯防止のためのレポートはいまだに全く実行されていません。

平和を守るためには、人権が守られなければなりません。

無関心でいないで欲しい。日本が新しい電子機器を作るときに、コンゴの違法に手に入れた鉱物でなく、合法的な物を使って頂きたい。

全ての人が尊重され、居場所が提供される社会であって欲しい。

質疑応答で。誰が真に罰せられるべきと思うか。経済時自立はどうなのか等の質問がありました。

国連の専門家がきちんと聞き取りをしたレポートには、誰が指示をしたかが、はっきりと読み取れます。はっきり名前が分かった人が今もコンゴで生活をしています。

住民が被害に遭っているのは、民族紛争でも、宗教的対立でもない。鉱物資源の取り合いで地域をめぐっての争いなのです。

コンゴでは、とても優秀なコーヒーが取れます。被害者の経済的自立のために、コーヒーの栽培をしたいのですが、畑には兵士がいて、レイプされてしまいます。そんな状況なのです。

 

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