司法面接についての検事さんのお話

「しまね性暴力被害者支援センターさひめ」10周年記念スタッフ研修会の初めに、松江検察庁の指澤慶子検事さんから、令和5年の刑事訴訟法改正について、特に子どもからの事情聴取についてのお話しがありました。頂いた資料は自由に使っていい、この話を広めてほしいということでしたので、ここにも再現しますね。

Img_8568

Img_8567

Img_8569

私も、今では、以前と違って、子どもが児相やワンストップセンターや警察の人たちから連れてこられた場合、司法面接がこれからという時には、診察に必要な事しか聞かないようにしています。検事さんから頂いた量には、「保護者の皆様へ」や「学校の先生方へ」という個別のお願いも添付されています。

Img_8563 Img_8564

読みにくいと思いますので、「学校の先生方へ」のバージョンをここに転載しますね。

「犯罪被害に遭われたお子さまの学校の先生方へ、警察からいくつかお知らせがあります。ご不明点等ございましたら、遠慮なく担当警察官や担当警察職員にご質問ください。

1 今後の捜査について
  本日お聞かせいだいた件に関して、後日、改めて、お子さまからお話をお聞かせいただきます。その日迄のお願いごとにつきまして、以下にいくつか挙げさせて頂きます。

2  お子様との接し方について
   お子さまの記憶はとても繊細で周囲の影響を受けやすく、まわりからの何気ない言葉がけにより、お子さまが元々ご記憶されていることとは別のことを、後日、私たちがお話をうかがうときにお話されるようになることがあります。
 そのため、本日お聞かせいただいたことに関して、学校の先生方が、お子さまから話を聞き出すようなことはなさらないでください。また、お子さまの前や、お子さまに聞こえる場所で、この件に関して、先生方の間でお話しされることや、電話などでお話されこともお控えください。
 もしも、お子さまの方から、自分でこの件に関してお話しを始めたときには、途中で質問を差し挟んだりせずに話を聞いてあげてください。区切りのよいところまで聞いたら、「たくさんお話ししたいことがあるんだね。そのことは専門の人にお話ししてね。」と伝えて、追加の質問も加えないでください。
 その後、お子さまが話したとおりの言葉と、その言葉をお聞きになった日時を記録し、担当警察官や担当警察職員にお伝えください。
 お子さまからの話をお聞きになった後は、お子さまには、「やお話しをしてくれてありがとう。」と声を掛け、ねぎらってあげてください。
 先生方もお辛いとは存じますが、お子さまの前で加害者のことを怒ったり、お子さまに起こった出来事について悲しまれたりされないでください。お子さまが、自分が話したせいで先生方を怒らせたり悲しませていると思って、出来事を話すのを控えてしまうようになってしまうかもしれません。お子さまに根堀り葉堀り話を聞いたり、「それは間違ってるんじゃないの?」などと責めたり、真偽を確認したりなされないでください。

3  今後の体制について
   今回お聞かせいただいた件につきましては、以下の者が担当の窓口となります。何かご心配な点、疑問点などございましたら、お気軽にご連絡下さい。

これは、なかなか難しいことかもしれません。でも、被害者であるお子さまから専門の方が話をきくことが、加害者の処遇に繋がることでもありますから、大人の側が耐えなければならない事であります。

 そして検事さんのお話しが済んで、質問の時に私は尋ねました。小さいお子さんの場合、知らない所に知らない人と二人きっりで緊張して、お母さんに話せたことでも、知らない人には話せなかった、司法面接では何も出なかった、話せなかったとよく聞くのですがと。そしたら、指澤検事さんは、40から50人のお子さんに話を聞いたが、話が出なかったことは一人もないと言われました。それはすごい。島根の河野先生に伺ったところでは、指澤検事さんは、もと臨床心理士なのだそうです。心理士から司法試験を受けて、検事になられた方と。性暴力や子どもの事件の担当で、ものすごく頑張っていらっしゃる方と。広島に来てほしいですねえ。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

島根、玉造です。

松江、玉造温泉にいます。

Img_8512

しまね性暴力被害者支援センター「さひめ」の10周年記念のために来ました。今日は、支援員の方たちの交流会。明日は、10周年記念の講演会が開かれます。午前中は、支援員の方たちの研修、午後に一般の方たちへの公開講演会です。

Img_8518

交流会は、とっても楽しくて。皆さん、はじめから「さひめ」の支援員である方も、最近支援員になった方も、さまざまで職業も様々です。カウンセラーや弁護士さんたちも。中心になってるのが産婦人科医であり、臨床心理士でもある河野美江先生。10年も頑張ってきているさひめですが、広島県と違って、

県がお金を出していません。皆さんボランティアで、苦しい中、頑張っています。内閣府は、各県に一カ所はワンストップセンターを作れとの指示は出しても、経済的なバックアップがありません。皆さん明るくって、かつ使命感をもっていらっしゃいます。


 実は、私は皆さんにお土産をもっていきました。ところが、数が足らなくって、これを2パック、計12個しかありません。困ってしまって。

7_20240222234501

売店に行って、ない人用にこれをたくさん買いました。一箱ずつ持って帰って頂きます。島根のものですが、仕方なく。


Img_8525

みなさんで話し合って、結局私とじゃんけんをして、勝った人からはっさく大福をもらうとなって、その争奪戦が白熱して、本当に楽しかったです。申し訳ない事をしたと思ったけれど、久々にお腹が痛くなるほど笑いました。

素晴らしい温泉にもゆったり入りました。明日の朝にも入ります。これから少し講演の予行演習をして寝ます。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

さらに松本人志氏の事件について

松本人志氏の事について、もう少し。コメントを様々な人が言っていますが。中でも「なぜ今なのか。8年も経ってから」と、同時に「なぜ週刊誌なのか。事実なら、警察に行け」というものが多いのですね。このコメントを言う人は、「性犯罪」に対しての日本の状況が全然わかっていないと思います。

 前者の「なぜ今なのか」については、昨日に言いました。すぐに言えなくても、それを抱えたまま生きるのがつらくて、やっとの思いで「今」言えたという人。性暴力の被害にあった人たちに接していれば、こんなことは全く普通にあることだとわかります。

 何度も言っていることですが、日本の性犯罪についての法律は、明治時代に作られたのが延々と続いていたのです。「明治時代」というと、女性は、立候補はおろか投票権もなく、男性たちだけで法律は作られていました。そして、その法は、まさに男性のための法律であって、性犯罪の加害者が法で罰せられるためには、被害者が「死ぬほど抵抗しなければならなかった」のです。昨年の7月、やっと法律が変わるまで。

 今回の松本人志氏の被害とされている女性は「逃げようと思えば逃げられた」かもしれません。パーティーだからと騙されて連れていかれても、「俺の子どもを産んでくれ」と迫られても、「逃げることができた」はず。だから、警察に行っても相手にされません。裁判でも、有罪にはなりません。

伊藤詩織さんの「Black Box」を読んで見て下さい。あんなひどい状況でレイプされても、それは「合意の上だ」と刑事事件では加害者は逮捕すらされず、立件すらされませんでした。これまで多くの女性がどれだけ悔しい思いをしてきたか。

ある女性、お酒で意識がなくなって気づいた時には、動画を撮りながら、レイプされていたのです。彼女はやめて下さい、やめて下さいと抵抗し、その動画も法廷に出されました。しかし、判決は「やめて下さいというのは、性交ではなく、動画を取るのをやめて」と言っていると「加害者が判断した」ので、加害者は無罪でした。
 
 実の父親に長い間レイプされ続けても、「逃げようとすれば逃げられたはず」と加害者は無罪となり、多くの女性が怒りました。

 騙されてレイプされて、警察に行って相手にされるのは、昨年の7月からです。

 そんな日本の法律の状況だということを知らない人が「警察にいけ」というのでしょう。ちなみに、ジャニーズの事件でも、警察に行けばよかったのにという人がいます。男性は、2017年に一部法が変わるまでは「被害者」にならなかったのですよ。被害者は女性だけでした。

Img_7770_20240111214301

そんな、警察に言っても相手にされない被害者が週刊誌に訴えるという方法があってもいい。警察に言うよりも報復になるでしょう。しかし、セカンドレイプはひどいでしょうが、それすらも覚悟で訴えているのだと思います。週刊誌がジャニーズの事件をずっと報道してきても、まったく社会が相手にしなかった、今回もそれと同じことを繰り返そうとしているのでしょうか。

それから、松本氏がMCをした、NHKの「世界のLOVEジャーナル」、見ていて、気分が悪かったです。そのような性に関してのテレビなどの報道をしている国は、子どもの頃からしっかり性教育がされていて、性に関してのアイデンテイーもしっかり持っている「大人」対象の番組です。日本のように、避妊すらちゃんと教えない国とは、土台が全く違います。一体、何が目的なのかが、さっぱりわからなかった番組でした。それなら、「世界の性教育」をルポしてくれる方が、はるかに役に立つでしょう。「自分にも年頃の娘がいるので」という松本氏の隠そうとしてもつい漏れる卑猥な笑いが、さらに気持ち悪かったです。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

中国新聞の記事「性被害ワンストップセンター」

われらが中国新聞の久保記者が書いて下さいました。「広島県性被害ワンストップセンター」についてです。本当に今多くの訴えで、忙しくてスタッフみんな大変です。センターでは、常勤だけでなく、大勢の人がシフトでそれぞれ受け待ちをしています。

2024130-2

記事の中にあるように、過去の被害を何年もたって、お話しする方もとても多いのです。一人抱え込んで、ずっと悩んで、やっと今になって誰かに話をしたいと。そんな方のお話もワンストップセンターは、しっかり受け止めます。そして、その方がどうしたら心が楽になるか、一緒に考えます。

 松本人志さんの件で、被害にあった女性について、あれこれ言われています。中でも、なぜ今になって、という声が多いですね。ジャニーズ氏による性被害が公になって以来、全国のワンストップセンターで同じ現象が起こっているそうです。過去の被害、それをずっと抱えて生きるのはとてもつらいことです。時間が経ってからの訴えを、責めてはなりません。それは、セカンドレイプとなり、さらに被害者を苦しめます。

 私も、週刊誌は読みましたが、これだけ詳細に嘘が書かれることはないと思いました。辛い思いを話すのは、裁判の場だけとは限りません。時効が来ていても、裁判以外の方法でも、いろいろと対応出るのですから、悩んでいる方、どうぞ一人で抱えこまないで下さい。

ワンストップセンターは、弁護士さんだけでなく、カウンセラーや支援員など沢山の女性たちがフル活動していますよ。久保さんの記事、本当にうれしく読みました。この記事で、悩んできたけれど、思い切って話してみようかと思う人が、増えて下さいますように。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

性被害ワンストップセンター広島支援員養成講座

 23日土曜日は、診療後すぐから今年最後の講演です。性被害ワンストップセンターの支援員養成講座の一つです。昨日、その講演用と配布用の両方の資料を作って、送りました。

Photo_20231222191301

2_20231222191901 3_20231222191901

 今年は、ワンストップセンターや警察や児童相談所からの沢山の性被害の患者さんを診ました。大人も子どもも、男性も女性も。被害にあった人自身は、大分社会の状況が変わって来たと感じています。昔は、被害にあったことは、決して誰にも知られてはいけないという雰囲気が強くて、それが加害者を増長させているのではと悔しい思いをすることも多くありました。また、警察や検察や司法の対応も、本当にひどくて、怒りをおさえるのが大変でした。でも、少しずつ変わってきて。被害にあった人は泣き寝入りをしない、という行動をする人も大分増えて来たと思います。

 それは、やっとやっと性犯罪の法律が変わったことも多いにあると思います。何しろ、明治の時代の法律がずっと続いてきていたのですから。明治時代というと、女性の国会議員は一人もいなかった、いえ、女性は選挙権すらなかったのです。男たちだけで、それこそ、男に都合のいいように作られた法律。それにずっと縛られてきました。それが、今年やっと変わって、他の国並みになってきつつあります。それに伴って、やっとメディアも。性犯罪は許さないという姿勢を取る報道が少しずつ増えてきました。でも、これはまだうん?と首をかしげることも多々ありますが。特に、ジャニーズの件についても。

 広島県のワンストップセンターは、沢山の支援員の人たちで素晴らしく機能しています。私は医療の所だけを受け持てばいいようになって、ずいぶん楽になりました。でも、支援員はまだまだ足りません。支援員として頑張っていただけるように、私も講師を頑張りましょぅ。

 

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

 

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

東京です。今日の学校の性被害の報道について。

東京です。先週と全く同じ新幹線に乗り、同じホテルに入りました。

Img_7145

違うのは、先週は午後の講演なので、朝のんびりしていましたが、今回は午前中の講演なので、朝早くホテルを出なければなりません。先週は、朝風呂に入りましたが、今回はホテルに着くとすぐに入ってきました。ホテルの4階にあるお風呂の王様です。

来る時の駅弁、あじろやだからいろいろな和食のお料理が入っているだろうとちょっと豪華なのを買いました。サンプルも写真もなかったので。

Img_7138_20231207012201

そして、開けてみて、あら、こうだったの?まあ、おいしくはありましたが・・。

 Img_7140

出発まで、いろいろと大変でした。息もつがずというか、診療をしながらとお昼時間を全部使って、喪中はがきを作り、350枚すべて印刷をして、そして名簿の修正をしました。そこでタイムアップ。宛名をブリントして投函しておきたかった・・そこまでしておきたかったのですが無理でした。そうそう、生活保護の申請の二枚は書きました。

明日、講演の後は午後は娘と、夕方には孫ちゃんにも会えそうで、うれしいです。

今日、一斉に報道された、広島の中高一貫校での性被害、10月には中高一貫の男子校と報道されていたのに、今回は「男子校」と言われなかったけれど、これはもう遅いですね。ちょうどNHKのあさいちで「男性の性被害」を今日明日と二日間にわたって放送されます。これまでもさんざん言ってきましたが、2017年まで、日本の法律は、男性の性被害を認めていなかったのです。だから、ジャニーズの被害者がなぜ警察に行かなかったかというのは、無理なのです。それは、国の責任でもあるということです。まして、教育の中で、男性の性被害が取り上げられることは、ほとんどありませんでした。だから、よけいに被害者は苦しむ、今回も10数人が被害にあうまで、声を上げられなかった、それは学校という場で行われた、それも教師という力を持ったものから支配される生徒に対してなのだから、学校の責任は厳しく問われなければならないと思います。それから、RCCだけ「セクハラ」と言っていますが、そう定義していいのでしょうか。私はそんなごまかしではなく、はっきりと「性被害」と報道すべきと思うのですが。あくまでも各社の報道を見た範囲での、私の感想です。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。



広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

ジャニーズの事件について考えること②

 ある中学校のスポーツの指導者が男子中学生に性的暴行を加えました。沢山の生徒に繰り返し。その指導者は警察に逮捕されましたが、結局罪に問われたのは、中学一年生の一人に対してのみでした。一年生は、12歳だからです。日本の性的自立、性的同意年齢は13歳とされていました。明治以来延々と。13才未満の人に性的暴行を加えれば、文句なしに罪に問われます。でも、13歳からは、どれだけ抵抗したかが問われます。または、抵抗できない、暴行・脅迫があったのかが。しかし、いつも女性の被害者が問われている命の危機を感じるほどの暴行、脅迫はこの中学生の場合はありませんでした。他の沢山の生徒たちは、抵抗しようとすればできたはずです。しかし、そこに「いうことを聞かないと試合に出してもらえない」ということは、一度聞かされれば、それは恐怖に近い感情となり、抵抗できなくなってもやむを得ないことでしょう。

 まさに、ジャニーズでの沢山の男性が被害にあったと同じ被害でした。

 そして、多くの人たちの訴えがやっと実る形で、今年の7月13日から、新しい刑法が施行されました。

 それまでの「強姦罪」は2017年に「強制性交罪」となり、そして今回「不同意性交罪」となりました。不同意の累型が8つ提示されました。例えば、その1は暴行・脅迫を用いることなど。その8番目に「経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させることまたはそれを憂慮している事」とあります。これは会社の上司と部下とか、学校の教師と生徒とか。

 先述のスポーツの指導者とか、それにまさにジャニーズ氏の性暴力にに当てはまります。

 そして、性的同意年齢がこれもやっと13歳から16歳に引き上げられました。

 先述のスポーツの指導者からの被害者は中学生ですので、すべてこの16歳より下でした。そして、ジャニーズ事務所の多くの被害者もはじめは少年でした。中には、その意味も解らないままに被害を受けている人もいます。

 今回の性暴力の刑法を改正することで、やっと日本も世界の他の国々と同じレベルにまで来ました。もしも、日本がもっと早くに明治につくられた刑法をちゃんと社会に見合うように改正してていたなら、と思います。

 男性も被害者でありうる事、16歳未満であれば、同意のありなしに関わらず、加害者は罰せられること、そして、地位を利用して行為に及んだこと。ジャニー氏の行為は、今回の刑法改正では、何重にも犯罪として罰せられることでした。

 要するに、社会全体がこの刑法をそのままにして、多くの被害者を泣き寝入りさせてきた、そのことがジャニー氏の行為を黙認し続けたことにつながります。日本の国が性暴力に真摯に向き合ってこなかったから。私は、やはりジャニーズの問題は、日本の国、社会全体の責任だと思います。

2週間ぶりに、クリニックのベランダのハイビスカス、K-ブルーが花を咲かせました。ブルーがかった澄んだピンクで、可憐です。もう少しつぼみがついています。遅くに撒いた朝顔も、沢山のつぼみをつけています。でも、つぼみが咲かない事もあるそうですので、ドキドキです。

Img_5747

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

ジャニーズの事件について考えること①

ジャニーズの性加害について、私の考えをちゃんと書いておきたいと思います。先日、この本を読みました。カウアン・オカモトさん。ジャニーさんからの性加害を初めて実名で顔も出して世間に訴えた人です。日系ブラジル人三世の彼が、日本でとても苦労した生い立ちから、ジャニーズ事務所にはいり、そしてジャニー氏から性加害を受けるまで、その後も継続的に被害を受けながらジャニーズで仕事をしたこと、そして、とうとうジャニーズ事務所を辞め、独自でミュージシャントして活動をするまでの事が素直に書かれています。


Img_5740

これを読んで、また、私ですら知っていたジャニーズ氏の加害について考えたことは、これは単に一人の男色の男と事務所だけの問題ではないということです。週刊文春以外のほとんどのメディアも知っていながら、触れることをしなかった責任ももちろんあります。


 それよりも、私は「性犯罪」全体について、本気で取り組んでこなかった国の責任が何より大きいと思っています。

 昔から、男性の性被害は起こっていました。子どもの被害も。私が小学生の時、ある教師がクラスの男子児童を抱っこして、性器を握り動かし、「気持ちいいじゃろう?」と言ったと。その被害にあった何人もの生徒たちが、みんなで先生に「そんなことはやめて下さい。」と言い、それでも本気で謝罪をしない教師に怒った児童たちが校長先生に言いに行ったと。私たち女子児童は、その意味もほとんどわからないままに(何しろそのころは、私は性交もまだ知らなかったのですから)どうなったのか、興味だけはありました。それは、複数の児童から保護者にも伝わりました。それでも、このことがどういう結論になったか、なんにも知らされませんでした。

 大学生の時も、男子学生を襲う教官がいて、男子寮に出没していました。その教官が現れると、〇〇先生がいらっしゃいました。と、警戒を呼び掛ける放送がされ、私たちは笑っていました。(学生運動の救援対策の部屋がその男子寮にあったものですから)

 そもそも、社会全体として、男性の性被害に本気で取り組んで来なかったと思うのです。日本は、性暴力に対しての法律を初めとする対策は、他の先進国に比べて、大きく遅れていました。何しろ、明治時代に作られた法律が延々と存在していたのですから。

 2017年にやっと法律が一部改正され、男性の被害も初めて性犯罪の被害者として扱われるこになったのですから。やっとやっとです。これまでにも、小さな男の子が、被害にあった挙句殺されたという事件も少なからずあったにも関わらずです。

 もっと社会全体が、男性の被害を性犯罪の被害者として認識していたなら。ジャニーズ氏の性加害も、性犯罪であると認識したなら、警察が捜査をするということがあったなら、これほど沢山の被害を出さなくて済んだでしょう。

 フォーリーブズの北公次氏の34年も前の訴えを観ました。彼がこれほど必死に訴えているのに、彼の訴えは今に至るまで注目されませんでした。(その動画はYouTubeでもTikTokでもアップされています。ここにリンクしようとしましたが、うまく行きませんでした。)

私が言いたいことの一つは、これまで男性の性被害を本気で被害と認めてこなかったことの国の責任です。

そして、まだあります。それは、「性的自立」を長い間、明治以来、ずっとずっと13才としてきたこと、それから、地位利用の犯罪も犯罪とせず、「いかに抵抗したか」だけに集約してきたこと。これらについて、また明日述べます。

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。

ぜひ覗いてみて下さい。

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

「刑法改正 当事者が求めてきたものに近づいたか?」書き直し。

2日間の性暴力救援センター全国研修を終えて、昨日深夜に帰ってきました。

東京での全国研修会二日目は、

1.「刑法改正 当事者が求めてきたものに近づいたか?」と題して、弁護士の中山純子さんの講義。

2. 「被害者診療上の留意点」山口大学大学院法医学講座教授であり、大阪のワンストップセンターSACHICOの理事でもある高瀬泉さんのお話でした。

 中山さんのお話は、2023年6月の改正刑法性犯罪規定について、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」の設置、調査、法制審議会のいくつもの諮問を受けての2021年10月~2023年2月3日まで法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会全14回等にずっと参加して、ウォッチングをされており、細かなやり取り、なぜこのような決定となったか、など、詳しく話してくださいました。とても良くわかりました。今回の改定は、やっとやっと世界にも負けないほどの刑法になりえたとの思いが強くなりました。

ここまで来るのに、ワーキンググルーブの調査や議論がどんなものであったか。前回の法改正からの約一年間での裁判例180件、不起訴例548例の分析、有罪事例の被害者の分析、被告人との関係性、不起訴例の被害者の供述の信用性に疑問が残るとされた具体的な例、有罪判決に認定された抗拒不能の原因などなど。

女性の構成員が41%とされた刑事法部会で、本当に真摯な議論が繰り返されて、結果的に今回のような法改正になったということがよくわかりました。

 一つ、注意すること。いわゆる性交同意年齢です。13才から16歳に引き上げられましたが、ただし、被害者が13才未満は絶対処罰、でも13才から16才未満は、加害者との年齢差が5才以上の場合とされています。どうにもこの5歳差というのが、すっきりしなかったのですが。だって、当院でもあるのですが、中学2年生の14才と、高校卒業後社会人の18歳の性交、これ年齢差が4歳ですので、罰せられないと思っていました。しかし、そうではなく。


 分かりにくいけれど、これは5歳の年齢差があれば無条件に罰せられる。でも、5歳未満であれば、罰せられないということでなく、大人と同じように犯罪要件(改正177条第1項)が問われるということだそうです。


 さてこれからは、警察や検察の方たちが、新しくなった法律に早くなれて、被害者を門前払いすることがないように、しっかりこちら(ワンストップセンター)が見張らなければと思います。委員の方々、特に当事者の方、本当にご苦労様でした。ありがとうございました。中山弁護士さん、御教示ありがとうございました。

初めに、私は配布された資料をここに張り付けていました。しかし、これは著作権の問題に触れるとご指摘を頂きましたので、全部削除しました。ごめんなさい。

 研修の後、広島からの参加者の内、総会に出ない者4人でランチ。私にお店を選べとなったので、考えた挙句、赤坂のエイトでの北京ダックにしました。研修会場の赤坂から電車で一本、5分。歩くのもすぐで、高級北京ダックを一羽丸ごと。たらふく頂いて、皆さんにも満足していただきました。

Img_4802 Img_4803_20230727000601

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

東京でワンストップセンターの研修初日

今日は、全国性暴力被害者支援のワンストップセンターの研修会初日でした。会場は、新橋のビルの中。私はよく会場に行くのを間違えるので、早めにホテルを出て、電車と歩きで行きました。早くについたのですが、あまりに早くて、どなたもいらっしゃらず会場も閉まっていて。どこか休む所を探して、重い荷物をもってうろうろ。カフェやマックは二階に上がらなければならず、荷物をもって上がることもできず、結局、カラオケに一人で入って、歌も歌わず、涼しい所で休みましたよ。

 出直しで会場に入ったら、こんな広い所。知ってる産婦人科のドクターに何人も出会いました。

Img_4776_20230722222001

 企画1はこんな会。

Img_4777_20230722222001 Img_4778

企画2は、各部会に分かれての会。私は医療部会へ。40人余りの参加で、自己紹介の後、この度の刑法改正で気を付けること、アルコールを飲んで被害にあった人のアルコール濃度の測定、薬物検査、男性被害者の診察体位、子どもの被害者の診察について、ひいては緊急避妊薬のOTC化について、母体保護法の配偶者同意について、などなど多岐にわたって議論がされました。まだまだ話足りないと思いながら、明日に持ち越しました。

 明日は、企画3の1刑法改正 当事者が求めてきたものに近づいたか?」弁護士さんのお話。2.「被害者診療上の留意点」。3.は各団体代表者のみの性暴力救援センター全国連絡会総会ですので、私は参加しなくでも大丈夫です。広島のメンバーとランチをすることになりました。その後は、娘とマッサージかな? 夜は子どもたちとタイ料理を食べに行って、新幹線で帰ります。

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

| | コメント (0)

より以前の記事一覧