回天とユン・ドンジュ氏
回天や飛行機などの特攻隊員の戦死者数。特攻隊戦没者慰霊顕彰会によると、海軍が4146人、陸軍が2225人の合計6371人とされています。これらの若い人たちは、日本国ため、天皇の為、家族のためにと、純粋にそう考えて、自分の命を懸けて戦ったのでしょう。若者たちは、教育により、洗脳されて行ったのでしょう。
しかし、戦争は一体、誰が初めて、どうやってこのように国を挙げて戦うのが当たり前になっていったのでしょうか。日本がアジアに侵略していくときに、それを止めることはできなかったのでしょうか。もし、そのようなことを考え、だれかに語ったなら、それは即非国民となり、人々の攻撃の対象となりました。
私は、「はだしのゲン」のすごいところは、ゲンのお父さんに尽きると思っています。あの社会の中で、戦争反対と言い、息子が軍隊に入ることに反対し、朝鮮人と仲良くし、そして、非国民として逮捕、監禁され拷問され・・。中沢啓二さんは、そのような父親の元で育ち、だからこそ、あの様な「はだしのゲン」を描くことができたのだと思います。
私が何にこだわっているのかというと。私は、この20年近く、「8.6ヒロシマ平和の夕べ」のスタッフとして活動を続けてきました。その中心を貫いているのは、当然「反戦・反核」です。その中でも、もう数少なくなってお話を直接聞けなくなる被爆者にその体験を語って頂くことを続けています。それも、単なる被爆体験だけでなく、様々な闘いを続けて来られた方に。今年は韓国人被爆者の救済活動を続けて来られた豊永恵三郎さんに、昨年は核兵器廃絶の闘いを続けている千葉たか子さんに、一昨年は被爆教師の会で子供たちへの平和教育を続けてこられた森下弘さんに。この年の平和講演には原爆小頭症きのこ会の事務局長の平尾直政さんにも話して頂きました。という具合に。中沢啓二さんや李鍾根さん、那須正幹さんなどもうなくなった方たちにも。それは、貴重なお話を聴くことができました。
でも、それら語って下さる被爆者の方たちのこれまでの壮絶な闘いを、「被爆者は、なぜ被爆をしたのか、それまでの日本がしてきたことの反省がない」という人がいるのです。日本がアジアに侵略し、国民みんな一体となって戦争に加担したではないかと。朝鮮人などの差別もしてきたではないかと。確かにそうです。日本がしてきたことは紛れもない事実です。でも、その責任をなぜ被爆者に求めるのか、それが私には理不尽だと思えるのです。あの状況の中で、戦争に国民が巻き込まれて行くなかで、だれがどうやってそれを止めることができたのでしょうか。生きるだけで精一杯だった被爆者にその責任を求めるのは、あまりに酷だと思うのです。精一杯生きて来たその生きざまを見せていただくだけで、私たちはありがたいと素直に思います。
しかし、同時に私は、若者を回天に追いやった、そして、詩人のユン・ドンジュ氏を治安維持法で逮捕し、獄死させた、それら為政者たち、戦争を推進し続けた人たちを今もなお追及しなければならないと思います。そうしないと、また同じことを繰り返してしまうと。今を戦前にしてしまうのではないかと。私たちにそれを止めることができるのかと。本気で怖いことだと思うからです。
明日からユン・ドンジュ氏のことを少し書きたいと思います。
これは、私が感動の中で演劇「星をかすめる風」を見た後買ったパンフレットと詩集「空と風と星と詩」です。
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