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なぜ「外国人」だけ特別に?

 私のクリニックには、毎日毎日何人もの外国人の患者さんが来られます。クリニックが平和公園の近くなので、時には旅行者の方も来られますが、多くは広島で働いている方たちです。

 母国はアメリカ、カナダ、フィリピン、ブラジル、ペルー、中国、韓国、台湾、インド、ベトナム、インドネシア、ああ、カープの関連なのかドミニカもありますね。言葉は、英語はともかく、辞書とGoogle翻訳機能で何とかなります。

 この方たちは、皆さん様々な職業について、働いています。本当にいろいろです。英会話の教師、商社のビジネスマン、お掃除、工場の仕事(夜勤も)、介護職、コンビニ、着物を着て和食の飲食でのお仕事などなど。中には夫がIT関連で働いて女性は主婦という方もあります。

 そして、大切なことは、この方たちは皆さん仕事をして、ちゃんと税金を払っているということです。健康保険のお金も払っています。「外国人の特権」て、何を言うのでしょうか。私にはわかりません。

 今のような「外国人政策」担当の大臣の言い方だと、まるで日本にいる外国人は、日本人が働いて税金を収めているその恩恵にあずかっているかのような言い方です。

 日本人であろうと外国人であろうと、税金を払い、病となれば健康保険で医療機関に罹り、もし不法なことをすれば、日本の法律でちゃんと裁かれます。それでいいではありませんか。

 大臣が「外国人」とひとくくりにして、多くの方が傷ついていることがなぜわからないのでしょう。「外国人政策」という中には、ご自分の父親の国から来ている人も含まれるはず。特権と言えば、その国から日本の基地に来ていて、散々不逮捕の特権で沖縄の人を中心に苦しめて来た、そのことを言うではありませんか?とでも言いたくなります。

 日本人が不安になっているのは、今、高齢者が詐欺により大金を取られたり、闇バイトによる殺人であったり、都会での無差別殺人であったり、教師による子どもへの性暴力であったり。こんなことで怖くなっていますが、これらは外国人がしていることですか?少なくとも、これまでこんな犯罪をおかしているのは、日本人ではありませんか。

 生活保護だって、困った人が生保で救済されるのは、日本人でも外国人でも当たり前。日本の総人口の外国人の占める割合は2025年6月末で3.21%。生活保護の受給者を見ると、生活保護を受けている世帯の約2.9%が外国人世帯です。決して外国人の特権で税金も払わず、日本人の稼ぎのお世話になっているのではありません。

 こんな人を「外国人担当の」大臣に据える、総理の本心が透けて見えるように思います。

 私は、以前も言いましたが、日本人であろうと外国人であろうと、病んで悩んでクリニックに来る人には、順番に正面から向き合って、ちゃんと医療で対応をします。これからもずっと。日本人を優先するということはありません。国籍で差別はしません。

クリニックの青野さんのお花です。秋ですね。

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 その青野さんのいけばな嵯峨御流のいけばな展が今日からシャレオの中央広場で行われます。ぜひご覧くださいませ。

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コメント

こうした現場の意見は大切ですね。

投稿: 元安川 | 2025年10月23日 (木) 12時24分

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