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第一学習社代表取締役松本洋介先生

またまた訃報が届きました。

株式会社第一学習社の代表取締役松本洋介先生です。教科書や副教材、学習書などを広島に本社がありながら、全国の教育現場に発信している会社です。私も、著書を保健の副教材に使っていただいたりして、ご縁があります。

というより、私が「先生」と呼ぶのは、以前私が土谷総合病院の産婦人科に勤務している時に麻酔科のドクターだったからです。私より5歳お若い先生でした。

以下、私が先ほど弔電を送りました、それをコピーいたします。

 松本洋介先生の訃報に接し驚いています。まだお若いですのに、大変残念です。遺族の皆様、関係者の皆様にお悔やみ申し上げます。

 松本先生は、私が土谷総合病院の産婦人科に勤務していた時の麻酔科医でした。そのころ、土谷病院は救急指定病院で、夜昼構わず緊急の手術が飛び込んでいました。松本先生は、どんな夜中でも明け方でも、ハアハアと息を切らして駆け付けて下さり、麻酔をかけて下さいました。また、大変優秀な先生で、どんなに難しい患者さんでも、工夫をして命を助けるために尽力して下さいました。先生のおかげで何人もの方が命を救われました。

 その先生が、きっぱりと医師を辞し、第一学習社の社長さんになられると知り、その潔さにまた感動したものです。いつかやめるとわかっていたからこそ、精一杯医師の仕事を遂げられたのでしょう。

 いつかまたお会いしてお話したいと思いながら、かなわぬことになりました。
 ご冥福をお祈りします。  合掌
          医療法人河野産婦人科クリニック

                    河野美代子

 いろいろな患者さんのことが頭に浮かびます。ある双子の妊婦さん、帝王切開で赤ちゃんを出産していただくときに、大きなお腹で血管が圧迫されるためでしょう。手術台に横になると、血圧がひどく下がります。上向きになることができません。松本先生は、座ったまま硬膜外麻酔のチューブを入れ、さらに座ったままお腹の消毒もし、そして、いざ、それっと、手術を開始。血圧は、アッという間に30代に。松本先生も必死で酸素をマスクで押し込み、私たちも、お腹を抱え上げながら急げ急げで赤ちゃんを二人取り出して、やっと血圧も落ち着きました。手術室全体が一つの目標に向かって、大変に緊張した時間でした。

 それから、忘れられないのは、宗教的な理由で輸血を拒否される方の前置胎盤の大出血です。ヘモグロビン3代というひどい状態で担ぎ込まれてきた方。輸血の説得は効かず、大変なことになりました。警察も来るし、信者さんは大挙して押しかけてこられるし。その方のお連れ合いは「助けて下さい」と土下座をされても、それでも輸血はしないでと。当時「白い血液」と言われる、輸血に変わる人工の製剤を輸液しながら、手術。わたしたちも、麻酔の松本先生も、必死。結局赤ちゃんは助かりませんでしたが、お母さんの命だけは何とか助けることができたものです。手術室の中は怒号が飛び交って、本当に大変でした。輸血さえできたら、赤ちゃんも助けることができたのに、と、ほんとうにつらい思いをしました。

 というようなことを思い出しました。

 先生が第一学習社の社長になられてから、私の本の出版をしました。高校生に向けての「気がかりなんだ」シリーズ。それのからだ編を私が受け持つことになりました。本が出来上がった時、松本先生のお声で、食事をごちそうになりました。先生と私と、社員である担当の編集者の女性。三人で食事をしたとき、お花が二か所テーブルに飾ってありました。食事が終わったとき、その一つを私に下さいました。そして、もう一つを編集者の女性に渡されたのです。彼女は、社長からお花を頂いて、びっくりして呆然としていらっしゃいました。わたしは、本当にすっごく素敵な社長さんだと思いました。

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今、この本は私の手元にもなく、アマゾンで一冊だけあったので、今購入の手続きをしました。久々に読み返してみたいと思います。

 当時、私が取り上げた先生の赤ちゃん、きっともう立派な大人になっていらっしゃるでしょう。お父様がそうだったように、あとを継がれるのでしょうか。もう一度、いろいろと話しておきたかったなあと、しみじみ思います。  合掌

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