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産婦人科医のための女性保健医療セミナー①

少々体調不良でブログを書くのをお休みしていました。もう大丈夫ですので、再開します。

 13日日曜日は「第24回産婦人科医のための女性保健医療セミナー」でした。ちょうど20年前、2005年に20人余りで第1回が開かれました。今は、当時を知るものは北村邦夫先生と、青森の蓮尾豊先生と私のみになりました。若いドクターたちが増え、今では全体の会員数も100人を超え、盛況です。

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当日のプログラムです。

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初めの、北村先生の2023年度衛生行政報告例(母体保護関係)について、最新の話題でした。

日本の人工中絶件数は、ずっと減少し続けていましたが、2023年は、なんと増加しています。

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人口そのもの、特に妊娠する若い年齢の人が減少しているので、総数だけではなんとも言えないのですが、人口千対の実施率を見ると、よくわかります。総数では4009の増加。中絶率は、全体では5.1から5.3へ増えています。


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これの原因をなんと捉えるか、うーん、難しい所ではありますが、今後の変化も見続けたいと思います。そのほか、経口避妊薬の売り上げ数と人工中絶数の年次推移、各都道府県別の比較なども詳しく提示して頂きました。

 次のディスカッション、若い世話人の先方のおかげで、楽しく過ごすことができました。特に、全国のドクターたちの「ホルモン製剤処方時の私の実践」について、あっと、学ぶことが多くありました。一人開業医では、つい自分のみの認識になりがちです。とても参考になりました。即、実際の診療に役立てています。みんなの和気あいあいのディスカッションの後、私は性別違和を訴える若年の女性の月経コントロールについて少し話しました。


 彼女たちの(まだGIDと正式に決定されたり治療をする前なので、彼女たちと言いますが)バストと月経は時に自殺を考えるほど深刻で、きちんと向き合わなければなりません。私は、ただ月経を苦痛に感じる人の、その治療だけに限っての話をしました。今のガイドラインでは、正式に病名が決定し、ホルモンの治療に入る前に乳房の手術をする場合のみ、保険でできるという、とてもおかしなことになっていますが、それは守らないわけにはいかないので。ホルモン治療をする前に、苦痛な月経を止める方法についていくつかの治験を得たので、その発表でした。

 その後は、福島大学教育学推進機構高等教育企画室の前川直哉先生のお話を聞きました。「男性性と暴力」について。とても興味深かったので、改めて次回少し詳しくお話しますね。

 明日は、木曜日は休診日。岡山の高校に講演に行きます。

 

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