私の受けたセクハラ①
今から53年前、広島大学を卒業して産科婦人科学教室に入局してほどなく、何かの学会がありました。その会が終わったとき、ぺいぺいの私にとってはものすごい年上の先生たちが、皆さん「プロフェッサーの所に行こう」と話されていました。その横を通り抜けて帰ろうとしたら、その中のお一人の先生が私に、「おう、〇〇君(私の旧姓です)も一緒に行こう」と、誘われました。学生時代にとてもお世話になった先生です。ふうん、教授のお宅に行くんだと思ってついて行ったら、違いました。退職されたばかりの前の教授のお宅だったのです。まだ教授が新しくなられてまなしでした。そして、押し掛けたのは、新しい教授に不満を持っていらっしゃるドクターたちだったのです。医局にいる先生がお一人、あとは開業医と勤務医の先生たちです。いきなりどっと押し掛けた何人ものドクターたちを前の教授夫妻は、難なく応接室に案内されて、そして、奥様がお盆にジョニ黒ばかりを何本も載せて持ってこられました。わたしは、隅っこで皆さんが話されるのをただ聞いていました。たくさんの不満をぐちぐちと言っているのは、医局にいるH先生です。前教授は、反論もせず聞き役でいらっしゃってました。と、いきなり
「君、君はギネ(婦人科)に入ったのかと言われたのです」。私は小さくなって「ハイ」とだけ言ってうつむいていました。わたしは、当時全共闘運動の真っ盛りで、教授会との団体交渉などで知られているはずです。そしたら、H先生が「この人はセックスだけです。セックスばかりしている女です」と言われたのですね。わたしは、びっくり仰天。何を言われるのやら。どうして?意味がわかりません。わたしは、H先生には嫌われているという自覚がありました。一つ先輩に、一人だけ女性の先生がいらっして、その女性のドクターをとてもかわいがっていらっしゃいました。医局に入ったばかりでも、それはよくわかっていました。でも、言うに事欠いて、何を言われるのやら。そんなバカな。私は、まだ独身で、思い当たることは何もありません。あんまりびっくりして、なにも言えませんでした。そしたら、前教授が
「君ねえ、〇〇君(教授会の中でも力のあるベテランの教授です)がねえ、君を息子の嫁にどうだろうかと相談を受けてねえ。わたしは、それはいいと賛成したんだよ」と、またまたびっくり仰天のことを言われました。また私は目を見張るばかりで、なにも言えないでいました。しかし、それでH先生もなにも言われなくなって、その場では助かりました。でも、私は「セックスばかりの女」と言われたことで深く傷ついたし、その後もH先生のいじめは続きました。とても陰湿でした。当直で完全に徹夜をした昼間、眠くてふらふらで、当直室のベットでちょっと寝ていたら、のぞいたのがH先生でした。ああ、言われるな、と思ったら、案の定、次の医局会で教授が「昼に当直室で寝ている者がいる」と言われました。H先生からは私の名前が伝わっているはずです。でも、教授は名前は言われないままで、ありがたいことでした。
今日は、私の受けたセクハラ第一回で、この程度の軽いもので終えます。
先日、用を済ませたのが午後4時。お昼も食べていませんでしたし、ごご7時から9時までは会議の予定。で、何か食べておかなければと考えて法善寺に行きました。
さて、何にしようかとメニューを見ていたら、奥様が「大分暑くなりましたから、宇治金時ですか?」と言われたのです。びっくり。ご存じなのですか?と言ったら、「ええ、知っていますよ。あそこの先生でしょ?」と言われました。わあ、知られていたんだ。私はここの宇治金時は日本一だと思っています。大好きです。だから、よほど寒い日以外は宇治金時を食べます。その前に、何か、うどんかお餅。今回は、ぜんざいか、鍋焼きうどんか、お雑煮か考えて、お餅の磯部焼にしました。そして宇治金時のミルク。
きっと宇治金時は、シロップではなく、本当の抹茶を混ぜるのではないかと思います。大満足でした。
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