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中居正広氏の事件について③

長い記者会見、必死で見ました。午前2時まで。ずいぶん無駄な時間も多かったけど、でも、一応、フジテレビの覚悟のようなものは見て取れました。そのうえで、続きを書きます。

6.フジテレビのやり直し記者会見を見て
 港社長をはじめ、この問題を解決しようとした数名の幹部の方たちは、性暴力の対応について、まったく素人であるということを実感しました。情けないくらい。
 被害を知ってすぐにも中居氏にヒアリングはしなかったと。その理由に社長は、中居氏にヒアリングをしたら、彼女を刺激することになると思ったと。??です。彼女にヒアリングすることは刺激になるとこともあるかもしれません。でも、相手の男性に話を聞くことがなぜ彼女の刺激になるのでしょうか。中居さんが何かを彼女に言っていくかもしれないから?そんなことはしないでくれと、中居氏と約束すればいいことでしょう。

 さらに、「中居さんの番組を中止することは、彼女を刺激することになると思った」と。どうしてなのでしょうか。本人に聞けない状況で、どうしてそんな配慮になるのでしょうか。被害者本人にしてみれば、自分は被害を受けて、こんなにしんどい状況になっている、仕事もできなくなっているのに、その加害者が、何事もなく、自分がいたテレビ局で生き生きと活躍している、その方がよほど傷つくとは考えられないのでしょうか。その姿をテレビで見るのは、それはつらかったでしょう。私はそう思うのですが。

 会社は何にもしてくれなかった、ただ隠ぺいすることだけだったと彼女は思っているのでは?社長さんによれば、彼女の意志を確認したのが、社の社員を通じてということでしたが、その社員は被害者とどういう関係だったのでしょうか。もしかして、週刊誌に書かれているように上司のアナウンサー?この人は、彼女が被害を受けてすぐ、病院に行くという彼女を止めて、翌日会社の産業医に見てもらうようにしたと。そして、このことを一部の人に話したけれど、今回の事件の日ではなく、その前に彼女を中居氏に紹介した肝心のAさんには伝えなかったと書かれていました。こんな時は、やはり心理士などの傷ついた会話ができる人でないといけないと思います。フジテレビのコンプライアンス推進室はそのような人をそろえてはいないのでしょうか。もしそろえていたなら、彼女から直接話を聞いた人はそこに相談すべきだったでしょう。

第三者委員会について。メンバーは全部弁護士さんと。記者会見でどなかかが言われました。何かの第三者委員会の場合、一人弁護士で、一人精神科医で、一人臨症心理士であったと。わたしの関係する性暴力ワンストップセンターでは、被害者に接する人はほとんどが臨床心理士です。そのうえで、法律的なことのサポートが必要だと判断したときに弁護士さんにつなぎます。弁護士さんばかりの第三者委員会で、被害に遭った彼女からもお話しを十分に聞けるのでしょうか。とても心配です。偏見かもしれませんが、わたしは、弁護士さんは法律を学んだ方だと思っていますので。今回の事件は、法律だけの問題ではないはずです。

 フジテレビの会社は、社員、特に役職にある人達の研修はちゃんとしていないのではありませんか?研修を受けていたなら、あんな「中居氏にヒアリングをすると、彼女の刺激になるのではないかと思った」という発言、こんな間違いが出るはずがありません。だから、私は「素人」だと思うのです。

2022
4月、いわゆるパワハラ防止法・改正労働施策総合推進法が制定されました。すべての企業に対し、ハラスメント対策が義務化され、研修もすべての社員に義務付けされました。それもたった一回の研修ではなく、繰り返しの研修をすることによって、従業員にパワハラ防止の意識を植え付けなければならないのです。
さらに、男女雇用機会均等法は1985517日から、もう今から30年も前になりますが、セクハラ・マタハラ対策の義務化がされています。特にセクハラについては、2006年さらに強化されています。
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男女雇用機会均等法第11()>
 
 事業主は、職場において行われる性的な言動に対するその雇用する労働者の対応により当該労働者がその労働条件につき不利益を受け、または当該性的な言動により当該労働者の就業環境が害されることのないよう、当該労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置を講じなければならない。
「職場」とは
 事業主が雇用する労働者が業務を遂行する場所を指し、労働者が通常就業している場所以外の場所であっても、労働者が業務を遂行する場所であれば」「職場」に含まれます。勤務時間外の「宴会」「懇親の場」であっても、実質上職務の延長と考えられるものは「職場」に該当しますが、その判断に当たっては、職務との関連性、参加者、参加が強制的か任意かといったことを考慮して個別に行う必要があります。
「職場」の例
・出張先
・取材先
・顧客の自宅
・業務で使用する車中
・取引先の事務所
・取引先と打ち合わせをするための飲食店(接待の席も含む) 


以上、この件については、一旦これで終わります。また書きたくなったら、その時に書きます。読んでで頂いてありがとうごさいました。セクハラや性暴力のない社会になりますように。豊かな性教育ができるようになりますように。

今日も青野さんのお花です。

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