「モリチョウさんを探して」観ました。
昨夜、出先でNHKEテレ「モリチョウさんを探して~ある原爆小頭児の空白の生涯~」を観ました。1993年8月に放送されたETV特集の再放送でした。何とも悲しい、同時に憤りを覚えずにはいられない作品でした。また、こういうテーマを様々な困難の中で丁寧に作られていることにも感動がありました。
ただ、お母さんの胎内にいて、被爆をしたというだけで、頭が小さく、重い知的障害をもって生まれて来た原爆小頭児。モリチョウさんは小学校の教師は、彼が字も読めず書くこともできなかったと言われました。彼は広島の被爆者ではありましたが、故あって、東京で一人暮らします。小頭症だけでなく、原爆によるけがが腫瘍となり、その治療を受けながらも、ふわふわと夜の街で働きながら、孤独な人生を過ごします。やがて腫瘍は悪性の肉腫となり、そのために42才の若さで亡くなります。
番組は、彼が亡くなった後、困難な中、彼の足跡を丁寧にたどりながら、それを番組にしたものです。
何ともやり切れません。きっとこんな孤独な死を迎えた被爆者は沢山いたでしょう。
誰も看取ることがない死。彼の死後、彼には母親がいたということをこの作品の作者は突き止めます。父親は被爆からほどなく、原爆症で苦しみながら亡くなったと。せめて、彼の存命中にお母さんがいることを知ることができたなら・・。そう思わざるを得ません。
30年余り経って再放送されたこの貴重な番組、せめて戦争への道をひた走りそうな、為政者たちは、この番組を見るべきだと強く思います。きっと被爆80年に向けて、これまでの様々な番組が再放送されることでしょう。できるだけ見続けたいと思います。
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