性暴力救援センター全国連絡会全国研修会
9月28・29日は、全国性暴力救援センター全国連絡会全国研修会でした。
全てきっちり聞いて、ずいぶん勉強になりました。すべてをここに語ることはしませんが、違和感もいくつか。
一つは、言葉の問題。行政の世界や法律の世界では、違和感を持つ言葉がいずいぶん使われるのだなあと。
「性非行」まだこんな言葉が生きていました!それから、児童虐待の中の「ネグレクト」。そして、検察の方の言葉の中の「初期汚染」。
「性非行」性教育の中では、とっくに消えた言葉ですが。児相では普通に使われているのですね。何をもって「非行」とするのか、聞いてみたいと思ったのですが、聞けませんでした。うんと昔は、例えば高校生がセックスをすることを「性非行」と呼んでいた時代もありましたが。今は?定義は何なのでしょう。
「ネグレクト」。例えば、父母などが子どもの養育をきちんとしないで、食事も与えなかったりお風呂にも入れなかったり、要するにほったらがしにしている事・・。そうなのですが。でも、異なる使い方もされています。兄から、妹への性的行為。これはとてもあることなのですが・・。これも児相の統計では、「ネグレクト」いうのです。これは、もうずいぶん前から私は違和感を持っていました。「兄からの性虐待」ではないのです。「ネグレクト」なのです。「虐待」は、あくまでも親の立場にいる人のみの事。だから、兄から被害に遭っている事を両親などの監護者が「放っておいた」から「ネグレクト」なのですね。これは、もういいかげん、言葉を改めて「兄からの性被害」とすべきことと思います。そうしないと、現実を投影していない統計となってしまう。それを私は質問したのですが、児相の方の返答はちゃんとしたものではありませんでした。その方が児相の所長をしている間には、これを改めようという動きはありませんでした、とだけでした。
「初期汚染」。なんだと思います?今、子どもの性被害は、何度も被害者が尋ねられることがないように、一回だけ「司法面接」で、被害の状況を聴くこととなっています。それは、録画され、裁判まで有効な証拠となります。でも、その前に人からあれこれ聞かれると、それによって誘導されることがあります。特に、被害を告白された人が、根堀り葉堀り尋ねることは、禁です。それは、司法面接ですることになっています。でも、私たちは診療の場で、まだ司法面接がされていない場合は、どこまで聴いていいのか、とても迷います。被害の状況が分からないと、どこまで診察をしていいのか分からなくなります。警察や児相から「司法面接前ですから、尋ねることはしないでください」と言われると、本当に困ります。傷の事や性感染症の事など、丁寧に尋ねないと、ちゃんとした診察ができません。そして、司法面接の前に尋ねることを「初期汚染」というのですね。面白いなあと思いました。私たちは、汚染源なんだと。検事さんは何度も「初期汚染」と言われたのですが、でも、ワンストップの方が普通に「初期汚染を防ぐために」と発言されたのを聞いて、そうなのか、その言葉に抵抗ないのだなあ、でも私には使えない言葉だなあと思った次第です。
言葉にこだわるのは、筋違いかなと思いますが、でも、言葉ってとても大事なのですね。差別や人を傷つけることは、言葉によってなされるのだから。
それから、ワンストップセンターが全国に作られても、その働きはずいぶんと異なります。その違いの多くは、「お金」。ワンストップを作れというだけ言って、できあがっても、そこに予算措置というか、お金の投入が本当にまちまちなのですね。多くの箇所は、スタッフの「ボランティア」意識によって支えられています。でも、そのボランティアの人たちも、仕事も生活もあります。ボランティアのために持ち出しになることも。で、一番悔しいのは、予算不足で十分に被害者の方にケアができない事。もっと、国がちゃんと予算を付けるべき。各自治体任せではなく、基準を作り、国が責任をもって予算をちゃんとつけること。
そんなことが明らかになった会だったと思います。
会の写真はとれないのですが、懇親会。
そして、二次会。二次会は多くの方が来て下さって、すみません。ちょっと予想外で、椅子が足りなかったり。でも、折角の「カフェパセ」のママの美しいお料理の写真を撮り忘れて、ごめんなさい。ああ、残念。
ちなみに、二次会の写真。写真の私の隣。SACHICOの加藤先生が来て下さって、とてもうれしかったです。私が手に持っているのは、残っていたブドウをT先生の息子さんへのお土産にしようと思って。そうそう、ブドウはピオーネとシャインマスカット。このどちらも、広島県で品種改良で作られたものです。ピオーネは三次で、シャインマスカットは、安芸津で。
二次会からの帰り、少しの方ですが、私のクリニックに来て下さって、ありがとうございました。買ったばかりの骨盤底筋体操の椅子に座ってみてと言って、来てもらいました。記念写真。
関係者の皆様、お疲れさまでした。こんなことを書いたけれど、勉強になったことが沢山でした。本当にありがとうございました。
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