「虎に翼」の鼻血で倒れたこと。
京都からは、昨日帰っています。少々疲れましたが。京都での濃密な時間については、またお話しします。
今日は、時間が迫っていますので、大切な事を。何回もここで話していますが、子宮頸がんの予防ワクチンです。キャッチアップの期限が迫っています。
そもそもこのワクチンは高校一年生までにうつこととなっています。そこまでは補助で無料で受けられます。しかし、政府が積極的勧奨をしないと決めたというか、副反応について多くのマスコミが検証もなしにたれ流した影響もあって、その間にうたなかった人への救済策として、来年3月までは無料で打ちましょうというものです。来年3月というと、まだ時間があると思われているようですが、これは3回打ちます。1回目から2か月後とさらにその4か月後。ですから、全部を来年3月までに無料でうち終えようとすると、9月、今月までに一回目を打たないと終わらないことになります。今、当院も駆け込みでうちに来る方が多くて、現場はなかなか大変です。何しろ、子宮頸がんについて、ウィルスについて、世界の動向、副反応などについて、丁寧に話した上で、納得して頂いて接種しますので、説明にとても時間がかかります。世間では、特に保護者がまだその副反応の報道で怖いという思いを持たれていますので、そこを丁寧にお話ししなければなりません。
そして、その「副反応」に「失神」というのがあります。うった後、倒れるというもの。
それについて、先日「虎に翼」を見ていて、アッと思いましたので、その話を。「虎に翼」。私もはまっていて、これが今週で終わるのが残念で。
尊属殺人について、寅ちゃんの夫、航一さんが憲法違反か否か最高裁で審議すべきと最高裁長官の桂場に迫るシーンがありました。日頃温厚な航一さんが、大声で迫ります。ネットから取ったのですが、もっと迫力のあるシーンだったのですが、残念ながらそれが撮れませんでした。
その後、航一さんは鼻血を出します。それを桂場に指摘されて、血に気づいた航一さんは、倒れてしまいます。倒れた航一さんを長官が膝の上に航一の頭をのせて、介抱しています。(足がしびれて立てなくなったというおまけも!)
たった少量の鼻血で倒れる?ネットでは過労なのかとか言われていますが・・。それがまさに子宮頸がんワクチンの「失神」と同じで「迷走神経反射」なのですね。注射嫌い、痛いかしら、などと緊張した後で、または採血して血を見ただけで倒れてしまう人。当院でも、熱のある大きな男性が、採血したらウーンと倒れてしまって、ベットに運ぶのに大変だったこともあります。
注射の液の副作用ではなくって、「迷走神経反射」で気分が悪くなることがあるからね、そうなったら言ってね、我慢してたら倒れるから。気分悪くなったらベットに寝かせてあげるからね、10分も寝てたら良くなるから、と事前に説明もします。以前気分が悪くなったことがあるという人には、あらかじめベットで寝てもらってうちます。
それだけの事なのに、「副作用で失神することがある」とあたかも注射液そのものに問題があるように言うのは、意図的でしかありません。
「虎に翼」を観ていて、アッ、迷走神経反射だ!と思ったので・・。本当に航一さんは神経がこまやかな人なのですね、とほほえましく思いました。
『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。
| 固定リンク
コメント