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山口セミナーでした。村瀬先生のお話。

 性教協山口セミナーでの村瀬先生のお話。私は後ろの方の席で聴いたので、写真も小さくしか撮れませんでしたが。先生の紹介は山口性教協の代表の池岡さんです。

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先生は、スライドは使われませんが、参加者にレジュメを配って下さいます。それを見ながらのお話しですが、事例もユーモアも豊かで、とても楽しく聴くことができました。

小さくて見にくいですが、みんなに配って頂いたレジュメです。こんな風なのを二枚と、おうち性教育始めますのレビューを二枚。

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 レジュメのタイトルと重要と思う一文を並べます。

1.「おうち性教育」は、どうしてこんなに多くの人に読まれているのか。Amazonには、2110のレビュー。

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 ・大人たちはどんな風に性について学んできたのだろうか。抑制と禁止が基本のパターナリズム。

2.敗戦後 民主主義への転換のもとで男女同権とか、平等への道のりは一定程度つくられてきた。しかし、「性」にはほとんど手が付けられなかった。明治以来の家父長制、男尊女卑。

3.その「意識」(祖母、祖父の時代)のいくつかを取り上げてみる。

 ①性行為のことなど言葉に出すのは、はしたない(下品な)ことである。
 ②男尊女卑—― 世の中、男性が中心で女性は陰にまわって男性を支えるのが望ましい。
 ③月経をはじめとして女性の性へのけがれ意識がある。
 ④性行為は男性のための行為であって、女性は受け身であるのが自然である。
 ⑤結婚前の性行為などあってはならない。
 ⑥男性の婚外の性は仕方ないが、女性の場合許されるものではない。
 ⑦性行為の目的は妊娠するためと男性の快楽のへの奉仕のようなものである。

4.その後、我が国の結婚や家族のあり方は、大きな変化に直面する。

1957年~1973年あたりに定着した恋愛結婚・寿退社・。安定した家庭のイメージ。(母・父の時代)

5.経済的安定を前提とした役割分担(分業)、経済を支える夫と家事育児を専業として担う妻との間に対等な関係は成り立ちえたか。
  皆婚社会から離婚社会へ、未婚率の上昇と出生率の低下、非正規雇用者の増加。

◎家庭の中で引き継がれる意識、価値観、言い伝えと学校での教育 
 「祖母の時代」は、男尊女卑、お互いに分かり合えない時代
 「母の時代」は、性別役割分担に基づいた支配・被支配の関係づくりの時代
  そして「子の時代」は、個と人権をベースにした、多様な関係づくりの時代ということになるだろうか。
  そして、そうした方向を持った子育て、教育、性の学びになっているのだろうか。

6.1994年、高校家庭科男女共修が始まった歴史的な意味。
 2023年、不同意性交罪の成立した歴史的意味。

◎役割分担そのものを全面否定することはない。問題はそこに(上下関係)(価値の大小)を持ち込まない横並びの相互の尊敬を貫くものであるかどうかである。

7.子どもたちに育てたい考え方、力
 (1)からだ(性器も含む)に対する肯定的な見方、理解(自分の、ひとの)
 (2)月経や射精など、性の変化について正確な理解(不潔、不浄の払拭)
 (3)プライベートパーツの理解、パウンダリーの考え方など、性と人間関係の学習
 (4)性的欲求への対応について
 (5)思春期の性、性の多様性について など
  性のよしあしは、「関係」のよしあし
   (性的欲求の自己管理-セルフプレジャーのとらえ方)
        (相互性、対等性という観点)
        (18才成人時代)-(性交合意年齢は16才)

8.私たちは、性の何を学ぶのか
 ①生殖の性
 ②快楽・共生の性—オーガズムにつながる身体的快楽
   一体感、安心感、ぬくもりとケアを伴う精神的快楽
 ③支配の性

9.不同意性交罪と私たちの性の課題
 私たちは相手の合意のもとで、安心、安全、快適な性関係を結んで来ただろうか。

以上、村瀬先生のレジュメを丁寧に読みながら、パソコンのキーをうつことで、私自身もう一度、先生からの学びを胸に入れ込みました。

 レジュメではありませんが、配布された中に、村瀬先生が出演されたEテレ「朝までラーニング」からの参考記載、これがとてもいいので。

心理的な性の快楽
 1.ふれあうぬくもりから安心感を得たい
 2.さわってさわられていい気持ちになりたい
 3.抱きしめ合って寂しさを癒したり、癒されたりしたい
 4.幼児のように甘えたり甘えられたりしたい
 5.緊張から解き放たれて戯れたい
   6.相手から喜ばれて価値ある自分を感じたい

これは、私の前に現れる、貧しいセックスを強制されている、まさに男性の性欲を満たすだけの性、これが彼のためなのだとしている少女たちに伝えたと思います。こういう、心が満たされる性が大切だよねと。

 山口サークルの皆様、村瀬先生、本当にありがとうございました。心からお礼を申し上げます。

 

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