広島県女性医師の会で精神科の勉強でした。
昨日30日は午前中は広島県女性医師の会で、総会と講演会。講演は、草津病院の大澤多美子先生の「臨床医に役立つ精神医学的話題など」でした。大澤先生は、精神科専門医・指導医、児童精神科認定医、子どものこころ専門医・指導医であり、広島西部こども療育センター嘱託医でもあります。豊富な臨床経験のなかで培われた、精神科医療について、とても分かりやすく教えて頂きました。
草津病院は現在429床。職員は663人。精神科医師40名。常勤医21名、非常勤19名。内科医13名。(ネットより)という大きな病院です。近々、「こころホスピタル草津」という名前に代わるそうです。
精神疾患は、身体と同じく、誰にでも起きること。心にも不調や病気がある、若者の約20%は何らかの精神的悩みを抱えると。一人で抱え込まず、早めに信頼できる人に相談すること。メンタルヘルス・リテラシーとして予防の知識、精神科に偏見がない事、精神的に不調な時に援助を求められることが大切だと。
2022年から40年ぶりに高校保健の教科書に「精神疾患」の記述がある様になったと。1970年代の教科書では、「理解し方がたい行動を取ったり、廃人となったりする。優生手術の適応となる」などと、まったくひどい記述であったと。そして、今は、「うつ病・統合失調症・不安症・摂食障害」について。MHLがしっかりしないと、発見・支援の遅れとなってしまうと。書かれているそうです。
私たちには、うつ病や双極性障害(昔にはそううつ病と言われていました)、統合失調症についてわかりやすく教えて頂きました。かかりつけ医がこれらの症状の前兆を早く見つけて、精神科医につなぐことがとても大切であることが良くわかりました。いずれの病気も自殺率は高く、それは最悪のゴールであると。様々な治療と、再発予防、リハビリで回復して日常生活が送れるようになること。
また、発達障害(神経発達症)・アスペルガーなどの自閉スペクトラム・ASD・ADHDの原因・治療法、また広島市の発達障害支援センター・サロンの話などもありました。動画では、青年たちが自分たちの事や政党の事などを話し合っている姿が紹介されました。こうして、話すことによって、社会と繋がっていけるのだなあと、とてもいい試みだと思いました。
さらに、先生たちは広島の被爆者の実態調査を行い、被爆者が長い間自分一人で抱えていた体験や苦しい生活を聴くことを通して、その方たちがやっと話せたと解放されて行くことを紹介されました。それらは、「被爆者の人生を支えたもの(臨床心理士によるインタビューから)」という本として出版されました。読みたいと思って調べましたが、とてもお高いです。
質疑応答で、皆さんいろいろと先生に質問されました。私も、「知的障害のある人や発達障害の人、たとえばサロンなどで、体や性や結婚についての学習などはされていないでしょうか。知らないためだったり、相手の心を読み違えて、相手が傷つくような行動をしたり、辛くて自殺念慮が出て来たりというようなことがあると思います。もし、可能であれば、ボランティアででも、それらの学習に行きたいのですが、いかがでしょうか」と質問をしました。私は、堺に行ったときに、知的障害のある人の性や結婚の学習や出会いづくりに取り組まれている方たちの話にいたく感銘を受けたことがあります。そのような取り組みが広島でもできないだろうかと思っています。
この後、みんなで記念撮影をして、懇親会に移りました。
私は、残念。午後の会があるので、15分だけしか参加できなかったのですが、大澤先生とお話しをして、今後の相談事業にお声を掛けて頂く事になりました。それが、学習会に繋がっていくといいなあと思います。
とても有意義なお話しをありがとうございました。午後は8.6ヒロシマ平和の夕べの最終打ち合わせ、個々の役割分担等をしました。その後はまたまた懇親会。これについては、またお話ししますね。
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