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産婦人科医のための女性保健医療セミナー②

女性保健医療セミナーの続きです。今野先生のお話し。今や、世界では子宮頸がん検診は、細胞診ではなく、HPV(ヒトパピローマウィルス)があるか否かが主流であると。今は、基本2年に一回の細胞診でふるいにかけて、引っ掛かった人がコルポ診、組織診で、ガンと断定することになっています。細胞診が陰性の人は、また2年後に細胞診の検査を受けます。細胞診で引っ掛かった人の中で、わずかに細胞が変化しているASC-USという人だけは、HPVウィルスの有無を調べ、ウィルスが陽性の方には、コルボ診、組織診をするようになっています。また、ガンが極めて強く疑われる人には、ウィルスの型を調べることはあります。型によっては、悪性度が強い場合がありますので。


 然し、今野先生が推奨され、世界的に行われているのは、5年に一回、HPVを調べ、陽性の人は細胞診をする、そして、さらにコルボ診、組織診となる人もいます。HPV陰性の人は、5年後にまたHPVをする、それで十分なのだと。そうすると、経済的にも地方自治体も助かるし、何より女性が検診を毎二年毎に受けなくてもいいのは、楽な事であると。

厚労省も、今は、このHPV検診について、ガイドラインを出しています。

https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/001179402.pdf

厚労省の上記に出ているアルゴリズムです。

Hpv

従来の検診。

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HPV単独の検診のアルゴリズムは単純です。

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そして、HPVワクチンについて。日本は、世界から大きく後れを取っています。日本は、一番左です。

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そして、検診とHPVワクチンの組み合わせにより、オーストラリアは2028年に子宮頸がんを征圧すると。スコットランド等はすでに制圧を発表しています。我が国は子宮頸がんは、制圧した。これからはごく稀に見る珍しい病気になるであろうと。

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ところが、日本は、2100年になってもまだ制圧できず。今野先生は、日本は世界有数の子宮頸がん悲劇国、と言われています。

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これらは、政治の問題だと私は思います。

地方自治体がするがん検診は、これからHPV単独となっていくでしょう。そうならないと。しかし、私は質問がありました。でも、質問の手が沢山上がって、私には回ってこなかったので。懇親会で今野先生に尋ねました。

今の子宮がん検診は、我々開業医に受診に来られ患者さんには子宮膣部びらんや萎縮性膣炎の病名で健康保険ですることができます。でも、HPVは、ASC-USの人だけ保険適応ですよね。保険でHPVの検査ができるように、厚労省は保険に対しての働きかけ等はしていますか?と。これは残念ながら今はまだ駄目なのですって。ウーン、このあたりがもう少し整備されないと。せっかくHPVで検査すべきということが分かっていても、なすすべがないのが、残念ということになります。ウーン。


懇親会の事や、その後、私は子どもたちや孫と食事をしたこと、私が久々に?大ボケをしたこと、等、また明日に続きます。

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