市民劇場・音楽劇「母さん」
昨日の市民劇場は、俳優座劇場プロデュースの音楽劇「母さん」でした。
ピアノとバイオリンの生演奏のサトウハチローの物語でした。私は、ラッキーな事に今回は前から3列目。それも音楽を演奏する方のすぐそば。ピアノを弾きながら歌う新垣雄さんの笑顔や悲しい顔等の表情等がしっかり見えました。いわゆるミュージカルと異なって、懐かしい歌は独唱だったり合唱だったりで、ピアノとバイオリンの伴奏で歌われます。
サトーハチローは、詩人ですが、沢山の歌の作詞家でもあります。フォーク・クルセターズの悲しくてやりきれないもサトウハチロー作詞だなんて。リンゴの歌、小さい秋見つけた、モズが枯れ木で等知ってる懐かしい歌だらけ。でも、本当にびっくりしたのは「長崎の鐘」でした。私は、これまで永井隆氏の作詞だとばかり思っていました。長崎の被爆と妻や人々の死を克明につづった随筆は、永井隆氏作ですが、この歌の作詞がサトウハチロー氏だなんて。歌はさんざん歌ってきたけれど・・。
演劇のストーリーは、自分の意志をはっきり伝えることができない、不器用な二人の男。サトウハチロー氏とその父佐藤紅禄氏。二人とも、女性を次々に替えて行きます。そのために、自分は母親と早くに引き離され、父に反発、それと同じことを自分の息子にも強います。二人とも、自分の父親に向かって激しい怒り「なぜ自分を母親から引き離したんだよう」とぶつけます。
母親讃歌は、終わりの頃には少し鼻についたというか、もう満腹という感じになってしまいましたが、歌も含めて、十分に見る価値のある演劇だと思いました。演出をもう少しすっきりさせたほうが、余韻に残るだろうと思いました。
そして、歌のことも知りたいし、私は今回の演劇のパンフレットを買って帰ろうと思ったのに、売っていませんでした。作られなかったのしょうか‥。残念。
ちょっと余分に。私は、広島の市民劇場の会員ですが、仕事の関係で、安佐南の上演を観ることも多くて。今回も木曜のお昼のこの日がちょうど都合がよくってそうさせてもらいました。で、この区民文化センターの食堂が、好きなのです。この前はぜんざいを食べて、これがとてもおいしくて、でも、他の人が鍋焼きうどんを食べてらっしたのが目について、さて、今日はどっちを食べましょうかと悩みながら行ったのですが、何のことはない、ぜんざいは冬季限定で、もうなくなっていました。で、鍋焼きうどん。カツオの出汁が良く効いて、とても美味でした。
そして、まだあります。帰り、アストラムラインに乗ろうとすると、元気そうな若い男性が何人も。大き目のリュック等の荷物をもって。良く見ると、あれえ?さっきの演劇の出演者!!ではないの?わっ、ピアノの人も。そして、私が載った車両ととなりの車両とに分かれても乗られたのですよ。わあ、これはこれは。話しかけたいけれど、全力で演じられてお疲れの所だから、失礼なことをしてはいけないと。私は、こんな時にちょっと人見知りすることもあるのです。黙って座っていました。向かいにも隣にも俳優さんたち。ドキドキです。で、戴いた市民劇場の文を読んでいたら、一人の方がすっと隣に来られて、「どうでしたか?」と話かけられたのです。気の利いた事の一つも話せればよかったのですが。もう、ドキドキで。「とってもよかったですよ。」くらいしか言えなくって、今となると、永井隆氏の事や、演出の事など、今の時代の女性の役割、男の人が母親を慕うのは、過剰になると嫌がられる時代だから、などと話をすればよかったのに。ああ、残念。でも、お話ができたこと、すごくラッキーでした・・。
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