城さんの性の多様性の授業
城さんの講義では、各自治体や教育委員会から、各学校当てに名簿を男女別でなく、混合名簿とするようにという報せがあったこと。そして、この4月からの保健の教科書が示されました。どの社の教科書も性の多様性についての記述があります。もちろん、記述の多少はありますが。「性と自分らしさ・人には、体の性以外にも、いろいろな性の「ものさし」(気持ちや考え方)があります。それらは、一人一人、少しずつ違っていて、組み合わさって、わたしたちの「自分らしさ」となっています。そして、体の性・心の性・好きになる性・表現したい性等の絵があり、その真ん中に自分らしさがあるような絵もあります。それから、教科書が検定でどんな事が削除されたり書き直しをさせられたりしたかということも教えて頂きました。
そして、城さんの小学校での授業です。先ず、みんなにあなたについて教えてくださいという紙が配られます。それには、すきな食べ物・すきなこと・すきな色を書くようになっています。さらに、好きな色で大きな〇を書いて、その中を塗ります。
授業を受けている一人の方を指名して、好きな食べ物を尋ねました。その方は、ごはん、とんかつ、梅干し等沢山上げました。それと同じものを書いた人。で、私はごはんが一致していましたので、手を上げました。そして二人が立ったままで、最初の方に好きなことを尋ねると、「ハンドボールの試合を見ること」と答えられました。私は、「食べること」と答えました。で、好きな色は、緑と赤と答えられ、私は赤と答えました。赤は一致しましたが、そのほかは異なります。こうして、その方と私は少しずつ異なるということが分かります。
さらに、短い文章でそれぞれがどんな感じがしたかを書きます。
・今日は遠足、朝起きるととてもいいお天気だった
・給食当番のあなたが食器のかごを運んでいたら、教室から飛びだして来た人とぶつかった
・運動会の表現が終わったとたん、大きなはく手が聞こえて来た
・遊ぶ約束をしていた友だとが待ち合わせの場所にいつまでまっても来ない。
これら一つ一つがうれしい・はらがたつ、かなしい、たのしい、そのほか(具体的に記述をします)に〇を付けます。
それぞれの感情について手を上げると、みんな少しずつ異なることが分かります。こうして、それぞれが違う、違ってそれぞれが自分なのだとということをしっかり実感します。
そこから、城さんは性器のでき方を教えます。最初はみん女性型であり、それが男性の染色体を持っているものは男性ホルモンを浴びて、男性の性器になっていくこと。
その上で、人間の性は心の性、からだの性、好きになる性のそれぞれがグラデーションで、みんながそれぞれ異なること。
さらに、いろいろな人の紹介をします。先ず、自分。そして、真野豊さん、中学校の教師の時、自分は同性愛であることをカミングアウトされたこと、さらに「王様と王様」の本の翻訳をしたり。そして、性的マイノリティで苦しんでいる子どもたちの会、ここいろを主催している當山敦己さん、高畑桜さんの紹介です。
こうして、子どもたちがいろいろと参加しながら、それぞれ異なる自分、自分らしさというものを実感していくための一時間の授業が終わりました。
私も、時々小学生に授業をすることがありますが、特に子どもたちには実感をもってもらうために授業をどう工夫して参加型にするか、苦心します。城さんは長い間小学校の教師をしていただけあって、見事でした。楽しく、有意義な授業でした。
私は、今日誕生日を迎えました。77才、喜寿です。もうこの年になると誕生日が嬉しい事なんてありませんが、でも、この年迄、無事に生きさせて頂いていることに感謝しなければと思います。私の母は、この年にはもう亡くなっていました。私もいつまで元気でいるのかわかりませんが、喜びをもって生き続けたいと思います。
待合室に置いていたハイビスカスが、今日突然二つ赤い花を咲かせていました。びっくりしました。もう、4年、冬を越して生き続けています。この頃葉が黄色くなって落ちるし、小さな虫がついているしで、もうダメかなあと思っていたので、すんごくうれしいです。
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