特別養子縁組を知らない行政、またです。
今日はくたびれました。診療をしながら、ある県での赤ちゃんの住民票移動について、ずっとやり取りをしていました。またまた、厚い行政の壁。特別養子縁組を知らない窓口の住民票の転入の受け入れを事実上拒否。信じられない言動。
そもそもは、広島市が出した住民票の転出証明書。これには、これまでの赤ちゃんの住所(住民票の世帯主は実母)も転出先の新しい住所とそこの世帯主名もちゃん書かれています。それをもって、新しい世帯の住民(これから家庭裁判所の決定を受けて養親になります)が、転入の届けに行ったものです。そこで新しい父母と、赤ちゃんが生活をし、その状況を家庭裁判所が半年以上観察をした上で、特別養子縁組を認めるというものです。ですから、その世帯の住民票は絶対に必要なものですし、それがないと、家庭裁判所に申し立てもできません。
転出証明とに一緒に入っている書類には、「1.新しい住所に転入したら14日以内に、新住所の市町村で転入届をして下さい。※14日以内に届出をされない場合は、住民基本台帳法第53条の規定により5万円以下の過料に処せられる場合があります。」と書かれています。だから、養親予定の方が、転出証明をもって転入届に行ったのですが。
そしたら、その県の役場の人が、私に電話をかけてこられました。このままでは、住民票に入れることはできないと。親権者の方に来てもらわないと、と。は?親権者というと、〇〇さんですね。ええ?もう赤ちゃんは一人で転出しています。実母とは離れています。今、その県に実母がいくことはできません。そしたら、信じられないことを言われました。役場の人が「上申書を書いて下さい」と。それも、「上申書を読ませてもらいました。それを市役所あてにも書いて下さい」と。ええ?上申書って?どこ宛てのものを読まれたのですか?そしたら、私が家庭裁判所にあてて書いた上申書を養親が出したと。もう、びっくりです。養親に事情を聴くと、「上申書が必要」と言われたので、これを読んだら、事情が分かってもらえると思って、提出したと言います。そんな、そこには、どれだけの個人情報が入っていることか、それも養親だけでなく、実母のやむを得ず子どもを手放さざるを得ない、極めて個人的な事、実父についても。裁判所は、それらの個人情報を調査した上で、決定を下します。それがスムーズに行くようと思って書いた裁判所あての上申書です。誰にも見せていいものではありません。そのコピーを養親に渡したのは、将来、子どもに告知する時に、必要になるであろうと思って渡したものです。それが役場に!!それはすぐに返してもらってと言いました。
私は、役場の人に、「なぜ私がそちらに上申書を書かなければならないのですか?」そしたら、「そちらが、裁判所に特別養子縁組の申請をされたと聞きましたので」と。「何をおっしゃいますか。申請をするのは、養親予定の〇〇さんです。私は、そのサポートをするだけです。」「もう提出されたのではないのですか?」と。「なんと。お宅が住民票を出して下さらないと、裁判所に提出できないのですよ。真っ先に住民票が必要なのです。私がなぜそちらに上申書を出さなければならないのですか。私は、こんなことを言われたのは初めてなので、お聞きしています。どこにそんな文書がありますか、または法律がありますか?その文書を見せて下さい。そもそも、広島市が転出証明を出しています。その手続きをしたのは実母です。それには、転入する予定の住所も〇〇さんの名前迄出ているのに、その広島市の文書は信用できないということなのでしょうか。」そしたら、検討させて下さい。また連絡します。ということでしたので、一旦終えました。そして、その間に、子ども家庭庁に連絡しました。
「今、住民票の転入について、役場とトラブっています。そもそも、子ども家庭庁が、全国の行政に、特別養子縁組の手続きについて、きちんと説明なり、情宣なりしていないと、際限なくこんなことが繰り返されます。ちゃん全国に説明して下さい。それから、今トラブっているのは、〇〇県の〇〇市役所です。そこからお宅に電話をしてもらいますので、新しい住所の同居人として住民票に入るということを説明して下さい。」といったら、それを引き受けて下さいました。全国に説明せよということは、提案として受けさせて頂きます、と。すぐにそのことを養親に連絡しました。
また、役場から電話です。それなら、委任状を出してくださいと。誰から誰への委任なのでしょうかと尋ねました。そしたら、親権者から新しい住民の方へです。どんな委任ですか?そちらで転入の手続きをしてくださいという委任状です。まーあ、それが転出証明ではありませんか。そこに新しい住所として書いてある住民が、転入手続きに行ったのですよ。これ以上にどうしてそんな委任状が必要なのですか。言っておきますが、私たちは、すべて善意で、決められた通りの事をしています。お宅たちのように、まるで悪意で何か事をしているかのような扱いで、それで善意の人達を傷つけているのですよ。それが分からないのですか。
それからしばらくして。なんと、もっと信じられない事を聞きました。養親からです。出生届か、出生証明書か、母子手帳の出生の証明かどれかを提出してくださいと言われましたと。まあ、なんと。出生届も出生証明書も、出生した実母の居住地の役場に届け出るものであって、住民票の移動などに提出するものではありませんし、普通は、提出する際にコピーなど取らないものです。私は、これも将来の子どもの告知にとして、コピーを取っておいて、それも養親さんに渡しています。どうして、そんなものが住民票の移動なんかに必要なのか、そもそも、広島市で出生届ができたからこそ、広島市の住民票ができたわけだし、実母が届けた転出の届も受理されたわけだし。やっぱり広島市の書類は信頼できないということなのでしょうか。私は、養親さんに、頑張りなさい。全く不当な事をしているわけではないので。頑張って!!と励ましました。
またまた養親から電話です。午後2時9分。4時間半かかって、やっと住民票が出ましたと。よく頑張りましたねと言ったら、私一人では、とてもできませんでした。先生がいて下さったからこそと。でも、その後で、国保の手続きに行ったら、そんなことは例がないので、どう国保に入れたらいいのかわからないと。県に尋ねないとわからないので、入れたら、郵送します、だと。それなら、県にお伺いをする間に、母子手帳の手続きに行ってきますと。母子手帳にあるワクチンや三か月健診などの票の交換と、子ども医療の手続きなどが必要です。それに行って来て、またここに戻ってきますと言いましたと。だいぶ養親も強くなってきました。頑張ってというしかありません。まるで闘いです。単なる手続きなのに。本来なら、赤ちゃんの健康保険、養親候補の方の社保や養親が国保の人はその国保にに入っていいはずだと私は思うのです。保険には、「見届けの妻」なんてあるのですから、「養子候補、見届けの子」としての扱いがあってもいいはずなのですが。養子縁組が認められるまでは子ども単独で「国民保険」に入るのが決まりなのです。そのことも知らない行政の方が多くて。だから、子ども家庭庁には頑張って全国に知らせてほしいと思うのです。
そして、午後4時39分、「今、保険証、乳児医療証いただきました。市役所やっとこさ終了しました。」と連絡がありました。なんと何と、7時間ですよ、私は、「お疲れさまでした。よく頑張りましたね。これで次に続く人が楽になるでしょう」とメールしました。
これと似たようなことが広島市であった時、それは住民票の移動ではなく、出生届の手続きがなかなかできなかったことなのですが。何度でもいいますが、ここから二日にわたって書いています。
http://miyoko-diary.cocolog-nifty.com/blog/2021/12/index.html
この時の赤ちゃんの家に、家庭訪問に行ってきました。もう赤ちゃんは二歳になっています。ほんとうに元気一杯。お父ちゃんにもお母ちゃんにも可愛がってもらって、幸せに育っています。
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