司法面接についての検事さんのお話
「しまね性暴力被害者支援センターさひめ」10周年記念スタッフ研修会の初めに、松江検察庁の指澤慶子検事さんから、令和5年の刑事訴訟法改正について、特に子どもからの事情聴取についてのお話しがありました。頂いた資料は自由に使っていい、この話を広めてほしいということでしたので、ここにも再現しますね。
私も、今では、以前と違って、子どもが児相やワンストップセンターや警察の人たちから連れてこられた場合、司法面接がこれからという時には、診察に必要な事しか聞かないようにしています。検事さんから頂いた量には、「保護者の皆様へ」や「学校の先生方へ」という個別のお願いも添付されています。
読みにくいと思いますので、「学校の先生方へ」のバージョンをここに転載しますね。
「犯罪被害に遭われたお子さまの学校の先生方へ、警察からいくつかお知らせがあります。ご不明点等ございましたら、遠慮なく担当警察官や担当警察職員にご質問ください。
1 今後の捜査について
本日お聞かせいだいた件に関して、後日、改めて、お子さまからお話をお聞かせいただきます。その日迄のお願いごとにつきまして、以下にいくつか挙げさせて頂きます。
2 お子様との接し方について
お子さまの記憶はとても繊細で周囲の影響を受けやすく、まわりからの何気ない言葉がけにより、お子さまが元々ご記憶されていることとは別のことを、後日、私たちがお話をうかがうときにお話されるようになることがあります。
そのため、本日お聞かせいただいたことに関して、学校の先生方が、お子さまから話を聞き出すようなことはなさらないでください。また、お子さまの前や、お子さまに聞こえる場所で、この件に関して、先生方の間でお話しされることや、電話などでお話されこともお控えください。
もしも、お子さまの方から、自分でこの件に関してお話しを始めたときには、途中で質問を差し挟んだりせずに話を聞いてあげてください。区切りのよいところまで聞いたら、「たくさんお話ししたいことがあるんだね。そのことは専門の人にお話ししてね。」と伝えて、追加の質問も加えないでください。
その後、お子さまが話したとおりの言葉と、その言葉をお聞きになった日時を記録し、担当警察官や担当警察職員にお伝えください。
お子さまからの話をお聞きになった後は、お子さまには、「やお話しをしてくれてありがとう。」と声を掛け、ねぎらってあげてください。
先生方もお辛いとは存じますが、お子さまの前で加害者のことを怒ったり、お子さまに起こった出来事について悲しまれたりされないでください。お子さまが、自分が話したせいで先生方を怒らせたり悲しませていると思って、出来事を話すのを控えてしまうようになってしまうかもしれません。お子さまに根堀り葉堀り話を聞いたり、「それは間違ってるんじゃないの?」などと責めたり、真偽を確認したりなされないでください。
3 今後の体制について
今回お聞かせいただいた件につきましては、以下の者が担当の窓口となります。何かご心配な点、疑問点などございましたら、お気軽にご連絡下さい。
これは、なかなか難しいことかもしれません。でも、被害者であるお子さまから専門の方が話をきくことが、加害者の処遇に繋がることでもありますから、大人の側が耐えなければならない事であります。
そして検事さんのお話しが済んで、質問の時に私は尋ねました。小さいお子さんの場合、知らない所に知らない人と二人きっりで緊張して、お母さんに話せたことでも、知らない人には話せなかった、司法面接では何も出なかった、話せなかったとよく聞くのですがと。そしたら、指澤検事さんは、40から50人のお子さんに話を聞いたが、話が出なかったことは一人もないと言われました。それはすごい。島根の河野先生に伺ったところでは、指澤検事さんは、もと臨床心理士なのだそうです。心理士から司法試験を受けて、検事になられた方と。性暴力や子どもの事件の担当で、ものすごく頑張っていらっしゃる方と。広島に来てほしいですねえ。
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