滋賀で養護教諭の皆様への講演
17日は京都のホテルで朝6時20分起き。外はまだ真っ暗。京都駅です。写真の左下に救急車。この音で目が覚めたのでしょう。
急ぎお風呂に行くと、もう沢山の人がお風呂に入っていました。みんな早い。それから朝ごはん、身支度、8時20分にホテルを出て、京都駅から東海道線で草津へ。荷物をもって駅の階段は本当にきついです。京都駅もエスカレーター、エレベーターはほとんどありません。車いすの方たち、どうされるのでしょう。荷物を引っ張りながら、探して会場へ。すぐに講演準備。これで精一杯でした。
10時から2時間あまりの講演。
あんまり盛り沢山で、時間が足らなくなってしまって。「また呼んでください」などという羽目になりました。
でも、皆さんよく聞いて下さいました。
感想文を送って下さいましたので、ここに添付しますね。学校現場の養護教諭の皆さんたち、性教育の必要性を十分に感じていらっしゃいます。どうして文科省は、こんな現場の声を取り上げないのでしょうね。以下、皆さんの感想です。たくさん書いて下さってありがとうございました。
※明日から取り組みたい、こうしていきたいという意見がたくさんありました。(下線部は「~したい」「自分はこうしたい」という参加者の思いです。)
・若いころにも河野先生の話を聞いたことがあり、今回もお話が聞けてとてもうれしい。「性」についての課題が山積みなのだと改めて感じた。一人の養護教諭として何ができるのか。ほんの少しでも何かできそうだと思えた。
・大学時代「この先生(河野先生)の話を聞いといで!」といわれ、やっと約束を果たせた気分です。今回の機会に感謝!!
・目の前のSOSを見逃さない大人でありたい。30年以上前にも先生の話を聞いた。そこころと変わらず、走り続けてこられたことに尊敬の念が尽きない。子どもたちと向き合う勇気をいただいた。
・河野先生の本を読んだことがあり、また内容も興味深いものであり参加した。性教育は外部から講師の先生を招いて話してもらい、感想を書く程度。生徒ともやりとりしながら学習していくべきだと思った。生徒たちの行動力は大人が考えている以上。まずは「相談してみようかな」と思える大人でいたい。
・事例やデータ、多種多様な資料がわかりやすく、自身も改めて知識を増やしていく必要性を感じた。「あなたを守ってあげる」と自信をもって助言できる養護教諭になりたい。
・子どもはやはり悩んでいる。性の悩みは相談に勇気がいる。「そんなこと…と言わずに話そう」「話してくれてありがとう」の言葉をいっぱい伝えたい。
・先生のエネルギー、人を想う気もち、大切にされていることへの想い…心に届く声で、心に届く内容だった。思いはあれど、育てることがなかなかできにくい環境の中で、今日の話をもう一度振り返り、伝えていける活動ができる場面を探っていきたい。
・性被害にあう小・中・高生がいる現状からも、やはり義務教育のうちから性教育がしたいと思う。
・あっという間に時間が過ぎてしまい、もっとお話が聞きたかった。養子縁組のことも聞きたかった。性教育や医療の最前線について実例も交えた話を聞け、危機感を改めて感じた。SOSを受け止められる養護教諭、大人でありたいと強く思った。
・学校にも中絶、自分の性に悩む子がいる。一人の大人として伝えること、伝えなくてはいけないことがこんなにたくさんあるのだとわかった。
・子どもたちにも予期せぬ妊娠について考えさることや、避妊を含む性教育の必要性を考えさせられた。SNSで様々な出会いが増加し、保健室でも妊娠や性感染症の心配がある子もいるように思う。全体の指導は難しくても、個別で必要な子には指導していきたい。
・やはり、学校教育で行える性教育には意味がある。政治のせいもあってか、なかなか十分進まない現状があるが、少しずつとりくみたい。
・性教育について、日本がどれほど遅れているか知ることができた。LGBTQについて、もっと積極的に取り入れ、少しでも苦しんでいる子を減らしていきたい。
・SNSのつながりも多く、自分自身も含め、多くの女性に意識をもって過ごしてほしい。
・月経痛やワクチン、性感染症はもっと大人が学ぶべきだと思う。先生体験談もマンガやアニメにして、子どもだけでなく大人が学び、広く知っていきたいと思う。
・学校は多忙で様々な問題に対応することが多くなってきたが、子どもたちがSOSを出せる大人になれるようがんばりたい。
・多忙だと言って子どもたちの話をゆっくり聞けていない私。子どもたちのSOSをキャッチするために、また明日から子どもたちと向き合おう。
・4年生で性器の話を化学的(医学的)に話すことで、子どもたちは真剣に聞き入ってくれる。一人「どうやって精子を卵子に合わせるのか」と質問があった。「大事にそっとお父さんが届けるんだよ」と伝えるとクラス全員うなずいていた。とても大事な話をした時間だと思っている。
・大切なことは「何があっても一人じゃない」と言ってあげられること。ズドンときた。私はもう60を越え、もっともっと早くから子どもたちに伝えておかないと…と後悔している。でも今からでもできることを授業で伝えていきたいと思う。
・国がもっと性教育をすすめてくれるといいのに…と思う。
・命の大切さをお花やちょうちょ…結婚するまでは…それでは守れないことは明確。
・これまで私が認識していた「性」に対するものが大きく覆された時間だった。だんだんと良い方向になっているかと思いきや、机上の空論のような社会で決められていた歴史があったことにショックだった。
※間違った認識、危機感をもつ意見が多く、性教育の必要性を強く感じた方が多かったです。また、学校現場では、教職員自身の学びも浅く、十分な性教育ができていない現状。その体制づくりへの甘さへの不安、危機感も感じています。(黄色部分は課題であると感じる部分です)
・自分が高校の時に「さらば悲しみの性」を読み、衝撃を受けた。高校で女子だけ読んだ。今から思えば男子にも読んでほしかった。
・2時間では足りない内容。とても勉強になった。同僚にも伝えていきたい。生徒や保護者に向けても、性教育の必要性を伝えていきたい。
・学校教育で性について伝えていくことの大切さを強く感じた。
・現場の信じられないような実態を聞き、教育でできることは何か考えさせられた。今日参加してよかった!
・子どもの知識不足もあるが、教職員や子どもをとりまく大人たちにも性に対する共通認識をする必要性を感じ、養護教諭としてできることを考え、実施につなげていきたい。
・「性教育」と聞くと正直難しいというイメージを持っていた。若い人たちが将来困らないよう、学校でもいのちの教育をしっかり学べるような体制づくりが必要だと感じた。今日の話を養護教諭だけでなく、他の職員にも知ってほしいと強く感じた。
・中学生と関わる中で、妊娠したかもしれないと聞き、いろんな話をしました。やはり、義務教育の中で性についてしっかり伝え、正しい知識をつけることが大切だと感じた。子どもたちには性痛や妊娠の危険性、相手の体のことも深く考えられるようになってほしい。
・実際自校でもよく似た事例が発生し、対応に四苦八苦(起こってからバタバタする)。今更ながら性教育の重要性を認識している。
・自校は結構性教育について取り組めていると思っているが、子どもたちには勉強の話になっていて、自分の事と思えるようにやっていきたい。
・学校の性教育は、外部頼みになっている。教員が指導できない現状に危機感を覚えている。まだまだ話をお聞きしたい。
・学校保健委員会でも助産師の方に講話をしていただいたが、今回の講演を聞いて、私が思っている以上に性犯罪や性暴力が氾濫していることを知り、義務教育での性教育が必要だと感じた。
・学校での性教育は保健体育の授業で少しするだけ。今回のような話は無い。子どもたちの様子を見ていても必要だと思う。これからの対応を考えるためにも、先生の話がもう一度聞きたい。
・実際の数字を聞き、危機感を抱いた。子どもたちがSOSを出しやすい保健室をつくりたい。
・月経痛で薬を服用しない子や痛み止めをいけないと言う教員もいる。服用しても良い、傷みが強ければ受診もすすめていこうと思う。
・自分は性教育を受けずに育ってきて、看護学科だったので大学で学ぶ機会があったが、それが無ければ今も知らないままのことがたくさんあったのだと思うと怖い。周りにも性感染症など、今日の話に出てきたこともあり、自分事といて捉えられた。
・文科省の「いのちの安全教育」の教材が性被害を防ぐと本気で思っているのか。文科省からの通知を何のためらいもなく学校現場におろす県教委の姿勢や、性被害について平気で子どもにアンケートを取ろうとする生徒指導体制に対してどんな意見をぶつければ伝わるか。仲間を増やすことも大事だが、危機感を持っていない人が教育を仕切っている(県教委など)ように感じる。
・LGBTQの子どももいるので、修学旅行や普段の生活で支えていけることや本人の意思を尊重していけるようにしていきたい。全体で理解していけるような体制も大事だと思う。
・LGBTQについての話をしたが、少し難しそうな反応だった。必要なことだと思うがこれでよかったのかなという思いが残った。
河野先生のお話をまだまだ聞きたい方が非常に多かったです。それほど、現場では性教育への危機感や、指導モデルが無い事への不安があることがわかります。現場では教職員全員がこのようなことをじっくり話す機会が必要です。養護教諭、外部講師だけに任せず、子どもと関わる大人こそ学ばなければならない危機感ももちたいところです。
以上です。お世話になった皆さま、聴いて下さった皆様、本当にありがとうございました。
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