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悲しかったこと。

今日、悲しいことがありました。つい先日亡くなった患者様のお連れ合いが、コロナワクチンの接種のために来られました。診察室に入ってこられた時、私は立ち上がって、頭を下げました。そしたら、彼は「御座候」、広島では二重焼きと言います。それが入った袋を差し出されました。まだホカホカと熱いのを私に渡されて。こんなこと、しなくても・・と私は言いました。そしたら彼が泣きながら、つっかえながら話されました。

「あの、最後に来た日、彼女がこれを買って、持って行ってくれと言ったんです。あの日、実は〇〇病院に行くはずだったのです。でも、彼女が河野先生のところに行きたいと言って。先生が優しいからって。その時に、これを買って持って行ってと言ったのに、自分はめんどくさかったから。また今度行くときでいいじゃろうと言って、買いに行かなかったんです。だから、今日、持ってきました。」と。

 彼女とは、前の病院の勤務医の時、彼女がまだ20の代のころからの長い付き合いでした。婦人科的な治療も必要でしたが、彼女は心臓が悪かったのです。ずっと〇〇病院のお世話になっていました。それは苦労されました。何度も心臓が止まって、その度にお連れ合いが心臓マッサージをしながら救急車を呼んで助かっていました。彼は、懸命に看護していました。調子がいい時には、あちらこちらに車で外に連れて行ってあげて。最後の日、彼女は私に「もう、どうなっても、蘇生はしないでほしいと書いたんよ。」と言いました。私は「そんなことを言わないで。」「貴方に生きてほしいから、彼がいつも助けとるでしょ。彼が悲しむようなことを言っちゃだめだよ。」と言いました。そしたら、「もう、辛いもの。」と言いました。いつも明るい人でしたが、その時は、とても寂しそうで。死期を悟っていたのでしょうか。

「私、なんにもできなくって、本当にごめんなさい。」と彼に言って、彼もナースたちも私もみんなで泣きました。

御座候は頂いてみんなで分けました。私は、ダイエットを始めたばかりなのですが、そんな彼女の思いがあって、彼が届けて下さったものですから、私はいらないとは言えないので。持って帰って冷凍しました。一週間後に頂こうと思います。

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 今日は、その他にもいろいありました。トランスジェンダーで女性ホルモンをうっている人が足がバンバンに腫れて、びっくりしました。下肢の血栓を強く疑いました。すぐに私の古巣の病院の循環器内科に電話をして治療のお願いをしました。受けて下さった女性のドクターは、とても良くって。「何かリスクファクターがありますか?」と尋ねて下さったので、ホルモン治療をしていること、今は名前は女性に変わっているけれど、まだ戸籍の性別は変わっていない事、でも見かけは女性であることなどもしっかり受け止めて下さいました。そして、何で来られますか?と尋ねられたので、本人に聞くと、バスで行きますと。それを伝えると、バスでは来られない方がいいと思います、と、きっぱりと言われました。はい、では、タクシーで行ってもらいますと。「バスで倒れたら、あなた、死ぬからね、血栓が肺に飛ぶと危ないよ、」と言うと、「いやよ、まだ手術もしてないのに。手術をして、先生に見てもらう迄、死ねない」と。その後、やはりふくらはぎに血栓ができていて治療をしてもらうことになったと連絡があり、胸をなでおろしました。

 うれしいこともありました。「ご報告があります。やっと離婚が成立しました。」と、伝えて下さった方もありました。DVの男性の元から逃れて6年。お子さんたちにかかる教育費など、経済的にもとても苦労して、やっとです。「よく頑張りましたねえ、ほんとに大変でしたね。」今後の生活を考えないといけませんが、「その前に、ちょっとゆっくりして。温泉にでも行って、休んで下さい」と言うと、そうですね、そうします、と明るい笑顔だったので本当にホッとしました。

ダイエットは、二日目の朝、だからスープを初めて一日で1.15キロ落ちていました。頑張りますよ。メニューはまた明日にします。

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