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東京です。

患者さんが、折り紙でサンタさんをたくさん作って持って来て下さいました。

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可愛い。特に、眉毛がよくできています。どうしようか考えて、私が糸を通して、

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待合室の植木に吊り下げました。昨年のサンタさんも手直しして、本箱に置きました。

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 患者さんがいろいろと工夫してプレゼントして下さることがうれしいです。

私は今東京です。昨夜遅くに到着しました。新幹線の中で食べたお弁当。何もかもおいしかったですが、さすがに多くて、おむすびは一個残して、今朝の朝ごはんです。

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昨夜はしんどかったのでお風呂はパス。今からホテルの中にある「お風呂の王様」に行きます。そこでお楽しみ、体重を測ります。結局ダイエットでは、推定で3キロ減。体重計が壊れたために推定になりますが。目標の5キロ減にはなりませんでしたが、一週間で3キロなら、まあまあかと思います。昨日はまだダイエットスープが残っていたので、朝はスープとコーヒーとラフランス、昼はスープと柿。ダイエットの間食べなかったポッキー小さいの一袋。今後もリバウンドに気を付けます。

新幹線では、パソコンでDVDを観ました。以前に買っていた「蜜蜂と遠雷」。

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 若手のピアノコンクールを巡って様々な若者たちの生き様を描いています。私はピアノコンクールやバレエコンクールなどのドキュメントを見るのが好きなのですが、これはドキュメント以上の迫力で、最後まで飽きずに観ることができました。帰りもDVDを観るつもりです。

 今日は、午後中学生に話をして、夜は娘と東京駅で食事をして帰ります。

 

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ダイエット明けは宮城県の食で。

今朝、やっぱり体重計が壊れたままで直せませんでした。なんと、これだけ一生懸命頑張ったのに、最後に測ることができないなんて。何ということ。もう一日、ダイエットを頑張ろうかとも思ったけれど、もう限界。で、仕方なく、今日タニタの体重計を買いました。明日の朝、これで測ってみます。でも、今日、もういろいろ食べちゃったので。正確ではありませんが・・。


 その、ダイエット明けの、精進落とし。朝は、残っているスープとラ・フランス、でも、コーヒーには晴れてお砂糖とミルクを入れて。で、お昼にはそごうの宮城県の物産と観光展に行きました。これまで我慢していたので。それに、木曜日で終了なのです。できれば、牛タン定食をと思って。ところが、イートインの牛タン定食、高いのにびっくり。3980円でした。今、どこでもそうなの?4000円あれば、ちょっとした会席料理が食べられます。ラーメンは?以前の宮城県展で、辛味噌ラーメンの美味なのを食べたことがあります。それがあればと思ったのですが。しょうゆと塩ラーメンしかなくって。それも高いしで、ラーメンも駄目。イートインの前であれこれ迷って、結局すき焼き定食にしました。でも、出て来たのは、なんかしょぼい。くちゃくちゃの固いお肉がちょろっと。たれはえらくしょっぱいし、お味噌汁はぬるいし・・。

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広告に出ていたのは、これよ。全然違う。

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がっかりしながら食べました。ごはんは半分残したけれど。今日は体操教室の日。帰ってからの晩御飯にお弁当を買いました。海鮮弁当でも、いなり寿司になっていて、しかも一番安かったし。とても美味でしたが全部は食べられない。一個冷蔵庫へ。明日朝食べます。

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 それに、いつも買うしそ巻。それと、ついお団子を。

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しそ巻を初めて食べたのは、山形の庄内平野に講演に行った時。30年以上前。農協の青年部と教職員組合と役場の組合の方たちが呼んで下さって。ちょうどその日に文部省から講演の依頼が来ていて、迷った末、こちらに行ったものです。高校生たちが、おにぎりと具たくさんのお味噌汁としそ巻を作ってくださって。初めてのしそ巻の感動と共によく覚えています。今回もとてもおいしくて。

 おだんごは無理。明日のお弁当にします。

ということで、ダイエット明けは、宮城県の食で終えました。

 明日は、診療後東京に移動です。

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ダイエット最終日!!

今日はダイエット最終日でした。ところが、朝、恒例の体重測定をしようとしたら、なんと、体重計が壊れてました。まさか、今、困る~。直そうとして、悪戦苦闘。もちろん、まず電池の交換から。設定のし直し、あれこれやってもダメなのです。その内、出勤の時間は迫るし、裸で直そうとしてたので寒いし。結局今日の体重はわからず。そして、朝ごはんの写真も撮らず。かろうじてお弁当だけは粗末だけれど、何とかしてちょっとの遅刻で済みました。

 今日は、一週間目にして初めてのごはんと野菜の日。しかし、玄米ご飯です。玄米をわざわざ買って炊くのではなく、さとうのごはんの発芽玄米。これを三パック買ってきてました。うち、半パックを朝ごはんに。一パック半をクリニックに持参。今日は夜ワンストップの会議があるのできっと夕方お腹がすくだろうから、そのために、すなわち二食分として。

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野菜がトマトだけなのは情けないけれど、時間がなくって。でも、ごはんにちりめんじゃこと梅干し、韓国のりが本当においしくて。なんと、お昼にこれ、ぜーんぶ食べてしまいました。はは。もちろん、夕方には食べるものが何にもないので、我慢しました。ワンストップの部屋には、お菓子がいっぱい。ひたすら我慢、我慢でした。

 今日の会議で、皆さん、私のダイエットが気になるとか、レシピを教えてとか。興味津々の様子でした。ブログを見ていらっしゃるようで。何人かには、スマホに入れているメニューを送ってあげました。

 そして、遅くに家に帰って。スープとごはんには、ちりめんじゃこをポン酢に浸けて、ねぎを刻んで、ちりめんとねぎごはん。ごはんの最後には、これにお醤油を入れて、お茶漬けにしました。それは美味でしたよ。それと、写真は撮らなかったけどキューリのキムチ。


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さ、これでおしまいです。明日からは自由です。何食べよう。スープは残っているので、これも少しずつ食べると、そうリバウンドはしないはずです。

 でも、朝までには体重計を直さなければ。タニタのいい奴なのですがね。皆さまにいいご報告ができますように。無理かも。今日、玄米ご飯を三パックも食べてしまったのですから・・。

 

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メンタルサポーター養成講座でした。

今日は、と言ってももう日が変わりましたが、エソールひろしまのメンタルサポーター養成講座でした。朝2時間午後2時間の計4時間。様々な所でいろいろなサポートをしている方たちが対象です。


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良くしゃべりました。でも、もう少し時間が欲しかった。いえ、私が下手だったのですが、最後は超特急になってしまって。

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 私の本も置いて下さってありがとうございます。受講生の中には、大学時代に私の本を読んで、卒論に性教育をちゃんとするべきと書いたという人や、中学時代に私の講演を聞いた人など、いろいろと話しかけられて。レポートが楽しみです。会場から。お昼休みにベランダに出てみました。平和公園、大分紅葉が進んできました。

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そして、お昼ご飯は。こんな豪華お弁当を用意して下さってました。涙・・です。

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今日は、スープと野菜と、そして待ちに待った牛肉、ステーキの日でした。お野菜の胡麻和えとレンコンと松茸を頂いて。我慢できず、栗も一個。ごはんもほんの半口食べてみたら、もうおいしいのなんの。残りは持って帰って冷凍しました。もう、2日になったのだから、挫折しないように、頑張りましょう。


 そして、クリニックに帰っていろい雑用やJTBに今度の講演の新幹線のチケットを買いに行ったりして。よし、ステーキを食べに行くぞ!!と張り切って一旦家に帰った所で電話。警察からでした。被害にあった人の診察を、と。なかなか人生、うまくいかないものです。また自転車でクリニックに行って、とても遅くなってしまって。でも、遅くから行きましたよ。ロイヤルホスト。アンガストサーロインステーキ100グラム~おろしゆずポン酢ソース~久々にまともな副菜を頂いたような、ほんとうに美味でした。

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 今朝は、マイナス0.2キロしか‥。合計2.8キロ減です。明日最後の日。玄米が食べられます。ごはん大好き人間だから、たとえ玄米でもワクワクしています。

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スライド作りです。

 今日は診療後、来週木曜日にする中学三年生へのスライドを作り、配布資料をデータ便で送りました。すでに一度話をしている学年ですし、理解力がしっかりある生徒さんたちですので、うんと欲張って計123枚のスライドと104枚の配布資料を作りました。

 望まない妊娠、その理由、対処方、性感染症、性風俗、DV、性暴力、刑法がどう変わったか、性教育、そしてLGBTQ、養子縁組、悩んだ時のSOSの求め方、などなど。全部は話し切れなくとも、資料として持っておいたらことも役に立つこともあるかもしれないので。

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それらを作る過程で、すでに作っている明日の講演やその後の講演などのスライドの間違いも発見したりして、直しに大わらわでした。

 さて、ダイエット五日目。今朝の体重は0.5キロマイナス。計2.6キロ減です。昨日はスープ以外スキムミルクとバナナだけだったので、もっと落ちていると思ったので、がっかりです。今日の朝でスープがなくなりました。お弁当にも持って行かないといけないので、少しずつ。大鍋にいっぱい、よく食べました。今日は、鶏か煮魚とトマトの日。朝。お刺身というか、鯵のたたきがあったので、ポン酢で炒めました。それと、タコのキムチのタコと貝のヒモのキムチ。やっぱり苦手のブラックコーヒー。

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昼は、サンモールに買いに行って、本当は焼き鳥が食べたかったのだけれど、なくって、結局国産の鶏の炭火焼。半分も食べず、後はスライドを作る時にお腹がすいてたまらないので、これを少しずつつまみました。トマトは丸ごとかぶりついて。

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夜、遅く帰ったのですが、急いで鶏の鍋とスープづくり。またスープは大鍋にいっぱい。きっと残るけれど、それはダイエット終了後普通に食べながらスープも食べれば、きっと痩せると思うので。


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煮ながら、先に鍋の鶏だけを引っ張り出してポン酢で。おいしい。鍋の野菜は明日野菜も食べられるので。それと朝と一緒の貝のひもキムチ。


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そして、できた新しいスープ、キャベツも玉ねぎもシャキシャキして、おいしかったです。

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明日は野菜といよいよ牛肉の日。ステーキもO.K.なので、どこかで和風の大根おろしのステーキとサラダを食べようと楽しみにしています。

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三日で2.1キロ。

ダイエット四日目。今朝は-0.5キロ。すなわち三日間の成果は2.1キロ。しかも今日は一番きついかな?スープとバナナ三本、それとスキムミルク。バナナが食べられるのはうれしいのだけれど、朝ごはんで一本食べると、後二本になって仕事しながらひもじくなってはいけないので、朝はバナナを食べるのをやめて、スープとスキムミルクを入れたミルクコーヒー、ただし砂糖はなしのだけにしました。バナナは二本仕事に持って行きました。

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ところが、スープとスキムミルクを飲んだら、バナナが一本食べられません。胃が小さくなってるのでしょうか。半分だけ食べて、仕事が済んでから残りを食べました。

 今日は、明日の給料を作る日。給料ができたら、のんた寿司でお寿司を食べるのが恒例でしたが、今日は我慢。それに、そごうでは「宮城県の物産と観光展」をしているそう。いつもなら、飛んで行ってラーメンか牛タン定食を食べるのですが。何もかも我慢我慢。

 晩ごはんはスープとバナナ一本とスキムミルク一杯。結局バナナは二本しか食べられませんでした。

明日は鶏肉かお魚が食べられます。鶏をどう料理しようかとワクワクしながら考えています。 私はごはん大好き人間なのに、ごはんが食べられないのが、ほんとにつらい。スープも明日でなくなるので、また作ります。

 そうそう、左股関節の痛み、ほとんどなくなりました。まさか2.1キロやせたくらいで、そのおかげだとは思えません。治る時期だったのかな?何にしても、痛くないのはいいことです。今日はリハビリの日だったけれど、断りました。痛くないのと、昼時間は給料のための銀行周りをしなければならなかったので。

 今から、中学三年生向けのスライドを仕上げます。

 

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観劇とダイエットメニュー

今日は市民劇場で、民芸とこまつ座の「ある八重子物語」を観に行きました。始まる前です。舞台がなんか懐かしい、最近には見られないような、昭和に高校演劇でやったような、そんな舞台装置で期待できました。

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いっぱいの人。私の席は後から4番目で、声が届きにくくて。途中流れる音楽は大きな音なのだから、本気で役者さんもマイクを付けることを考えてほしいと思いました。地声でするのは、中ホールまでにしてほしい。こんな1200席の大ホールでは、笑い声が起きるのは、前の方ばかり。ただ、役者さんによっては、きれいに全部聞こえる人と、さっぱり聞き取れない人がいるのは確かだけれど。よくわからない所があったので、パンフレットを買って、読み込みました。でも、舞台を見た感動はありません。

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 終った後、高校演劇部の友人と三人でモーツアルトへ。私はオレンジジュース、お二人はホットチョコレート。おいしそうでした。久々におしゃべりは楽しくて。今度一緒に釜山に行こうという話になりました。企画をしてみましょうかね。

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 ダイエットは頑張っています。

一日目・大鍋いっぱいに作った野菜スープとバナナ以外の果物の日。これで1.15キロ減。(元の体重はナイショ。)
二日目・スープと豆とコーン以外の野菜の日。夕飯にはベークドポテト可。これでわずかに0.45キロ減。合わせて現在1.6キロ減です。

朝。キャベツと人参ともやしで野菜炒めを作りました。お肉も油もなし。ソースは長田屋の激辛お好みソース。これには砂糖が入っているので、少しだけにして。キャベツやニンジンの甘味があって、とても美味。同時に焼きナスも。少しのお醤油で。

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お弁当も同じもの。キューリはお塩だけ。でも新鮮でおいしい。

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飲み物はお茶と頂いた人参のジュース。

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夜は、鍋にしました。お肉もお魚もなしなので、ホタテの出汁とコンソメをいれて。白菜、白ネギ、シイタケとえのきと糸こんにゃく。ポン酢味がすっごくおいしい。

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茄子とキューリの浅漬けをしました。ポテトは、バターが欲しい所だけれど、お塩だけで。でも、おいしい。ダイエットを始めて、なんか味覚が何でもおいしく感じて。

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三日目の今日はスープと果物と野菜の日。ただし、ポテトはなし。朝と昼は同じもの。昨夜の残りの鍋や浅漬け。ブラックコーヒー。柿が少し熟しかけてるので、スプーンで。ウーン、美味。モーツアルトにオレンジの生ジュースがあって助かりました。

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夜は、戴いていたキューリのキムチとタコのキムチ。タコは食べられないので、一緒に入っているネギだけを頂きました。果物はこれはリンゴではなく、山形のラ・フランスで、ふるさと納税の返礼品です。それと乾燥マンゴーと乾燥デーツ。鍋はこれで終わり。スープは明日でなくなりそうなので、また作らないといけません。

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観劇から帰ってからは、ひたすら来週の木曜日のスライドを作っています。中学三年生用ですが、一年生の時に話をしている学年なので、ぐっとバージョンアップして、大学生に話すのと同じような内容です。

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悲しかったこと。

今日、悲しいことがありました。つい先日亡くなった患者様のお連れ合いが、コロナワクチンの接種のために来られました。診察室に入ってこられた時、私は立ち上がって、頭を下げました。そしたら、彼は「御座候」、広島では二重焼きと言います。それが入った袋を差し出されました。まだホカホカと熱いのを私に渡されて。こんなこと、しなくても・・と私は言いました。そしたら彼が泣きながら、つっかえながら話されました。

「あの、最後に来た日、彼女がこれを買って、持って行ってくれと言ったんです。あの日、実は〇〇病院に行くはずだったのです。でも、彼女が河野先生のところに行きたいと言って。先生が優しいからって。その時に、これを買って持って行ってと言ったのに、自分はめんどくさかったから。また今度行くときでいいじゃろうと言って、買いに行かなかったんです。だから、今日、持ってきました。」と。

 彼女とは、前の病院の勤務医の時、彼女がまだ20の代のころからの長い付き合いでした。婦人科的な治療も必要でしたが、彼女は心臓が悪かったのです。ずっと〇〇病院のお世話になっていました。それは苦労されました。何度も心臓が止まって、その度にお連れ合いが心臓マッサージをしながら救急車を呼んで助かっていました。彼は、懸命に看護していました。調子がいい時には、あちらこちらに車で外に連れて行ってあげて。最後の日、彼女は私に「もう、どうなっても、蘇生はしないでほしいと書いたんよ。」と言いました。私は「そんなことを言わないで。」「貴方に生きてほしいから、彼がいつも助けとるでしょ。彼が悲しむようなことを言っちゃだめだよ。」と言いました。そしたら、「もう、辛いもの。」と言いました。いつも明るい人でしたが、その時は、とても寂しそうで。死期を悟っていたのでしょうか。

「私、なんにもできなくって、本当にごめんなさい。」と彼に言って、彼もナースたちも私もみんなで泣きました。

御座候は頂いてみんなで分けました。私は、ダイエットを始めたばかりなのですが、そんな彼女の思いがあって、彼が届けて下さったものですから、私はいらないとは言えないので。持って帰って冷凍しました。一週間後に頂こうと思います。

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 今日は、その他にもいろいありました。トランスジェンダーで女性ホルモンをうっている人が足がバンバンに腫れて、びっくりしました。下肢の血栓を強く疑いました。すぐに私の古巣の病院の循環器内科に電話をして治療のお願いをしました。受けて下さった女性のドクターは、とても良くって。「何かリスクファクターがありますか?」と尋ねて下さったので、ホルモン治療をしていること、今は名前は女性に変わっているけれど、まだ戸籍の性別は変わっていない事、でも見かけは女性であることなどもしっかり受け止めて下さいました。そして、何で来られますか?と尋ねられたので、本人に聞くと、バスで行きますと。それを伝えると、バスでは来られない方がいいと思います、と、きっぱりと言われました。はい、では、タクシーで行ってもらいますと。「バスで倒れたら、あなた、死ぬからね、血栓が肺に飛ぶと危ないよ、」と言うと、「いやよ、まだ手術もしてないのに。手術をして、先生に見てもらう迄、死ねない」と。その後、やはりふくらはぎに血栓ができていて治療をしてもらうことになったと連絡があり、胸をなでおろしました。

 うれしいこともありました。「ご報告があります。やっと離婚が成立しました。」と、伝えて下さった方もありました。DVの男性の元から逃れて6年。お子さんたちにかかる教育費など、経済的にもとても苦労して、やっとです。「よく頑張りましたねえ、ほんとに大変でしたね。」今後の生活を考えないといけませんが、「その前に、ちょっとゆっくりして。温泉にでも行って、休んで下さい」と言うと、そうですね、そうします、と明るい笑顔だったので本当にホッとしました。

ダイエットは、二日目の朝、だからスープを初めて一日で1.15キロ落ちていました。頑張りますよ。メニューはまた明日にします。

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ダイエット初日

ダイエット初日、朝ごはんです。今日はスープと果物の日。飲み物は水、お茶、ブラックコーヒー、無糖の果物ジュース。私はブラックコーヒーは苦手なのですが、仕方なく。

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お昼のお弁当です。

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果物のジュースは、青森のリンゴジュースを買って、クリニックで飲んでいます。

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今日火曜日は体操教室の日。クリニックの診療が済んで出かける時にとてもお腹がすいて、りんごジュースでごまかしました。そして、体操から帰っての遅い晩ご飯。メロンと先日の国際フェスタの岩崎さんから購入したフィリピンの乾燥マンゴー。とても美味で、豪華でした。ジュースはぶどう。

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毎朝、同じ衣服で体重を測ります。クリニックに行って血圧を測ります。

ところで、いろいろな方からこのダイエットについてのご心配が寄せられています。一番は娘が朝早くにフェイスブックで見たと電話をかけて来て、タンパク質がないダイエットは駄目だと。いやいや、今日明日はないけれど、お肉の日、鶏や牛のステーキもO.K.の日もあるのだからと安心させました。私はとにかく急いでダイエットをしたいので。それにたった一週間なのだから、どうぞご心配なさいませんように。また適宜成果をお知らせしますね。私、明日の朝の体重が楽しみでたまりません。明日はスープと野菜の日なので、いろいろと献立を考えております。

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スープダイエット始めます。

夜、スープを作りました。たくさんの野菜、キャベツ半分、玉ねぎ小だったので4個、セロリ1本、ピーマン1個、トマトイタリアからの輸入缶400グラム、コンソメスープ、結構な量を切りました。大鍋に山盛り。お水を入れて。

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はみだしても大丈夫。煮ると、沈みます。

灰汁を取りながらぐつぐつにて、スープ完成。今の所、美味です。

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今日からダイエットを始めます。必要に迫られて。一週間で5キロの減量が目的です。以前やったことがあって、自信があるのですが、さて。うまくいかなければ、またもう一週間のつもり。とりあえず、今日は、三食このスープと果物です。お弁当にもスープと果物をもっていきます。明日はスープと野菜。夜だけポテトが食べられます。成果を報告しようかな?人の目があると、挫折しなくてすみそうです。

 日曜日の講義、「希死念慮・・」のご報告、あまりに重いので、もう少しまとまってからにします。すみません。

 

 

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国際フェスタ

今日は国際会議場で国際フェスタ。岩崎さんのフェイスブックを見て、ちょっとだけ行きました。パアララン・パンタオ、フィリピンのごみの山の学校をずっと支援している人。この日には行ってちょっとカンパして来るのが決まりでした。今年もしなければ。岩崎さんは元気。以前は、僕がいてお母さんを手伝っていたのだけれど、この前小学生だったのが、今は鹿児島で医学生。当然ここにはいません。

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朝まの内なので、まだあまり人が多くありません。

外では、世界の屋台。いろんな国のお料理が。

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あれ、スライリーがいる。

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買って帰ったもの。

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岩崎さんのところで、手作りの小さなバッグと、ドライマンゴー。後は外の屋台で韓国のちぢみと小籠包、インドのタンドリーチキン、ロシアのピロシキ、ベトナムの揚げ春巻き、どこの屋台か忘れたけど(スペインではなかった)パエリア。これらは、お昼ご飯と晩御飯と明日のお弁当になります。

 午後は、ワンストップセンターの研修。心理の富樫公一先生の「希死念慮をもつ相談者への支援について」と北仲先生の「関係機関先とその業務について」

 希死念慮の講義は、亡くなってしまった患者さんの事がよみがえってきて、とてもしんどい、でも有意義な学習になりました。また明日に続きます。

 

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兄の文章から⑧おしまい

今回で兄の文章は終わります。兄の文章からの③からご紹介した「陶芸閑話」も今回ですべてです。じつは、以前、兄のホームページが消える前に読んだ文章が、どうしても探せませんでした。それには、ある牧師さんの事が書かれていました。兄と気が合ってた?というか、尊敬する牧師さんがある教会を追われたと。その後その牧師さんが亡くなってしまったようで、兄は「絶対に許さない」と激しく書いていました。私がそれを読んだのは、兄が亡くなった後なので、兄が消してしまったのではありません。兄しかそのホームページの操作はできないはずなので、どこかにあるはずなのですが。またそれが見つかれば、ここにご紹介するかもしれません。

紆余曲折、激しく生きた兄だったと思います。が、陶芸と出会って本当に良かったと思いますし、その心の内にはこんなことを考えていたのだとわかりました。よく家に行っては話をしてきましたが、もっともっと話せばよかったと、それがかなわなくなった今、残念に思います。


6.粘土


粘土とは何か。簡単にいうと何百万年もかかって岩石が風化したものである。


その化学構造や産地による成分などは複雑多様で閑話の素材としてはふさわしくないと思うので触れないことにして、興味のある人には資料を提供しようと思う。


造成地などで粘土が露出しているのを良く見かける。それを少しもらって帰るとオリジナル作品が出来る。


やってみると簡単ではない。石やごみが多くてそのままでは手捻りは何とかなるが、ろくろ成形は無理だ。


それを使えるようにするため通常は水簸(すいひ)という作業をする。粘土を水に溶いて泥水にし、石などを沈殿させ分離した細かい粒子を沈殿させる。これを繰り返すと次第に粒子の細かい粘土が出来る。


この作業は大変なので専門業者が介在することになる。競争原理が働くので研究工夫して特徴のある粘土を製造する。市販されている物が100種類以上ある。


大作では割れやすいもの、水漏れしやすいもの等様々である。


粘土を選択する時、焼きあがりの色などの風合い、粒子の大きさをまず考えるが一番大切な要素は耐火度である。色合いは魅力的だが熱に弱く温度を上げると表面が水膨れの状態になるものもある。


私は遠賀川の川底の粘度を使ってみたことがある。1250度で焼いたところ崩れて床の棚板に流れついてしまった。


魅力があるが合わせ持つ弱点を克服するために、砂やシャモットを混ぜる等の工夫がされる。


何を作るかによって最初に、適した粘土の選択が重要になる。


新宮焼のところで産地について述べたが佐賀県で信楽産の粘土を使っている窯もある。私の教室ではおもに信楽の粘土を使い、物によっては唐津、萩土等も使っている。


信楽は種類も多く生産量も多いから勝手が良い。産地によっては品切れが多く何カ月も待たなければならないものもある。


掘り尽くしてしまって、以前のような美しい発色は難しくなった産地もある。


似たような土を調達して調合していると言われる。土というようなものではなく石をガンガン粉砕している工場にも行ったことがある


7.釉薬


私が使用している釉薬の半分は、長石等の原材料を購入し自分で調合している。


ミカン灰釉、孟宗竹灰釉等は自分で調達している。近くのミカン山で剪定されたミカンの枝葉を燃やしている。その灰をもらって篩にかけ数カ月水につけて、あく抜きをすると自分だけのオリジナルな釉薬が出来る。


素焼をした粘土に水に溶いた釉薬を吸わせると表面に釉薬がつく。本来釉薬は自然発生的なもので、加熱した時に灰がついたもので、ならば初めから灰を付けて焼けば良い。美しく丈夫で肌触りのよいものが出来る。成分を分析し人工的に合成した灰も使われるようになった。


様々な金属等を調合した現代釉薬も市販されている。


窯を持つと釉薬を作りたくなる。自分だけのオリジナルな釉薬が出来るとうれしいものだ。身近かな草木や火山灰などを利用するとマスコミが面白がって取り上げる。


多くは挑戦するものの、釉薬のメーカーでは専門の技術者が、他にはない素晴らしい釉薬を開発するべく日夜努力している。素人が簡単にできる世界ではないことにやってみて気付く。一時の遊びにしかならない。最終的に諦める。


 私の作品には土のぬくもりにこだわって、あえて釉薬を使わないものも少なくない。釉薬を使わないものは評価しない人たちもいるが。


8.窯


昔から使われてきた木材を燃やす窯は、材料の確保や大気汚染の問題、労力等からあまり使われなくなった。年に1回の大量焼成に失敗して倒産した窯元もある。


反面電気、ガス、石油を熱源とする窯の性能が向上した。焼成途中で木材を供給することによって穴窯、上り窯で珍重される灰被りと同じようなものが出来る窯も作られるようになった。電気窯で途中からガスを送り込んで還元焼成の出来るものもある。コンピューター制御で組み込まれたプログラム通りに温度管理をするものも普及してきた。


 以前新しく出来た施設から陶芸指導の要請があった。必要な機材などがすでに用意されていた。窯を見て、これは良くないと懸念を表明した。案の定1回の焼成で崩れてしまった。私は納入した業者に引き取らせて別の販売店から購入させた。得体のしれない業者が格安で売り込みに来ることがある。その販売店は目先の利益のために有望な納入先を失うことになった。


 有名な家電メーカーが小型の電気窯を売り出したことがある。宣伝文句は数時間で高温にできると言うことだった。短時間で温度を上げることは技術的に難しいことではないだろう。それを実行したら作品はどうなるのか。

9.10.11は兄の文章から③に先に載せています。


12.陶芸とは


そもそも陶芸を始める時点で、「陶芸とは何か」などと考える人はいないだろう。物作りに興味のある人は、日常手にする食器等を自分で作ってみたいと思うのがきっかけで始める。世界に一個しかない自分で作った食器に料理を盛る、花器に花をいける。


そして長年楽しく頑張ってきたある日考える。


陶芸って一体何なのか。


実用品は安くて使い勝手の良い物がいくらでも売られている。


以前出張教室であなた方は今、将来陶芸をするための基礎的な勉強をしているのですよと話したことがある。自分は今、陶芸をしていると思っていた人たちは不審な顔をしていた。


陶芸とは何か国語辞典で調べてみると、美しい陶磁器を作る芸術であると要約される。そして芸術とは美を表現する人間の活動とその産物であるとされている。


東日本大震災で被災した人が仮設住宅で繭飾りを作り始めて、心の復興が芽生えてきた例が報道されている。物作り、音楽、スポーツ等で生きる力を与えられるのは珍しくない。陶芸も人に生きる力を与えることが出来るのだ。


先に記したリハビリセンターで、ある日突然手足の麻痺によって思うように生活出来なくなった社会の第一線で活躍していた、地位も名誉も第一級の社長や病院長が、全員片手での作業であったが、何かを作ることが出来た喜びを見てきた。陶芸を通して生きる希望を持つことが出来た。私の陶芸は、土のぬくもりを通して人に癒しを、感動を、問いかけを提供できればよいと思っている。   


     参考文献


陶芸入門  江口 滉  文研出版     


陶芸を学ぶ②  京都造形芸術大学編  角川書店


陶芸の伝統技法  大西政太郎  理工学社


陶芸の釉薬  大西政太郎  理工学社


原色陶器大辞典  加藤唐九郎編  淡交社


土のぬくもり  藤原啓  日本経済新聞社


唐津焼の研究  中里逢庵  河出書房新社


茶道具に親しむ  細川護貞監修  婦人画報社


茶碗の見かた  細川進三  徳間書店


茶碗の見かた  赤沼多佳  主婦の友社


釉から見たやきもの  芳村俊一  工芸出版 

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           3.11  花は咲く

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兄の文章から⑦

兄の文章を続けます。「陶芸閑話」からです。


4.公募展出品


私のグループのメンバーには、年に一回は公募展に出品するように勧めている。数ある公募展のどれでも良い。必ずプラスになるものがある。自分の足跡を残すことが出来る。経歴書に載せるとよい。


以前「新宮文化」に「何のために出品するのか」と言う一文を書いたことがある。要約するとつぎのようなことだ。


芸術は人があってこそ成立する。どんな音楽も聞く人がいなければ成立しない。陶芸も自分が良いと思っても他人がどう見るかが問われる。自己満足では成長しない。


私が初心者の頃先輩から、「人目に晒して恥をかけ」と言われた。


良い恰好するためではない。恥をかいてこそ成長する、そのために出品せよというのである。他人の作品と並べてみると己の非力が思い知らされる。


以前私の所属するグループの研究会で先輩が、指導者である高名な大先生と議論になった。私はその人に厚かましくも、自分の考えを貫くべきではないか、評価されるために己の信念を捨てるのか、人生観の問題でしょうと言った。


自分の作品に確信が持てるようになったら、評価されようがされまいが自分の作風を貫けばよい。大家と呼ばれる人も、ピカソのような大げさな例を上げるまでも無く、なかなか人から受け入れられなかった例が多い。


最近、日展にまつわる不明朗な審査が大きく報道されている。事前にグループごとに入選点数が割り振りされているというのである。


何を今さらという感じである。


私の作品と同じようなものが日展に入選しているといわれたことがある。


誰でも出品出来、知らない人は、優れた作品が評価されると思っている。それは建前であって実態ではない。


私に言わせれば日展は派閥の集合体である。政治の世界とよく似ている。


他の公募展では、有名な先生が事前に審査員を呼びつけ、弟子の作品を見せておくという例もある。  


書をしている友人が日展の候補に上がっているので300万円用意するように言われたという。権威ある洋画展で同様の誘いで150万円要求されたという。どちらも断ったそうだ。


伝統工芸にとり組む審査員がオブジェなど現代工芸の作品を全て落選させて問題になったこともある。 


私が審査を担当した公募展では偏らないように注意した。


以前ある陶芸グループを訪ねた時、県展はコネでしょうと言われた。私は県展に入賞1回入選10数回しているがコネらしきものは何もない。


飯のために看板が必要な人もいるだろうし、名誉を生きがいにしている人もいるだろう。


それは人様様で人生観の問題だからそれを非難するつもりはない。


自分自身のために出品するように勧めるが、賞にはこだわらないほうが良い。審査結果を過大視してはいけない。目標をもって努力することに意味がある。


5.新宮焼


展示会などで「何焼きですか」と聞かれることがある。それは生産地ですから新宮焼ですかね、と答えることになる。昔は土地土地によって固有の粘土が産出され、釉薬と焼成法は藩財政を支える門外不出の重要な企業秘密であった。その土地ならではの作品が製造され名産品、特産品の地位が確立されていた。だから何々焼きの意味が大きかった。萩焼と言えばだれでも御本手の茶碗を思い浮かべ、備前と言えば焼き締めの花器を思い浮かべる。


今では専門業者によって全国の粘土が流通し、釉薬の成分製法は学者等によって明らかにされている。専門書を開けば一般的な釉薬はミル機等の設備さえあれば誰でも作ることが出来る。


私は以前、ある陶芸の町を訪ねた時30分くらいで気分が悪くなった。どの店もどの店も同じようなつまらない食器が所狭しと並べられていた。


以後その町には行かないようにしている。健康に悪い。


ところが、萩焼で高名な第12代三輪休雪氏は大学で彫刻を学んだあと院で陶芸を専攻し、その卒業制作はハイヒールであった。豊かさや美しさと言った人間の欲望の象徴として陶のハイヒールを床に散乱させた。


今や若い人たちが従来の何々焼きの範疇に属さない、個性あふれる作品を発表するようになって面白くなった。


初心者は他人の作品を見てこれは何で、何に使うのかにこだわる人が少なくない。


私は使い道を考える必要はないと言う。それは使う人の自由である。


そもそも歴史的にみると抹茶茶碗は朝鮮の飯茶わんであり、水差しは骨壷であったと言われる。骨壷と水差しは良く似ている。


戦後京都で前衛的芸術集団の鈴木治氏(後に京都市立芸大教授)等5人の若手陶芸家が、古典や伝統にとらわれない新しい陶芸の制作集団「走泥社」を結成した。鈴木は馬等 動物や雲、風、太陽等の自然現象を表現した。いわゆるオブジェの世界である。


用にとらわれない制作は絵画や彫刻では普通のことである。


私は約束事の多い茶道具から、用にとらわれないオブジェまで様々あって良いと思っている。


美しいとか、すごいとか、面白いとか、何かを問いかけるとか、癒されるとか、感動を与えられる作品に価値があると思う。

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メンタルサポーター養成講座資料作りでした。

今日の木曜の休診日、午前中はエソールで打ち合わせ。今度26日に、メンタルサポーター養成講座、全7回の内の三回目を受け持ちます。

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午前2時間、午後2時間、計4時間の講座です。

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エソールは、今、11月25日からの「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に向けて、展示がしてあります。

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真ん中では、広島大学のハラスメント相談室の北仲先生の動画が流されています。

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先日、三原で講演した時の私の演題に置いてあったのと同じフラグが。

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クリニックに帰ってすぐからこの講座の資料作りを始めました。

 途中から、クリニックの10台のエアコンのクリーニングに来て頂きました。若い女性二人で、2時間余りかけてきれいにしてもらいました。コロナの初め、ダイアモンドプリンセス号で、エアコンを通じてウィルスが船内にばらまかれたのを聞いて、震えあがって。すべてのエアコンをウィルスを通さないフィルター付きに変えました。当時500万円かかりました。以後、定期的に清掃に来て頂いています。

 資料は、集中して計172枚のスライドを作って、ヘロヘロになりました。

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後は、これを基に配布資料を作ります。来週から大きい講演が続きます。テーマ、対象がみんな異なるので大変です。頑張らなければ。

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兄の文章から⑥

兄の遺した文章を続けます。「陶芸閑話」とするファイルからです。
次の文章の途中、「貴方は見ていない」と言ったら本人は「見た」と主張したことがある。という一文があります。兄は、映画「ヒロシマモナムール二十四時間の情事」を観たのでしょうか。その映画は「(ヒロシマで)君は何も見ていない」「いいえ、私はすべてを見たわ」から始まります。

3.見る  見える  見えてくる  見ていない 

いずれの大学でも入学試験の実技で必修とされるのがデッサンである。

大学によっては絵画科でも絵具を使わせずデッサンだけというところがある。それほどデッサンが重要だということだ。

私は陶芸でもデッサンから始めるのが良いと思っている。(私の教室では実行していないが。)

表現力だけではない。それ以前に見る力が問われる。かって洋画の大家が、「ビルの4階から転落する人を描けなければならない」と言った。

 

人物画の実習でクロッキーがある。モデルが数分ごとにポーズを変えるのを素早く描く。

テレビで外国(韓国だったと思う)の街頭で、低料金で似顔絵を描いている画学生を紹介していた。一人30秒である。一瞬で対象の特徴をつかんで表現する。客は早くて安くて、本人は訓練と収入になってこんな結構なことはない。

 

以前私の教室で、「貴方は見ていない」と言ったら本人は「見た」と主張したことがある。

絵画の世界ではただ漫然と眺めるのを「見る」とは言わない。

 

アトリエにはよく人体の骨格標本や人体の解剖図が置かれている。物の表面だけを見ず、物の本質を見よ、ということは生きた人物を描く時だけではなく対象の全てに言えることだろう。

絵心とはバランス感覚だという話を聞いたことがある。かって指導をいただいた先生はセンスの問題だと言われたが、同じようなことだと思う。それはこれまでの長い人生経験の中で培われてきたものであって、簡単に変わるものではない。

だから大学では入試で篩にかけるのだろう。

 

陶芸で、何処が狂っているか一瞬で見抜くことのできる人と、いくら見ても分からない人が居る。私の作業を見て、同じことをしなさいと言ってして見せるが、肝心なとこを見ていない人が少なくない。

私の作業を熱心に見るのは経験長く、見なくて良い人であり見なければならない人は見ない。逆になっている。同じ道具で同じ粘土で結果が違うのはやっていることが違うからであり、どこが違うのかを見抜かなければならない。それがわかれば後は練習あるのみである。

 

教室メンバーに作品展には複数回行く事を勧めている。

一度目は新鮮でどの作品も良く見える。二度目は印象に残る作品が出てくる。その作品をしっかり見ることだ。全体の雰囲気だけではなく自分が制作するつもりで、よく見る。その作品の良いところを見つける。

 

工芸は技術的な課題の比重が大きいので、こんな形を一体どうやって作ったのか。どんな粘土を使っているか、この釉薬の成分は何だろうというような課題が与えられる。

作品展で会場係をして終日作品を見ていると、朝と夕方では印象が違ってくる。

良い作品とそうでないものとが見えてくる。

陶芸を始めて5年~10年位経つと、良い作品とは何か分からなくなって悩むようになる。自分が良いと思っても他人はそう思わない。良く出来たと思う作品とそうではない作品とを出品して評価が逆になるのは良くある。

私が洋画の勉強をしていた時、うまくいかず描いたり消したり四苦八苦して仕上げた作品と、スムーズにうまく出来上がった作品と後で比較してみると、苦労した作品のほうが深みがあり感動がある。

 

私は陶芸をする人に窯元めぐりや祭りに行くことを勧めない。遊びに行くのは良いが勉強にはならない。アマチュアの作品のほうが良いと思っている。アマチュアの作品はすがすがしくて気持ちがよい。とかくプロは、良いものではなく売れるものを作ろうとする。

生活がかかっているのでそれはそれで良いと思うが。行くなら美術展に行くよう勧める。

 

 贋金鑑定者を養成する時、本物だけを見せるという話を聞く。良い作品だけを見ることによって良い作品が分かるようになる。他人の作品の悪いところにすぐに目が行く人が多い。歪んでいるとか、ひびが入っているとか。

他人の作品の良いところを探す習慣を身につけてほしいと思う。それによって自分の意識の中に良いものが蓄積される。

 

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尾道「レスポワール」での食事

三原での講演を終えて、講演を聞きに来て下さった平木さんを車に乗っけて一緒に尾道に行きました。以前から約束していたお祝いの会のためです。尾道では、コスカレードの会が午前中から開かれており、河口さんは亀仙人になった後、着替えて合流。

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小坪夫妻は広島から駆け付けて、尾道の「レスポワール」に5名が集合しました。このレストランは、以前浜中先生に連れて来て頂きました。以後何回か来たことがある私のお気に入りのお店です。

机の上には、こんな素敵な前菜が、もうセットしてありました。絵に描いた様。

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五人でそれは楽しくお話ししながら、食事が進みました。小坪のお父さんは、フランス料理はすかんといっていたのが、すっかり気に入った様子でしたよ。スープはサツマイモ。パンは、リングパンやガーリックパンを選んで。私はガーリックパン。

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お魚はサーモンのパイ包み。

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お口直しのソルベは梨の自家製。

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サラダのドレッシング、これも自家製。最高に美味。

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黒毛和牛のステーキ、河口さんはレアで、他のみんなはミディアムで。とっても柔らかいお肉でした。

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デザートは、それぞれここやアイスクリームの冷凍庫から三つ選びます。

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私が選んだの。

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素晴らしい料理の数々。会話も楽しくて、堪能しました。私も小坪さんももちろん、すべてを食べたのではなくて、小坪さん持参のタッパーに入れてお持ち帰りしました。

 この後、皆さん「桂馬」のかまぼこやさんに行くと言われましたが、私はちょっと疲れていたので、そのまま失礼して、ひたすら車を飛ばして広島に帰りました。何より、心配だった講演を済ませてホッとした日曜日でした。

 

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三原市での講演無事終わりました。②

 昨日の三原での講演に来て下さった方の中に、県北で当事者の会をしているという方がありました。子どもの当事者と保護者の会「ここいろ」は知っているけれど、大人の当事者の会、それも県北でというのは知らなかったので、とてもうれしくていろいろとお話しを聴きました。ずいぶん遠方から来ている方もあるとのこと。これからは私も県北の方にお知らせすることができます。

 それから、20年前、生理不順で私のところで治療をし、不妊治療もして長女さんが生まれたという方にもお声をかけて頂きました。こういう方はうれしいです。臨床の場だけでなく、こういう場にも来て頂いて励まして下さいます。

 広島から性教育仲間で、ここいろのスタッフもしている城さんが来て下さいました。その城さんのところに、以前の教師仲間のお一人が感想を寄せて下さったと、私に転送して下さいました。許可を得て、ここに転載させて頂きます。私のことが書かれているのがちょっと恥ずかしいけれど。

「河野美代子さんの話は良かったです。性教育の必要性、若い女性の妊娠にまつわる話、LGBTQに該当する人が、一クラスに1,2人はいるのに未だに生きにくい状況が続いていることなど、具体的にわかりやすく話してくださいました。


実際に産婦人科医として現役で関わっている人は言うことに説得力があります。76歳ですよ。バリバリです。


質疑応答はなかったけど、河野さんならどんなに偏見まみれの意見でも撃退しそう。やればよかったのになぁと思います。」

 そうですね。私も質疑応答はしたかったです。

 それから、市民運動をしている方で、今回の市会議員さんの投稿について、抗議文を出すという方にもお会いしました。出されたら、私にも見せてほしいと言っておきました。

 来られた方には、市の方から、私の配布資料と、「三原市パートナーシップ宣誓制度パンフレット」を挟んだファイルを配られました。私も一つ頂いたけれど、帰ってよく見ると、とても優れものです。もっと頂きたかったなあと残念でした。

紙をはさむと、こうです。

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挟んだ紙を後ろに持って行くと、こうです。

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いいですよねえ。このセンス。

皆さま、本当にありがとうございました。

この後、尾道に行きました。また明日ご報告しますね。

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三原市の講演無事終わりました。①

三原市の講演、無事終了しました。たくさんの方に来ていただきました。広島からも応援に来て頂いた方もありました。知ってる方の顔が見えるのは、ずいぶん勇気づけられました。それから、LGBTの当事者の方にも来て頂きました。

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演題には、レインボーフラグを立てて下さいました。うれしくて。

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 私は、昨日まで知らなかったのですが、三原市には、とてもすごい条例がありました。

「すべての三原市民の人権が尊重されるまちづくり条例」で、6月27日に全会一致で可決され、10月から施行されています。素晴らしい条例です。その前文です。

 人権とは、誰もが生まれながらに持つ、人間が人間らしく自身の意思で生きていくための誰からも侵されることのない基本的な権利で、私たちの先人たちが築いてきたとても大切な財産です。

 日本国憲法では、基本的人権は、侵すことのできない永久の権利であり、すべて国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されないことを定めています。また、世界人権宣言は、すべての人間は生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利について平等であることをうたっており、これらはともに人類普遍の原理です。

 しかしながら、私たちが暮らしている社会には、今もなお、同和問題、女性、子ども、高齢者、障害者、外国人、性的指向・性自認等の人権課題が存在し、加えて、情報化の進展に伴い、新たな媒体を介しての差別を助長する掲示や誹謗中傷などが顕在化しています。

 私たちは、どんな理由があっても、誰かを差別したり、傷つけたり、いじめることがあってはなりません。すべての市民や事業者は、相手を理解して、尊重し、思いやり、「人権尊重」を自分の事としてとらえ、差別を決して許さない心を育む努力が必要です。

 この条例は、すべての市民が差別のない、自分らしく生きることができる、誰一人として取り残さない安心して暮らせるまちをめざす、その礎になるものです。

市民向けパンフレットです。

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この中の真ん中のをアップします。こんなのがきちんと書いてあるのがすごい。

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前文だけでなく、15には、ちゃんと「性的指向及び性自認(性同一性)を理由とする偏見や差別をなくそう」と書いてあります。

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それになんの異論もなく、議会で反対の意見はされなかったそうで。賛成をしていて、さて、どうしてあんな投稿をされたのか、不思議です。

こんな条例は、広島市でも制定しようと市民運動の方たちが頑張って運動をしていますが、広島市の行政は全く、動きません。トップの問題でしょうか。

 今日、来て下さった方との会話とか、戴いた感想文とか、また明日続けますね。私は、次の大きな講演の準備に入ります。お世話になった皆様方、心配して下さった方々、本当にありがとうございました。

 

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吉舎中学一年生の感想文

先日行った三次市吉舎中学校の生徒さんたちの感想文が届きました。皆さんよく聞いて、よく書いてくれました。中でも、中学一年生の感想が、とてもしっかりしていて、びっくり。中学一年生というと、ついこの前まで小学生。全校生徒に話すのだから、焦点をどこにあてて話すか、難しい所があります。一年生だと、私の話すことが難しいことがあるかもしれないと思って。

「一年生の皆さん、私の話すことで言葉がよくわからないなあと思うことが出てくるかもしれません。でもね、近い将来、ああ、これはあの事だったのかとわかる時が必ず来るからね、だから聞いていててね」

と話しています。その一年生の感想文をそのまま転載しますね。みんなこんなにぎっしり書いてくれています。

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「今日の河野さんの講演を聞いて、「性」について知っていたことも知らなかったことももっと詳しく知れて、短い時間だったけど、今後あるかどうかわからないとても貴重な機会になったと思います。特に心に残ったのは、「自分たちの体のことは自分たちで責任をもって大切にする」ということです。僕は、「性」についてあまりくわしく知れていなくて、今回の講演で自分たちの体の事、そして、どんな責任がともなうのか、知らなかったことがしっかり知ることができました。これから生活していく上で、今回の講演会で知れたことを生かして生活していこうと思います。今回講演して頂きありがとうございました。」

「河野さん、今日は教えて下さりありがとうございました。この今日の学習で正しい性と生や男女の見方やいろんなことを学びました。20分の映画を観て生命を学んだり性とはけっして恥ずかしいものではない、新しい生命は、素晴らしいうれしいことだ。学ぶことをつんでつんで大人になった時に役に立つように、次に生かせるように正しく間違ったことをしないように、学習で経験し新たな経験をし、命の始まりを悪くとらえるんじゃなくよくとらえる。大切なこと、人はいつかは亡くなってしまう。でも、新しい生命が生まれる、自分も相手も大切にする。こういうことが大切だということだと分かりました。男性は強く、女性も強く、両方が両方を大切に、ていねいに接していくことで楽しいこと苦しいこと考えて助け合って乗り越えていけることができる。ありがたいことを学びました。今日は、本当にありがとうございました。」

「今日河野先生の話を聞いて思ったことは、長年積んできた経験、知識が生かされた講演だったなと思いました。恋愛とかそういうことは全然興味がないしどうでもいいと正直思っていたけど、知識としては身についたかなと思いました。性別違和やLGBTはすごく身近にあるので、この話も聞いてみたいと思いました。たまに何語?見たいなことばも出てきたけど、いずれ分かるのかなと思いました。難しすぎたけど、いろんなことが少し分かって知らなかった世界が少し見えたかなと思いました。」

「今日、河野さんの講演を聞いて、とても貴重な経験をすることができ、良かったなと思いました。そう思った理由は二つあります。一つ目は、子どもをうむことについて教えて下さったことです。私はあまり赤ちゃんをどうやって作るのか知らなかったので今日初めて知ることがたくさんあったからです。二つ目は、人の体のつくりについてです。からだの作りのことは、小学生の保健のときに少し習いましたが、もうほとんど忘れてしまい、覚えていなかったので、もう一度知るきかいがあつて、よかったなと思ったからです。
 最後に河野さんは、悩んだら、話せる人に相談して、と言っていたので、私も気軽に相談できる人をちゃんと見つけようと思いました。河野さん、今日は貴重な時間を下さり、ありがとうございました。」

 皆さん、本当にありがとうございました。皆さんがこうして書いて下さることで、私はとても元気づけられています。がんばろって。

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兄の文章から⑤

とぎれとぎれですが、兄のパソコンに残っていた文章の紹介を続けます。
「陶芸閑話」の中からです。


2.人を育てる


後輩の作業を見ていて変なことをしていると、ひとこと言いたくなる。私の手で直したくなる。そこでぐっと我慢をするか、見ないようにする。今この人にはこれが必要だと判断して、大事なことを教えても返事はするが実行しない人もいる。



本人が問題意識を持って聞いてこない限り、どれほど重要なことを言っても馬の耳に念仏である。


耳に聞こえても頭にもハートにも入っていない。体験して初めてわかる。だから「先生の言われることは、後からわかる」と言われる。


何を聞いて何を聞かないかが問題である。この釉薬の主成分は何かというようなことは、初心者が考えて分かることではない。聞けばよい。


よくある「この釉薬はどんな色ですか」という質問。答えてもしばらくするとまた同じことを聞く。これは聞くことではない。とくに灰釉(草木の灰を主成分とする釉薬)では言葉では表現できない微妙な雰囲気の発色が多い。それも何時も同じではない。陶芸材料店で焼き見本を見て釉薬を購入して焼いてみると大抵違っている。粘土によって、あるいは厚さによって、窯の雰囲気によって変わってくる。銅は酸化焼成すると緑色になり還元焼成では赤く発色する。


自分の作品に施釉して焼いてみることだ。一つの釉薬を理解するには相当な時間がかかる。聞いて分かることではない。


 


賢い人は自分の作品の問題点を聞いてくる。指摘すると次は改善される。前よりも良くなる。何度やってもうまくいかないときは聞いたほうがよい。何処が間違っているか自分では分からない。


失敗を体験すると身に着く。失敗が財産である。


 


以前なんでもすぐに教えていた。その結果なんと「考えない集団」が出来てしまった。考えるより聞いたほうが早い。


そこではどこかで見たことのあるような作品、金を出せば買えるような作品ばかり。本人だけの独創的な作品が出てこない。


自由にのびのび作りたいものを作る子供の作品のほうが面白い。


手前味噌になるが私の作品を見せて、このような作品を見たことがあるか問うてみるとまず、見たことがないと答える。


基礎的な段階では、学びはまねから始まるので大切だが、いつまでもそれではつまらない。目指すは創作の世界である。 


 


陶芸を始める時、器用不器用を気にする人が少なくない。私は陶芸は手でするものではないので気にしなくて良いと言っている。それは訓練と時間が解決する。経験を積むと同じことになる。早いか遅いかだけである。


陶芸は頭とハートでするもので、器用不器用があるとすればそれは知的なもので、新しい事を受け入れるあるいは挑戦する頭の柔軟性が必要である。


一度の指導で済む人と100回でも出来ない人との違いは、そこにあるような気がする。


話はそれるが、かってもう40年前になるか、私が師事した人が(陶芸ではない)、佐賀県に原発を作る動きに先頭に立って反対運動をしていたが、諸問題を理解しない人を評して「砂頭」と言ったことがある。


石頭というのは頑固一徹で、それなりの信念を持っているから評価できる面がある。


あいつの頭には砂が詰まっているというのである。ひどい表現だが言いえて妙。


 


これを拝借して美術館で、空いている駐車場を使わせないので、担当者に貴方の頭には砂が詰まっていると言った。たまの搬出入の邪魔になるというのである。せいぜい週に一回のために常時遊ばせているのである。そのほうが楽だからだろう。


お役所仕事とはこういうことを言う。私は大学卒業後公務員をしていたのでこういう馬鹿な公務員には特別腹が立つ。


エライ人を罵倒したので、もうその美術館は使えないかも知れない。


 


脱線ついでにもう一件。私はある団体でインターネットの活用を提唱したところ頭から否定された。それでパソコンとは何かインターネットとは何かという講習会から始めて、少しずつ理解者を増やした。実現するまで3年かかった。


よくも辛抱したものだと思う。初歩的なレベルのパソコンアレルギーは怠慢と不勉強でしかないと思う。


知って反対するのは良いが、知らずして反対する人が少なくない。


 


私は数名の友人にパソコンを一から教えた。その中で、一番早く成長した人は90歳の御婦人である。大学学長をしておられた亡き御主人の資料整理という目的がはっきりあったからだろう。年齢ではなく前向きの生き方の問題だと思う。


 


ありがたいことに、今日まで数名の人生の師匠が与えられた。陶芸に関しては、教育大名誉教授の中野忠先生、教職を退職後日本画家として制作と後進の指導に尽くされた納富賢智先生との交流が大きかった。また私の歩みにとって大きな存在は九州大学教授から福岡女学院大学の学長を努められた岩橋文吉先生である。


私が出品している美術展を案内すると、必ず観に行かれた。晩年、体力的に無理だろうと思ってわざわざ、案内でなく御報告ですよと断っても足を運ばれた。


後日、婦人に感想を語っておられたことを知る。私には良いとも悪いとも一言も言われなかった。


観ても何も言わない。何も言わないが必ず観に行く。


自分の目で確認し、暖かく見守る。


人を育てるとはこういうことなのだと教えられた。

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孟宗釉壺(40Φ×38cm)1993,1 第27回福岡市美術展

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シマカラ食堂

我が家の隣にシマカラ食堂というレストラン併設のスーパーマーケットのようなお店があります。一年以上前にオープンしていたのですが、一度も行かないままでした。

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先日ふと気になってお店の前のメニューを見ると、卵かけご飯ランチというのがあって、入って見ました。こんなの。オーガニックの食材です。ごはんも何かが入った五穀米みたいなの。

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でも、周りの人達は、バイキングとか、卵かけよりも豪華なランチを皆さん食べています。

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お店の方に行ってみると、大崎上島からのいろいろな食材が並んでいました。野菜、果物、お魚、調味料、生活用品もあります。

で、今日はちょっとうれしいことというか、ホッとすることがあったので、一人お祝いだとここでのバイキングを食べてみました。サラダバイキング、木曜日だけです。

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はい、御馳走様でした。また来ます。

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三原のはちみつ

 三原にこだわって、もう少し。全然別の話なのですが。三原ではちみつを作っている方があります。三原市糸崎町の米田山からミツバチたちが集めて来る天然のはちみつ。もう一か所、須波町・筆陰山からのと。これらを作っているほほえみ養蜂場の方が、私が勤務医をしている時の出産がご縁で、クリニックまで出張して来て下さいました。

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 いくつか購入しました。濃厚とあっさりとがあります。どちらもぞぞれの好みで良さがあります。山の中のミカン・レモン・桜などいろいろな花から集めて来たのを百花蜜として販売されています。

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 この度、三原市のふるさと納税の返礼品として採用され、全国から注文が来ているとのこと。おいしいはちみつですので、きっと喜ばれることでしょう。リピーターもたくさん出ているそうです。

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 三原の講演がなんか市会議員さんのひどい反乱のおかげで、ヤフーニュースにもなって、全国区になってしまって。
 
 今年の一月には、雪の中、県立三原特別支援学校の保護者の方にお話しに行きました。ズームとの併用のハイブリッドで、沢山の方に聞いて頂きました。今回の講演はもっとたくさんの方に聞いて頂きたいと願っています。

 

 

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三原市長さんの会見

昨日の続きです。12日の三原市での講演「性の多様性と子育て」について。これに反対する立場の三原市会議員の投稿について、昨日の中国新聞、朝日新聞だけでなく、昨日の夕方のテレビのニュースでもやっていたとの知らせがあって、探しました。これでした。

https://news.yahoo.co.jp/articles/8292d9440763bf855d8f7c4172f483f1befe2787


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うまく画像が出るかどうか不安ですので、TSSニュースの聞き書きを載せますね。三原市長さん、素敵。

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先月、三原市の市議会議員が市が開催する性の多様性と子育てをテーマにした講演会についてSNSに批判的なコメントを投稿した問題で、三原市の岡田市長は市議が自らが説明責任を果たすべきとの考えを示しました。

【三原市・岡田 吉弘 市長】
「発言の趣旨につきましては、政治家である議員が市民の皆さんに誤解を与えることがないように説明責任を果たして頂くべきかなと考えております」

三原市によりますと三原市議会の徳重 政時 市議は三原市が主催する性の多様性への理解を広める講演会「性の多様性と子育て」について先月、市の公式フェイスブックに「着々とLGBTに向かっているかも。油断なりません」と批判的なコメントを投稿していました。

徳重市議は外部の指摘を受け、今月1日に投稿を削除しています。

三原市の岡田市長は6日、市議の説明責任について言及し「全ての市民の人権が尊重されて安心して暮らせる街づくりを進めるために今後も理解促進や啓発活動を積み上げていきたい」と話しました。

以上です。何か、この市長さんなら、安心して講演にいけそうに思いました。このことを目にした友人たちが、三原市の人たちに参加を呼び掛けて下さっているそうです。ありがたいことです。絶対に皆さんのお役に立つようなお話をするように頑張ります。多くの方にお会いできますように。


 


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徳重市会議員様、講演会にぜひいらしって下さいませ。

先日お知らせした、今度の日曜日、12日の三原市での講演。このチラシですが。
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こんなことになっていたと、今日知りました。中国新聞と朝日新聞です。

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そうですか。市会議員さんですか。

LGBTでも、私はL・レスビアンの方もG・ゲイの方とも、沢山お付き合いがありますが、患者さんとして主に診ているのは、T・トランスジェンダーの方たちです。この方たちが、性別を自ら意識し始めた時、それはしばしば幼い時からなのですが、どんなに苦しみながら人生を歩んでいるか。それを知らないところで、「お風呂とトイレ」などという方。そんな人がいる事は、私もこの度のLGBT法案の成立に向けてのやり取りで、存じています。

岡山大学の中塚先生ののデータでは、性同一性障害の内、MTF(持って生まれた性は男性だけれども、自分は女性であると感じている人)の70%以上、FTMの60%以上の人が自殺念慮があり、内30%を超える人が自殺未遂、または自傷行為がありました。私自身が診ていた方の中の3人の方も亡くなってしまいました。痛恨の極みです。

自らの性別をとても苦労してでも望む性に変えようとする人たちは、生きることに必死です。その人たちは、自分がどのトイレに行きたいか、お風呂はどうするかなんて、自らがちゃんと考えています。今の社会でも、盗撮やのぞき等の性犯罪者はいます。犯罪者は犯罪者です。その性犯罪者と、性同一性障害の方たちを一緒にしてはなりません。まして、あたかも性同一性障害の方たちが性犯罪者であるかなどと、混同してはなりません。

 私は、今回の講演では、LGBTの人たちの事だけを話すのではありません。性教育について、子育てについて、しっかり話すつもりでいます。その中に、性の多様性も含まれます。

 徳重市会議員様、中国新聞によると、徳重議員さんと考えが一緒の方たちと同調していらっしゃるようですが、その方たちもぜひ12日の講演を聴きに来てくださいませ。わかって頂けるように、丁寧にお話しします。今の日本の性教育がどんなことになっているのかも含めて知って頂きたいのです。お話しを聴いて頂いたうえで、疑問があれば、それにも丁寧に説明いたします。来ていただくのを楽しみにしています。どうぞよろしくお願いします。

 

 

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兄の文章から④

兄の文章を続けます。「陶芸閑話」の一部から。陶芸について書いてはいますが、読んでいてとても楽しく、これはどんな世界にも通じると思いましたので。


 1.修業  ロクロ  湯呑み100個 


私は小学校から老人ホームまで様々な対象の指導に取り組んで来ました。病院のリハビリセンターにも3年間ボランティアで通いました。中心に据えているのは一麦窯教室です。内容は入門から大学の陶芸専攻のレベル以上です。


私もお世話になったことのある芸術学部では、陶芸専攻の学生で卒業時点にロクロの満足に使える人は、まずいません。ですから一般に、大学で陶芸を専攻したら卒業後、窯元修業を何年も経験して独り立ちします。土こね3年 ロクロ10年と言われます。


芸術学部の在学生、卒業生の指導もしてきましたが陶芸に関しては、経験浅く知識も技術も未熟ですがデッサン、立体構成等幅広く基礎的な勉強をしていますから理解が早く、センスが良いので気持ちが良いものです。


陶芸では練習とか稽古とは言わず修業と言います。


テレビで相撲を見ていたら、大記録を樹立して引退した魁皇関が「30歳を過ぎて強く感じたことは、相撲は基礎が大事だということだ」と語っていた。あれだけの人の言葉である。そんな当たり前のことを実感するまでに長い年月かかったのだ。陶芸の初心者が分からないのは無理がないということだろう。


基礎をしっかり身につけると応用が利くようになる。色々な、作りたいものが何でも自由に作られるようになる。ちょこが出来ても徳利が出来ないと面白くない。コーヒーカップが出来るとソーサーもほしくなる。ごく限られたものしか作られないのでは作品の幅が制限されて面白くない。


前衛的な仕事を主にしてこられた京都市立大学名誉教授の鈴木修氏もロクロの大事さについて「若い人はロクロを使った仕事よりもオブジェを作るほうが格好良いと思ったりするが、まずロクロを勉強すべきだ」と言っておられる。九谷焼の北出不二雄氏も「現代的、前衛的な作品を数々世に送り出している作家たちは、ろくろなど古くから基本とされる技術をきちんと身につけている。」と言われている。


 ロクロの基礎を習得するために湯呑み茶碗を100個作るよう勧めます。この湯呑み100個が中々出来ないようです。私が陶芸を始めた時、師匠からまず湯呑み茶碗を200個作るように勧められました。今までに1000個以上作ってきましたが今だに課題が残ります。


ロクロの基礎的練習には湯のみ作りが一番適しているのです。ロクロによる成形をするときは粘度を輪切りにしたときに、上から下まで真円になっていなければなりません。そうでないと回転によってぶれて、薄くするとやぶれます。置いた粘土が、離れて見ると静止して見えるように、きちんと回っていなければなりません。


これができればなんでも出来るのです。ロクロが使えるか使えないかはこれだけのことです。


陶芸はフォルム(形)が優先されます。形の良いものはそれだけで鑑賞に値します。シンプル イズ ベストと言われます。形の悪いものにどんな釉薬をかけても、装飾を施しても良くなりません。良くしようとあれこれ手を加えると段々騒がしくなり下品になるだけです。釉薬を使わない備前焼が美しいのは形が良いからです。


学校教育では年齢も能力もほぼ一定です。私の教室では制限を設けていませんから様々な人が入会してきます。陶器製造業のための職業訓練ではなく、人生の豊かさのための生涯学習の場と位置付けているからです。


年齢も、知的能力も体力も、家庭環境も、経済力も様々です。一度で理解し取り組んでいく人もいれば、同じことを何回教えても出来ない人がいます。


いずれ分かる時が来ますからその時を待つことになります。


本物を目指す人には湯呑み200個を勧めますが達成する人は一部です。


大抵60個くらいで音を上げます。


一つの課題を追うことの面白さを感じてほしいものです。100点満点で80点の作品が出来るようになると他の作品も80点のものが出来るようになるものです。30点で次に進むとやっぱり30点のものしかできません。それは技術ではなく取り組む心の状態だからです。


陶芸に飛び越しはできないのです。


湯呑みが一応出来るようになると、トンボと呼ぶ簡単な道具を作って縦横の寸法にそったものを作るように勧めます。この作業をすると格段に向上しますが、実行する人は一部です。行きあたりばったりの作業は、コースの無いところで車の運転練習をするようなものです。


苦し紛れに、「自分はプロになるわけではないのでこれで良いのだ」と言う人もいます。うまくいかないと、すぐに投げやりな発言をする人もいます。


趣味であっても進歩向上がなければ面白くありません。囲碁でもゴルフでも少しずつでも上達しなければ面白くないでしょう。


 


陶芸はボケ防止に良いと言われます。作業もさることながら新しい課題に取り組むことが脳の活性化を促すと思います。与えられた課題に対して、出来ない理由を探すのではなく、出来る道を探し考える。


陶芸も音楽も書道も何処まで行っても終わりがなく新しい課題に事欠きません。


 


私の教室メンバーが他の窯元で湯呑み100個の話をしたら、それは違うと言われたと言います。


聞いてみると湯呑みは1000個だと言われたそうです。


 


職人を養成するには、ぐい飲みを一日200個作らせるという話を聞いたことがあります。


安野焼きの鶴我晃弘氏は土管製造業から陶芸家に転業する時、同じ形のぐい呑みを一日


300個二年間続けたと言われている。


ただし、この段階で数だけを追うと粗製乱造になり、後々まで影響します。常に丁寧に心をこめた作品作りを身につけることが非常に大切です。初期の段階で大雑把で雑な作業を身につけると、なかなか直りません。


これは練習だから適当でよいのだという取り組みではなく、全ての工程に真剣勝負を身に付けて欲しいものです。


 私は大作に取り組むときは朝、滝に打たれて来なさい。滝がないなら水をかぶってきなさいといいます。


大事な作業を、へらへら笑いながらやっている姿を見るのは不快なものです。


どんな遊びも真剣に取り組んでこそ面白いものです。 


 


このことについて横浜国立大学教授の木下長宏氏は次のように書かれている。


「手を使って土をこね一つの形にしたて、それを火の中へ入れて造形するという行為、それに伴う心構えも、身体の姿勢も何千年何万年変わらない。その繰り返しの一つである。だからいいかげんにちょいちょいとやって、失敗したらまたやればいいんだというふうになってはいけない。長い歴史の重みをしたたかにうけとめることが大切である。」


また、テレビで陶芸家が、良い作品はせいぜい一窯一つであると言って、ボンボン割る様子が紹介される。「こういう態度は、人類が営々として営んできた焼き物の歴史の最も大切な心を裏切るふるまいである。」と批判されている。自分の名誉のための傲慢なふるまいではないか。


自分ひとりの力で作品が出来たわけではない。粘土は自然からの恵みであり、道具も機材も釉薬原料も焼くための熱源も、人の力に寄っている。一つの作品が誕生するために、どれだけ多くの人の力がそそがれていることか。


 


 相撲や柔道など伝統的なスポーツで、勝てばよいというものではないと言われる。マナーや、誠実に取り組む心の姿勢が重視される。それは茶道でも陶芸でも同じことだと思う。ただ粘土で何かを作るだけでは真の陶芸とはいえないということだ。


 


文学を志しながら40歳で陶芸を始め、後に人間国宝になった備前焼作家藤原 啓氏の長男である藤原 雄氏が次のような体験を語っています。


体調不良の父を助けるため、大学の文学部を卒業し出版社に勤めていたのをやめて、父に弟子入りをした。


昼間父の作業の助手をして夜、自分の作品を作って板に並べておくと翌朝全部板ごとひっくり返して潰されていた。5年間は100%壊された。そのうちに10点のうち1点が残り、次第に2点3点と残るようになった。


週に1、2度の話ではない。毎日の5年間である。


 


 書道展で、何年書いているか聞いてみると50年と答える人が珍しくない。自分の字が書けるようになるにはその位かかるという。その間ひたすら模写である。


私の友人で栞の字を書いてもらった篆刻作家がこのような話をしたことがある。


書の師匠が「10枚や100枚書いて書いたというな。畳の上に、書いた紙を置いて重ねたものが天井まで届いた時に書いたと言え。」


書でも陶芸でも同じことだと思います。


永い自分との闘いが続きます。ですから修業と言います。しかしそれは苦痛ではなく希望のある楽しい歩みです。


 


陶芸を始めた人に、陶芸は短距離走ではなくマラソンですよと何度もいう。初めての体験にその面白さから、頑張りすぎる人の多くは続かない、潰れる。


頑張って長続きする人は本物になるが稀である。

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いろいろなものが写って色が変わっているように見えますが、とても美しいピカピカの赤一色です。


 

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兄の文章から③

 しばらくうろうろしていましたが、以前パソコンに残っていた兄の文章を二回だけ転載しました。まだまだ皆様に読んで頂きたいのが沢山あります。陶芸に関してだけれど、一般の社会に通ずる、興味深いものがいくつもあります。それを転載したいと思います。

 しかし、これらを読んで、私は、兄が陶芸について、本当に深く研究し、取り組んでいたのだと今になって知りました。粘土一つ、そして釉薬についても。あまりにもったいないので、今度兄の遺作展その2をする時に、これらを印刷して皆様に配ったらどうかと思っています。陶芸をなさる方には、お役に立つかもしれません。自作の釉薬の作り方の配合の仕方なども、このままではもう兄も亡くなった今、秘密にしておくことではありませんので。

 なお、各タイトルの前の番号は、兄が「陶芸閑話」とのタイトルを付けてまとめていたものの中の順番の番号です。途中からですがはじめのジャガイモの実の話など面白いので、ここからの転載にします。

.指導者の責任

近年失敗学が評判になっている。

かってロクロの一から私が教え、今では後輩の指導をしている窯元が、弟子から「先生も失敗するのですか」と言われて、「失敗ばっかりですよ」と答えたと話していた。新しい世界を切り開くため、試行錯誤の連続であり、失敗から学ぶことがあってこそ進歩成長する。いつも私は「失敗が財産ですよ」と言っている。

 ここでまたまた話が大きく脱線してすみません。

私が小学生の頃、父が庭に作っていたジャガイモに花が咲き実がついた。

大事に学校に持っていき、担任の教師に見せた。「ジャガイモに実はならない、これはトマトであってジャガイモではない」と言われた。大学の農学部か農業試験場に電話一本すれば、ジャガイモに実がなるのは珍しいことではないと分かったはずだ。その時の暗い気持ちは60年経った今でもよみがえる。

後に県立高校の校長をしていた父に、かって世話になった先生に言いたいことがあると言ったが、父は沈黙していた。

自分の失敗は良いとして後輩に対して間違った指導をしていないか。

 私が指導を受けた第13代中里太郎衛門氏は相手の人格を傷つけるほどに極めて厳しい指導をされていた。

褒めて育てるとよく言われるが、それによって間違った方向に進めてはいけない。悪いものは悪いと言ったほうが良いと思っている。

言い方が不十分で正しく伝わらなかったという反省は多々ある。

 

10.気力  体力  

長年制作をしていると、自分の限界も見えてくる。

陶芸に必要な創造力も、そのベースになるのは気力体力。

テレビで89歳の現役パイロットを紹介していた。秘訣は腹八分と異性との付き合いだと言っていた。歳とともに世の諸現象に対する好奇心も弱くなる。

制作意欲の持続とそれらは密接につながっているような気がする。私は相田みつをの「一生勉強一生青春」と書かれた色紙のコピーを飾っている。

数年前五十肩になり2年間苦しんだ。15年前大作を窯に入れる時壊したのが右肩で、今度は左肩であった。24時間激痛で作陶どころか夜も眠られず、横になると痛くて腕の置きどころがない。天井から紐を吊るし腕を支え、ソファーで夜明けを待つ日が続いた。

相談した内科医は痛みの治療に対する理解が少ないように感じられた。

地元の整形外科ではリハビリに通いなさいと言われ、電気で温めるだけで何もしなかった。

近所の整骨院、温泉に毎日通うのが日課となった。少しばかり気が紛れた。

歯の治療で医師から、歯ブラシで磨きすぎて傷だらけになっている、加減するようにと言われた。交代した衛生士はもっと汚れが落ちるようにごしごし磨けと言った。

医師の人柄にもピンからキリまであって、医師が神様に見えることもあれば、なんだこの人はと思うこともある。

これまで二度いわゆる大病をした。人が生きるためには希望が必要だと実感している。

同じ公募展に出品してきた知人友人が、今年は出品していない。もう大作はしんどくなった、小物で遊ぶという。

10キロ以上ある作品は体力がいる。腕、肩、腰に負担が大きくなる。大作は作陶、焼成等にハードルが高くなる。小さなミスが命取りになる。最初から最後まで緊張の連続である。

数多く作って良いものを選ぶというわけにいかない。私は半年一年先を見据えて準備にかかる。行き当たりばったりで作るわけではない。出品直前にバタバタ作って良いものは出来ない。

注ぎ込んだエネルギーに比例する。それが観る人に伝わる。

 

11.形あるものは

 2005年3月20日朝、福岡西方沖地震。 自宅の洗面所で出かける準備をしていた。

突然、道路工事の重機のような轟音から始まった。

何だこれは、地震か、福岡には地震は来ないのではないかと思った。

本立てが倒れるとか電気温水器がずれて水が出ているくらいで大した被害はなかった。

愛犬ハッピーを連れて工房に向かった。棚の壺などが落ちて大作を直撃、大鉢等の口が破損していた。一番大切な作品が無事でよかったと思ったが、梱包をほどいてみるとやはり破損していた。

ちょうど窯の中にあった教室メンバーの労作も壊れていた。気の毒なことをした。

久々の落ち込みであった。

このショックから立ち直るのに相当時間がかかった。

東日本大震災では1万5千人もの人がなくなり、いまだに行方の分からない人が3千人以上。それぞれ大切にしていた宝である家族の命や物が失われた。陶芸を楽しみ作品を大切にしていた人もあったに違いない。

人間を長くやっていると様々な経験をする。人生相談で、何を聞いても驚かないようになった。人間とはそういう物だと思っている。

今が永遠ではないということを、心の奥において生きなければならないと思う。

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転載は以上です。たぶん、明日も続けます。

 

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性教協の次の例会など

 11月2日水曜日の夕方から三日のお昼まで性教協ひろしまサークルの皆さんと一緒でした。あ、もちろん寝るのは東部の人達はホテルで、広島組は家でしたが。久しぶりの懇親会、まあよく食べてよく飲んででよくしゃべりました。話をしたいことがみんないっぱい。

 そして今日の朝から役員会。今後の例会とか、会のあり方について。またまたよく話しました。これから、例会や中国ブロックの山口大会への参加や、全国大会について等。

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 文科省の指示する「命の安全教育」をどうする?例会でそれを取り上げたいね、とか。その時に、会員のお一人がいま実践している事・研究していることを話されて。それがもうすごくって。ぜひ例会にそれをしてほしいと願いました。いろいろと検討をして、文科省のいう命の安全教育とは、その解説と、そのすごい実践をしている方の報告と、いま私が診療の場で取り組んでいる少女たち、無知であるがゆえに行動して心が傷ついてしまった少女たちへの性の指導と、それらを組み合わせて例会をすることになりました。きっとすごい例会になると思います。

 私は、そんなみんなの話し合いで、自分もぼやぼやしてはおれないなと思いました。ちょっとしんどいことがあって、ブログもさぼりがちだし、講演の準備もしなければと思いながらぐずぐずしてしまってて。これはいけないとすっかりカツを入れられましたよ。

 早速、お昼ご飯をみんなと食べて、さようならをして、すぐにクリニックに帰って、資料作りをしました。次の講演です。

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気合を入れて、スライドを作りました。全く新しいスライドも何枚も。性の多様性はもちろんだけど、それらも含めて、子育てと性教育。それら、ちゃんとしっかりつながりながらの資料ができました。

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是非皆様いらっしてくださいませ。子育て中の方だけでなく、先生方も、きっとお役に立てるお話しができると思います。もううじうじしないで頑張ります。

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「髪がつなぐ物語」

 小学校6年生の国語の教科書に採用されたと知ったので、取り寄せて読みました。子ども用に漢字にルビが振ってありますが、でも、大人が十分読める本でした。

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 このお話は、私は、帯広三条高校の放送局の、NHK杯全国高校放送コンテストで第三位となったテレビドキュメント「髪の絆」を観たことがあって、一応知っていると思っていました。しかし、本を読むと、全然違ったというか、知っていたのは表面だけでした。

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 今でこそ多少は知られているヘアードネーション、髪のない人のためのウィッグを作る、その髪を提供すること。2009年にそれを始めたのは、大阪の美容師渡辺貴一さん。全くのボランティアで、NPOを作り、地道な活動を続けました。


 この渡辺さんたちが作ったNPOジャパンヘアドネーション&チャリティー、通称ジャーダックと同じ活動をしていたアデランス、この両者が帯広三条高校の放送局の取材によりつながり、より効率的にその活動ができるようになったことも感動的でした。そもそも帯広三条高校がこの取材をすることにした背景には、顧問の安藤先生のつらい体験があったことでした。

 ウィッグを一人分作るためには、30人分もの髪が必要なこと。また、提供された髪がそのままウィッグとなるのではなく、色や質を整えて出来上がるには、一年もの時間が必要でした。


 それに、この本には、治療のために髪を失った小児がんの子どもたち、なぜか原因不明で脱毛症ですべての髪がなくなり、二度と生えてこない人などの事が何人も出てきます。やっとウィッグが出来上がって、連絡をしたその日にその高校生が亡くなってしまっていたこと、その彼女の遺体にウィッグを付け、美容師さんがカットをしてあげたことなどの記述には涙を禁じえませんでした。


 また、髪を提供する人たちの事もいろいろと出てきます。中でも、小学生の男の子がいろいろとからかわれたりいじめられたりしても、頑張って必要な長さ31センチになるまで髪を伸ばし続け、提供したことも。それも、二回も。

 私的には、ボランティアの渡部さんたちのしんどさ、ウィッグを提供してほしい人たちはみんな熱意をもってお願いするのであって、きちんと順番に提供しようとすること、待っている間に亡くなってしまう人もいてつらいこともあるけれど、それでも、それを守ろうとする事などに、共感することがありました。


 これは、いろいろな人たちの人生の記録です。小学生だけでなく、多くの人に読んで頂きたい感動的な本です。

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