「女性が躊躇なく活躍できる日本に」種部恭子先生の講演から・終わり
安倍さんがあのような殺され方をして、やっとやっと統一教会の政界汚染が明らかになりました。それでも、いまだに統一教会と仲良しだった人は政界の中枢に居座っています。統一教会が目指したものは、まさにジェンダーギャップを推奨することでした。
票も金もある彼らが、政治家に近づき、政治を動かしていたということは、早くから明らかであったことなのに、社会的に問題とされませんでした。種部先生もよくご存じのこれら。今日も私が講演で使った私のスライドからですが。
低用量ピルが日本で認可されたのは、国連加盟国の内びりだし、子宮頸がん予防ワクチンが認可されたのは世界中で100番目の国だし、緊急避妊薬が認可されたのは、世界中のラスト6か国だし。これらに共通だったのは、同じ言われ方でした。「あんなものを認可すると、女性が後で薬を飲んだらいいじゃないとセックスをするようになって、家庭が壊れる、社会が乱れる」という言い方です。まるで女性同士でセックスをするかのように、男性の事にはちっとも触れないで。そして、それに環をかけての性教育バッシング。「避妊なんかを教えるから、若い女が興味をもって、セックスをしたがるようになる。そして、家庭を壊して社会が乱れる」と。これは、正に中京テレビのドキュメント「日本の性教育セックスをどこまで教えるか」の中で、山谷えりこ氏が「避妊を教えることは、あなたは避妊具さえはめればセックスをしてもいのよと教えること。」そしてそれは「家族を壊すと思っています」と言っています。避妊を教えることはセックスを推奨する、過激な性教育であるという言われ方にどれだけ情けない思いをしてきたことでしょう。「学生の間は、ただ、セックスはしてはいけないということだけを教えること」と。統一教会が信者にそう教えることは、それは自由でしょう。しかし、それを日本の政治、行政に押し付けました。そして、彼らは政治家を動かすだけでなく、自ら学校に入り込み、思春期教育という名の元に、生徒たちに講演をし、統一教会の教えを語っています。学校現場が彼らのそういう行動を許しているということです。
それらが明らかになり、性教育も、統一教会に汚染された政治家たちによりバッシングされたということも明らかになっても、なお、文科省は、性教育に正面から取り組もうとしません。さすがに世論に押されたのか、「命の安全教育」などと、これまた世界に出すのも恥ずかしいことをやれと教育現場に押し付けています。あいも変わらず、指導要領には、中学生にすら「性交」や「避妊」は教えないことになっています。
そもそも、日本のジェンダーギャップの125位というのは、種部先生は経済の問題と言われましたが、やはりこれは「政治」の問題なのではないでしょうか。この指数が正に表しています。
そして、この政治のひどいペタンコの状況は、まさに自民党のし女性議員数の少なさが多いに寄与しているということです。自民党にも例えば杉田さんのような女性はいるけれど、女であればいいというものではありません。まったく人権意識のない、権力者にすり寄ってこそ議席を得ているような人、LGBTについてのひどい記述だけでなく、こんどはアイヌ民族侮辱で、法務局から人権侵犯との啓発をされたような、こんな人が女の議員でいることが恥ずかしい。彼女が女性のジェンダーギャップを解消するような働きをするとは到底考えられません。そのほかの女性議員は、ほとんどがいわゆる二世議員です。
そして、このジェンダーギャップは私が前回に挙げたような、さまざまな国民の苦しみと一体であるということです。政治が、それらすべてについての改善を図る方向に行かない限り、ジェンダーギャップだけ、解消することは到底無理です。ジェンダーギャップが解消すれば、経済は上向くと言っても、他の弱者たちが共に救われない限り、この日本の現状はいつまでも続くでしょう。(物価が上がり、税金をたくさん払う以上に給料が上がり、生活が楽になること。貯金の利子が少しは増えること。ブラック企業でなくなること・・・。)
種部先生が、医療だけでは救われない、政治の分野へと考え、議員となったのは、拍手ではあります。それでも、年期を積んだ年寄りや二世、三世が跋扈する自民党の一員である限り、私は危ういものを感じるのです。自民党でないと仕事ができないと考えるたのかもしれませんが、このような今の日本を作ったのは、正に自民党の権力者たちです。それでも、昔は、自民党の重鎮の中に、包容力のある、野党をも大切にする大物の方がいらっしゃいました。しかし、今の自民党の中には、残念ながらそのような方たちは見当たりません。おそらく、排除されてしまったのでしょう。種部先生が、まさか権力者にすり寄って力を発揮しようとするとは思えませんが、それでも、先日お会いした時に私が言ったことは覚えていらっしゃるでしょうか。包括的性教育について、「立憲が動いたら、せっかく実現しようとしたのがダメになる。」と、先生が言った時です。自民党のみがすべてを動かすことができるという思い上がりが私には見えました。そして、「まあ、共産党が動いたのでなければまだましだけど。」と言われた時に、「先生、あなたは、自民党脳になってしまっている」と言いました。どの政党でもいいし、市民運動でもいいし、PTAでもいいし、いろいろな人が文科省に対して声を上げればいいと思います。山谷氏が文科省を押さえていると言われる時ですから。そして、先生は、例えば自民党の中で山谷氏や杉田氏のような発言があったときに、内部から「それは間違っている」と声をあげて下さるのでしようか。私が、前々回、政治家でない我々の方が、いえるのかな?と書いたのは、そういう意味ではあります。内部から変えていのは、とてもしんどいことでしょう。
少なくとも、他の事はよくわかりませんが、ジェンダーや性教育については、種部先生も私も目的は一緒のはず。ご健闘を祈ります。
今日、我が家のポストにこんなチラシが投げ込まれていました。行動に気を付けようと思います。
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