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特別養子縁組の研修の講師を務めました。

 昨日は、午後から夜まで周南市の田中病院で特別養子縁組の研修の講師を務めました。それまでに作っておいた資料集、それからアメリカの養親希望の方に行われるホームスタディの内容などの資料を持っていきました。参加は田中病院の院長と養子縁組に関わっているスタッフさんだけでなく、東京から「愛着とトラウマのトリートメント研究所・ATTI Japan」の榊原さん、石川さん、東京都の特別養子縁組新生児委託推進員の及川さんも。今回の目的は、養親候補の方たちへの対応、赤ちゃんを産んで手放した生母さんへのその後の対応なとです。

 会場は、田中病院の素敵なレストラン。今はコロナ対応で使っていないそうですが。

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 私が二時間お話しした後、ディスカッション。話題が次々と出て、話は尽きません。その後、レストラン「ドロワット・エゴーシュ」に場所を移して、食事をしながら、まだまだ話が続きました。特別養子縁組に対する田中院長の熱心さも、それから東京都の新生児縁組についても、学ぶ所が多く、私にとっても、とても勉強になりました。


食事の一部です。本当に素敵な食事で、運ばれる度に歓声が上がりました。

桃とトマトのカプレーゼ

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イチジクと生ハムとクルミ。

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ポテトにどっさりのクリームチーズ。

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鴨のロースト、ブルーベリーのソース。

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中とろのあぶり。絶品。

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ローストビーフ?ステーキ?付け合わせがサツマイモというのが素敵。

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ガーリックトースト。

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まだ舌平目やデザートのケーキなどがありました。

 ここに、私がお世話をして特別養子を二人育てて下さっているアメリカ在住の方から送られてきた、養親へのホームスタディをどんなものなのか、アップしますね。一部、個人的な事は削除しています。

河野先生

長らくお待たせしてしまい、申し訳ありません。ご依頼頂いていました、アメリカで養子を迎え入れる為のホームスタディについてお知らせします。

 先ず、養子縁組に関わる法律は州によって異なります。私たちが経験したことはあくまでも〇〇州でのケースということになりますので、その点ご理解頂ければ幸いです。

 ホームスタディには主に二つの要素(安全検査と面接)があります。

  • 家庭内の安全検査
    • 養子を迎える前に、どれだけ家庭内の「赤ちゃん対策」が出来ているかの検査です。
    • このような事がチェックされます。
      • 化学薬品、洗剤、医薬品等は手の届かないところに置いてある。
      • 重い家具は壁に固定されている。
      • 武器は金庫に保管されている。
      • 窓の網戸と鍵がしっかりと取り付けられていて、機能している。
      • 階段にはゲートが設置されている。
      • 全てのコンセントにはカバーがされている。
      • 煙・火災や二酸化炭素、一酸化炭素等の検知器が作動している。
      • 緊急時の避難地図を作成、そして家庭内の各階に掲示している。
      • その他、基本的な子供の安全対策が施されている。
    • ホームスタディの専門家が、養子縁組希望者が見落としているかもしれない安全対策に気づかせてくれる良い機会です。仮に何かが指摘されれば、当然それを修正することが求められます。
  • 4歳以上の家族全員との養子縁組面接
    • ホームスタディをするソーシャルワーカーが、養子縁組希望者とその家族について、個人として、夫婦として、そして家族として詳しく知る機会です。夫婦間(同性婚カップルも含まれます)の関係、子育てについての考え、個人的な価値や興味、それぞれのキャリア、子供時代等についての話題が含まれます。
      • 夫婦間の関係、家族との関係、養子縁組というゴールについて
      • 養子縁組希望者の幼児期の経験がどのように彼らの抱く子育て哲学に影響を与えたか
      • 養子縁組希望者と実親の間のこれまでの関係、経験
      • 養子縁組における人種と文化の影響
      • オハイオ州の養子縁組プロセス一般について
    • これらの質問を通じ、ソーシャルワーカーが、養子縁組希望者が養子縁組プロセスについてどのような感情を抱いているのか、そして養子縁組を通してどのような親となり得るのかを理解するのが目的です。
    • 夫婦での面接に加えて、夫婦間で考えが一致しているかどうかを確認するために一人一人との面接をする州もあるようです。どちらも養子縁組を前向きに捉え、強く積極的に希望していることがチェックされます。
    • 養子縁組希望者には、このインタビューに備えて、養子縁組に関するトピックについて学ぶことが求められます。養子縁組のプロセス全般については勿論ですが、子育てについて(特に養子が経験しがちなトラブルやチャレンジについて)、文化の多様性について、人種間の問題や異人種の子を育てる際のチャレンジについてのトピック等が含まれます。

私たち自身が具体的に聞かれた質問はさすがにあまり記憶に残っていないのですが、面接へ向けての準備をしていくなかで考えておくべきとされる質問のリストを見つけましたので、下記にコピペしておきます(ネットの翻訳サイトを利用しましたので、若干の不自然さはお許しください)。

  • あなた(養子縁組希望者)自身について
    • 不妊の経験と、不妊の悲しみをどのように解決しましたか?
    • あなたの宗教的/倫理的な背景と信条、そしてお子さんの宗教的/倫理的な教育計画について教えてください。
    • あなたの生家ではどのような子育てをされましたか?また、あなたの生育経験は、あなた自身の子育てにどのような影響を与える可能性がありますか?
    • あなたの出身家族に薬物やアルコール依存がありますか?それはあなたにどのような影響を与えますか?
    • 配偶者やパートナーとの関係はどうですか?チームとしてどのように問題解決に取り組み、対立に対処していますか?例を挙げてください。
    • 逮捕されたことがありますか?どんな理由で?それは「若気の至り」によるものですか?同じことを繰り返さないために、生活の中でどのような変化を起こしましたか?
    • 現在、アルコールと薬物はあなたの人生でどのような役割を果たしていますか?薬物依存の治療を受けたことがありますか?
    • セラピストやカウンセラーに診てもらったことがありますか?その結果はどうでしたか?現在の状況はどうですか?
    • 雇用状況はどうですか?子どもが生まれた後の予定は?
    • 経済状況はどうですか?身の丈にあった生活と将来のための貯蓄はできていますか?
  • 子育てと養子縁組について
    • 養子を迎える動機は何ですか?
    • どのような子どもを養子にしたいとお考えですか?
    • 出生前に薬物やアルコールに暴露された子供を養子に迎えることは可能ですか?その他の障害はありますか?
    • 実の親との継続的な関係に前向きですか?
    • 他の人種の子供を育てることに前向きですか?もしそうなら、他民族の子どもや大人とどのような経験がありますか?同じ人種の経験をどのように子どもの人生に取り入れますか?
    • 養子縁組について知るためにどのような努力をしましたか(読んだ本、参加した会議、感想など)?
    • 親になることに何を期待しますか?子供に?
    • 子育て(特にしつけ)についてどのような理論を持っていますか?
    • 子どもの世話をした経験は?
    • あなたの養子縁組の計画について、家族はどのように感じていますか?
    • 独身の場合、日常的な支援体制、子供に大人の異性のロールモデルを提供する計画、あなたが死亡または障害を負った場合の計画はどのようなものですか?

実際に今回先生がお話しになる内容に当てはまるかどうか分かりませんが、私たちの記憶と理解は以上の通りです。他にもっと詳しく聞きたい内容や、今回私が全く触れていないけれども先生のお役に立つような情報がありましたら、お気軽にお知らせください。

 

以上です。このようなホームスタディを経て、偏見にとらわれない、自由で素敵な子育てに社会全体で取り組んでいるのだということがよくわかります。また、東京都の新生児の特別養子縁組の際に行われる面接などもとても勉強になりました。私も、これらに少しでも近づけるように精進して、養親さんがより素敵な子育てができるように、サポートしたいと思います。


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