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「女性が躊躇なく活躍できる日本に」種部恭子先生の講演から

9月17日、京都にて「全国プロゲスチン講演会」が開かれました。それに参加して勉強しました。

  第一部は特別講演「女性が躊躇なく活躍できる日本に~女性医療から、ジェンダーギャップ解消へ~」。演者は女性クリニックWe!TOYAMA代表の種部恭子先生。二期目の県議でもあり、医師と議員の両方で活躍しています。種部さんの話は何度も聞いていますが、今回はジェンダーギャップ指数125位という日本で、それを女性医療を駆使することで改善し、人口を増やし、経済を改善していくと、鋭く切り込んだお話しでした。ジェンダーギャップが解消できれば、80から100兆円の有益であると。

 種部先生が小さく、半分しか写っていなくてすみません。日本の現状は、この写真のように避妊法の選択肢、世界の中で日本はコンドームやリズム法、膣外射精がほとんどでOC(経口避妊薬、いわゆるピル)やIUDや他国では使われている例えばインプラントなどの方法はほとんど使われていないということ。


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 さらに、家庭内での家事育児関連時間の男女差、男女の賃金格差(男性に比べて女性の非正規雇用の高さも含んで)、未婚率の推移、現在結婚していない理由の他国との比較、また、ジェンダー課題とSRHR推進の歴史など、多岐にわたります。これらのデータのスライドをここにも転載したい所ですが、その許可を得ていないし、配られてもいないので、でも、これだけは、このスライドの作成に私も多少は貢献していると思うので、載せさせて頂きます。

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 なかでも、1998年頃からのジェンダーバッシング、2000年頃からの性教育バッシングは、「あの頃は、全国の先生方が頑張って今でいう包括的性教育が行われていた」「バッシングは、今も終わっていない、ずっと続いている」と言って頂いたことはありがたいことでした。実は、「かつて、あの時にバッシングがあったんだって」、「今、またバッシングが始まった!!」ととらえる人がいて、唖然としていますので。

 そして、女性の弱り目の祟り目の「月経、産後、更年期」がある。(細かいことを言えば、私は産後の前につわりも含めた妊娠を入れてほしいと思いますが)しかしこれらには、我々は、ピルやホルモン補充療法などの武器があるが、それらの情報が行き届いていない。

 「一部の女性は男性並みに活躍。そして活躍し続ける女性は何かを犠牲にしている」という言葉には、ついホロリと共感しました。さらに、「こういう状況では必ず組織の中に強烈な分断が起きる」と続きます。

 日本のヘルスリテラシー(健康や医療に関する正しい情報を入手し、理解して活用する能力)は低い。避妊(河野:その前に妊娠があるけれど)、HPVワクチン、更年期、ホルモン補充療法などについて、諸外国では、義務教育の段階で学んでいる。が、日本は、偏見や差別の前につぶされている。だから、情報が行き届いていない。

 女性が主体的に妊娠出産を選択できる。社会において女性が自分の人生をコントロールできると思わなければ、仕事もコントロール、決定できると思えない。自分の人生を自分で選んでいける女性を一人でも増やしましょうとの締めくくりです。

 様々なデータを駆使しての話は、インパクトがあり、共感できることがいっぱい。

 でも、それでも、種部先生の話には、なに故日本女性はこのような状況に置かれ続けているのか、それは月経や妊娠や避妊、更年期のためだけではなく、代々の権力者によってそうたらしめられているという、ここの分析やそれに対してどうしていけばよいのか、個人的な事ではなく、社会として改善していけるのか、そのためには政治に対しての切り込みが足りないと思いました。もしかして、政治家ではない我々のほうが、いえるのかな?とも。下手をすれば、男女は平等に近づいた、でもその結果、男もつらい、女もつらいとなってしまうのではないかと。それを次に話します。明日にできるかどうかは、明日の仕事のでき次第で。


 

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