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ジャニーズの事件について考えること①

ジャニーズの性加害について、私の考えをちゃんと書いておきたいと思います。先日、この本を読みました。カウアン・オカモトさん。ジャニーさんからの性加害を初めて実名で顔も出して世間に訴えた人です。日系ブラジル人三世の彼が、日本でとても苦労した生い立ちから、ジャニーズ事務所にはいり、そしてジャニー氏から性加害を受けるまで、その後も継続的に被害を受けながらジャニーズで仕事をしたこと、そして、とうとうジャニーズ事務所を辞め、独自でミュージシャントして活動をするまでの事が素直に書かれています。


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これを読んで、また、私ですら知っていたジャニーズ氏の加害について考えたことは、これは単に一人の男色の男と事務所だけの問題ではないということです。週刊文春以外のほとんどのメディアも知っていながら、触れることをしなかった責任ももちろんあります。


 それよりも、私は「性犯罪」全体について、本気で取り組んでこなかった国の責任が何より大きいと思っています。

 昔から、男性の性被害は起こっていました。子どもの被害も。私が小学生の時、ある教師がクラスの男子児童を抱っこして、性器を握り動かし、「気持ちいいじゃろう?」と言ったと。その被害にあった何人もの生徒たちが、みんなで先生に「そんなことはやめて下さい。」と言い、それでも本気で謝罪をしない教師に怒った児童たちが校長先生に言いに行ったと。私たち女子児童は、その意味もほとんどわからないままに(何しろそのころは、私は性交もまだ知らなかったのですから)どうなったのか、興味だけはありました。それは、複数の児童から保護者にも伝わりました。それでも、このことがどういう結論になったか、なんにも知らされませんでした。

 大学生の時も、男子学生を襲う教官がいて、男子寮に出没していました。その教官が現れると、〇〇先生がいらっしゃいました。と、警戒を呼び掛ける放送がされ、私たちは笑っていました。(学生運動の救援対策の部屋がその男子寮にあったものですから)

 そもそも、社会全体として、男性の性被害に本気で取り組んで来なかったと思うのです。日本は、性暴力に対しての法律を初めとする対策は、他の先進国に比べて、大きく遅れていました。何しろ、明治時代に作られた法律が延々と存在していたのですから。

 2017年にやっと法律が一部改正され、男性の被害も初めて性犯罪の被害者として扱われるこになったのですから。やっとやっとです。これまでにも、小さな男の子が、被害にあった挙句殺されたという事件も少なからずあったにも関わらずです。

 もっと社会全体が、男性の被害を性犯罪の被害者として認識していたなら。ジャニーズ氏の性加害も、性犯罪であると認識したなら、警察が捜査をするということがあったなら、これほど沢山の被害を出さなくて済んだでしょう。

 フォーリーブズの北公次氏の34年も前の訴えを観ました。彼がこれほど必死に訴えているのに、彼の訴えは今に至るまで注目されませんでした。(その動画はYouTubeでもTikTokでもアップされています。ここにリンクしようとしましたが、うまく行きませんでした。)

私が言いたいことの一つは、これまで男性の性被害を本気で被害と認めてこなかったことの国の責任です。

そして、まだあります。それは、「性的自立」を長い間、明治以来、ずっとずっと13才としてきたこと、それから、地位利用の犯罪も犯罪とせず、「いかに抵抗したか」だけに集約してきたこと。これらについて、また明日述べます。

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