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「8.6ヒロシマ平和の夕べ」・次世代が伝える平和と広島

「8.6ヒロシマ平和の夕べ」では、若い人たちにも発言をして頂いています。活動を若者たちにつないでいくことも私たちの課題であります。

 今年は、大学生の横山栞央さんに「次世代が伝える平和と広島」とのタイトルで話して戴きました。横山さんは、現在20歳。「戦争を知らない、生まれていない私たちの世代がどのように原爆や戦争やそして平和を伝えていくかということをお話ししたい」と、話し始められました。

 横山さんは、基町高校普通科創造表現コース出身。その高校時代に被爆者の方の証言を聞いて、絵を描きました。そして、大学生になっていま、小倉桂子さんの証言から、「ケイコの8月6日」という紙芝居を作りました。


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 基町高校は、平成19年(2007年)から、生徒たちが原爆の絵を描いています。横山さんは、原爆の絵を描くのは、怖い、見たくない、つらいという思いもあったけれど、先輩たちが描いているのを見て、自分たちは伝える立場なんだという意識が芽生えたと言われます。証言者の方と話し合いながら、半年かけて一枚の絵を完成させるのですが、実際、原爆の実態を聞き描くことは、精神的にも体力的にもつらくて、体調を崩したり眠れなくなったりした人もいたと。でも、これまで一人も脱落者が出なかったのは、一人で描いているのではない、被爆者、証言者の方たちと二人三脚で一緒に描いているのだという思いで乗り越えられたからと言われます。これまで、約200枚の絵が出来上がっているそうです。展示会だけでなく、マスコミにもたびたび取り上げられていますが、そうして観て頂いてこその絵なのだと。


何枚もの絵、「死んだ子を背負う母親」「炎の中で助けを求める女のコ」等の作品をスライドで見せて頂きました。この写真は、IWJの動画から取らせて頂きました。「炎の中で・・」は一番目の写真にあります。

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 私たちのチラシには、許可を得て、広島平和記念資料館所蔵の基町高校の生徒さんの絵を何枚かのせています。今年は、①「これが人間なのか。幽霊の姿そのままに」証言者・新井俊一郎:絵・西家奈津(2010年)、②「川を埋めつくし、流れていく人々」証言者・池田精子:絵・原望美(2007年)、③「原爆後遺症、毎日枕が鼻血で血だらけに」証言者・清水弘士:絵・多賀心音(2019年)、④「馬も死んだ、爆風爆圧で目が飛び出していた」証言者・李鐘根:絵・桂木晋作(2017年)、

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そして、横山さんは、小倉桂子さんの体験を、幼い子供たちでも見て頂けるようにいろいろに配慮、工夫をしながら、紙芝居にしました。この写真もIWJの動画からです。黒い雨が降ってきて、白いブラウスに黒いシミができている所です。

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 若い横山さんたちが、こうして証言を発信する立場で活動して下さることが、本当にありがたくて。基町高校の生徒さんたちが毎年している事、とても大きな意義があることと思います。証言して下さる被爆者がいらっしゃる限り、どうぞこれからも貴重な発信をし続けて頂きたいとお願いしたいと思います。横山栞央さん、貴重なお話、本当にありがとうございました。

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