広島県の行政がおかしいことについて。
しばらく遺作展の事ばかりで、お話しすべきことが溜まっております。皆様はもうご存じで何をいまさらと思われるかもしれませんが、自分の忘備録としても、書いておきたいと思います。行政について。
足元の広島県で、情けないことが続きました。一つには、尾道市の妊婦へのチラシ、「先輩パパからあなたへ」。もう一つは、広島県、市も一緒にした子どもたちへのアンケート調査です。
まず、尾道市。こんなチラシを妊婦に配っておりました。
これがSNSで炎上して、市長が謝罪、配布は取りやめになっています。炎上も当然。私はこのチラシを見て、唖然としました。「妻のこういう態度が嫌だった」はむかつきます。「わけもわからずいらいらしている」・・三時間ごとの授乳等、寝不足だと、いらいらもしますよ。「赤ちゃんの世話で忙しく、家事ができていない」・・なんと、それなら自分で家事をすればいい。
してもらってうれしかったことの中の「マッサージ」・・これ、何ですか。お乳が張って痛くて、肩が凝ってつらい妻にマッサージをしてあげるのではないの?してもらうの?
何より一番唖然としたこと。これは、あまり炎上の中になかったのですが、「男女で感じ方や考え方に違いがあります」の所。なんと、なんとです。あえてここに書きますね。『男女で感じ方や考え方に違いがあります。「なんでわかってくれないの?」など相手が自分の気持ちをわかってくれないと感じたことはありませんか?この理由の一つに、男女の脳の構造上の違いがあげられており、男性は理論、女性は感情に基づいて行動するという違いがあることが分かっています。大切なことは、お互いの違いを理解し、うまく役割分担をすることです。お互いに協力しあう気持ちを持つことが、子育てを楽しむコツです。』
ひえーっですよ。ほんと?私は男こそ感情の生き物だと思っているので。だって、カーっとなって怒鳴ったり、人を殴ったりするのって、圧倒的に男性ではありませんか?計画的でない殺人だって犯人は多くが男です。と、あえて言ったけれど、それは冗談ですね。あくまでも個人差。
許せないのは、あたかもこれを作った行政の人が科学的エビデンスに基づいているかのように書いている事です。男は理論、女は感情なんて、こんなのは俗説に過ぎないし。科学では否定されています。
色々な記事がありますが、日経ウーマンのこれから。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOLM276XJ0X20C22A5000000/
この、性差による構造の違いは、わずか14人の調査に基づいて言われたことであって、とっくに科学の世界では否定されているものです。それなのに、行政の人がそのことも知らず、古い俗説で、住民に説いているというのが、本当に嫌です。ジェンダーの視点から、これはおかしいと指摘する人がいなかったのでしょうか。
このチラシの中でも、一番気になったことがここの部分でした。
県と市の子どもへの調査は、相手が子どもだけあって、とても深刻です。明日お話ししますね。
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コメント
これが見逃される状況なんですかね。嘆かわしい。「行政」と一括りにするのは憚られますが。
要は、人間一人一人の尊厳に配慮するという、いわば人権感覚の有無が問われることであって、その意識、感覚が担当者にもチェックする立場の人にも無かったということですかね。
そのことが大きな問題だと思います。
投稿: まえっち | 2023年8月30日 (水) 13時12分
こんな状況なのですかね。嘆かわしい。行政と一括りにするのは憚られますが。
要は、人間一人一人を尊重するといういわば人権意識が欠落しているということと思えます。作成者にもチェックする立場の人にもその感覚、意識が無かったということですよね。そのことが問題かと。
投稿: まえっち | 2023年8月30日 (水) 13時18分