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「刑法改正 当事者が求めてきたものに近づいたか?」書き直し。

2日間の性暴力救援センター全国研修を終えて、昨日深夜に帰ってきました。

東京での全国研修会二日目は、

1.「刑法改正 当事者が求めてきたものに近づいたか?」と題して、弁護士の中山純子さんの講義。

2. 「被害者診療上の留意点」山口大学大学院法医学講座教授であり、大阪のワンストップセンターSACHICOの理事でもある高瀬泉さんのお話でした。

 中山さんのお話は、2023年6月の改正刑法性犯罪規定について、「性犯罪に関する施策検討に向けた実態調査ワーキンググループ」の設置、調査、法制審議会のいくつもの諮問を受けての2021年10月~2023年2月3日まで法制審議会刑事法(性犯罪関係)部会全14回等にずっと参加して、ウォッチングをされており、細かなやり取り、なぜこのような決定となったか、など、詳しく話してくださいました。とても良くわかりました。今回の改定は、やっとやっと世界にも負けないほどの刑法になりえたとの思いが強くなりました。

ここまで来るのに、ワーキンググルーブの調査や議論がどんなものであったか。前回の法改正からの約一年間での裁判例180件、不起訴例548例の分析、有罪事例の被害者の分析、被告人との関係性、不起訴例の被害者の供述の信用性に疑問が残るとされた具体的な例、有罪判決に認定された抗拒不能の原因などなど。

女性の構成員が41%とされた刑事法部会で、本当に真摯な議論が繰り返されて、結果的に今回のような法改正になったということがよくわかりました。

 一つ、注意すること。いわゆる性交同意年齢です。13才から16歳に引き上げられましたが、ただし、被害者が13才未満は絶対処罰、でも13才から16才未満は、加害者との年齢差が5才以上の場合とされています。どうにもこの5歳差というのが、すっきりしなかったのですが。だって、当院でもあるのですが、中学2年生の14才と、高校卒業後社会人の18歳の性交、これ年齢差が4歳ですので、罰せられないと思っていました。しかし、そうではなく。


 分かりにくいけれど、これは5歳の年齢差があれば無条件に罰せられる。でも、5歳未満であれば、罰せられないということでなく、大人と同じように犯罪要件(改正177条第1項)が問われるということだそうです。


 さてこれからは、警察や検察の方たちが、新しくなった法律に早くなれて、被害者を門前払いすることがないように、しっかりこちら(ワンストップセンター)が見張らなければと思います。委員の方々、特に当事者の方、本当にご苦労様でした。ありがとうございました。中山弁護士さん、御教示ありがとうございました。

初めに、私は配布された資料をここに張り付けていました。しかし、これは著作権の問題に触れるとご指摘を頂きましたので、全部削除しました。ごめんなさい。

 研修の後、広島からの参加者の内、総会に出ない者4人でランチ。私にお店を選べとなったので、考えた挙句、赤坂のエイトでの北京ダックにしました。研修会場の赤坂から電車で一本、5分。歩くのもすぐで、高級北京ダックを一羽丸ごと。たらふく頂いて、皆さんにも満足していただきました。

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