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LGBT理解増進法・トイレと浴場って?

LCBT理解増進法がようやく成立しました。しかし、それは、はじめにあった文言「性自認を理由とする差別は許されない」という言葉は削られ、当事者の意見を全く受け入れない形での法律となりました。「性的指向やジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならない」としていますが、しかし、「この法律に定める措置の実施などにあたっては、すべての国民が安心して生活できることになるように留意する」という文言が盛り込まれています。

 この法の成立までに、保守派が言い続けていること。それは、「『自分は女性だと』偽り、女性用のトイレや風呂に入るというよう問題に対する十分な備えを」とか、「トランスジェンダー女性が女性用のトイレや浴場の利用を求める恐れがある」とか。当たり前ではありませんか。かつて男性であっても、女性に変わった人が、どうして女性のトイレに入ってはいけないのでしょうか。

自民党は「すべての女性の安心・安全と女子スポーツの公平性を守る議員連盟」を昨日、立ち上げました。「すべての女性の安心・安全」を守ることとは、トランスジェンダーの人たちを守ろうとするのではなく、多数派の女性たちを守れという、さっそくトランスジェンダーの人たちへの差別に他なりません。

 トランスジェンダーの人たちが、どれだけ苦しんできているのか本当にわかっていない人たちが、かってな妄想で、そのようなあり得ない事をでっちあげています。

 女子トイレにこっそり入り込んで盗撮をしたりの事件は、これまで数々あります。でも、それは、決してトランスジェンダーの人たちではありません。「犯罪者」が、仮装して、女性のふりをして入り込んでいるものです。保守派が言う「偽って」というのは、それは犯罪者がすることです。それとトランス女性を一緒にすることはあり得ません。

 私は、産婦人科のビル開業の一人ですが、今、トランスジェンダの人たちを子どもも含めて100人を超えて診ています。その人たちのしんどさを身に染みて感じています。

 本来の自分のではない体を持っているトランスの人が、本来の自分の性に変わろうとする時、本当にどんな苦労をしなければならないことか。幼い時から、自分はみんなと違うと心を痛め、思春期には、二次性徴で自分の望む体ではない体ができていく恐怖、多くの人たちの理解を得るために心まで病んで、自殺をする人も決して少なくありません。それに、今の日本では、体は手術を受けて決して子どもができない、性腺の除去と望む性に似た性器の形をしていなければならないことが義務付けられています。それをしないと性を変えることはできないのです。(私は、この手術を義務付けることは人権侵害であると思っています。)そのためにどれだけの大金が必要であり、体を傷つけなければならないことでしょう。そうして、やっと自分の望む性になっても、ずっとずっとホルモンの治療は続きます。

 そのような人たちをなぜ犯罪者と同等に扱おうとするのでしょうか。きっと、このLGBT法ができたことで、教育現場へを含めて、これまで以上に差別への圧力がかけられていくことでしょう。

 夫婦別姓も同性婚も認めないこの国が、さらに差別的な法律を作ってしまいました。まったく。少数者にとって、ますます生きにくい社会が作られています。この国は、一体どこに向かって行こうとしているのでしょうか。

 LGBTの子どもたちと家族の会「ここいろhiroshoma」も5周年です。今度の日曜日にイベントがあります。もう席はいっぱいですが、ZOOMでの参加は今でもできるそうです。

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