« 広島市の平和教育について① | トップページ | 広島市の平和教育について③ »

広島市の平和教育について②

「ひろしまへいわノート」から、はだしのゲンが削除さた事について、広島県原爆被害者団体協議会の理事長は、広島市教育長に対し、申し入れをしました。この申し入れ書には、大切な事が書かれていますので、それをここに再現しますね。これはすでに世に出ていますが、私のブログを読んでさる方の中には、まだ目にされていない方がおありと思いますので。

2023年222日 

広島市教育長

糸山 隆 様

           広島県原爆被害者団体協議会

                 理事長 箕牧智之

「ひろしま平和ノート」からの「はだしのゲン」削除について

かねてから、教育全般にわたり尽力されていること、そして、被爆地ヒロシマとしての平和教育に力を注いでおられることに敬意を表します。

さて、現在、大きく取り上げられている「はだしのゲン」を「平和教育ノート」から削除することについてですが、私たちは「はだしのゲン」は中沢啓治さんの実体験に基づいた反核・反戦の強い願いと、わかりやすく人々、特に子どもたちに伝えたいという思いにあふれたものであると認識しています。そして、「はだしのゲン」は佐々木禎子さんの折り鶴とともに、広島の惨禍とそれが繰り返されてはならないことを世界中に伝えており、ヒロシマの象徴ともなっています。

今回の「平和教育ノート」からの「はだしのゲン」削除について、多くの反応があったことはそれを如実に物語っているのではないでしょうか。

そこで、お尋ねとお願いとを申し上げます。

1 まずお伺いします。

  • 「はだしのゲン」を「平和教育ノート」から削除するに当たって、これほどの反応がある重いものであることを想定されなかったのでしょうか。

広島市は、中沢さんの作品・活動を評価して名誉市民とし、また、一連の中沢作品の原画の寄贈を受けて、貴重なものとして平和記念資料館で管理していると我々は認識しています。

その中沢さんの作品の扱いについてより慎重な判断があってしかるべきではなかったかと思いますがいかがでしょうか。

(2) 新聞報道によって経緯を見ると次のとおりです。

識者や学校長たち13人の会議でプログラム全体の内容を検証。うちゲンの場面(1)(2)について「児童の生活実態に合わない」「誤解を与える恐れがある」との意見が出た。作中の別場面を引用する案も出たが、「漫画の一部を取り上げるだけでは、被爆の実態に迫りにくい」として、場面(3)も載せず、(被爆者の体験談に)差し替えることにした。」217日中国新聞。( )部分と下線は被団協で挿入)

別場面の引用をせず差し替えることにしたとの結論に至る過程で、どれほどの検討がなされたのでしょう。会議録や決裁過程を示して議論の経緯と内容を教えてください。私たちは「はだしのゲン」には様々なエピソードがあり、切り口を変えることによって「はだしのゲン」を残す対応ができたのではないかと考えています。削除せず今回予定の体験記を加える方法もあったのではないかとも思います。どうでしょうか。

2 次に、外すことについての市側の対応についてです。

先にも触れたとおり広島市は中沢さんから作品原画の寄贈を受けて管理しており、広島市は事前に遺族の了解を得て原画を無償で利用できるようになっていると承知しています。

平和教育ノートに原画を使用するに当たって、広島市は遺族に了解を得たのでしょうが、使わなくなることについて報告したのでしょうか。

削除を決めたのであれば遺族に経緯の説明と感謝の意を込めて連絡するべきだったのではないでしょうか。それが無償で掲載を承諾している遺族への礼儀だと思いますがいかがでしょうか。

3 もうひとつ重要なことがあります。

ご承知のとおり原爆の使用がもたらす結果は酷いものです。多くの人が一時に死に、傷つき、後々まで苦しみます。そして、戦争も多くの酷い死をもたらします。

私たちはその酷さを子どもたちにしっかり認識して欲しいと思っています。そのことによって原爆・戦争はいけないとの考えを身につけることができると考えるからです

その点において私たちは「はだしのゲン」の果たしている役割を高く評価しています。

広島の子供たちには私たち原爆で被害を受けた者たちが肌身で感じた悲惨さ、酷さを知った上で「平和」を口にし、訴えて欲しいと思っています。

教育は本当に大切なものです。かつて我が国は、国民を、そして子どもたちを戦争に協力させ渦中に巻き込んでいきました。その反省から現在の憲法があり、それに基づいた教育があります。過ちを繰り返さないため、「平和」についての根本を子どもたちに理解させるよう力を尽くして頂きたい。それを心から願っています。

核、力による支配の脅威が大きくなっている今、広島の平和教育の重要性はますます高まっていると感じています。このことに心を致しながら教育を進められるよう強く念じ、申し入れます。

以上です。

クリニックのベランダ、冬をようやく生き抜いた花たちが元気に咲いています。一番手前はアジサイ。一作年の鉢ですが、昨年も無事生きて、つやつやのはを茂らせていたのに、まったく花が咲きませんでした。今年も温室に入れて、先日、外に出しました。元気に葉をつけていますが、果たして今年は咲いてくれるのでしょうか。チューリップもすくすく葉を伸ばしていますが、まで茎が出てきません。花が咲くのか、ドキドキです。お水と肥料はちゃんと上げています。

Img_2579

 

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

 

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。広島ブログ

|

« 広島市の平和教育について① | トップページ | 広島市の平和教育について③ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 広島市の平和教育について① | トップページ | 広島市の平和教育について③ »