広島市の平和教育について⑧
へいわノート、3年生の部分からはだしのゲンが消えましたが、昨年度までのへいわノートの1年生の部分にも、こんなページがあります。
原爆の惨禍。1年生にもこうして示しています。3年生には「はだしのゲン」は、残酷すぎるのでは、と言う人もいますが。原爆の惨禍を伝えるのに、残酷過ぎるという言葉はありません。そもそも原爆そのものがこのような悲惨な核兵器なのですから。
東京新聞の社説をウェブから転載させていただきます。東京新聞は、へいわノートについては、「はだしのゲン」と「第五福竜丸の記述も削除したということ」など、二度にわたって詳細に記事に書いて下さっていますし、社説にもこうして書いて下さっています。
<社説>はだしのゲン 今こそ読むべき作品だ
2023年2月24日 07時43分
広島市教育委員会が平和教育の小学生向け教材から漫画「はだしのゲン」を削除する方針を決めた。原爆の実相を伝える作品として内外で評価が高く、ロシアが核兵器使用を示唆するなど、核を巡る状況が深刻さを増す今こそ、読み伝えるべきだ。再考を求めたい。
市教委は平和教育のために開発した独自教材として、小学三年生用に「はだしのゲン」の一部場面を使用してきた。
しかし、識者や学校長で組織する会議で内容を検証したところ、ゲンが浪曲のまねごとをして小銭を稼いだり、身重の母親に食べさせようと池のコイを盗むなどの場面に対して「児童の生活実態に合わない」「誤解を与える恐れがある」との意見が出たという。
はだしのゲンを巡っては、松江市教委が二〇一二年、「一部の過激な描写が子供の発達上好ましくない」との判断から学校図書館での閲覧制限を決めたものの、後に撤回したことがある。
その後も保守系の一部団体が、描写内容を問題視し、学校図書館からの撤去を求めていた。こうした運動が広島市教委の決定に影響した可能性はないのか、検証して丁寧に説明することが必要だ。
六歳の時、広島で被爆した作者の中沢啓治さん(一二年死去)は当初、自ら目撃した悲惨な状況を思い出したくないと、自分の体験を隠していたという。
ただ、戦争と原爆の問題が何も解決されていないと考え、被爆の後遺症に苦しんだ母親の死去を機に、二十七歳から原爆をテーマにした漫画の制作に着手した。
代表作であるはだしのゲンは単行本で六百万部を超える。世界十数カ国で翻訳され、原爆の被害を世界に伝えてきた。
広島、長崎への原爆投下から今年で七十八年。ウクライナへの侵攻を続けるロシアが核兵器の使用を示唆するなど核戦争の危険性は増しており、はだしのゲンの作品価値はむしろ高まっている。
原爆が投下された当時と現代では生活実態が異なり、理解しづらい描写があるのは当然だ。悲惨な場面が描かれ、子供には刺激が強いのも事実だが、それこそが原爆の非人道性を表すのではないか。
広島の被爆者団体なども教材からの削除を撤回し、教育現場で取り扱うよう市教委に求めている。作品を排除するのではなく、生かす道こそ考えるべきである。
明日で、このシリーズを終えるつもりでいます。
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