「いやらしいよう」
社会保険の審査委員会から問い合わせがきました。
「症状詳記に関する照会について
保険者からの再審査申出において、別添レセプト(写)について次のとおり疑義が生じましたので、令和5年3月1日までに回答欄に当該患者の症状詳記等を記載の上、返送願います。
患者名 〇〇〇〇 診療年月 令和4年9月
照会事項 3ケ月連月でのクラミジア・トラコマチス核酸検出を必要とされた理由について詳記願います。
(注) 1.回答欄に書ききれない場合は、続紙をご使用願います。
2.期日以内に回答がない場合には、当審査委員会の判断において処理させていただきます。」
ずい分前の事だけど、いやらしいなあ、とため息をついて、でも、即書きました。
「2022.7.〇〇 ①クラミジア・PCRにて(+)
7.〇〇 ジスロマック4錠処方、内服指示
8.〇〇 治癒の確認のため、②クラミジア・PCR施行→(+)
治癒していないと判断
8.〇〇 クラリシッド2錠/2×(14)処方
9.〇〇 治癒の判定のため、③クラミジア・PCR施行→(-)
治癒したと判断。
結果的に3か月連続の検査となりましたが、必要な検査でした。」
この頃、ジスロマックで治癒しない例が約3割もあります。それで治ったか否かの検査は必要なことですし、治っていなければ再度、他の薬剤による治療が必要です。このようなことはこれまでも、今でもありますし、これまでクレームがついたことはありませんでした。
そして、思います。今回のクレームは「保険者から」なのだそうですが、いわゆる組合健保です。大企業の自分たちでの保険組合です。そこの会社の健康保険の担当者が、自分の会社の社員が使った健康保険をチェックする。プライバシーは丸裸です。女性社員のきわめてプライベートな事を、こうして詳しく説明を求めて尋ねてくることに、強い違和感を覚えました。私からのレセプトだけでなく、薬局からのレセプトも出ているはず。薬剤と比べれば、すぐに分かることなのに。審査委員会だって、彼女のすべてを比較すれば分かることでしょうに。もちろん、病名は、最初はクラミジア感染症疑い、陽性となってからは「クラミジア頸管炎」とちゃんとつけています。
社員の性感染症をネチネチと調べて、もっと詳しく調べようとする・・。返答を書いた後、つい、「いやらしいよう」と言ってしまいました。それを聞いてなんですか?と寄って来た従業員もみんな、「いやらしい、いやらしい」と合唱です。彼女が気の毒ではありますが、尋ねられたら、そうして書かないと私の方が査定されてお金が入らないのです。申し訳ないと思いながら、返答を提出しました。
一昨年、沢山花を咲かせて楽しませてくれた赤のハイビスカス、昨年は無事冬を越して、葉は青々と生きていたのですが、全く花は咲いてくれませんでした。それが、今年も寒いのに無事冬越しして、昨日、小さな花芽を見つけました。小さいけれど、うれしくて、ほっこりしました。でも、時々ハイビスカスはつぼみが落ちてしまうことがあります。慎重に、大切に育てようと思います。
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