小学校5年生、6年生への授業・続き
私は今、東京にいます。明日の朝、子宮頸がんの予防ワクチンの研修を受けるために来ました。新幹線の中で、今度沖縄CAPの講演をするためのパワーポイントを作って、それからこのブログを書いていたら、ほぼ出来上がったところで、Wi-Fi切れ、すべてが消えてしまいました・・。新幹線のWi-Fifは30分毎に更新しないといけないのですね。もう、新幹線では原稿は書きません。今はホテルです。
小学校の5年生、6年生にした授業の続きです。授業をいったん終えて、質問があるかな?と言ったら、なんと5年生からも6年生からもいっぱい手が上がったのです。びっくり。ふだん、中学生や高校への講演では、あんまり質問は出ないのです。
一人ずつ発言してもらいました。
受精しなかった卵はどうなるのですか?→それはね。どっか行っちゃってわからなくなりますよ。だって、0.1ミリのだもの。きえてしまってもおかしくないよね。(私、受精しなかった精子はどうなるのかも聞いてほしかったなあ。ま、卵と同じなのだけれど)
どうして生まれる赤ちゃんの大きさは違うのですか?→それはねえ、あなたとお友だちもみんな大きさが違うでしょ?赤ちゃんもおんなじで、みんなみんないろいろと違うのよね。それはすんなりと納得。
双子はどうしてできるのですか?→はい、双子はね、二つのでき方があります。さっき、卵は一つずつ出ると言ったけど、時には二つ飛び出すこともあるのね。そして、それぞれが受精して、それぞれが人になる、これは二卵性の双子と言います。この場合、兄弟と同じだから、性別が違うこともありますよ。それから、一つの受精卵が、細胞が増えていく時に、なにかの拍子に二つに分かれてしまってね、それぞれがまた細胞が増えて人になった場合、これは一卵性の双子と言います。この場合は、遺伝子がおんなじだから、そっくりな双子になります。といいながら、ふと見ると、目の前にそっくりな二人がいましたよ。そっくりだから、一卵性の双胎かと思ったけど、あとで本人から聞きました。二卵性の双子なのですって。
妊娠したら、お酒やたばこはダメですよね。他に、どんなことがいけませんか?→そうね。タバコは、赤ちゃんに行く血流、血の流れがよくなくなって、赤ちゃんが苦しいからね、やめたほうがいいですね。お酒はね、少しくらいなら、大丈夫かも。それから、お母さんが病気になると、赤ちゃんも一緒につらいから。お母さんが熱を出すと、子宮の中も熱が出ているからね、お風呂にずっと浸かっているのとおんなじでしんどくなるよね、だから、お母さんが病気をしないで健康なのが一番。もし、病気になったら、早く治すのが赤ちゃんのためにもなるよね。
どうして障害のある赤ちゃんが生まれるのですか?それはちょっと深刻な質問でしたね。後で校長先生に聞いたのですが、その質問をした子の弟に障害があるのだそうです。→さっき言ったように、卵と精子が受精して人になったよね。卵の中にある染色体と言う、遺伝子のかたまりと、精子の中にある染色体が一緒になって、だから、お母さんとお父さんの遺伝子を半分ずつもらってあなたたちができたんだよね。その受精の時に、ちょっと事故があって、受精卵の染色体がけがをして、障害のある子になったり。染色体は異常なくても、お母さんの子宮の中で、赤ちゃんが病気になったりけがをしたりして、障害になったりすることもあるのね。それからね、生まれた時には、何にも異常がなかったけれど、そのうち、心臓とか内臓のなにかが悪かったということもあるしね。
そしてね、とても大事なことなのだけれど、赤ちゃんを産むっていうのはね、そんな、障害がある子が生まれることがあるかもしれないということを覚悟して産むのよね。もしも、異常や障害のある子はいらない、健康な子だけいるっていう人がいたら、そんな人は赤ちゃんを産んではいけないのよね。みんな、どんな子でも、さあ、私がちゃんと育てるからね、頑張って生まれてきてねって、そんな覚悟をして産んでいってるのよ。そんな話をしました。
そして、びっくりの質問。破水をしたらどうなりますか?って。破水といっても、みんなはわからないだろうから、破水の説明をして、そして→破水をしたら、赤ちゃんは生まれるよ。陣痛が来て、生まれる少し前に破水をするのが普通だけど、先に破水することもあるのよね。でね、もしもうんと早く、まだ赤ちゃんがとても小さいうちに破水をしてしまったら、うまれないように、いろいろと治療をして、長く持たせることもしたりしますよ。
まだまだいろいろな質問が出ました。そして、思いました。情報社会だから、いろんなことが子どもたちの耳に入って来るのだから、だから、本当に性根を入れて、真正面から子どもたちに向き合わなければ、と。こんなことを教えてあげることを、どうぞ、過激な性教育だなんて、言わないでください!!!
それから、当然、いろいろな当事者がいるので、すべてに細かく配慮してお話しすることが必要。話を聞くことで傷つく子がいては絶対にいけません。やっぱり基本は人権ですね。
楽しい時間をありがとうございました。
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