私の友人の岩崎かずみさんが、クラウドファンディング・READYFORを立ち上げて、頑張っています。まだ締め切り12月2日までと、ひと月あまりありますが、目標60万円のうち現在は44万円です。60万円を超えないと、ゼロとなってしまいます。私はドキドキしながら、毎日の達成額を見ています。私も、少しできることをして応援したいと思い、私のブログで皆様に知っていただきたいと思います。
岩崎かずみさんは、野樹かずみという歌人でもあります。そして、歌の友人である蛯名泰洋さんの歌集を出したい、その資金を集めたいのです。
もう少し勝手に紹介しますと、岩崎さんは、つつましく生活しながら、フィリピン・ケソン市郊外のごみの山のふもとにある貧困世帯の子どもたちのフリースクール「パアララン・パンタオ」をずっと支援し続けています。最近のパアララン・パンタオについて、彼女手作りのニュースが届いたばかりです。それについては、これの10月16日の欄を、それからクラウドファンディングについては、毎日のようにたくさん書かれています。
https://www.facebook.com/kazumi.iwasaki.9
その彼女が蛯名さんの歌集を出したいという理由です。
そのうちの本文を少し転載させていただきます。
「去年亡くなった歌人、蝦名泰洋(えびなやすひろ)さんの友人で、歌人の野樹かずみと申します。
私は、1990年頃、蝦名さんとの文通に促されて、短歌に導かれ、1991年の短歌研究新人賞を受賞しました。
その頃青森にいた蝦名さんとの文通は数年間続き、主に、短歌両吟(ふたりでの連歌)をしていました。その後、互いの行方不明で、音信も途絶えたのですが、2010年に東京で再会。去年、蝦名さんが亡くなるまで交流がありました。
亡くなる前に蝦名泰洋さんから短歌の遺稿を預かっており、これを出版したいと思っています。
(出版について、ご遺族の了解をもらっています。文中の写真や画についても、画家、撮影者から使用許可をもらっています。)」
「長い間、行方のわからなかった蝦名泰洋さんとようやく連絡がとれて、2010年に再会できたとき、蝦名さんは東京にいて、私は広島で生活していました。その後、実際に会うことは少なかったのですが、私たちはメールで短歌のやりとりを再開し、交流は亡くなる直前まで続きました。
2020年春頃に蝦名さんは腰痛を言っていましたが、秋になり、その痛みが、尿管癌の転移によるものと判明しました。コロナ禍でお見舞いもかないませんでしたが、深刻な状態とわかりました。
最初の治療を終えてアパートに戻ったという蝦名さんに、「歌集を出しましょう」とメールしました。あまり時間がないかもしれない蝦名さんに、最後に何をして欲しいかを考えたら、やはり歌を残してほしいと思いました。すると蝦名さんは、「まず、両吟集を出したい」と言いました。「個人歌集はそのあと」。
蝦名泰洋さんは2冊の歌集の構想をもっていました。
一冊は、蝦名さんと野樹が、1992年から途中の長い中断をはさんで、ずっと続けてきた短歌両吟の本を出すこと。両吟歌集『クアドラプル プレイ』は、歌人の加藤治郎さん、書肆侃侃房の田島安江さんのお力添えで、出版がかない、蝦名さんがまだ生きている間に、初稿を見てもらうことができました。
http://www.kankanbou.com/books/tanka/sonota/0479
もう一冊が、蝦名さんの個人歌集です。2021年の冬から夏にかけて、蝦名さんは末期癌の痛みと闘いながら、『イーハトーブ喪失』以降の、ほぼ未発表のままの歌を、推敲して、纏めなおしてくれました。
一首ずつ、または数首まとめて、病床の蝦名さんのケータイからメールで歌が届きました。それを整理して、メールで送り返して、確認してもらうという作業を続けました。遺稿の「ニューヨークの唇」180首は、そのようにして出来上がりました。
最後の1か月を緩和ケアのある病院に入院していた蝦名さんと、最後の日々のメールは、もっぱら歌集のことでした。タイトルのことや、あとがきのかわりの昔の書簡のことなど。それらのやりとりを終えたあと、もうメールしない、というメールがきて、その4日後に、亡くなったと聞きました。」
岩崎さんの文章の中には、蛯名さんの歌がいくつも出てきます。それは、寂しくてでも暖かくて、なんとも胸を打つ歌たちです。本文を読んでみてくださいませ。中の二首だけ。
かたくなにほほえんでいる降りてきて泣いていいよとだれか言うまで
落ちている海かと思うあおむけの君がまぶたをひらいた瞳
蛯名さんと岩崎(野樹かずみ)さんが共同で出した両吟歌集です。
その蛯名さんの遺稿を歌集として出版したいという岩崎かずみさんの思いを何とかかなえたいと思います。皆様、どうぞよろしくお願いします。
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