シリーズ「統一教会」⑪
性教協の全国夏期セミナーが済んで、ちょっとホッとしています。今日は、クリニックへの郵便物の整理をしました。しばらく忙しくてそのままにしていた未開封のものがどっさり。多くは行政からのものですが、医師同士の紹介状やその返事などもあります。一つずつ開封して読んでいくと、ああっと思うものがあります。昨年10月に大学病院に紹介した方が亡くなったという報告もありました。改めてカルテを引っ張り出して、検証します。その方が20年ぶりに来られてすぐにMRIをお願いし、翌日その結果が出ると直ぐに紹介した方ですので、これ以上早くすることはできなかったのですが、でも、せめて途中で検診に来て下さっていたら・・とか。どうしても悔やんでしまいます。養子縁組をする予定だったのが、直前に事情が代わって、取りやめにした女性が無事赤ちゃんを出産したというドクターからの報せも。すでに本人からはラインもらっていたのですが、改めて赤ちゃんの体重等を知らせて頂いて、実感がわきました。出さなければならないハガキも書いたりブリントしたりして、投函。まあこれだけで忙しくて。事情があってパートの事務の方がちょっと休んでいるので、何もかも自分でせねばならなくて。結局郵便物は全部の開封が出来ませんでした。あすも続いて開封、処理をします。
ということで、きょうもシリーズを続けますね。2014年1月9日に書いたブログです。
性教育バッシング⑦「性的接触」
「性交」や「セックス」も使用禁止。思春期の生徒を刺激するからの理由です。まるて゜言葉がりなのですが、でも、巷には、ネットをはじめとして、情報が溢れ返っています。それも、性を単なる遊びや娯楽として描かれるものがほとんどです。性には、当然妊娠や性感染症が伴うものであるということは、すっ飛ばされています。
それらの情報にどっぷりつかっている若者たちに真正面から情報を伝えたい、それらを知ることによって、賢くなってほしい、賢く行動を選択してほしい、そんな思いで性教育に取り組んできました。
でも、それらの言葉を使わないようにすれば、若者たちは刺激されなくってすむと思う人たちは、浅はかだと思います。隠せるものではないし、隠せばそれで若者たちが賢くなるかと言えば、そんなものではないのです。
先日も言った、私たち、性教育に取り組んで来た産婦人科医の集まりは、年に何回か集まり、情報を共有し、合同の調査や発表をし、そしてまた全国に散らばっていきます。
ある日、その会で若い男性のドクターが「みなさん、一枚スライドを見て下さい。私の小学一年生の娘が読んでいた雑誌です。」雑誌を見開きにして、デジカメで撮ってスライドにしてきていました。それには、
「小学校卒業までにくわえたおちんちんが10本」との見出しがつけられていました。さすが、それを見て私たちもうなりました。そこは東京だったのですが、参加している人から
「おい、今からそれを持って国会に行け。国会で山谷えりこ氏に見てもらえ」
との声が上がりました。
小学生から、「おちんちんってなめるものなの?」という質問が出て、びっくりしたという話も聞きました。
そんな情報社会だからこそなのですが。
「性交」や「セックス」や「エッチ」という言葉は使用禁止、代りに「性的接触」という言葉に置き換えられました。
「性的接触」と言えば、キスだってそうですし、それでは、「普通のキスではうつりません」というHIVなどの感染とその予防が正しく伝えられません。問題は、言葉を使わないようにすれば、それで若者たちの行動が正しくなるであろうという、そんな思い込みなのです。「性交」も「セックス」も医学用語なのですがね。
性教育を、「セックス教育」「セックスを勧める教育」と、意図的に捻じ曲げた人たちや教育委員会から、ここでは、挙げませんでしたが、まだまだ数々の嫌がらせを受けながら、それでもめげないで性教育に取り組む仲間たちがいます。
私は、「自由に言葉を使ってもいい」所に講演に行っています。講演を聞いてもらえば、その言葉を正しく使うことがなぜ必要なのか分かって頂けますし、リピートして戴いています。
でも、中学生に「避妊」を教えてはいけないことになっていますので、それは仕方がありません。してはいけないことを話して、攻撃されたなら、そしてこれ以上講演ができなくなったら、その方が損失だから。だから、工夫をします。
私は、すべての若者が避妊をちゃんと学んで社会人になってほしいと思っています。すべての若者がと言うからには、だから義務教育の段階でと。多くのカップルが子どもを沢山産まなくなった今、避妊はとても大切なことです。今のように、高校だと、高校に行かない人、中退する人は、こんな大切なことを何も学ばないままに社会に出、性を実行するようになってしまいます。知らないまま実行することの悲しさを私はいやというほど見てきています。
もう何度も言っているように、中学生の妊娠の相手の男性は、中学生か社会人。高校生の妊娠の相手の男性は、高校生か社会人なのですね。
これらの私のクリニックでのデータを見ると、学生の間はセックスをしないようにとだけ教えておけばよいというのが間違いだと分かって戴けるでしょうか。社会に出れば、もう誰も教えてくれないのですから。自力で情報を得ようとすると、雑誌やAVからになってしまうのです。だからこそ、学生の間にしっかり伝えておきたい、そう思います。
次回、中学生へどう工夫して避妊を教えるか、それをお話しして、そろそろこのシリーズもお終いにしますね。
転載以上です。また明日も続けますね。
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