シリーズ「統一教会」⑤
シリーズ「統一教会」を再開します。今回は、2014年1月3日からの「シリーズ性教育バッシング」を再掲するものです
2013年11月28日、最高裁第1小法廷は、都立七生養護学校で行われていた性教育(こころとからだの学習)に、都教委、都議3人、産経新聞社が介入した事件に対し、上告を棄却するとの決定をしました。これで、2005年に提訴された裁判も、原告の勝訴が確定しました。
提訴した先生方や保護者の方々、本当にお疲れさまでした。長い長い闘いでしたね。
この結果に、かげながら拍手をした人たちも多かったことでしょう。それは、性教育バッシングの嵐に必死で対抗してきた、多くの性教育にかかわって来た人たち共通の思いでもあったことでしょう。
都立七生養護学校は、日野市にある小・中・高等部を持つ知的障がい児の学校です。生徒の半数は、隣接する七生福祉園から通ってきます。生徒の中には親の顔を知らない、幼児期から虐待を受けてきたなどの子も多く、また集団生活ということで、性的な行動に発展してしまうことも多くありました。 障がいを持つ人にたいしての性教育は、その必要性が認められているにもかかわらず、なかなか実践されません。難しいと足踏みする状態が続いていました。このような事態をなんとか打開したいとはじまったのが、「こころとからだの学習」でした。
その学習は、教師や保護者も共に、丁寧に子どもたちと向き合いながら、実践されたことです。そのために、多くの教材が集められ、また、手作りされました。
ある日、突然に都議が産経新聞社の記者を伴い学校に乗り込んで来て、多くの教材が没収されました。
そして、都教委は校長を平の教師に格下げし、多くの教師を処分し、他校に転校させました。まさに戦前の大弾圧ともいえる状況が展開されたのです。
それまで校長会などで大絶賛されていた「からだうた」の禁止、「家族人形」の使用禁止、性教育の禁止、これらは他校にも及びました。
「からだうた」は、知的障がいのある子どもたちに、身体のつながりや名称を意識させたい歌遊びです。都議会では、この歌が「とても人前で読むことがはばかられるもので・・・きわめて不適切な教材でございます」と当時の教育長は答弁しました。
そのからだうたはつぎのようなものです。
「あたま、あたま、あたまのしたには首があって肩がある、肩から腕、ひじ、また腕、手首があって手があるよ(右と左をくり返す)胸にオッパイ、おなかにおへそ、おなかの下がワギナ・ペニスだよ、背中はみえない、背中はひろい、腰があって、お尻だよ、ふともも、ひざ、すね、足首、かかと、足のうら、つまさき(右と左をくり返す)おしまい」
この歌詞に、子どもたちにとって受け入れやすいメロディと、子どもたちの感覚に合わせたリズムを大切にして作られました。
知的障がいの重い子どもたちに「からだ」を教えるこの歌が、なぜわいせつとされたのでしょう。
次回、まるでアダルトショップのようとされた「家族人形」についても述べます。
なお、このシリーズは、
2003年12月に緊急出版されたこの本から多くを引用して書きます。この本は、編著「浅井春夫・北村邦夫・橋本紀子・村瀬幸浩」、この4人の方も含めて、計22人(私も一部書いています)の人が分担して書いています。今も続く性教育バッシングがよく分かる本です。
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