« 内蜜出産について② | トップページ | 内密出産について③ »

河口和也先生の講演「性の多様性の認められる社会に向けて」

今日は午前中は性教協広島サークルの役員会と総会。午後は性教協と「広島市差別のない人権尊重のまちづくり条例」制定を求めるネットワークの共同主催での河口和也先生の講演会でした。リアルとズームのハイブリッドでの講演です。

 性教協の会議は今年の夏の全国セミナーの打ち合わせです。7月30・31日の二日間に渡っての国際会議場での全国大会です。もう参加の募集が始まっていて、出足好調。もう少ししたら、皆様にもここで全容をお知らせしますね。本当に久しぶりに多くの皆さんとお会い出来ればうれしいです。

 午後の河口先生の講演。「性の多様性の認められる社会に向けて」は、改めて数々のことを教えて頂きました。河口先生には先述の性教協全国セミナーでも、二日目のランチョンセミナーで語って頂きます。そのテーマは「性の多様性を巡る日本社会の変化とこれからの課題」です。ずっと渦中に身を置かれた先生のこれまでの歴史を含めて語って頂けることとても楽しみなのです。

2_20220605220101 1_20220605220101

 今日のお話では、「性的マイノリティーが直面する孤立の問題」も丁寧にお話し下さいました。孤立には、①感情的孤立、②社会的孤立、③認識的孤立、さらに家族の孤立もあると。

①感情的孤立とは、家族や友人等の社会的関係から切り離されているという感覚⇒自分のセクシャリティやジェンダーを受容してもらえないのではないかという不安⇒家族や友人の間でのコミュニケーションの不足

②社会的孤立とは、性的マイノリティどうしが出会うことが困難である。
1.実際に出会いの場が物理的に少ない。
2.自分のセクシュアリティやジェンダーを否定的にとらえていることで、他の性的マイノリティとの出会いを避けようとする。
3.出会っても自分の情報を伝えることが難しい。

⇒性的マイノリティが社会的なつながりを持つことが難しくなる。
⇒「コミュニティ」形成の困難

③認識的孤立とは、性的マイノリティがセクシュアリティやジェンダーに関する情報を得ることが難しい。
情報における「正確さ」や「偏見」
・否定的な情報に傷つく
・間違った情報を鵜呑みにしてしまう。
・出会いでの交流に傷つく

そして家族の孤立について。

孤立するのは当事者だけではありません。
カミングアウトを受けた家族も孤立します。
特に家族内で知っている人と知らない人がいる場合には、家族問題に発展する可能性もあります。

私はこれらをしっかり胸に置いて明日からの患者さんに対応しようと思いました。ご家族にも。

広島市のバトナ―シップ専制制度についても詳しくお話し下さいました。性的マイノリティのカップルが直面する問題としては・相続・医療福祉・在留・福利厚生・親権・税制・住宅。

そのうえで、SUUMO(リクルート住まいカンパニーが行った不動産オーナーの「LGBT」に関する意識調査の結果も。

パートナーシップの意義、それにより出来ること、等お話下さいましたが、それが同性婚に繋がるかと言われれば否定的であるとも。同性婚については、札幌初め全国各地で裁判が行われています。この中の札幌地裁での判決で、(他はまだ判決が出ていません)同性婚が受理されないことは憲法に違反するという画期的な判決が出ています。

そして、最後に「府中青年の家同性愛者差別事件裁判」について。日本で初めて同性愛を争点としての裁判です。1990年2月に同性愛団体アカ―が府中市青年の家で宿泊合宿をしようとした際、利用が拒絶されたことについての裁判です。91年2月に提訴。94年3月30日地裁の判決、97年9月に高裁判決。いずれも、勝訴でした。

 その裁判を通して得られたこと。これが素晴らしく画期的なのですね。

行政の役割 ですが、「都教育委員会を含む行政当局としては、少数者である同性愛者を視野に入れたきめ細かな配慮が必要であり、同性愛者の権利・利益を十分に擁護することが要請されているのであって、無関心であったり、知識がないということは許されない。このことは、現在はもちろん、平成二年も同様である」(第二審判決部兼より抜粋)

様々なことに、例えば私がかかわっている特別養子縁組についての手続き等、これがそのまま当てはまりそうに思います。

孤立の問題、これも養子縁組や孤立出産にそのまま当てはまります。又内密出産についてはぼつぼつお話しますね。

 

 

『河野美代子からだの相談室』
ここをクリックすると私の体の相談室と著書の販売があります。
ぜひ覗いてみて下さい。

 

広島ブログに参加しています。このバナーをクリックすると、
私のポイントになります。ご協力よろしくお願いします。

広島ブログ

|

« 内蜜出産について② | トップページ | 内密出産について③ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 内蜜出産について② | トップページ | 内密出産について③ »