特別養子縁組の講演への大学生の感想文
先日の日曜日、ZOOMで講演したのですが。パワーポイントもしっかり作って。講演用と配布資料と二種類。配布用には、本番用から写真を全て抜いて、個人情報もぜーんぶ削除して、ただ、資料になるように統計や社会状況など、特に性教育に関する部分はわかってもらうためにしっかり入れて作ったのです。
指示された時間みっちり話しました。のつもりです。一人クリニックの部屋で、パソコンの画面に向けてただただしゃべ続ける・・。聞いている人の反応もなんにもわからないままに。
これはかなり異質です。むなしいし。そして、話し終えて、ディスカッションというか、質問に答えて。二時間すべて終えて。スタッフの方たちといろいろと雑談して、終わりました。
ところが、終えてみると、さっぱり覚えていないのです。あれっ、あれは話したかな?いや話し忘れた。でも、スライドは作っているし・・。飛ばしたのかな?そんな思いに襲われたのです。あれもこれも。
実は、私のコーディネートで養子縁組をした養親さんも参加されていたのですね。その方から、お疲れ様でしたというようなラインがきたので、聞きました。「私がすごく怒ったという話、した?」「しましたよ。ちゃんと聞きました。」」「私たちはよく教育された人間だから」といったアメリカ人の話は?」「それも聞きましたよ。」
やっぱりちゃんと話しているんだと分かりましたが。気持ち悪くて。話したことを忘れているのです。やっぱりリアルに聴いている人の顔を見ながら、反応を知りながら話さないと。又は、会話形式だったら何とかなるかもしれませんが。
次の日、スタッフのお一人からメールが来ました。次のように。
「昨日は素晴らしいご講義をありがとうございました。
近所の大学一年生(保育科)の女子にぜひ聞いてもらいたいと思って参加してもらったところ、受講してとても喜んで感想をくれましたのでお伝えいたします。
先生のお話しは、たくさんの若者や子どもたちに必要です。
若者や子どもは物事の本質がよくわかるものだと思います。
これからも素晴らしいご講演やご活動を続けていってくださるようにお願いいたします。」
そして、大学生の感想文が添付されていました。それを公開してもいいかと尋ね、喜んでO.K.して下さったので、ここにアップさせていただきますね。とてもうれしくて。話した事を忘れているという恐怖の体験から、立ち直らせてもらいましたので。読んでみて下さいませ。
河野先生が電子カルテがない頃から統計を取り続けていたことから偉大な先生なんだと感じました。性教育を2003年のバッシング以来あまり表向きにできなくなってしまったが社会人(男)の妊娠率が高いのに、それを義務教育で伝えず、いつ伝えるのか、社会人になってからじゃ誰も教えてくれないとおしゃっていましたが本当にその通りだと思いました。若者の妊娠が命の危険であることや、性的自己決定の話でも男性が2人きりでご飯に行っただけで同意だと思っている人もいることに恐怖感を感じ、自分の身をしっかり守りたいと思いました、そして自分だけではなく今回の話を周りに共有できたら嬉しいと思いました。
特別養子縁組の話では、血の繋がってない子どもに、五歳とき血の繋がりがないことを告げ、嘘をつかないという約束の元やっていることでも、男性が逃げてしまった理由だけは言えなかったと言う話には、とても悲しくなりましたし、その男性への怒りが込み上げてきました。私はその様な子どもたちへの支援をできるようにこの先勉強していきたいと強く思いました。
また養子縁組の子どもが脳出血を起こしてしまった話も、アメリカにいるお母さんから「障がいの子どもにこそ両親が必要」と言われ、養子縁組の両親に育てられ結果病気も完治し、元気に過ごしていると聞き、大学の授業で習った両親の愛がないと子どもが死にやすくなってしまう実験(ハーローの代理母による実験etc)の実体験を聞けて学びになりました。
貴重な講義に誘ってくださりありがとうございました!少し話は難しかったですが、私が大学で勉強していて繋げられるとこは繋げて吸収していきたいと思います!
この中に出て来る「性的自己決定の話の男性が二人っきりでご飯に行っただけで同意だと思っている」というのは、このスライドで話したことです。
ついでに、こんなスライドも使いました。
韓国は、少し前まで日本と同じ性交同意年齢が13歳だったのです。でも、2020年に国会で決議されてさっさと16歳に引き上げられたのです。
すなわち、「改正された法律が施行されると、16歳未満の未成年者と性的な関係を持った場合、相手側の同意があったかどうかに関係なく処罰を受けることになる。」のです。日本が多くの女性たちが声上げて、年齢の引き上げ言ってもなかなか変わらず、国会でもたもたしている内に、韓国の方が先に行ってしまいました。
まだまだいろいなスライドを使ったのですが、それは、このような背景のなかで、孤立出産や育てられない出産するをする女性が生まれているということを知ってほしいということ言いたかったのです。
以上です。感想を寄せて下さった大学生に深く感謝します。
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