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北九州産婦人科医会学術講演会に参加しました。

私は今岩国のホテルにいます。明日の午前中、ここで講演することになっています。午前中だし、もしも雪で交通マヒなどがあったらと心配なので、夜の内にここに来ました。途中、山の中で雪が結構降ったりしましたが、無事に着いています。これで安心です。

 昨日、診療後にウェブで講義を聴きました。これです。北九州の学会でのお話を広島にいるままで聞くことができるというのは、本当にコロナのおかげと言っていいでしょうね。

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これの特別講演がとても興味深く楽しく聞くことができましたので、ちょっとそのお話を。演者は九州大学の准教授矢幡秀昭先生です。特にがんの患者さんへの手術のお話です。矢幡先生は、開腹手術から腹腔鏡の手術はしないままにダビンチ、いわゆるロボット手術に取り組まれたのだそうです。

 その上で、一年間の時間を頂いて、何とタイ、バンコクに留学されたのだと。アメリカでもヨーロッパでもなく、タイですよ。どうして?と思ったら、これがものすごい病院でした。シリラート病院。広大な敷地に沢山のビルが建っている全3000症の病院で、そのうちの15階建てのビルが丸ごと産婦人科で計800床。手術室は産婦人科専用で8室。うち2室が腹腔鏡専用なのだと。そこで毎日毎日たくさんの手術が行われているのだと。そこで先生は朝一時間腹腔鏡の練習をして、その後午前午後ずっと手術をして、終わるとまた一時間腹腔鏡の練習をして帰宅と。結局一日で2~3例、週で10~15例、月に40~60例、年間で400例近くの腹腔鏡手術を経験できたそうです。これだけ経験されればそれは力がついて、それは充実した留学生活だったことでしょう。

この話の合間に、「私の朝ごはん」「私の昼ご飯」」「私の晩ご飯」といろいろな食事が出てきて、これがとても安くておいしそうなタイ料理で、さらに屋台や市場の写真など、私の楽しくおいしかったバンコクへの旅を想い出して、胸がキュンキュンしました。

九大に戻られてからの、手術のお話。開腹、腹腔鏡、そしてダビンチと。沢山の手術をされたその成績を示されました。ステージ、手術時間などの他に、大切なのは再発症例の検討ということでした。再発した患者さんの手術のビデオを見てこの手術の何がいけなかったのかの分析もすると。それは素晴らしいことです!!

 そして、おっしゃいました。

「患者さんに低侵襲治療を提案することは重要であるが、再発させては意味がなく、各症例に応じてもっとも適切な治療法を選択することが第一であり、低侵襲治療はその次に考えるべきことである。」

 うわあ、このドクターは信頼できる!!と思いましたね。私もこのように謙虚にならなくては、と心からそう思いました。私はもうこんな手術はするべくもないのですが、患者さんに情報提供できる立場で、いろいろな素晴らしい術者のお話を聴くことは大切なことと、とても勉強になりました。

 明日の私の講演も、謙虚に、そして参加者の皆さんにとって有意義なお話をするように心がけましょう。

 

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