厚労省の研修、抗議文を出しました。②
昨日の、厚生労働省に抗議文を提出したというブログに、フェイスブックでは沢山のいいねやコメントを頂いてありがとうございました。まだ半部ですが、皆様に支援されて、勇気が出てきました。二か所に送付した後も、まだ少し怖い思いを持っていましたが・・。抗議文の残りをアップしますね。読んでいただけると幸いです。
今、世界の中で悪名高い日本の性犯罪についての刑法が、やっと少しずつ変わりつつあります。変わらない部分で今も論議されているのですが、「暴行もしくは脅迫を用いてなされたもの、すなわち被害者がどこまで抵抗したか」が加害者が罪に問われるか否かの条件とされています。それでさえも、年齢的な要因で性的同意年齢は13歳とされています。すなわち「13才未満」は抵抗の有無は問われません。12歳以下の者を相手にすれば、彼女がどんな態度あっても、無条件に犯罪とされます。ましてや、彼女は6歳です。
それから、この度2017年に変わった刑法では、監護者わいせつ・監護者性交等の罪が新設されました。保護者などの監護者が18才までの監護される者を相手とした場合には、暴行・脅迫要件がなくとも、無条件に罪が問われるようになりました。
このように、6歳の彼女は、父親により許せない性的虐待を受けた痛ましい被害者です。
しかも、その後の講師の話があまりにいやらしいのです。
まだ幼い子どもが、母親がいなくなっている今、たった一人の保護者である父親を慕い、ともに暮らしたいと望むのは当たり前の心理でもあります。たとえ、保護者に虐待されていても、その保護者を慕わざるを得ない悲しい子どもの心理をご存じありませんか。
その父親を慕う6歳の少女を「一人の男として好きという感覚を持っているように感じました。」とは、講師は何という感性を持っているのでしょうか。
グルーミングや繰り返される性虐待に遭った子が、心が麻痺したり、歪んだり、やがて心が壊れて行ったりする中で、又時に性化行動をとることもあります。それも含めて加害者の責任であります。どんな思いで6歳の少女が父親を慕うのか、その理由を端からあれこれ言うことではありません。彼女の問題ではなく、そのような思いにさせる父親の行為が許せないことなのです。
まだ、性の意味がよく分からない内から被害に遭い、やがて成長してその意味が分かった時に、どんなにつらい思いをするか、現在も数々の裁判が進行しています。時が経ってやっとの思いで実父を訴えた彼女たちの心情を考えた時、こんなあたかも興味本位のような言い方で講義をする講師の良識を疑います。
さらに。なぜこのような事例が、この特別養子縁組の研修に出されるのでしょうか。その意図する物は何なのでしょうか。彼女が18か19か20歳か、養護施設を退所したのがいつなのか、はっきり言えていません。講師がどのような立場で彼女と向き合ってきたか、それさえ疑わしくなる言い方です。最後にちょろっと「養子縁組などができていればまた別の人生があったのではないかな」と無理やり養子縁組と結びつけようとしていますが、この事例を、特別養子縁組のあっせん事業者の研修で取り上げるのに、何をおっしゃりたいのか、何の意図を持って提示されたのか、さっぱり分かりません。
さらにさらに、「養子縁組などができていればまた別の人生があったのではないか」とも言われています。彼女が養護施設で暮らした人生がどう問題であったのか、それを出して頂かないと、いま現在養護施設で子どもたちと向き合っている方々、そこで暮らしている子どもたちへもとても失礼なことになります。私には、18か19か20歳までなのか分かりませんが、少なくとも、虐待男と離れた安全な場で彼女が過ごすことができたことはホッとすることでもあります。
これらのことを考えた時、この度の講師の講義は、あまりに不適切であります。講師がどのような研究をなされ、実績があるのか、全く私には分かりません。この講師の講義を何の目的を持って組まれたのでしょうか。又、こうして講義がほぼ終了する今まで、これを聴かれた厚生労働省の方たち、山田コンサルティングの方たちは不適切であると捉えられなかったのでしょうか。厚生労働省の研修として、何も気づかれずに、こんな講義をスルーされていたとすると、皆さんの感性や問題意識のなさに愕然といたします。
初めに言ったように、この6歳の少女の事例だけでなく、講師の講義は、全体として全く意味のない、「勉強になった」「聞いてよかった」と思わせるところのない、無駄な講義であったと言わざるを得ないと、申し添えておきます。
なお、この私の抗議文は、厚労省、山田コンサルティング宛てだけでなく、他のあっせん事業者や一般の方たちにも知って頂くべく、公開させていただきます。
両者の方からのご回答をお待ちいたします。
2022年2月5日
(医)河野産婦人科クリニック 河野美代子
ベランダで暗くして冷たい外気に当て続けていたヒヤシンスを室内に入れました。ふるさと納税で戴いたヒヤシンスの水栽培セットです。赤と紫とピンクです。大分茎が出て来たのでもう暖かい所の方がいいでしょう。日が当たる所にしたいので、ベランダのそばに置きました。花が咲くのがすっごく楽しみです。
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