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中三同士の妊娠・中学校校長会の機関誌から③

20年前の中学校長会の機関誌から。続きます。今日で終わります。

 では、それぞれの避妊法と妊娠率はどうであるか、図2に示す。性は本来生殖行為。たった一回だって妊娠する物であるとしっかりと教えるべきである。

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(4) 若い女性の妊娠は、結果的には人工中絶となりがちであるが、「産みたい」と言い張る方が圧倒的である。子どもを産み育てるということは、決してファンタジーの世界ではなく、経済的なことも含めて、厳しい現実であるということをわからせなければならない。また、人工中絶は殺人であると脅す教育は決してしないでいただきたい。産んでも育てられない妊娠してしまった女性のやむを得ずの救済策であると捉えている。

(5) 体を教えるべき。男性も女性も男性のからだと女性のからだ双方をきちんと知る、これがすべての基本である。彼女、彼らは驚くほど体を知らない。体の大切さ、命の尊厳、その神秘性など、体を知らなければ理解できないことである。

(6) いつの時点で教えるか?今は中学生であっても、いつかはみんな性実行するようになる。その時のためにも、義務教育の段階で、避妊や性感染症の予防まで含めた教育をぜひ行っていただきたい。高校で、となると、高校に行かない子、中退する子はきちんと学ばないまま、性を実行するようになる。知らないまま実行することの悲しさを、当方は嫌というほど見てきているから。

 転載は以上です。前半の、中絶を決意するに至った事情については省きましたが、彼女が産みたいと言い、彼の側が中絶をという、よくあることではあります。私はこの二人のことをしっかりと覚えています。彼女は成績がとてもよく、教師になりたいという希望を持っていました。あれから二十年。彼女は無事教師になったでしょうか。きっと、もうすっかりベテランの熱心な教師でしょうね。つらい経験を乗り越えてこその。

 今日は、「からだ・私たち自身」出版から30年あまり、「私のからだは『私たち自身』のものになったか―ー30年後の検証」のイベントがありました。やっと無事終えました。ちょっとストレスになっていたので、今、ホッとしています。

 あの本の出版に関わった私たちと、若い人達とのディスカッション。私はスライドを準備しました。性教育バッシングの二つの動画も見て頂きました。昔、「優生保護法から経済的条項が削除されようとしたとき」の、あの危機感を持ってその反対運動をしたことなども少し話が出来ました。私、政治をちゃんと見るようにと言いましたが、でも、やはり話し不足です。政治を見るということは、人権感覚を研ぎ澄まして。例えば、伊藤詩織さんへの何か支援の行動をしたか、子どもの甲状腺がんの発症も含めて、福島の原発被害者についてはどうなのか、核兵器禁止条約をどう思う?などなども含めて、広く政治を見てほしいと思うのです。「体・私たち自身」の監修をして下さった藤枝澪子先生は、女性学やジェンダーの研修者でしたが、同時にべ兵連の活動家でもあり、反戦脱走米兵の援助の活動もなさっていました。世界を広く見てこその性教育であり、ジェンダーへの視点をしっかり持つことができると、そう思います。そんなこと全然話せなかったので。



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