中学生の質問・ブラックジャックと先端医療
今日の日曜日は、エイズ日曜検査の当番です。この頃コロナに隠れて、すっかり報道されなくなったHIVですが、今も日曜検査は続いています。15分に一人ずつ、検査に来た人同士が顔合わさないでいいように、配慮しています。少量の血液を採った後、15分も待って頂けば結果が出ます。陰性が確認できなかった場合は、また改めて結果を聞きにきていただくようになります。
HIVの感染者は段々減ってきてはいますが、広島県では、エイズ患者も含めて判明した人、2019年は15人、2020年は12人。今年は7月までで4人です。死に至る病としてずいぶん怖がられた感染症ですが、今では治療薬が出来ていますので、早くに見つければこれまで通りの生活が出来ますし、天寿を全うできます。ですので、不安のある方は、早く検査受けて下さいね。日曜検査、もちろん無料で匿名で受けられます。
さて、18日木曜日、広島なぎさ中学・高等学校の中学三年生に話しに行きました。みんなの目がまっすぐに私に向かって、よく聞いてくれました。
同校では、9月には高2生に話ました。今回中3で、来週は高1に話しに行きます。こうしてすべての生徒に聴く機会を与えて下さるのはとてもありがたいことです。将来、素敵な人生が送れる少しでもお役に立てればと思います。
ところで、話が終わって先生から「質疑応答を」と言われもちろんと心よくお受けしました。本当はどこの学校でも、あまり質問はでないものなのですが。大ぜいの前で質問するのは、戸惑いがあるのでしょう。でも、今回は一人の男子生徒が質問してくれました。
「僕は、まんがブラックジャックにはまっています。」と。「それで、先端医療に興味があるのですが、とても高価だとありました。どれくらい高いものなのでしょうか」と。
こういう骨のある質問が出るのは、いいですねえ。先端医療、とても高額で健康保険がきかないけれど、それで治療することは厚労省が認めているもの。私は、兄の例を出しました。進行がんでひどい腫瘍マーカーだったけれど、例のノーベル賞貰われた本庶先生が開発されたオプジーボ使ったら、どんどんマーカーが下がって副作用もなくって、効くねえと、本人も私達も大喜びだったこと。オプジーボはとても高価だったけれど、段々値が下がり、保険適用も広くなって、使いやすくなったこと。高価でも、保険適応で、今のシステムでは高額医療の救済制度があって、月に医療費が8万円以内ですむようになったこと。高額の先端医療でも、保険収載されれば、こうしてだれもが使いやすくなること。
ただ、まだ保険収載されなければ、とても高価で、何百万円も、それも何回も受けるとなると、一千万二千万とかかることにもなると。
そんな話をしました。今先端医療にもお金が出る民間の医療保険があること言い忘れました。
そして、「医者になる?」と尋ねたら、ちょっと戸惑って、「うーん、はい、頑張りたいと思います」と彼が言ったので、「頑張って!!」と話しました。
そして、家に帰ってから。うん?と思ったのです。ブラックジャック、手塚治虫さんだから、彼が亡くなって久しいし、そのころには先端医療は何があったのだろう、ブラックジャックには、何の先端医療が描かれたのだろうと疑問に思ったのです。調べる内に、こんなことが分かりました。手塚治虫さんが亡くなったのは、1989年、いまから30年も前です。
手塚治虫生誕90周年の2019年「小説ブラックジャック」が出版されていること。ブラックジャックが今の時代だったら、ロボット手術やAIやIPS細胞などの先端医療をどう使っていただろうかというそれが描かれているのだと。私、知りませんでした。
私に質問してくれた中3の彼は読んだのだろうと思いました。そして、もう一度彼と話がしたいなあと思いました。
こんな出会いがあるから、中学生や高校生に話しに行くのは楽しいのですね。
それではいまからに日曜検査に行きます。
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