「クアドラプル プレイ」
今朝のこと。胸が痛くて目が覚めました。痛い痛い、ああまただ。目の上を押さえたり、起き上がってニトロを飲もうか、水だけ飲んでみようか、その前に。手っ取り早く、夫の枕元に会ったコーラ飲みました。そしたらアラ不思議、あんなに痛かったのが、そのうち治まりました。へえコーラで収まったわ。やれ幸いで。でも、一旦目が覚めると、もう寝られません。時計を見ると三時半。早すぎるう。起きるわけにいかないけれど。じっと目つむるのも苦痛だし。で、机の上に置いている本を取り出して、電気をつけて。
本は、これです。「クアドラプル プレイ」。野樹かずみさんと蝦名泰洋さんの両吟というのだそうです。お二人が作った短歌が行ったり来たりするの。ものすごく美しい本。一体、装丁はどなたなのでしょう。すごい。

中身はもっとすごい。読んでるとつらくて悲しくて何度も涙です。でも、時にくすっとすることも。この二人は愛し合ってる。いえ、そんなげすなことを言ってはいけませんね。遠く離れて、実際会ったのは、2、3回? でも、お互いの孤独を感じ合ってて、それを慰めるでもなく、認めるわけでもなく。短歌を交わし合って。でも、それでも孤独が続くの?うらやましいような悲しい関係です。
野樹さんの後書きにあります。どのようにして知り合い、両吟が続いてきたか。お二人は「友だち」なのだそうです。両吟は1992年から2020年まで続き、この本には2014年11月から2016年6月までと、その後も少しだけのが収録されています。
2015年の野樹さんの歌
「青でできているとおもう空や海のように半分くらいはわたしも」
NHKの連続ドラマの「半分、青い」の脚本家はきっと彼女のこの詩に触れているのでしょうね。
「月の骨がしいんと白い 朝はいつもだれかが死んだあとにくる朝」
「目の前のひとりがはてしもなく遠く 愛したものは距離かもしれない」
蝦名さんの歌。好きなのは、表紙にもなっている
「背景の夜空がふいに明るんで君の笑顔にかわる流星」
私がさっきクスッとすると書いたのはこの両吟です。
「私なの?私が猫のような背を見せて彼に告白するの?そ。」泰洋
「そう、猫もぼくらも愛のため百万回も死んでもいいと祈ったの、ら。」かずみ
そして、涙はやっぱりこれです。
「また生まれまた会うならばブランコで緯度と経度のない公園の」泰洋
この本を作る過程で、出来上がる直前に蝦名泰洋さんはがんで亡くなってしまったのですね。かずみさんの胸中を想うと・・。
全く歌を作るなどの才能のない私ですが、でも、かつてかずみさんに頂いた本、「もうひとりのわたしがどこかとおくにいていまこの月をみているとおもう」このタイトルだけでもう参ってしまいました。
才能あふれる彼女は、フィリピンのごみの山の学校の支援をし、朝鮮学校の子どもたちも支援し、それも自然体で根気強く。その彼女と韓国でご一緒したことがあります。何と韓国の方たちが日本の朝鮮学校の支援をするというそんなソウルでの集会に行った時です。
いいかげんでちゃらんぽらんな私は、全く不真面目に気まぐれに支援をするだけで・・。恥ずかしいことこの上ないのですが、この彼女のブログもフェイスブックもメチャクチャ有意義で、また楽しいこともいっぱいで、皆さんにご紹介したいのですが。その名前をかってにお知らせするのはアウティングになるのかと、勇気がありません。最近の彼女は支援しているフィリピンの学校の尊敬する先生も亡くし、蝦名さんもなくして、本当に胸中はどんなのだろうかと。何とか彼女を慰めたいのですが。その才能もないもので、ひっそりとアマゾンでこの本を買い、こんな風にしかできないのです。
「クアドラプル プレイ」、ダブルプレイ、トリプルプレイ、その次のプレイ。ぜひご一読を。
布団の中でこんなのを読んでると、眼がますます冴えてしまいましたよ。寝不足の体はますますしんどくなります。
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コメント
紺屋の白袴って言葉を思い出してしまいましたよ!
お大事になさってください。ニトロを必ず身辺から離さないでいてくださいね、おせっかいですが心配になっております。
投稿: うえだみちこ | 2021年10月24日 (日) 16時58分