新型コロナワクチンについて。①
新型コロナワクチンについて、あまりにデマが飛び交っている状況を憂えています。
中でも、「ワクチンを打った人が何人死んだ」というものがあります。ちょっと待って。これは、「ワクチン打った人の中の死者が何人」ということであって、「ワクチンが原因で死んだ」というわけではありません。
例えば厚生労働省の発表で「日本の一日」というのがあります。
https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/16-3/dl/02.pdf
これによると、日本で一日に亡くなる方は3535人。日本の人口は1億2000万人です。
こんな数を出す方もあります。
今年の7月6日現在、接種数約3億3100万回分。内亡くなった方が9048だと。
これは接種3億3100万回分の内の数です。亡くなった理由はがんの人も、溺死の人も交通事故の人もいるでしょう。日本の人口の内の一日で亡くなる人の数の方が少し多いくらいです。
ちなみに日本の一日の内、入院している人は131万8800人。コロナのワクチンを打った3億3100万回分の内、入院は26818人。流産が985というのもありますが、これは、何人が妊娠していたかというような母数がないのでなんとも言えません。日本の流産の統計は取られていませんが、自然死産は2018年には9252です。今妊娠の10に一つは流産します。そのほとんどは染色体異常です。
数字だけ見て、あたかもワクチンを打った人が沢山亡くなっているし流産もしているかのようにとらえるのは間違いです。もう一度言います。打った人の中の亡くなった方がこれだけだということです。
コロナのワクチンの前、子宮頸がん予防ワクチンの副作用のデマで、日本の政治が動きました。WHOは世界中でもっとも安全なワクチンといっているし、世界中の国で打たれています。打ち始めて10年経って「我が国は子宮頸がんは克服した、これからはごくまれにみる珍しい病気になるであろう」という宣言をする国も次々と出ています。
日本は、「副作用」がひどいと言われ、ほとんど接種がストップしています。「名古屋スタディ」というのがあります。名古屋市立大学で、大規模な調査がされました。ワクチンを打った人と打たない人の比較すると、打たない人のほうがむしろ「有害事象」と言われるものが多かったというものです。
https://medical.jiji.com/topics/1184#:~:text=%E5%AD%90%E5%AE%AE%E9%A0%B8%EF%BC%88%E3%81%91%E3%81%84%EF%BC%89%E3%81%8C%E3%82%93,%E3%82%93%E3%81%AE%E7%8A%B6%E6%B3%81%E3%81%8C%E7%B6%9A%E3%81%8F%E3%80%82
私たち産婦人科医は、若くして、子どもを産む前に子宮を取らなければならなくなった人、小さな子ども残して亡くなってしまった人など、子宮頸がんの悲惨な姿を見ています。早く少しでも多くの若者たちに子宮頸がん予防ワクチンを打ってほしいと思っています。
そして、新型コロナのワクチン、またワクチンが有害だという人達が声を大きくして、とくに若い人達がうたないという選択をしています。打つ打たないは個人の選択だとは言われますが、正確な判断材料がないままに選択する人がほとんどなので胸を痛めています。若い人が、たとえコロナにかかっても若い自分は風邪をひいたようなものだから、といっています。でも、人にうつす可能性があるのですからね。
コロナのワクチンまだできて一年、今、壮大な人体実験しているという人もいます。世界中の科学者、研究者、医療者が必死でこの病に取り組み、膨大な論文も出、みんなで情報を共有しながらこの病を克服しようとしている今、製薬会社の儲けのために宣伝しているなどと、邪な言い方はするべきではありません。
明日は、この「まだワクチンができて一年」ということについて、とても説得力のあるドクターの文を転載させていただきます。
クリニックの青野さんのお花。夏らしく涼しく、白いアジサイがとても清楚です。
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