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特別養子縁組:養親への引き渡し、赤ちゃんの養育の開始。

長々と続きますが、特別養子縁組の業務方法書から。私が今回ここまでしつこく書くのは、赤ちゃんの養子縁組の実態をもっと知ってほしいという思いがあるからです。「朝が来る」を大変すばらしい映画だったと手放しに誉めた人がいて。赤ちゃんを産んだ少女に対するフォローが全くなされない、少女があんなことになって行くのを知ってか知らずか、全くタッチしない特別養子縁組あっせん事業者がいるという、たとえそれが映画の世界であっても許せないのです。

もう一つ、あっせんすることによって、大きなお金が動いていることも許せないのです。養親からであれ、国からであれ。

 私は、本来特別養子縁組は、児童相談所などの公的な機関がすべきことと思っています。児相は今も特別養子縁組に取り組んでいるのですから。それと民間と両建てですることによって、そこに様々な亀裂が出来ています。児相の職員をもっと増やして、公的なお金ですれば、こんな今みたいな状況はなくなるのにと思っています。その公的な補助金が、沢山出ている民間の組織と全く出ない民間の組織と。どうしてこんな差が出るのかもさっぱり分かりません。これから、どうなっていくのか、どこに向かっているのか、養子縁組については、国がすることに大きな不信感を持っています。


私は、そう容易なことではないけれど、それでも、二組の人たちと赤ちゃんのために尽力したと、ホッとした思い何度も味わっています。お金にはなりませんが。その喜びがあるからこそ、だからこそ、36年間も続けてこられたのですが。

前置きはここまでにして。業務方法書です。産んだ女性が決心し、養親も決まって。具体的な養子縁組の方法についててです。



  • 養親希望者への引き渡し、児童の養育の実施方法



 養親候補の方には、実親の事情をお話しし、あらかじめ赤ちゃんの受け入れの準備をしていただきます。名前も考えていただきます。


生まれた場合には、私が病院に行って、赤ちゃんと実親に面会もし、写真も撮ります。そして、写真と共に養親希望の方に赤ちゃんの様子をお知らせします。可能であれば、できるだけ早く赤ちゃんに会いに来ていただきます。そして、実の母親が退院すると同時に代わりに教育入院していただいて、ミルクを飲ませたり、おむつを替えたりの練習をしていただきます。何日か練習をした上で、赤ちゃんを連れて帰っていただきます。ですから、その教育入院を受け入れて頂ける病院で出産して頂くことになります。また、双方の希望があれば、実親と養親に対面していただきます。それが、実親にとっては、最後の赤ちゃんとの面会になります。

都合によって(例えば居住地が当方のクリニックと離れている場合など)、出産する病院が当方が推薦する病院と異なる場合もあります。また、その病院が教育入院や赤ちゃんだけの入院を認めない場合もあります。そのような時には、当方とから助産院にお願いして、赤ちゃんの退院後、そこで養親に教育入院をしていただき、赤ちゃんを育てる練習をして、自宅に連れて帰って頂きます。



 養子縁組申立書は、できるだけ早く家庭裁判所に提出したいので、教育入院を済ませて赤ちゃんを連れて帰っていただいく前に、養親と共に書類を作り、一緒に養親の居住する地域の家庭裁判所に提出しに行きます。また、遠方で、私が行くことが不可能な時には、すべての書類を整えて、家裁に提出すればいいようにして、郵送します。私は、家庭裁判所の申し立てをするときに、必ず「上申書」を詳しく書いた物を申立書と共に提出します。この特別養子縁組に至った実親の事情、養親希望の夫妻の状況等をかなりの長文になりますが、したためます。これを読んでいただけば、家裁の調査官も書記官も、裁判官も納得していただけるように願っての文章です。

なお、出生届や特別養子縁組申立書や、上申書のコピーも養親にお渡しし、大切にとっておいて頂きます。将来、子ども自身にも読んでいただけたらと思っています。それから、実母から、手紙やプレゼントも渡されます。それらも一緒に取っておいて、将来養親が子どもに渡し、事実を話すことが出来ればと思っています。

一緒に家裁に申立書を提出しにいくことが出来た時には、家庭訪問もし、その時に子育ての状況の話を聞き、アドバイスもします。広島市内で近場であれば、なんどでも家庭訪問するのですが、少し遠方だとそうもいきません。こんな時べんりなツールが「ライン」です。「ライン」で「いかがですか?大分なれましたか?眠れますか」等と毎日のように聞き、「げっぷがなかなかでなくて」とか「お風呂に入る時大泣きします」とか、返ってくると、それについてのアドバイスをしたり、写真を送ってもらったりします。(その写真は実母にもラインで送ります)


なお、児童福祉法第30条第1項の規定に基づく同居児童の届出の義務について説明し、届出をただちにするように、その書類も当方で作って、養親さんに提出してもらいます。役場では、同居する赤ちゃんの国民健康保険の手続きもしてもらいます。(これが、不案内な役場の方があって、当方が説明に大変な労力を要することがあります。厚労省は、この辺りの通知をしっかりしていただきたいと願います)

全国あちらこちらから、子どもたちの写真が送られてきます。お兄ちゃんがいる所に女の子が迎えられました。

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すみません。もう少し続けます。




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