樋口英明さん「私が原発を止めた理由」
目の前のせねばならないことだけをしている内に、読まなければならない本が一杯溜まりまってしまいました。何より真っ先に読んだのがこれ。
昨年の「8.6ヒロシマ平和の夕べ」に来て頂いた樋口英明さんが書かれた本です。平和の夕べではとてもやさしく、だれでもわかるように原発の危険性を話して下さいました。いえ、其れだけでなく、樋口さんは確固とした人権意識をお持ちで、やさしさにあふれていて。こんな裁判官ばかりなら日本はどれだけ素晴らしい国になることかと思います。
目次です。
ご覧のように、この本では、黒い雨裁判の判決や伊方原発の判決等にも言及されています。そして、司法の責任や、裁判官の姿勢についても。原発裁判の判決を漫然とだしている様々な裁判官への厳しい弾劾も歯切れ良く書かれています。
そして、判決文。
「はじめに」を読んでつい涙ぐんでしまいました。私が中学生のとき日本国憲法の前文を読んで感激したのと同じような感動でした。この後は、福島原発事故について、そして原発の安全性や地震等について、科学的に延々と述べてあります。よくこれだけの理解をされたこと、すごいことと思います。そして、最後にまた感動の文章が。そこを転載させていただきますね。一文字づつキーを打つことで、よりその感動を味わいたいと思います。
「被告は、本件原発の稼働が電力供給の安定性、コストの低減につながると主張するが、当裁判所は、きわめて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題等とを比べて論じるような議論に加わったりその議論の当否を判断すること自体、法的に許されないことであると考えている。このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきでなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことが出来なくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。」
ね、すごいでしょう。太字は私がしたものですが。もう少し続きます。
「また、被告は、原子力発電所の稼働がCO2排出削減に資するもので環境面で優れている旨主張するが、原子力発電所でひとたび深刻事故が起こった場合の環境汚染はすさまじいものであって、福島原発事故は我が国始まって以来最大の公害、環境汚染であることに照らすと、環境問題を原子力発電所の運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである」
多くの皆様に読んでいただきたい本です。
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