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東海第二原発差し止め訴訟原告と伊方原発差し止め訴訟原告のエールの交換です。

伊方原発異議審の敗訴の後の報告会、記者会見では、ほとんど同時にあった水戸地裁の勝訴の原告団支援した方々とのZOOMによるエールの交換が行われました。その場に参加して、本当に感動したので。その様子を再現したいと思いました。

伊方原発を巡る訴訟の包囲網です。こんなに訴訟が行われています。その一つ、山口の島にお住まいの三人の方たちの訴えで、広島高裁の仮処分で運転差し止めの決定が出たのが約一年前。このたびそれがひっくりかえされたのですが、それでも一年間も停めることができたのは、すごいことと思います。


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この度の高裁による異議審というのは、三人の債権者による仮処分の申し立てについて、高裁が差し止めの決定を出してそれに対しての債務者である四国電力が異議を申し立てたというものでした。債権者の方たちは、皆さん瀬戸内海、山口の島にお住まいで、もしも伊方原発が事故を起こせば、遮るものが何もない。海の上から放射能が島を直撃するといわれました。その訴えには胸を打つものがありました。

その会に参加して、私は必死で動画を撮り続けました。そして、そのテープ起こしをしました。とっても大変でしたが、正確にできたと思います。

エールの交換の、まず、水戸地裁で勝訴した東海第二原発の原告団のお一人、魚住道郎さんのエールです。魚住さんは、茨城で有機農業に50年取り組んでいらしゃいます。

写真は小さくてすみません。


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 「魚住道郎といいます。私は子どもの頃山口で生まれ育ち、途中から横浜の方に行って、流れ流れて今茨城で農業をやっています。農業を初めて50年くらいになります。この間に水俣病の運動にも関わり、我々が気にするものは、本当に皆さんが安心して食べられるものでなければいけない。そういう思いで取り組んできました。福島原発の事故を体験した今日ですね、絶対にこれは我々はどの原発も動かしてはならないという風に決意をかため、一番足元の東海原発の訴訟に原告として参加させてもらいました。

 私が有機農業を志したのは、水俣のことがあったのと同時に徳山湾でも水銀汚染がありました。それから食べ物には農薬による汚染がそのころ深刻でした。それは現在もそうです。 私達の体は菌類、ウイルスもそうですけど、微生物と、植物、動物の命を頂いるのですね。その循環の中で我々は生かされているのです。この森里海と我々は最近言っていますが、その森里海の命の循環の中に科学物質や放射能を巻き込むことにはいかない。それをしてしまうと、後代に多大な影響を与えてしまうということに我々は、水俣から教訓として、それから、福島第一原発事故から学びました。


 学んだ以上、それを継続して、より広範な人と連帯してやっていかなければ、後代の若者たち、後代の人たちから、お前たち、一体何をやって来たんだよ。こんな汚い社会にと。それをやってしまったのは私たちなんですね。


 今日、たまたまではないと思うけれど、東海第二原発に勝訴しました。けれどこれはね、福島の人たちに足を向けて寝られないくらいの大きな過ちを犯してしまったのです。我々自身の問題もありますが、かれらに報いなければ、のほほんとした暮らし等できないですよ。今、避難系統のことがありましたけど。避難した福島の人達は ふるさとを奪われているんです。森も里も海も奪われているのです。それにまつわる農業も奪われました。コミュニティを破壊されたのです。その繋がりが壊されて、助けられた命も奪われてしまったわけです。

 この事実を私たちは重く受け止めて、この勝利に喜んでいるだけではなくって、勝って兜の緒を締めるということわざがありますが、我々は次の闘い、第二ステップ、第三ステップ、最高裁までやっぱり闘い抜くんだと。次の世代、若い人たちも巻き込んでですね、この闘いを絶対に後退させないような闘いを続けていければといいなと思っています。」

伊方原発の本訴の原告団である那須圭子さんからのエールです。

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「東海第二原発差し止め訴訟を闘って来られた皆さん、今日は本当におめでとうございます。私たちの方は大変残念な結果になってしまい、今日皆さんと一緒に喜び合うことができないというのは、とても悔しいです。

東海第二原発がもしも過酷事故を起こせば、30キロ圏内に住む94万人どころではない、100キロ以上それから首都圏まで影響が及ぶということは福島第一原発の事故を見ても明らかです。それを皆様こうして食い止めて下さったということですよね。

8年以上に及ぶ皆さんの闘いに心から敬意を表します。

そして、こちらの伊方原発ですけれども、伊方でもしも過酷事故が起きれば、閉鎖的な海域、閉鎖時な内海ですから、その被害は関西から中国、四国、九州まで及ぶ広い範囲での人々の生活を奪ってしまうことになってしまいます。

魚住さん、いま瀬戸内では、ヒジキ、アオサ、フノリ、わかめといった海藻やアサリ等の貝が旬を迎えています。そうした豊かな自然に恵まれた私たちの暮らしが原発に壊されることなく、次の世代に手渡していけるように、これからも私達は本訴も含めて闘い続けるつもりです。


 そして今日の水戸地裁の画期的な勝訴がこれからの全国の原発訴訟の追い風になるように心から望んでいます。
これからも頑張りましょう。よろしくお願いします。ありがとうございました。」

 

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