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産婦人科研修・日本は子宮頚がんの排除は不可能?

今日はリモートにて、広島県の産婦人科研修会でした。午前から一人クリニックにきて、先ほどまでこもってパソコンをじっと眺めていました。明日朝からは夕まで特別養子縁組のこれもリモートの研修です。義務ですので、診療は四方先生に来て戴きます。

今日の研修は二題でした。子宮頸がんと、妊婦感染症についてですが、感染症は、丁度タイムリーに、新型コロナの妊婦感染について沢山の時間を割いて教えて頂きました。


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まず一題目は島根県の産婦人科医会の会長の岩成先生の子宮頸がんの話。定年退職後も、島根県立中央病院にお勤めしていらっしゃいます。島根県は岩成先生が中心となって子宮頸がんのがん検診を細胞診とHPV(子宮頸がんの原因となるウィルス)の併用検診で、全国でもトップの頸がんの予防と治療成績を上げていらっしゃいます。何度か先生のお話を伺いましたが、今日の話は世界、日本、島根の成績を網羅した、とてもいいお話でした。いわゆるエビデンスがしっかりしたお話といいますか。

WHOは、2019年に子宮頸がん排除(撲滅)基準を罹患率(10万人あたり)4未満と定めました。それには、

2030年を目標に

・1)子宮頸がん予防ワクチン(HPVワクチン)接種率(15歳までの女子) ・・  90%
・2)子宮頸がん検診受診率・高精度HPV検診・・・・・・・・・・・・・・70%
・3)前がん病変治療率・円錐切除、レーザー蒸散・・・・・・・・・・・・90%

としました。

オーストラリアは、何と2028年には罹患率4を達成するそうです。2018年にワクチン接種率80%。HPV検診受診率55%、で罹患率は6なのだそうです。

それに比べて日本の現状は。

ワクチン1%、12年遅れ。検診40%、25年以上の遅れ。円錐切除治療は100%達成しているそうです。

特に、日本では、2000年から若い人の子宮頸がん罹患率が非常に高くなっていて、世界に逆行しています。それはさもありなん。ワクチンは打てないし、性教育はできなくなっているし、そして性風俗やSNSが野放しなのですもの。このままでは日本は永久に子宮頸がんの排除は不可能だと言われました。もしワクチンが今のままだと検診率が95%越えないと、だそうです。それは不可能な数字です。

ワクチンについては、これまでも度々このブログでも言っていますが、朗報もあります。9価のワクチンがやっと販売されます。

この研修の続きと、HPVワクチンについてまたお話しますね。

 

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